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Channel: ~星の欠片~
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晩夏の熱風 14

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シンと共に暮らす小さな家の出窓から、シンの車が敷地内に入ってきたことを知ったチェギョンは

慌てて玄関から飛び出した

『オッパが帰ってきた~♪オッパぁ~~!!』

両手を大きく振りながら車に向かって走り寄ろうとしたその時、シンの車の背後に何台もの車が

連なっていることに気が付いたチェギョンは、慌ててまた家の中に戻り出窓からそっと目から上だけを覗かせて

外の様子を窺った

『オッパ・・・お友達連れてきたんだ。きっと母屋に行くよね。あっ・・盛りブラお化けっ!!なんであの人が?
あ~ガンヒョン先生も一緒だ。よかった~~♪』


こっそり覗いているつもりのチェギョンだった

だが・・・目ざといガンヒョンはそれを見逃さなかった

(ん?さっき隣の小さい家から誰かが飛び出してきたわよね。
あ・・・あの出窓から誰か覗いている。あれはどう見ても子猫じゃないわ。
んっ?あの家の前に停まっている自転車・・・あれってシン・チェギョンの乗っている自転車と同じ赤だわ。
あんな色の自転車って他に見たことがない・・・
えぇっ?・・・・まさかね・・・えぇっ?一体どうなってるの?)

その小さな家から覗き込んでいる存在に気付いた者は、イ・ガンヒョンだけだったのは幸いだろう

だがそれは、ガンヒョンの探求心に火をつけるに十分な存在だった



『母さんただいま。』

シンが玄関に入ると同時に、ミン・ヒョリン他大学の仲間がイ家の玄関に入って行った

『おば様~ご無沙汰しております~。ヒョリンです。なんでもシン先輩が子猫を見せてくれるというものですから
押しかけてきちゃいましたわ~♪』

子猫・・・その言葉にミンは先ほど自分が掛けた電話が、他の友人はともかくこのミン・ヒョリンまでも

呼び寄せてしまったことを悟り、いきなり不機嫌そうな顔で答えた

『子猫ちゃんはもう寝ちゃったわ。残念だけど帰って頂戴。』

その厳しい口調鋭い視線も仕方あるまい

ミン・ヒョリンは大学時代シンの友人であるカン・インと交際していながら、シンの存在を知った途端

掌を返したようにシンにアプローチをし始め、最終的にカン・インと仲違いさせた張本人なのだ

様々なことが煩わしくなったシンは、海外に留学という形で三年以上も家に戻らなかった

ミンにとってヒョリンは、≪大事な息子を煩わせた憎いやつ≫でしかなかったのである

そんなミンに同調し口を開いたのはイ・ガンヒョンだった

ガンヒョンは今まで何度となくこの家を訪ねていたが、このように感情的なシンの母を見たことがなかった

(これはヒョリンを早く帰した方がよさそうね。)

そう思ったガンヒョンはカン・インに告げた

『イン・・・ヒョリンを連れて帰った方がいいわ。おば様もご迷惑でしょうし・・・』

その言葉に反応したのは、ヒョリンの方だった

『え~~ガンヒョン先輩、折角来たんですから、せめて寝顔だけでも・・・』

ガンヒョンは敢えて感情的な言い方をしてみる

『ヒョリン・・・アンタがおば様にとっては不愉快でしかないことも分からないの?早く帰りなさい。』

まるで追い立てるようにヒョリンをインの車に乗せたガンヒョン

インの車が去っていった後、ミンはガンヒョンに笑顔を向けた

『ほほほ・・・よく言ってくれたわ。ガンヒョンさん・・・さすがに長い友人ね。さぁ~上がってお茶でも・・・』
『いえ、私はちょっと確認したいことがあるんです。』

ガンヒョンの足は母屋の隣に建つ小さな家に向かった

『あ・・・ガンヒョンさん・・・』
『ガンヒョン!!』

ミンやシンが止めるのも聞かずガンヒョンの足はその家に向かっていく

すると突然その家に点いていた明かりが消えた

(益々怪しい・・・)

ガンヒョンは家の前に停まっている赤い自転車を、携帯のライトで照らしてみる

(シン・チェギョン・・・)

確かにそう名前が書いてある

後から慌てて駆け付けたギョンとファンがガンヒョンに問い掛けた

『どうしたんだよガンヒョン・・・』
『ガンヒョン・・・おばさん困ってらっしゃるぞ。』

二人のそんな言葉に耳も貸さず、ガンヒョンはその小さな家に向かって声を掛けた

『隠れたって無駄よ。出てきなさいシン・チェギョン!!』

ガンヒョンのその声に、消された明かりが再び灯り・・・出窓から小さな頭が外を窺った

(ひぃ~~~っ・・・ガンヒョン先生の仁王立ちだ・・・・)

