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Channel: ~星の欠片~
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孤独な皇子に愛の手を 46

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皇太子殿下イ・シンが18歳を迎えた直後・・・まるでシンに急かされるように皇帝陛下は婚姻の日取りを決定し

公に発表をした

出逢いから二年・・・二人はめでたく婚姻の日を迎えることとなった

見事皇太后との約束を守り抜いたシンではあったが、その実情については定かでない

略式でありながらもきちんと手順を踏まえた婚礼の儀式は、平民であるチェギョンの両親にとって

厳かでありながらも非常に緊張の連続だったようだ

当のチェギョンに至っては、女官仕事をしていた時と同じ様に失敗する事も無く実に堂々と

その神聖な儀式を務めあげた

皇太子妃の衣装を纏ったチェギョンを見つめ、シンは思わず笑みを零した

あの時・・・もし家出をしていなかったら
そしてあの場所で偶然出逢わなかったら・・・違えていたかもしれない二人の人生
もしかしたらシンは勧められるままに王族の娘と縁を結び
そしてチェギョンもハン・チョルスと縁を結ぶ事を拒めずにいただろうか?
そんな事を考え身震いする思いのシンは、その直後にある事を思い出した

若い王族を集めた親睦パーティー・・・あの場所にチェギョンが来ていた事を

(くくっ・・・あの場所で逢わなかったとしても、きっと俺は親睦パーティーの時お前に・・・)

チェギョンの横顔を見つめ含み笑いするシン・・・そんなシンに気が付きチェギョンは問い掛けた

『なぁに?シン君・・・何が可笑しいの?』
『くくくっ・・・いや・・・別に何も。お前があまりに綺麗だから、嬉しくなっただけだ。』
『それだけ~~?』
『あぁ。さぁ、そろそろ門が開く。国民がお前の晴れ姿を見に来ている。二番目にいい笑顔を見せてやれ。』
『えっ?二番目に・・・って?一番は?』
『一番いい笑顔は・・・永遠に俺だけのもの。くっ・・・』
『もぉっ・・・』

やがて門が開き二人は婚礼パレードに出発した



三陛下そしてシン家の両親は、めでたくこの日が迎えられた安堵に肩の荷が下りた気分のようだ

『ああ・・・暫くは妃宮に肩を揉んでくれとは言えないだろう。』
『そうですね陛下。ですがチェギョンの事ですから、すぐに本殿に来てくださいますわ。』
『そうだろうか・・・』

そんな二人に皇太后は横やりを入れる

『来られる筈あるまい。太子が妃宮を離さないだろう。あの調子では・・・おほほほほ・・・』
『そうかもしれません。ですがあの分では・・・すぐに良い知らせが舞い降りるかもしれませんわ。』
『だと良いのぉ。おほほほほ』
『おほほほほほ~~♪』


一方シン夫妻はナムギルがスンレを家に帰そうとしていた

『えっ?あなた・・・今日は親戚が集まるのよ。うちでお祝いしなくちゃ・・・』
『そうはいかない。私は大事な仕事が残っているんだ。これから皇太子ご夫妻の同牢の礼の儀式にお出しする
御膳を作らねば・・・』
『でも今日はお休みをいただいたんじゃなかったの?』
『可愛い娘の婚礼の御膳だ。私がやらなくてどうする・・・』

婚姻の儀式の間中笑顔だったナムギル・・・もう既に二年前からチェギョンは宮殿に住んでいたとしても

やはり娘を嫁がせる父の気持ちは寂しさで満ち溢れていた

『解ったわあなた。お二人の御膳をしっかり作りあげて帰って来て。お祝いはそれからにしましょう。』
『うんうん~~~!!』
『早く調理室に行かないと、お二人がパレードから戻ってきちゃうわ。』
『そうだ。じゃあスンレ・・・行って来る。』
『行ってらっしゃい。』

