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Channel: ~星の欠片~
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孤独な皇子に愛の手を 48

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ここは・・・学校の裏庭

チャン・ギョンとイ・ガンヒョンは始業前の早朝デートを楽しんでいた

『いいな~~シンは・・・高校生のくせに好きな子と結婚できるんだから。
ねっ♪ガンヒョン・・・俺達もあの二人にあやかって・・・』
『なに馬鹿なこと言ってるのよギョン。あの二人だから学生結婚が許されたのよ。
アンタ・・・一般の生徒がそんなことしてみなさい。退学よ!タ・イ・ガ・ク!!』
『マジ?』
『アンタ・・・三年にもなって校則に目を通してないの?
それにアンタはまだまだやる事が沢山あるでしょ?』
『やる事って?』
『ったく・・・本当に自覚のない男ね。立派な後継者になる為の勉強よ。勉強!!』
『あ・・・そうだった・・・』

シンとチェギョンの婚約直後付き合い始めたギョンとガンヒョン

相変わらずガンヒョンに主導権を握られている様である

『そう言えば皇太子夫妻・・・今日からご登校だっけ?』
『うん。確かそう聞いているけど・・・あれ?なんか歓声が聞こえる。来たんじゃないか?』
『アタシ達も行ってみましょ。』
『そうしよう~♪』



公用車で仲良く登校してきた皇太子夫妻は、生徒や国民の歓声を浴びながら微笑んで手を振った

『ねえシン君・・・そろそろ私、復活しようかな・・・』
『復活?何をだ?』
『夕食後に本殿に伺う事・・・』
『まさか・・・肩揉みか?』
『うん。だって今朝ご挨拶に伺った時、陛下も皇后様もお疲れの顔をしていたよ。
よく考えればもう10日も夕食後本殿に伺っていないから、お疲れが溜まっているのかも・・・』

家族を大切にしてくれるのは非常に嬉しい・・・しかしシンは新婚早々から家族に目を向けるチェギョンに

半ば呆れたような口ぶりで言う

『チェギョン・・・お前は一体、誰と婚姻したんだ?』
『えっ?もちろんシン君だよ。』
『だったら・・・俺を優先するのが当然だろう?』
『えっ?シン君も肩揉みして欲しいの?』
『いや、そうではなく・・・』
『そんなに長い時間じゃないのだからいいでしょ?今夜から行って来ます♪』
『っつ・・・』

二年の歳月を掛けすっかり宮殿に馴染んでしまったチェギョンは、婚姻したからと言って

シンだけのチェギョンではないようだ


『じゃあシン君・・・また夕方ね♪』
『あぁ。』

公用車から降りただ普通の挨拶を交わすだけで、生徒達は歓声を上げる

高校生で結婚した異例の皇太子夫妻は、やはり生徒達にとっては羨望の的なのであった

シンと別れ美術科の棟へ入って行ったチェギョン・・・生徒達はやはり何か聞きたそうな様子で、

チェギョンに視線を向けた

机に腰掛けたチェギョンの元に、ユルが近づいて来る

『チェギョン、結婚おめでとう。』
『ユル君・・・婚礼の席に姿が見えなかったけど・・・』
『ふふふ・・・ちゃんといたよ。綺麗な花嫁姿見ていたよ。』
『えへへ・・・どうもありがとう。』
『チェギョン、僕・・・イギリスの大学に行く事に決めたんだ。』
『えっ?急にどうしたの?』
『君の相談役は必要なさそうだし・・・今からその準備をしようと思っているんだ。』
『そうなんだ。きっとシン君も寂しがるよ。』
『シンは君がいるから、寂しさなんて感じない。僕も早くそう言う人探さないとね・・・』
『うん。そうだね。寂しいけど応援するよ。』

ユルが去っていった後、やはり親友三人組はチェギョンの元に集まって来る

『チェギョン~~あのあと・・・どう?』
『あのあとって?』
『初夜よ初夜!!しらばっくれる気?』

三人の視線が痛い。チェギョンは上目遣いで三人を眺めながら、何も言わずに困惑の表情を浮かべた

その様子を見たガンヒョンは、ポツリと呟いた

『今更初夜を聞いてどうするのよ。あのイ・シンが二年近くチェギョンに手つかずだったと思う?』
『『あ~そうか~♪』』

ヒスンもスニョンも妙に納得した顔をしている

チェギョンはさらに困惑の表情をする

(そんなことないもん。手つかずではなかったけど、ちゃんと≪最後の砦≫は守ってくれてたもん!!)

しかしシンとの秘め事の話など、口が裂けても言えない

『内緒♪』

チェギョンはそれだけを告げると、後は笑ってごまかすことに専念した

宮殿での事は・・・ましてや夫婦間の事は、秘密厳守なのであった



その日夕食後、チェギョンはいそいそと本殿に向かう

『じゃあシン君、執務頑張ってね~~♪私はお勤めに行って来ま~す♪』
『チェギョン・・・すぐに戻って来い・・・来なかったら迎えに・・・』

既にチェギョンの姿はその場に無かった



『陛下・皇后様・皇太后様・・・妃宮様がお見えになりました。』

皇后付きの尚宮がそう告げると、まるで手ぐすね引いて待っていたかのような三陛下は笑顔を浮かべた

『おぉ~通すがよい。』
『失礼いたします。こちらにお伺いするのが、随分久しぶりになってしまいました。』
『良いよいその様な事は気にせずに・・・』
『では陛下から肩揉みさせていただきます。』

チェギョンは皇帝陛下の背後に回り、その肩に手を掛けた

『うっ・・・陛下、随分凝ってらっしゃいますね。』
『ああ。くぅ・・・妃宮・・・新婚生活はどうだ?太子は・・・優しくしてくれるか?』
『はい。とても優しくしてくださいます。』
『それは良かった。』

シンには聞けない事をチェギョンの口から聞き出そうと言う魂胆のようだ

向かい合ったソファーで皇后がチェギョンに声を掛けた

『妃宮や・・・ここに来るのを太子に言って来たのか?』
『はい。ちゃんと許可を貰って参りました♪』
『嫌な顔されなかったか?』
『嫌な顔なんて・・・する筈ございません。』

その隣に座った皇太后は満面の笑みをチェギョンに向けた

『チェギョンや・・・またキムチを漬けようと慈慶殿の女官が言っておる。どうだ?』
『はい!!もちろんやらせていただきます♪』

丁度つぼを刺激され、極楽気分の皇帝陛下が気を良くしたように呻く

『くぅ~~~・・・・今度は・・・私が・・・スポンサーになろう。』
『えっ?陛下がスポンサーになってくださるんですか?』
『ああそうだ。だから今度は宮殿中の皆の口に入るよう、沢山漬けてくれ。
もちろん人手も十分に手配しよう。』
『はい!!かしこまりました陛下♪』

最初は女官見習いの食事が物足りなく感じ、漬ける事を始めたキムチだったが・・・

今では慈慶殿から広がりすっかり宮中行事となってしまったようだ

チェギョンの影響力は、妃殿下の地位を得た事により更に増大して行くのであった




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なんか婚姻した途端、ラブ度低め?
いやいやそんなことはございません。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!



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