早春のまだ肌寒さの残る朝・・・いつも通り赤い自転車に跨りチェギョンは、今日が最後の制服のスカートを翻し
登校しようとしていた
そんなチェギョンをミンは止めた
『チェギョンちゃん・・・卒業式に自転車だなんて~~!』
『あ・・・でもぉお義母様・・・』
『私とスンレさんも卒業式に出席するわ。さぁ車に乗って!私と一緒に行きましょう♪』
『えっ?本当ですか?』
『ん~~可愛いお嫁さんの卒業式だもの行かなくっちゃ~♪』
『わぁ~~い♪』
屈託なく微笑んだチェギョンは、ミンの車に乗り込んだ
チェギョンがシートベルトをすると、ミンはすぐに車を発進させた
『はぁ~やっと卒業ね。チェギョンちゃん♪』
『はいぃ~~♪』
『シンは仕事があるから卒業式には出られないけれど、帰りには迎えに来るそうよ。』
『えっ?オッパが?あ・・・でもオッパは先生をしていたから・・・目立つとバレちゃいます。』
『もうバレてもいいじゃないのぉ~♪』
『あ~~そうなんですけど、挙式までは内緒の秘密にしておきたいんですぅ。
ほら・・・お義母様、結婚式の招待状だって私だけでしょう?』
『あら~そうなの?挙式でびっくりさせようって魂胆ね。』
『はい。そうなんですぅ~~♪』
『じゃあ卒業式が終わったら、私はスンレさんとお食事して帰りますから、チェギョンちゃんはシンとね♪』
『えへへ~~~♪』
『嬉しい?』
『はいっ!!すごく嬉しいです~♪ようやくあの夫婦茶碗が使えます。』
『あぁ・・・キッチンに飾ってあるお揃いの御茶碗ね。』
『はい。結婚したばかりの頃、オッパに買っていただいたんですぅ~♪』
『おほほほ・・・じゃあそれはあの家でお使いなさいね。母屋にはもう用意してありますからね~♪』
『えっ?用意?』
『ええ。晴れて結婚式が済んだら使って貰おうかと思って~~私が買ってきたのよ。』
『わぁ~お義母様ありがとうございます。』
話しているうちにミンの車は学校の駐車場に到着した
『じゃあお義母様、高校生最後の日を頑張ってまいります。』
『ええチェギョンちゃん・・・有終の美を飾って来るのよ。あとお友達に招待状を渡すの忘れずにね。』
『はいっ♪』
チェギョンは小走りすると校舎の中に入って行った
教室では担任教師ハンが感慨深い思いでクラス中を見渡す
クラスの団結力の強さもあり、誰一人欠けることなく大学に進学が決まったクラスの生徒たち
その一人一人が誇らしげに胸を張り、大学進学への期待を瞳に宿している
中でもシン・チェギョン・・・この生徒には特別な思い入れがあった
他の教科はパーフェクトだというのに、数学だけが並外れてできない生徒だった
入院を余儀なくされたとき・・・このシン・チェギョンの事が一番気がかりだった
まさかそのシン・チェギョンが代理で担任を頼んだイ・シンと結婚しようとは・・・
(人生には本当に不思議な縁があるものだな。)
ハンは感慨深くチェギョンに一瞬視線を向け・・・すぐに他の生徒に視線を向けた
やがて卒業式の時間が迫り、生徒たちも担任教諭も体育館に入場していった
後ろの席では生徒たちの家族が、子供の旅立ちを祝福し見守っていた
中でもチェギョンの母イ・スンレにとっては、手元を離れて久しい娘の卒業は感極まるものがあった
もうイ家に住むようになってから二年半・・・とうに嫁に出した娘だったが、高校を卒業する年齢に達し
娘がもっと遠くに感じられる寂しい日でもあった
綺麗にプレスされたブレザー・・・満面の笑みのチェギョンは、涙ひとつ見せずにクラス代表として卒業証書を
受け取った
『スンレさん・・・チェギョンちゃんは大人になりましたね。』
『ええ。この二年半でずいぶん成長しました。これもイ家の皆さんのおかげ・・・
ミンさん、今後共チェギョンの事をよろしくお願いいたしますね。』
『ええ。チェギョンちゃんはしっかりお預かりしますので・・・いいえ!いただきますので
どうぞご安心くださいね♪』
『はい。』
笑みを浮かべたスンレだったが一抹の寂しさが胸の中を駆け抜けるのを感じた
卒業式を終え再び教室に戻った生徒たち
ハンは祝福の言葉をそれぞれに掛け、感慨深い思いで生徒たちを見送った
そんなハンの元にチェギョンがそっち近づいた
『ハン先生・・・三年間本当にお世話になりました。あの・・・これ・・・』
チェギョンが手渡そうとしたのは結婚式の招待状だった
