イ・シンさんに促がされ彼の車に乗り込む・・・私が助手席に座った後、彼は後部座席から自分のコートを取ると
私に渡した
『これを着てくれ。見ていて辛い・・・』
よくよく自分の服装を観察してみると、あちこち破れ出血で汚れた悲惨な状態だ
『あ・・・でもコートが汚れてしまいます。』
『そんなことは構わない!』
『じゃあ遠慮なく・・・』
彼のコートを羽織ると、先程抱きすくめられた時の彼の匂いにまた包まれたような気がした
聞きたいことが・・・たくさんある
でも何から聞いたらよいのか、その順番を考えているうちに車は警察署の敷地内に到着した
『では・・・行って来ます。このコートお借りしていても良いですか?』
そう言いながら助手席のドアを開けた私。ところが彼からは意外な言葉が返ってきた
『いや、俺も一緒に付き合う。』
『えっ?』
『話の解る警察官の、耳に入れておきたい情報があるから・・・』
『はい・・・』
ボロボロになった衣類の上にしっかり彼のコートを着込み、私は彼に伴われ警察署の中に入って行った
恐らく病院側から既に連絡が入っていたのだろう。すぐに私は声を掛けられた
『シン・チェギョンさん・・・怪我の様子は大丈夫ですか?』
先程駆けつけていた警察官なのだろうか・・・動揺していた私には覚えが無い
『大丈夫です。大した怪我ではありません。』
『ではこちらにお越し下さい。』
その警察官は私の後ろに立つ彼に目を向け、いきなり顔をくしゃくしゃに歪め笑った
『しっ・・・シン~♪何故お前がここに?』
『くっ・・・ギョン、久し振りだな。今日はチェギョンさんが見舞われた事件について話があって来たんだが
まさかお前が担当だとはな。』
『お前が・・・今回の一件について何か証言するって言うのか?』
『あぁ。ただ・・・証拠も何もない俺の憶測話だがな・・・』
『っつ・・・まったくその曖昧な言い方は相変わらずだ。じゃあチェギョンさん・・・こちらへ。』
シンさんはこの警察官と友人みたい。しかも相当親しい間柄なのが、二人の表情から感じられた
小さな部屋に通されてシンさんと並んで座った私・・・ここは取調室だろうか
なんだか自分が酷く悪い事をした気分になって来る
同じ事を考えたのかシンさんも警察官に問い掛けた
『なぁギョン・・・ここって取調室か?』
『ああそうだよ。だけどこう言った場所の方が安全だ。
さて・・・シン・チェギョンさん、今日あった事を話していただけますか?』
『はい。今日は普通通り9時に店に着いて、店の掃除とアレンジメントフラワーを作りました。
その作ったアレンジメントフラワーをショーケースに飾ろうと作業台から振り向いた瞬間・・・
ものすごい音がして・・・。店内の電気が消えてしまったので目を凝らして見たら
店の中に車が飛び込んでいたんです。
私が驚いている間にその車はバックして、道路に出ると走り去りました。
その時見た車は大型トラックでした。私は気が動転していてナンバーまで確認できなかったのですが・・・
すぐに出勤してきた社員がその車を見たそうなのですが、ナンバープレートはついて無かったそうです。』
『シン・チェギョンさん・・・これは普通に考えて、あなたか≪来夢生花店≫に恨みを持つ者の犯行です。
心当たりはありませんか?』
『私には・・・全く心当たりなどありません。』
『う~ん・・・実は先程≪来夢生花店≫から10キロ程離れた地点に、ナンバープレートのない前面が破損した
大型トラックが乗り捨てられていました。今指紋を採取中ですが、恐らく指紋を残すようなヘマは
しないでしょう。』
顔色を曇らせる警察官・・・その時シンさんは机に身を乗り出すようにして、警察官に問い掛けた
『犯人が・・・捕まらないって言う事か?』
『あぁ・・・車体番号も解らないよう細工されている。これは用意周到な犯罪だ。』
『だったら・・・また同じような目に遭う事も・・・あり得るじゃないか!!』
『シン・・・お前何か思い当たる節があるんだろう?話せよ・・・』
『あぁ・・・』
シンさんは椅子に深く腰掛け、視線を机に向けたまま話し始めた
『先程も言ったが・・・これはあくまでも俺の憶測にすぎない。だがチェギョンさんがまた危険な目に遭う事だけは
どうしても避けなければならない。だから・・・身内の恥を敢えてここで暴露しておく・・・』
身内の恥?シンさんの身内?私はなんだか胸がドキドキしてしまい、彼に視線を向けないまま耳に
全神経を集中させた
『ファヨンフラワーを知っているだろう?』
『ああ、ユルの母親の会社だろう?』
『そうだ。今回の黒幕はそのファヨンフラワーの社長と、うちの元秘書ミン・ヒョリンが
