『どうした?今日は随分無口だな。何か嫌なことでもあったのか?
・・・チェギョン?・・・おい!チェギョン???』
『えっ?・・・なに?シン君・・・』
『っつ・・・聞こえていなかったのか?何を言っても上の空だな。
随分無口だが、何か嫌なことでもあったのかって聞いたんだ。』
『えっ・・・ううん。そんなことないよ。何も・・・ない。』
今日が終わってしまう・・・
チェギョンは運転するシンの横顔を見つめ心の中で呟く
言える筈もない…本当のことなんて何一つとして言えない
あと一週間猶予がある筈だった自由時間は、今日を限りにゲームオーバーとなる
焦りと足掻き・・・そのどちらともつかない想いにチェギョンの心は揺れていた
諦め・・・そう・・・最初から終わることは解っていた筈
なのにチェギョンの心は、今日を限りに逢えなくなる事にどうしようもなく苦しんでいた
『今日はどこに食事に行こうか?行きたいところはある?』
『行きたい所?・・・シン君の・・・住んでいる部屋。』
精一杯の勇気を出して言った言葉・・・
『あ・・・あぁ?俺の部屋?・・・』
『あ・・・あのっ・・・シン君がどんな部屋で暮らしているのか・・・見てみたくって・・・』
『くっ・・・構わないけど散らかっているぞ。』
『そんなの平気・・・』
『そうか?だったら構わない。』
シンはチェギョンを乗せたままテイクアウトできる店で食事を調達し、そして車に乗り込んだ
バックミラー越しにいつもの≪お姉さん達≫の車を確認し、シンは申し訳ないとは思ったが
初めてその尾行を巻くことにしたようだ
チェギョンの様子もなんだか普通じゃない・・・何か胸騒ぎを覚え(今日だけは許して下さい。)と心の中で詫びた
いつもにないスピードで車を走らせ、何度も右折と左折を繰り返す
あっという間に背後にいつもの車は見えなくなり、シンは漸く自分の住むマンションに向かい車を走らせた
時々ちらちらと感じるチェギョンの視線・・・そして耳を澄まさないと聞こえないほどの小さな溜息が繰り返される
(・・・一体何を悩んでいる?)
気になりながらシンは自分の住むマンションの駐車場に車を乗り入れた
オートロック式のマンションのエレベーターに乗り込み最上階を押す
なんとなくチェギョンを部屋に連れてくるのに意識してしまっているシンである
部屋の鍵を開けチェギョンを部屋に招き入れると、リビングにあるソファーにチェギョンを掛けさせ
テイクアウトして来た夕食をテーブルの上に置いた
『少し待っててくれ。今コーヒーを淹れるから・・・』
シンはキッチンに立ち湯を沸かしながら、そっと振り返りチェギョンを窺い見た
(やはりおかしい・・・何か思いつめているような表情だ。チェギョン・・・一体何を考えている?)
そう思いながらコーヒーをドリップしていた時だった
突然背中に感じる人の気配・・・次の瞬間、腰に回されたチェギョンの腕・・・
『チェギョン?』
沸騰したお湯の入ったケトルを持っていたシンは、即座にそれを置くとチェギョンに問い掛けた
『どうした?やはり何かあったのか?』
『シン君が・・・私、好き。好きなの・・・』
『・・・・』
声にならなかった。自分の想いを告げる前に一目惚れしたチェギョンから、まさかの愛の告白を受けたのだ
シンはゆっくり振り向くと、チェギョンの両頬を押さえ顔を上に向けさせた
『チェギョン・・・そう言うことは顔を見て言ってくれないと。』
『シン君が好きなの。どうしようもないくらい・・・好き。』
涙を溜めたチェギョンの瞳が自分を見つめ揺れている
『俺は・・・初めて君に逢った時から、君に囚われてる・・・』
引き寄せられるようにシンの唇はチェギョンにそっと触れた
そしてそれに応える様にチェギョンはシンをきつく抱き締めてくる
何度も重なるその唇は出逢ってからの時間と関係なく、互いを想う気持ちの分だけ深くなり
次第に互いの身体中の温度を上昇させた
そして・・・そうなることが当たり前だったかのように互いを求め合った・・・
零れ落ちるチェギョンの甘く切ない吐息が数を増すごとに、シンの息遣いは荒くなり
二人のシルエットは一つに重なりあう。。。
胸元に顔を埋めたチェギョンにシンは言う
『韓国に戻ったら、正式に付き合ってくれるな?』
『・・・ん・・・・』
『63ビルにまず行こう。』
『・・・ん・・・』
『遊園地も・・・行こうな。』
『・・・っんっ・・・』
シンの胸元にチェギョンの大粒の涙が零れ堕ちた事を、シンは気が付くことはなかった・・・
シンの寝息が聞こえ出した頃、チェギョンはそっとベットから身を起こし着替えを済ませた
そしてシンの頬に触れるか触れないかのところまでそっと手を伸ばす
(シン君。。。ごめんね。本当の事が言えなくてごめんね。
サヨナラも言えなくてごめんね。でも私の気持ちだけは本当だよ。
だけど…忘れる。明日から一生懸命・・・シン君を忘れるよう努力する。
シン君は私にたくさんの初めてをくれたから、他の好きでもない誰かに抱かれる前に
私の一番大切な初めてを、シン君にあげられて良かった。)
たくさんの感謝と未練を込めてその寝顔をじっと見つめ、チェギョンはシンに触れずに部屋を出て行った
マンションを出て行くと女性イギサはマンションの玄関口に車を横付けさせ待機していた
『遅くなって・・・ごめんなさい。』
『いえ。ご無事で何よりです。』
『戻ってください。』
『かしこまりました。』
ホテルに戻っていく車・・・チェギョンがホテルに戻ると同時に、長く滞在したその部屋をチェックアウトし
皇女チェギョンを乗せた車は、まだ暗い夜道を空港へと向かっていく
そして夜が白み始めた頃、チェギョンをはじめとするお供の者達はチャーター機に乗り込んだ
『皇女様・・・お顔の色が優れません。お席をリクライニングさせますので、どうぞゆっくりお休みください。』
『チェ尚宮さん・・・これを処分していただけますか?』
チェ尚宮はチェギョンかずっと使用していたスマホを受け取った
『ですが皇女様、この携帯には思い出が・・・』
『チェ尚宮さん、良いのです。処分してください。持っていたら・・・電話してしまうかもしれません。
もし掛かって来たら、きっと電話を受けてしまうでしょう。お願いします。』
皇女チェギョンの哀しそうな瞳・・・それはシンへの想いに満ちていた
『かしこまりました。』
チェ尚宮はその電源を切ってあるスマホを受け取ると、自分の鞄の中に大切にしまいこんだ
これは皇女チェギョンの最初で最後の恋の形見になるからだった。。。
はいは~~い皆様~~♪
名物の【耐えてゾーン】ですよ~~♪
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
あ・・・シン君が尾行を巻いた筈なのに、なぜ女性イギサは
マンション入り口で待機していたの?そりゃあもちろん
GPS機能が付いているからよ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
昨日はお疲れマンボウで更新お休みしちゃってミアネ~~♪
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