みんな~~なんだか話がぶっ飛ぶけど、どうやらここの管理人が
もうラストシーンを頭に描いているみたいなんだ。
だから話をぶっ飛ばすよ~~♪
オレとミヨンはそれからも順調に想いを育てていったよ。
時に父さんや母さん・お爺ちゃんやお婆ちゃん・・・そして三人の小姑達の目を掻い潜り
二人で内緒のお出掛けなんかもしたけど・・・父さんと母さんは段々そんな状況にも慣れたというか、
理解を示すようになって行ったんだ。
もちろん全面的にオッケーってわけじゃないけど、認めざるを得ない部分もあるんだろうな。ククッ・・・
オレが大学四年生になった時、お爺ちゃんがポツリとオレに呟いたんだ。
『シンは大学を卒業したらお父さんの会社に入るんだろう?』
『うん。そのつもりだよ♪』
『じゃあそろそろお爺ちゃんは隠居して、シンにお爺ちゃんの仕事をを任せようかな。』
『えっ?お爺ちゃん何言ってるの?オレ・・・そんなの無理だよ。社会人一年生でそんな重要な仕事
出来る筈ないよ。ダメだよお爺ちゃんそんなの・・・』
『はははっ・・・なにもシンにイ・カンパニーの社長に成れと言っているわけじゃない。
そろそろお爺ちゃんも現役の座から退いて、気楽な会長になろうかなって言っているんだ。
つまり・・・お爺ちゃんの会社のイ・カンパニーとお父さんの立ち上げたシン・コーポレーションを合併して
更に地盤を固めていこうという考えなんだよ。シン・・・だからしっかりお父さんを助けてやってくれよ。』
『うん。もちろん!それならしっかり頑張れるよ。』
お爺ちゃんはそれから本当に二つの会社を合併させて、イ・カンパニーの名誉会長の職に就いた。
父さんはさらに大企業の社長さんに成って非常に忙しそうにしている。
オレは学業の傍ら度々父さんの会社に顔を出し、父さんから色々教えて貰う様になった。
大学を卒業したらなんの心配もなく、父さんの会社に入り父さんの片腕になろう。
卒論を必死に書き上げ・・・オレの中に揺るぎない未来のビジョンが広がっていく・・・そんな時だった。
ミヨンが・・・突然真剣な顔で俺の部屋を訪ねて来たんだ・・・
『シン君・・・あのね・・・ちょっと相談したい事があるんだけど。』
『なんだ?ミヨン・・・ひょっとして卒論にてこずっているとか?』
『違う。違うの・・・』
『だったらなんだよ。そんな真剣な顔して・・・よほど重要な相談なんだろう?』
『うん・・・すごく重要・・・』
一体何がそんなに言い難いんだ?ミヨンはなかなかその相談事とやらを言い出さない。
『なんだよ~言えよ~♪』
『あのね・・・シン君、私・・・』
また口ごもる・・・あぁ~焦れったくなってきたぞ!!
『ミヨン!!』
焦れたオレが急かすように声を掛けたその時・・・ミヨンは俯いたまま小さな声で呟いた。
『シン君・・・私、赤ちゃんが出来た・・・』
あ?赤ちゃん??・・・えっ・・・オレひょっとして大失態・・・か?
『どうしたらいいのか解らなくて・・・』
『どうしたらいいって考えるまでもないだろ!・・・産むに決まってるだろ?
