『あの・・・オッパごめんなさい・・・』
イ家の母屋の隣に建つ小さな家に戻りながら、チェギョンは反省しきりの表情でシンに言った
『何がだ?』
『イ・ガンヒョン先生に見つかっちゃって・・・』
『くくっ・・・ガンヒョンには見つかって幸いだった。まさかお前がガンヒョンと仲良しだったとは知らなかったがな。』
『私もまさかオッパとガンヒョン先生が、大学で一緒だったなんて・・・知りませんでしたぁ。』
家の中に入りリビングのソファーに二人は腰かけた
『あ・・・オッパ、お茶を煎れましょうか?』
『いや、こんな時間まで風呂にも入らず待っていたんだな。遅くなってすまない。』
『いや~~パジャマ姿をオッパのお友達に見せなくてよかったですぅ。』
『くくっ・・・まぁそうも言えるな。』
『オッパ・・・お風呂にどうぞ。』
『いや、お前が先に入っていい。俺は少し母屋に行ってくる。』
『そうですか?じゃあお先にいただきま~~す♪』
『あぁ。』
シンが再び家を出ていくのを見届けて、チェギョンは浴室に向かった
イ家の母屋ではシンが心配していただろう母に、先ほどの一件を報告していた
『母さん・・・心配かけてすまない。』
『もぉ~気が気じゃなかったわ。それで・・・どうなったの?ガンヒョンさん達はなんて?』
『あぁ。どうやらチェギョンンはガンヒョンと親しかったらしい。結婚の事で自分に前以て相談がなかったと
怒っていたが・・・もう大丈夫だ。ちゃんと事の経緯を説明し理解してもらったよ。』
『そう。だったらよかったわ。ミン・ヒョリンには内緒にしてくれるって?』
『あぁもちろんだ。あの家に誰かいることに気が付いたから、ヒョリンをインと一緒に帰したのだろう。
相変わらず機転の利く女性だよ。』
『そう。ヒョリンがあんな調子じゃあ・・・イン君とはなかなか元通りの仲には戻れそうにないわね。』
『インもそのうちわかってくれるだろう。とにかくガンヒョン達は俺達の味方になると
約束してくれたから安心してくれ。』
『本当によかったわ。ヒョリンの顔を見た時には一体どうなることかと思ったもの。でもこれで安心ね。』
『あぁ。』
『あとはハンさんが学校に復帰するのを待つばかりね。』
『あぁ。ハン先輩にも何れは、チェギョンと結婚したことを言わないといけないよな?』
『そうね。あなたが学校を去る時には、チェギョンちゃんの事をお願いして去りなさい。』
『そうするよ。』
母ミンの心配事を解決したシンは、自分の住む家に戻っていく
すると風呂上がりのチェギョンが頭にタオルを巻いたままキッチンに立っていた
『チェギョン・・・髪を乾かしなさい。』
『あ・・・オッパ、お帰りなさい。オッパがお風呂を上がったら乾かします。お風呂にどうぞ♪
私はコーヒーを淹れておきます❤』
『あぁ・・・わかった。』
チェギョンの言う通り風呂に向かったシンではあったが、なかなか微妙な心情だった
決して色香を振りまいているわけでない。逆に清潔感溢れる就寝スタイルなのだが、
長い髪をハンドタオルで包んだせいで、うなじで遊ぶおくれ毛が妙に艶めかしいのだ
(頼むから早く部屋に入ってくれ・・・)
入浴後のお茶の時間、いつもそう願うシンである
だが・・・今夜はそれ以上の誘惑がシンを待ち構えていた
『あ・・・オッパ、お風呂上がりました?そこに腰掛けてください。今コーヒーをカップに注ぎます。』
『あぁ。』
キッチンのテーブルの隅にある数学の教科書・・・シンはそれを見てギョッとする
(まさか・・・この格好で勉強を教えろと?)
