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Channel: ~星の欠片~
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偽装と現実(リアル) 3

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翌日私は映像科の棟に向かい、皇太子殿下付きのチェ尚宮さんからデジカメを受け取った

『どうもありがとうございますチェ尚宮さん。それで・・・皇太子殿下はちゃんと、
ニキビ治療しているみたいですか?』

さりげなく私は探りを入れた。これでやっていないようなら、本人のやる気が無いとみなすっ!

チェ尚宮さんは楽しそうに答えてくれた

『はい。昨日早速申し付かりましてニキビ予防の化粧水を購入してきました。
今朝洗面所を確認しましたところ、ちゃんと使われているようです。』
『そうですか~良かった。もしサボる様なら言ってやってください。』
『ふふふ・・・かしこまりました。』

私が皇太子の額をパタパタているのを目撃したチェ尚宮さんは、恐らく皇太子自らパタパタしている姿を

想像したのだろう

それは私が想像してもお腹を抱えるほど可笑しい光景だもの・・・

チェ尚宮さんから受け取ったデジカメを持って私は美術科の棟に戻った

教室に戻るまで待てなくて、廊下の隅でこっそりその画像データを開いてみる

えぇぇぇぇーーーーっ!!

なに?この膨大なスーツの数。しかもほとんどが名の知れたデザイナーの作品ばかりだ

そんな中にメディアニュースや新聞などで見た事のあるスーツを発見

えぇっ?なぜそのスーツを選ぶ!!

どう考えてもあの長身を生かすには、こっちを選ぶでしょう?

皇太子のスーツのチョイスはどう見ても・・・自分をダサく見せる物を敢えて選んでいるとしか思えない

今だって・・・呼称は皇太子だけど、確実にユル君に食われている感があるもんね

何かある・・・何かあるに違いない

皇太子がこんなにもダサダサになった理由は、すごく深いところにあるんじゃないかと私は推測した





その週の土曜日・・・本当に皇室の車が私を迎えにやって来た

もちろん外見は普通の高級セダンなのだけど、近所の人の目もある事だし・・・私は大荷物を抱え

慌てて車に乗り込んだ

宮殿見物なんて・・・滅多にできないしね♪

宮殿と思われる広い庭園の一角・・・洋風の建物の前で車はスピードを落とし停まった

ここが・・・東宮殿?

歴史を感じさせる造りじゃない。宮殿の中でこの東宮殿だけが浮いた感じがする

まぁ・・・あのダサダサ皇太子の住まいだからね~♪

しっかし・・・あの威厳も感じない皇太子をどう指導したら素敵な男になるかしら・・・あのもっさり頭に逢うと思うと

私はまた気が重くなった

季節は夏になると言うのに暑苦しいのよっ!

車止めで車を降りるとチェ尚宮さんが迎えてくれた

『いらっしゃいませ。シン・チェギョンさん・・・』
『チェ尚宮さん、こんにちは~♪』

チェ尚宮さんの案内で私は迷子になりそうな廊下を進んでいく・・・広いなぁ、さすが宮殿だ

チェ尚宮さんは立ち止まると奥まった場所にある部屋をノックした

<トントン>
『殿下・・・シン・チェギョンさんがお見えになりました。』
『通せ。』

通せだって~~偉そうにっ・・・まぁ曲がりなりにも皇太子殿下だからね・・・

『失礼しま~~す。』

私はその部屋の中に入っていった

『よく来たな。』
『うん・・・』

よく来たなって呼んだのはあんたでしょう?私は学校でよかったのに・・・

『この部屋は?』

広い部屋に高級そうなソファー。東宮の中でこの部屋は何室になるのかな?