大急ぎで調理室に向かって行くナムギル。夫のそんな後ろ姿を見送りながら、スンレもまた胸に寂しさを

募らせるのだった



父の代わりに婚礼の儀に立ち会っていたハン・チョルスは、皇太子夫妻がパレードに出発するのを見送り

その門から出て行った

そこにはやはりチェギョンの晴れ姿を一目見ようと思ったのか、シム・ウンジュの姿があった

『ウンジュさん・・・』
『あ・・・ハン・チョルスさん。お綺麗でしたね妃殿下。』
『本当に・・・溜息が出るほどお綺麗でした。』
『そのお顔は・・・まだふっきれていないということですか?』
『いいえ、もう友人としてお美しいと思っただけですよ。』
『本当に?』
『ええ本当です。ですがウンジュさんも大学受験を控えておいでですよね?』
『大学受験?ええ・・・ですが王立大学に行こうと決めていますから・・・
相当成績が悪くなければ落とされませんわ。』
『そうですか。では・・・一度ご自宅に伺っても?』
『はい!もちろん大歓迎です。』
『近々ご連絡させていただきます。』

そう言いながらハン・チョルスはシム・ウンジュと携帯番号の交換をした

あの皇太子妃選出騒ぎから二年余り・・・漸く二人の時間が動き始めたようだ




『ちょっとぉ~まだ皇太子ご夫妻は来ないの?』
『もうすぐよ。今ギョンが様子を見に行っているわ。ほら・・・ギョンが走って来た。
きっともうすぐよ。
ファン君・・・そろそろカメラセットした方がいいかもよ。』
『そうだね。あのギョンの様子じゃ・・・すぐにやってきそうだ。』

皇太子ご夫妻の婚礼パレードを待ちかねている6人

ヒスンとスニョン・・・そしてガンヒョンは手持ちのバッグの中から、祝福メッセージを書いた紙を取り出した

そしてファンはビデオカメラを、インは一眼レフを構えその時を待った

『来るよ~~もうすぐだよ~~♪二人共すっげ~~カッコいいの♪』
『ほらアンタも早くこのメッセージ一緒に持って。』
『解った。ガンヒョン♪』

ギョンとガンヒョンは目立つようにと横に長く書いたメッセージの端と端を持ち、それを広げた

『来た~~♪』
『チェギョ~~ン!!』
『シン~♪』

湧きかえる歓声の中、二人を載せた馬車がゆっくりと進んで来る

そして沿道で見守ってくれている親友たちに気が付き、微笑みながら手を振った

『チェギョン・・・馬車を降りようか?』
『えっ?』
『門はすぐ目と鼻の先だ。お前が慣れない履物で足が痛くないならの話だが・・・』
『うん。構わないよ。』
『折角だから国民の祝福を直に感じよう。』
『うん、それがいい!!』

チェギョンの快諾を受け、シンは声を上げた

『馬車を停めよ。』

突然の皇太子殿下からの停止命令。驚いて集まって来た護衛する者達

だが、シンは悠々とその馬車を降り・・・それからチェギョンに手を貸して馬車から降ろした

『ここからは歩いて行くとしよう。後に続いてくれ。』
『はっ・・・はい!かしこまりました殿下。』

皇太子夫妻がパレードの馬車から降りられたという噂は瞬く間に広がり、沿道には途轍もない数の国民が

集まって来る

シンとチェギョンは微笑みながら、その道の両端に手を振る

みると若い女性の大半は、二人に向けて振る手に≪縁結びのマスコット≫を握り締めていた

『シン君・・・あれだよ!ほら・・・皆が手に持っているでしょう?』
『あれか。肖像権侵害のマスコットは・・・』
『もう~そういうこと言わないの♪皆私達の結婚を祝ってくれているんだよ。』
『あぁ、こんなに幸せなことはない。』

やがてパレードの終着である門に辿りついた二人

二人は一度振り返り国民に向けて軽く会釈をすると、門の中へと消えて行った




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次回47話は恐縮ですが二部構成となります。
色々ね・・・大変だから(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!

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