その不安はどうやら的中したようだ
チェギョンはシンの前にコーヒーの入ったカップを置くと、その隣に自分用のホットココアを置き
二人の間に教科書を置いたのだ
『チェギョン・・・今夜はもう遅いから・・・』
『えっ?オッパ、今日の授業で解らなかったところがあるんですぅ~~!それだけっ!!その説明だけ
お願いしますぅ~~!!』
『っつ・・・仕方ないな。』
ただでさえ≪つけていない≫パジャマの下が気になって仕方がないのに、シンの説明を聞きながら
ノートを取る腕の動きに合わせ胸元がわずかに開くのだ
(っつ・・・・)
元々制服を着ている時から決して貧相ではないチェギョン
なのに≪つけていない≫状態の時に間近にいるのは、シンにとって拷問でしかない
湯上りの仄かに立ち上るボディーソープの香り・・・シンは今にもクラクラしそうな気分だった
(こんな子供相手に・・・)
そう自分を戒めてみるが、よく考えてみれば結婚しているのだから子供だとは言えない
(あぁ・・・)
苦悩するシンの胸中など知らず、チェギョンは上目遣いで質問を投げかける
『オッパ・・・ここは?どうしたらいいですか?』
『あぁ・・・ここは・・・』
指先と指先が触れ合う
その度にシンの心臓は自分のパジャマのボタンを弾け飛ばしそうなほど高鳴る
(色即是空・・・s規則是空・・・)
必死に自分を鎮めようとするシン
そんなシンの想いには全く気が付かず、純粋な視線を向けてくるチェギョンがシンにとっては憎らしい程だった
(入浴後はもう・・・絶対に勉強は教えない。)
そう心に誓うシンだった
それからも新米女子高生主婦チェギョンは、毎日忙しく家事をこなしながら学生生活を送っていた
そんなある日・・・朝、いつものようにイ・ガンヒョンに挨拶に行った時の事だった
『チェギョン?アンタ・・・』
『へっ?』
『顔が赤いわよ。』
『おっ?』
ガンヒョンはチェギョンの顔がいつになく赤いことに気が付き、慌ててその額に手を当てた
『アンタ・・・熱いわ。』
『えっ?』
『そこに寝なさい!』
『は・・・はいぃ~~!!』
ガンヒョンは体温計を持ってきてチェギョンの熱を測った
『ほら!!アンタ・・・39度もある。』
『えっ?』
『えっ?じゃないわよ。自覚はなかったの?』
『全然・・・』
『困った子ね。ちょっと待ってなさい。今イ・シンを呼ぶから・・・』
『あ・・・少し休んでいればきっと下がりますぅ。』
『そういう感じじゃないわ。おとなしくしていなさい!!』
『はいぃ~~。』
ガンヒョンに促され横になった保健室のベッド
ガンヒョンから連絡を受け、シンはすぐに保健室にやってきた
『チェギョン・・・一体どうしたんだ?』
『熱が…あるそうですぅ~~。』
『イ・シン・・・アンタは授業があるから教室に戻らなきゃならないし、アタシが病院に連れて行って
それから家まで送り届けるわ。』
『あ・・・いや、母に来てもらおう。』
『馬鹿ねアンタ。そんなことして万が一ヒョリンに気付かれたらどうするの?』
『あ…確かにそうだな。』
『そういう事だからシン・チェギョンは早退でさせるわ。』
『あぁわかった。チェギョン…おとなしく寝ているんだぞ。』
『は・・・はいぃ~~!!』
イ・ガンヒョンに連れられ学校を早退したチェギョンは、その足で病院に連れて行かれた
医師は≪疲れが出たのだろう≫との診断だった
ガンヒョンに送られてイ家に戻ったチェギョンは、そのまま自室でゆっくり身体を休めた
慣れない家事と学校生活の両立で、知らないうちにチェギョンは疲れが溜まってていたのかもしれない
それはもちろん望む人と結婚できた喜びに、チェギョンがあまりにも張り切り過ぎたせいだった
まぁ張り切りたくなるチェギョンの気持ちもわかるってね。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
しかし・・・よく降りましたね。
鉢植えにコケが生えてたよ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
明日から天気が少し回復するみたい。
お日様が恋しい~~❤
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
しかし・・・よく降りましたね。
鉢植えにコケが生えてたよ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
明日から天気が少し回復するみたい。
お日様が恋しい~~❤