チェギョンはおずおずとドアを開け、その家から出て行った

『ガンヒョン・・・先生。』
『シン・チェギョン…これはどういうこと?』
『あ・・・えっとそれは・・・』

口ごもるチェギョンの隣にシンは寄り添い、その頭をそっと撫でた

『あ~ガンヒョン・・・とにかく家に入ってくれ。ギョンとファンも一緒に来てくれ。説明するよ。』

シンに誘われその小さな家に入って行ったガンヒョン・ギョン・ファン

家の中をそれぞれに見渡し、その先に出る言葉を想像しているようだ

『チェギョン・・・お茶を煎れてくれ。』
『はいっ!!』

客の三人はガンヒョンを真ん中にしてソファーに腰掛け、シンはお茶を出したチェギョンと共にその向かいに座った

『結婚したんだ。』
『えっ?誰が?』
『俺とチェギョンだ。』
『えっ?何を言っているのよ。チェギョンはまだ高校生で・・・』
『そうなんだが俺達は祖父同士の決めた許嫁で、チェギョンが16歳になったら結婚する約束になっていたらしい。
だけど俺はチェギョンが16歳になった時留学中で・・・高校を卒業したら結婚させようということに
両家で決めたそうだ。』
『なのになぜ結婚したのよ!』

シンの隣でチェギョンが上目遣いで話し始めた

『私が・・・結婚したいって言ったんです。』
『アンタまだ16歳なのよ。そんなに簡単に決めてよかったの?』
『簡単・・・に決めたつもりはないんです。でも・・・≪この人だ!≫って思ったんです。
だから・・・テストで学年トップを獲ったら、結婚してくれるというので頑張ってトップを獲りました。』
『あ・・・それでアンタ今回のテスト、必死だったの?』
『はい~~。』
『シン・チェギョン・・・アタシはね、何もアンタの事を怒っているわけじゃないの。
だけど毎日保健室に日参してきたアンタから、一言の相談もなかったことが悔しいのよ。』
『ごめんなさいガンヒョン先生・・・』
『イ・シン・・・学校側にはどうするの?』
『校長先生と教頭先生はもうご存知だ。』
『そっか・・・。まぁ高校在学中は≪ガンヒョン先生~~生理が来ないんですけど。≫みたいなトラブルは
避けなさいよ。』
『あっ・・・それなら大丈夫です。お祖父ちゃんたちの約束で≪高校卒業までは清い関係で≫って
約束になっているんですぅ~♪』

ギョンとファンはシンに憐れみを込めた視線を向けた

『この家に二人で住んでいるくせに清い関係?』
『シン・・・同情するよ。』

ガンヒョンは屈託なく微笑むチェギョンに告げた

『とにかく周りのみんなにバレないようにしないとね。困ったことがあったら協力するわ。
これと・・・ミン・ヒョリン先生には十分気を付けるの。わかった?』
『はい。もちろんです。』

ギョンとファンは矢継ぎ早にシンに質問をした

『結婚式は挙げていないんだろう?』
『あぁ。チェギョンが高校を卒業したら…と思っている。』
『そうか~じゃあ僕は結婚式の時に映像担当になるよ。だからチェギョン・・・頑張って!!』
『ありがとうございます♪』
『じゃあ俺はハネムーンの往復チケットをプレゼントしちゃおうかな~♪
チェギョン・・・どこに行きたいのか、今から考えておいて♪』
『はい~~~♪』
『とにかくギョン・ファン・ガンヒョン・・・そういうことだからインとヒョリンには内密に頼む。
特にガンヒョン・・・俺はハン先輩が職場復帰したら親父の会社に入るつもりだ。
卒業までチェギョンの事をよろしく頼む。』
『わかったわ。任せておきなさい。』



その小さな家を後にしたギョン・ファン・ガンヒョンは、帰りの車の中で話していた

『シンの子猫ちゃんはあの子だったか~♪』
『まさに子猫よ。好奇心旺盛でとても可愛い子よ。』
『しかし卒業するまで大変そうだな。まだ二年以上もある。』
『私が見守るわ。ギョンとファンもインとヒョリンにバレない様協力してね。ヒョリンに知られたらチェギョンは
学校にいられなくなっちゃうから。』
『うん。』『もちろんさ~♪』

毎朝保健室にやって来る可愛い生徒シン・チェギョン

9歳も年下の高校生がまさかもう人妻だったとは・・・ガンヒョンの胸の内は少々複雑な思いだった



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ヒョリンはイン君に押し付けてフェードアウトでした~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!

まぁ結果的にこの三人に知って貰って
良かったのかも❤


本日・・・我が長男がめでたく20歳を迎えました。
20年ってあっという間だなぁ・・・








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