本当に近しい人には挙式からの招待状を渡すことになっていた
ハンは微笑むとそれを突き返した
『チェギョン・・・私の元にはもう届いているぞ。』
『えっ?そうだったんですか。』
『ああ。あちらの方が付き合いが古いからな。ははは・・・。
チェギョン。私よりも渡さなきゃならない人たちがいるだろう?』
『えっ?それは・・・?』
『校長先生と教頭先生だ。』
『あっ!!そうでした~~!!』
『すぐに挨拶に行ってきなさい。お二人はお前の事をずっと守ってくださった。』
『はい。お礼かたがた招待状を届けてまいります。ではハン先生・・・また当日に。』
『ああ。妻も同席させてもらう。可愛い花嫁さんを期待しているよ。』
『はいぃ~♪』
廊下は走らないのが鉄則なのだが、チェギョンは招待状を配る人が多かった
急いで校長室のドアを叩いた
<トントン>
『卒業生のシン・チェギョンです。校長先生失礼いたします。』
『どうぞ。』
校長室に入って行くと、コン校長とチェ教頭が満面の笑みでチェギョンを迎えてくれた
『校長先生・教頭先生・・・色々とご配慮いただきありがとうございました。
つきましてはこれ・・・招待状なのですが・・・お祝いは無しと義父・義母から言われておりますのでどうかお気軽にお越しいただけませんか?』
『もちろん伺うよ。』
『私もお祝いに駆け付けますよ。』
『前例のない私の結婚を見守っていただき、本当におありがとうございました。』
『幸せになりなさい。』
『はいっ!必ず幸せになります♪』
満面の笑みで深々と頭を下げたチェギョンは、校長室の入り口でもう一度頭を下げ去っていった
『みんな~~まだ帰らないで~~!!』
『チェギョンどこに行っていたの?探していたんだよ。』
『ごめんごめん~~!!』
チェギョンが友人達の輪の中に入って行く・・・
友人達とは・・・毎年一緒に海水浴に行っていた6人の友達だ
毎年チェギョンを置いてきぼりにした友人ではあったが、チェギョンにとっては気の置けない仲間だった
『あ・・・あのさ・・・みんなに渡したいものがあるんだ。』
『なに?』
『なによ~~プレゼント?』
チェギョンはカバンの中から結婚披露パーティーの招待状を取り出し、6人の友人一人一人に手渡した
『なに・・・これ・・・』
『あんたの名前が書いてあるけど・・・』
『結婚披露パーティーの招待状だよ。』
『結婚・・・・?誰が?』
『わ・た・し❤』
『『えぇーーーーーーっ!!!』』
そこにいた6人は驚愕の表情でそれぞれに叫んだ
今まで彼氏の話さえなかったチェギョンがいきなり結婚とは・・・思ってもいなかったのである
『ど・・・どういうこと?』
『結婚するの。(正確にはとっくにしてたんだけど・・・)』
『あ・・・相手はどんな人?』
『それは~~来てからのお楽しみ~~♪じゃあみんな、絶対に来てね~♪』
校門の外にシンの車が到着したことを知ったチェギョンは、友人たちに手を振ると走り出した
あの校門を出るとシンが待っている
挙式まで新郎の存在は内緒にしておいた方が楽しい
挙式の時に友人たちはものすごく驚くだろうから・・・
彼女達の驚きの表情を思い浮かべながらチェギョンハ校門を出て行った
『チェギョン・・・卒業おめでとう。』
シンは花束を抱え運転席から降りようとしていた
チェギョンハすぐさま助手席のドアを開けると車に乗り込んだ
『オッパ・・・早く車を出して。』
『あ・・・あぁ?』
『挙式まではオッパの事内緒にしたいんですぅ。早くぅ~~♪』
『くっ・・・わかったよ。じゃあ食事に行こうか。』
『はいぃ~♪』
制服姿のチェギョンは堂々とシンの助手席で満面の笑みを浮かべた
これが最後の制服姿だ
シンとチェギョンは今までデートできなかった分を埋め合わせるように、とても幸せそうに小さなレストランで
ランチを楽しむのだった
挙式まで・・・あと三日・・・ようやく二人の想いは成就する
今日は~二年ぶりに友人たちとランチしてきました❤
帰ってきたの四時だったの・・・
やればできるじゃんアタシ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
そうそう!!例の御悩み事なんですが・・・
上手く削除要請ができなくて・・・
今後も変な記事をアップするかも・・・
気にしないでやってくださいね♪
もう昨日はクタクタになったよ(号泣)