思いがけず結婚写真を撮ることが出来た私達夫婦
親友夫妻やギョムにも囲まれたウェディングドレス姿なんて、夢のまた夢の話だった
興奮冷めやらないまま元々着て来たフォーマルウエアに着替え、皆の待つレストランに戻っていった私達
そしてそのレストランと目と鼻の先の教会で起こったサプライズを、シン君はコン内官やチェ尚宮に
事後報告していた
『実は・・・親友たちの計らいで妃宮がウェディングドレスを着たのだ。』
『さようでございましたか。それはさぞお綺麗だったことでしょう。
ですが殿下・・・私には一言前以て言ってからお出掛けくださいませんと、心配になるではないですか。』
『くくっ・・・すまなかったコン内官・チェ尚宮・・・』
軽く仕える者から苦言を呈されながらも、始終笑顔のシン君
やはり一般人の様な行いを、自国から遠く離れた地で実行できたことが嬉しくて仕方がなかったようだ
もちろんこんな事は自国だったら叶う筈もない話だ
チョン夫妻から手厚いもてなしを受けた私達東宮一行は、チョン夫妻とユル君夫妻に挨拶をし
迎えに来た貸切バスに乗り込むと滞在先のホテルに戻っていく・・・
ところがホテルに戻るその途中でバスは急遽停車をしたのだ
一体どうしたのだろうか?そう思った矢先・・・バス内にマイクを使ったギョン君の声が響いた
『さて皆様・・・お疲れのところ恐縮です。このすぐ先に沈む夕陽がそりゃあもぉ~~美しすぎる観光スポットが
存在いたします。まさかここまで来て・・・これを見ずに帰るわけにゃ~いきません。
さぁ皆様、バスを降りて夕日を眺めに参りましょう~~♪』
ギョン君らしいアナウンスだ。それにさすが新婚旅行で訪れただけあって・・・素敵な場所は外さない
私達はぞろぞろとバスを降り、ギョン君先導の元絶景スポットに向かって歩いて行く
足場があまり良くない為ギョムは私が抱きその場所を目指した
程なくして空が茜色に染まっていく
そしてどこまでも続きそうな水平線に、今まで見た事もないほど大きな太陽が沈んでいこうとしていた
『おぉ~~~っ・・・』
『うわぁ・・・・』
誰もが皆そのあまりにも美しい光景に見惚れ、溜息を洩らした
ゆっくり・・・ゆっくりと水平線を赤く染め、太陽が沈んでいく
『ギョム・・・見てごらんなさい。すごく綺麗よ。』
胸元に抱いたギョムにそう話しかけたところ、ギョムはすっかりお休みモードの様だ
道理で重いわけだ。
『折角こんな綺麗な夕陽が見られるのに・・・』
残念そうに呟いた私に、シン君はギョムが眠ってしまっている事に気が付き、私からギョムを取り上げると
自分の胸に抱いた
『くくっ・・・疲れてしまったんだな。今日は色々なことが起こったから・・・・
夕陽はいつかギョムが愛する人と一緒に見たらいい。』
『そうだね・・・』
そう言って水平線に沈んでゆく夕陽に目を向けた私達
夕陽の赤い光を帯びた水平線の輝きは、私達の頬も赤く照らした・・・
ホテルに戻った私達は全員揃って展望レストランで食事を摂った
ギョムは相当お疲れの様子で、食事もそこそこに眠ってしまうというありさまだった
必然的に私達は、ギョムに邪魔されることなくハワイ最後の夜を甘い時間に変えた
一瞬頭の中に≪お友達を脱出するユミ≫が過ったが、それもシン君によって次第に薄れていった
二度目の結婚式を挙げたんだもの・・・いた仕方ない・・・くすくす・・・
ギョムが眠ってしまったのをいい事に、久し振りに夫婦の甘い時間を愉しんだ俺達
いつも防御壁のようにチェギョンに纏わりついているギョムも、今日ばかりは連れ回された疲れのせいか
それともチェギョンのウェディングドレス姿の夢でも見ているのか・・・笑顔のまま熟睡している
ドレス姿に興奮冷めやらないのは、もしかしたら俺の方かもしれないな
挙式当日・・・婚礼の儀の時とは違い妻にこの上なく優しく触れることが出来る
一瞬俺の頭の中に三組の夫婦が赤ん坊をあやしている図が浮かんだが・・・
ひょっとしたらそれも十分ありうる事なのかもしれないな。くくっ・・・
翌日、朝食を済ませた後貸切バスに乗り込み空港に向かった俺達
空港ではイギサに囲まれながら、三陛下に土産を買うのを楽しんだ
もちろん目先の変わった物など探す時間は無く、マカダミアナッツのチョコレート・・・これが精一杯だったがな
だがこの場所に来た時よりも大きな箱一つ分だけ俺達の荷物は増えた
チェギョンのウェディングドレス・・・これはチェギョンが親友達から贈られた大切なドレスだ
東宮に持ち帰り大切に保管しようと思う
無事チャン航空の小型ジェット機に乗り込み、自国の地に降り立った俺達
短いお忍びのバカンスはマスコミ関係者にも露見することなく無事終了した
三陛下の元に帰国の挨拶に伺った俺達
ギョムはハワイでの様子を事細かに話して聞かせた
『陛下・・・お母さまがドレスを着たんです♪』
『ほぉ・・・それはさぞ美しかった事だろうな。』
『はい~~♪真っ白なドレスですよ~~♪すんご~~くきれいでした。』
『真っ白?』
子供のギョムにとってはユル夫妻の挙式よりも、母であるチェギョンがウェディングドレスを着てくれたことの方が
大事件だったようだ
ギョムのそのセリフから俺達が二度目の挙式をしたことが露見してしまい、結局俺達はハワイでの
友人だけが立ち会った挙式の事を話す羽目となった
出来る事なら・・・秘密にしておきたかったのに・・・
皇太后様は目を細めその様子をギョムに熱心に問い掛けていた
『お写真・・・撮りました~♪』
『おぉそうか。私にも見せてくれるかのぉ・・・』
『はい~~♪ギョンおじちゃんのカメラに入っているので、今度お願いしてみます~♪』
どうやら俺達の二度目の挙式の写真も、三陛下の目に触れることとなりそうだ
後日・・・帰国したユルとユミが挙式を済ませた報告に宮殿を訪れた
ユミは皇太后様から頂戴した真珠のネックレスが相当嬉しかったらしく、その日も身に着けていた
『皇太后様・・・妃宮様とお揃いの物を私にもいただけるなんて、これ以上の感激はありませんでした。
本当に感謝いたします。』
『いやいやとんでもない。こんなことしかしてやれぬのでな。』
ユルはソ・ファヨンの財産のすべてを処分し、小さな慈善事業団体を立ち上げた事を報告した
いよいよ王族として本格的に活動を始めようとする姿勢が見えた
『ユル・・・困ったことがあったらなんでも相談しなさい。お前は皇族の籍をを離れたからといっても
私達が家族であることは間違いない。よいな。一人で抱え込まず相談するのだ。』
『ありがとうございます。皇帝陛下・・・』
すべてが順風満帆に進んでいく筈だった
ところが・・・チャン家ではちょっとした夫婦のいさかいが起こっていた・・・
あはは~~大丈夫だって。
ここまできて耐えてゾーンが来る訳ない(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
ちょっとした・・・いさかい
さて・・・
今週中にこのお話を完結したいので
明日も更新させていただきますね❤
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ちょっとした・・・いさかい
さて・・・
今週中にこのお話を完結したいので
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