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Channel: ~星の欠片~
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晩夏の熱風 28

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チェギョンが大学の合格内定を手にした頃・・・ソウルから遠く離れた場所でミン・ヒョリンは教職に就いていた

韓国芸術高校での失態はすでに広まっていて、縁故採用もままならなかったが・・・ようやく決まった学校で

気持ちを入れ替え人生を一からやり直していた

決して不正など働かず生徒に贔屓などせず、まっすぐ生きることを目標に決めた

あれからカン・インとは連絡が取れない

電話も繋がらなくなり逢うこともできなくなった

そうなって初めて、自分がいかにカン・インに依存していたかを知るミン・ヒョリン

今更気が付いたところでもう遅いのだが、それでも万が一再会できた時には・・・せめて胸を張って逢いたい

その一念でヒョリンは性根を入れ替え頑張っていた

だが・・・いくら頑張ったところで、ずっと傍にいてくれたカン・インの心がヒョリンの元に戻ることはない



片やカン・インは父親の元で仕事をしていたが、次男であるがゆえにいくら仕事ができても

常に後継者である長男の陰になるしかなかった

そんなインを不憫に思った父親は、経営するカン電子とは別会社を立ち上げインをそこの責任者・・・

つまり代表に据えた

インは水を得た魚のように仕事に精を出し、新会社はみるみるうちに業績を伸ばしていった

そしてそんなインの仕事ぶりを高く評価した取引会社社長の娘と二度目の恋に落ちた

ヒョリンの呪縛から解き放たれたインにとって、その女性は非常に魅力的な女性であり

インはヒョリンの事を心の奥に沈め夢中になっていった




『チェギョン・・・支度はできたか?』
『はい~~もうお洗濯物も干したし、いつでも出掛けられます~♪』
『そうか。今日はシン家のご両親も一緒だから、別行動になるな。』
『えっ?そう・・・なんですか?』
『あぁ。店の方で待っている。』
『わかりました~♪』

本日は婚礼衣装を両家で見に行くのだが、大学の合格が内定したからといってまだ卒業までは時間がある

結婚から苦節二年・・・ここまで来て結婚の事実が世間に知られては大変だと、本日シン家の両親が

チェギョンを迎えに来ることになっていた

シン・ナムギルの運転する車が到着した時、チェギョンは嬉しそうに駆け寄り車の後部座席に乗り込んだ

『じゃあシン君・・・後ほどブライダルサロンで・・・』
『はい。また後ほど・・・お義父さん。』

チェギョンを後部座席に乗せどこか上機嫌でシン家の車が走り去った後、シンは両親を後部座席に乗せ

ブライダルサロンへと急いだ


ブライダルサロンへ向かう車の中・・・チェギョンの父ナムギルは、バッグミラー越しにチェギョンに話しかけた

『チェギョン・・・シン君と一緒に暮らすようになって二年。別に構わないんだよ。性格の不一致とか・・・
(もちろん性の不一致はないだろうが)あるなら、家に戻ってきても・・・』
『えっ?・・・お父さん何言ってるの?』
『本当よあなた。いまさら何を言っているの?』
『いや・・・このままでは世間にチェギョンはイ家の嫁だと認識されてしまうだろ?
今ならまだ間に合うなと思って・・・』
『お父さん・・・私が望んで結婚したんだよ。それにオッパはとても優しいし・・・大学の学費も出してくれるって・・・
あんなにカッコよくて優しい旦那様はいないと思うけど?』
『そうよあなた。チェギョンが幸せなんだから水を差さないの!』
『はぁ・・・そうなのか。』

男親という者はなかなか諦めが悪い・・・



ブライダルサロンに到着した両家は、別々に案内され・・・やがて特別室に通された

そこには新郎新婦の年齢層に合った婚礼衣装がすでに何着も用意されていた

『まぁ~素敵♪スンレさん・・・こんなの・・・もう一度着たいわね~~♪』
『本当に溜息が出ちゃうわ。私達も若かったらねえ・・・』
『いやぁ~~チェギョンちゃん♪早く片っ端から試着して~~!!』

テンション高めの両家の母に催促され、本当に片っ端から試着させられるチェギョン

シンもチェギョンの試着したドレスに合わせて、タキシードを試着させられる始末

着せ替え人形のようなチェギョンも、ドレスを十着以上も試着させられるとさすがに疲れてきたようだ

『オッパ・・・オッパが気に入ったのにします。母たちの意見を聞いていたら一生決まりそうにありません~~!』
『くっ・・・確かにそうだな。チェギョン・・・今着ている淡いピンクのドレスをパーティー用にしよう。』
『はい~~♪オッパはどうするんですか?』
『お前が色ドレスの時は白のタキシードを・・・ウェディングドレスの時は黒のタキシードにしよう。』
『わかりました~~❤じゃあ今オッパが着ているのは挙式用ですか?』
『あぁそのつもりだ。どうだ?』
『すんご~~くよく似合っていますぅ~~❤』
『じゃあお前のドレスと共布でポケットチーフを注文しよう。』
『はいぃ~~♪オッパ…すごく楽しみですぅ~♪』
『あぁ。俺も待ち遠しい。』

まだ公に外を一緒に歩けない二人であるが、いよいよ本物の夫婦に向けて歩き始めることができた


そして・・・それぞれ片方の名前だけの招待状が印刷され、あとは卒業式を待つばかりとなった


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今日はいろんなことでドタバタしちゃって
短めですまんですぅ・・・
義父様が入院しちゃったんですよぉ。ついさっき・・・
もしかしたらむーちゃん出動かも。
その際にはお返事遅くなりますがどうぞよろしく~★

そうそう・・・昨日生まれて初めて
自動ドアに体当たりするという
恥ずかしい経験をしました。
そんな人・・・いないよね・・・(激爆)



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