遅かれ早かれその日は来る予定だったんだから。
結婚しようミヨン。いいだろ?』
『本当?本当に?私・・・シン君になんて言われるのか怖くて・・・』
『馬鹿だなミヨンは・・・じゃあ、父さんと母さんに話して来るよ。ミヨンは部屋で待ってて!』
『ううん。シン君、私も一緒に行く。』
『解った。じゃあ一緒に行こう。』
ん~~思い当たる節といえばクリスマスのお泊りデートの時だな・・・
ミヨンの不安そうな顔が漸く和らいだ。オレに話すまでどんなに怖かったんだろうな・・・
ミヨンと二人一階に降りて行きながら、オレはオレを身籠った時の母さんの事を思った。
母さんはその時相談できる人が一人もいなくて、一人でオレを産むことを決めたんだ。
どんなにか不安で怖かっただろうな・・・
母さんがその時オレを産んでくれたから今の幸せがあるんだ。
オレはその時の母さんの選択を心から感謝した。
それと同時にきっと母さんにはすんご~く怒られるのだろうと覚悟を決めた。
だけどミヨンを泣かせるつもりはなかった。もちろんこの責任はすべてオレにある。
オレとミヨンは神妙な面持ちで、父さんと母さんが寛いでいるリビングに入って行った。
幸いジュンギ・チェリム・イルはもう眠ったようだ。子供に聞かせるには少し刺激が強いからな。ククッ・・・
『父さん母さん・・・少し話があるんだけど・・・』
『なあに?シン、ミヨンちゃんとお揃いで♪』
『まぁ座りなさい。』
オレとミヨンは両親の前に腰掛け、そして徐に現実を付きつけた。
『実は・・・ミヨンに赤ちゃんができました・・・』
『えっ?』『あぁっ?』
父さんと母さんは呆気にとられた顔つきでオレを見つめた。いや・・・母さんは確実にオレを睨んだ。
『すみません・・・』
『シン・・・あなたって子はあれほど言ってあったのに、どうしてそんなこと・・・』
『ミヨンを泣かしたりしないよ。もうすぐ卒業だしちゃんとミヨンと家族になろうと思ってる。
ずっと昔からそう決めていたんだ。だから・・・順番が違っても・・・怒らないで・・・』
『怒るわよ!怒るに決まってる!!』
思った通り相当お怒りの母さん・・・その気持ちはよく解るよ。
だけどそんなオレ達の肩を持ってくれたのは父さんだ。
『チェギョン・・・シンはミヨンちゃんに誠実なな男だ。ミヨンちゃんとお腹の赤ちゃんを
守ると言っているんだ。あの時の俺よりよほど立派だ。そうだろう?
怒っていても仕方がない。妊娠したと解った以上、早く話を進めなければいけないだろう?』
『・・・そうねシン君。ミヨンちゃん・・・病院には行ったの?』
『いえ・・・まだです。まだ検査薬で試しただけで・・・』
『そう・・・一人じゃ心細いものね。じゃあ早速、明日一緒に病院へ・・・』
母さんがそう言いかけた時、お爺ちゃんとお婆ちゃんがリビングに飛び込んで来たんだ。
つまり・・・こっそり聞き耳を立てていたってことだ。
『ミヨンちゃん、明日チェギョンちゃんと三人で病院に行きましょう~~♪
まぁ~~曾孫だなんてどうしましょう~~おほほほほ♪』
『どちらが生まれて来るかな。楽しみが増えたな。』
お爺ちゃんとお婆ちゃんは、まるでオレがこの家に初めてきた時の様なハイテンションだ。
こうなったら話が進展するのが早いイ家だ。
翌日ミヨンは病院に連れていかれ、正式に妊娠していることが確認できた母さんは
ミヨンの家に結婚の申し込みに伺うことを連絡した。
ミヨンのお母さんもそんな急な申し出に何かを察したらしい。
キムさんと二人でペンションの宿泊客がいない日にこちらに出向いてくれたんだ。
つまり・・・報告をする前に妊娠を悟られてしまったというわけだな。クククッ・・・
ミヨンの亡くなったお父さんにも挨拶に行って、いよいよ忙しくなってきたオレ達だった。
オレ達・・・大学を卒業したら挙式が決まった♪
お婆ちゃんやお爺ちゃんはこの界隈で一番大きい教会で挙式させたかったみたいだけど、オレには挙式したい
場所があった。
それは父さんと母さんが挙式したあの教会。オレ達にとって思い出深い教会だ。
そこしか考えられなかった。
早速予約を入れ大学を卒業してすぐ挙式することとなったんだ♪
新婚生活はこのままイ家で送ることにした。
なぜならオレ達は今まで散々子守りをさせられて来たんだ。
今度は母さんやお婆ちゃんに手伝って貰うべきだろ?
ミヨンの身体も心配だしイ家には子育ての先輩が二人もいる。ミヨンも俺の考えに賛同してくれた。
オレ・・・秋になったら父さんに成るんだ。なんだかすごく恥ずかしい様なこそばゆい感じだけど
ミヨンも生まれてくる子供も絶対に泣かせない。幸せにする。これだけは自信持って言える。
母さんがして貰えなかった事を、父さんがしてあげられなかった事を・・・オレはミヨンにしてあげるんだ。
もし生まれてきた子供が男の子だったら≪シン≫って名付けようかな~♪
一家に三人シンだなんて・・・相当ややこしくなるだろうな。クククッ・・・
では~~次回のお話で
シンシンを完結させていただきますね~❤
シンシンを完結させていただきますね~❤