『俺の部屋だ。』
『えっ?』

思い描いていたのと違ってた。私はてっきり皇太子の部屋には、怪しいアニメキャラのポスターとか

貼られているのかと勝手に思っちゃったよ

そっか~ここが皇太子の部屋?じゃあ…クローゼットもあるわけだね・・・

『えっ?ってなんだ?何かおかしいか?』
『いや別に・・・。あのさ…クローゼットはどこ?』
『クローゼットか?あぁ・・・そこの扉を入ったところだ。』
『ちょっと失礼しま~~す♪』

皇太子の指さした場所の扉を開けるとクローゼットルームがあった

お!!ここだ・・・よ~~し!

綺麗に並んでいるスーツの中から、私はダサいと思われるスーツを次々と外していく

『なっ・・・何をする気だっ!!』
『これらのスーツは殿下には似合いません。撤去します。』
『何を勝手な事をっ!』

ほら・・・チェ尚宮さんがもう心配して駆け付けて来ちゃった

私はチェ尚宮さんにひとまず持てるだけのスーツを手渡した

『チェ尚宮さん、すみませんがこれらを物置にでもしまってください。
非常に殿下には似合わないスーツですから・・・。あ・・・まだありますので他の方も呼んでいただけますか?』

チェ尚宮さんは困惑した顔で皇太子に視線を向け、仕方なく皇太子が頷いたのを確認し答えた

『はい。かしこまりました。今、他の者も呼んで参ります。』

はぁ~~・・・どんだけあんのよっ!!しかし殿下・・・今あんたが着ているその立襟ブラウスも・・・

すっげ~~似合わない!!むしろ変よっ!!と言いたかったけど・・・そこはまぁ我慢してやった

次々と運び出されていくスーツ・・・クローゼットの中の四割は片付けたかも

クローゼットの中にはまだ袖も通してなさそうなスーツがうじゃうじゃしていて、皇太子はそれを見て

深く溜息を吐いた

恐らく皇太子は・・・この素敵なスーツの数々を着こなす自信が無いのだろうな・・・



イメージ 1




シン・チェギョンの奴・・・やって来るなりクローゼットの中から、俺の愛用品ばかりを片づけ始めた

確かに好んで着ていたのは地味なスーツばかりだ

だが俺にとっては非常に愛着のあるものばかりなのに・・・それを容赦なく物置へ入れろと言うシン・チェギョン

血も涙もない女だ

クローゼットの中を片付けすっきりした顔で部屋に戻ってきたチェギョンは、ごそごそと持ってきた鞄を探り

なんだかいろいろな物を出して来る

『櫛でしょ~~鋏でしょ~クリップでしょ~ヘアミスとと~ケープ♪ひっ!!ぎゃはははは・・・』

突然笑い始めたシン・チェギョンに、俺は何を笑っているのか不思議で仕方がなかった

『なんだ?何が可笑しい?』
『いや・・・このケープを殿下に巻いたところを想像しちゃって・・・』

はぁ・・・勝手に笑っていればいい

『じゃあ初めてもいい?こっちの椅子に座ってくれないかな?』
『ソファーじゃダメなのか?』
『ソファーだと切った髪が落ちるし、後でお掃除が大変。こっちこっち~~♪』

俺にパイプ椅子に座れと?こいつはどこまで無礼な女なんだっ!

そう思いながらも自分で籠った殻が自分で破れない俺は、チェギョンに従うしかない

今はこいつだけが頼りだ・・・

俺はチェギョンの指差すパイプ椅子に渋々腰を下ろした

いつの間に用意されたのか、椅子の横には小さなテーブルがあり・・・その上に様々なグッズが載っていた

『じゃあ始めるよ~~♪』

<シュッシュッシュ・・・>

髪をスプレーで濡らし、小分けにしてクリップで留めていく

おい・・・俺の素材の良さを確認する時が来たようだな・・・くくっ・・・

俺は素材はものすごーーくいいんだ。それを生かせなかっただけだ

シン・チェギョンめ・・・思い知るがいい!!




イメージ 2
マッシュルームカットの断髪式は
次回に持ち越し~~♪

今日はね・・・ちょっと現実逃避したい事が合って
更新しちゃったよ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
油断大敵・・・ですな(爆)

お返事は遅くなるかもです。
よろしく~~❤








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