企てた事じゃないかと思う。』
えっ・・・元秘書って?驚くことが多すぎて、私は思わず彼に目を向けた
『あぁ・・・チェギョンさんには言っていなかったが、おばあ様とチェギョンさんがフラワーアレンジメントをした翌日
とんでもない事をしてくれて・・・解雇になったんだ。』
『解雇になるほどのとんでもないことって?』
そこが取調室である事も忘れて、私は彼に聞き返さずにはいられなかった
『おばあ様と君のアレンジメントフラワーを切り落とした。』
『そっ・・・そんなっ!!酷いっ・・・』
あの時見たパク先生の素晴らしい作品が、切り落とされたなんて・・・私はミン元秘書の人間性を疑った
『ミン・ヒョリンはファヨンフラワーの社長の弟子なんだ。だからおばあ様に会社の顔とも言える入り口フロアーの
アレンジメントを奪われたことが相当悔しかったのだろうな。』
パク先生の作品を切り落とすなんて信じられない、私は悔しさのあまり傷だらけの手をぎゅっと握りしめた
イタッ・・・縫ったばかりの傷口が開いたかも・・・包帯に滲んで来る血液に気がつき、慌てて私は手を隠した
『じゃあ・・・そのミン・ヒョリンがファヨンフラワーの社長のところに泣きついて、二人が結託し今回の犯行に
及んだってことか?それって・・・≪来夢生花店≫を狙う動機としては弱いな。』
警察官はシンさんにそう言うと椅子に凭れかかった
そんな警察官に食い下がるかの様に、シンさんは身を乗り出した
『それだけじゃない。ファヨンフラワーの社長は元々≪来夢生花店≫を我が物にしようとしていたんだ。
息子であるユルを使ってな・・・。≪来夢生花店≫さえ手に入れたら、このフラワー業界で自分の会社が
トップに立てると思ったんだ。』
思いもよらない話・・・でも確かあの時ユル先生は、そんなことを話していたのを思い出した
『きっといつかイ・コーポレーションも手中に収めようと、ミン・ヒョリンをスパイとして送り込んだのだろう。
その当てが外れた腹いせが≪来夢生花店≫に向けられたって俺は推測している。』
『ちょっと待てシン・・・それって骨肉の争いってやつじゃないのか?』
『あぁ・・・』
そう言いながらシンさんが隣で憔悴していくのは見なくても解った
『だからこそこのシン・チェギョンさんを二度ことんな目に遭わせない様に守らないとダメなんだ。
ギョン・・・法の力を貸してくれ!!俺の話を念頭に置いて捜査を進めてくれ!!』
『だけどシン・・・もしファヨンフラワーの社長を罪に問う証拠を掴んだ場合、イ・コーポレーションだって
それなりの打撃は受ける。いいのか?それで・・・』
『あぁ、身内であることは間違いないのだから、それは仕方のないことだ。』
私の知らないところでとんでもないことが起こっていた
なんだか呆然としながら、私は彼と一緒にその取調室を後にした
彼が・・・今回の一件を自分のせいだと言った理由がわかった気がする。
後はあのハグの意味を私は彼の口から聞くだけだ・・・
警察を出て≪来夢生花店≫へ向かう車中・・・彼女はやはり動揺しているようだった
当然だろう。身内の争いに巻き込まれたのだから、彼女は身体ばかりじゃなく心まで傷ついたに違いない
『チェギョンさん・・・すまない。こんな事に巻き込んでしまって・・・』
『いいえ。でも人間の恨みの感情って怖いですね。生きてて良かった・・・』
生きてて・・・その言葉で俺は、彼女がこの事件で命を落としていた可能性があった事を改めて知る
『本当に・・・無事で・・・』
俺が言い掛けたその時、彼女は運転する俺の顔をじっと見つめ問い掛けて来た
『さっきのあれは・・・一体どんな意味があるんですか?』
『さっきの・・・あれとは?』
『病院で・・・いきなりぎゅってした意味です。』
『そっ・・・それは・・・』
まさか彼女からこんな風にこんなタイミングで、俺の気持ちについて問いかけられるとは思ってもみなかった
俺は動揺する気持ちを必死で抑え・・・ひとまず車を路肩に停車させた
そして小さく深呼吸し、彼女に視線を向けた
『あの時は・・・君の姿が見えたから無我夢中で・・・≪来夢生花店≫に車が突っ込んだと聞いて
居ても立ってもいられなかった。
なかなかタイミングが合わなくて今まで言えなかったが、君が好きだ。
あの病院に通っていた時からずっと・・・。』
彼女は大きな目を潤ませて俺の目をしっかりと見つめ返した
『シンさんがすごく親切だから、変に勘違いしちゃいけないってずっと思っていました。
でも・・・勘違いじゃなかった。私もあの一輪の薔薇を買いに来てくれていた時から、
シンさんが好きになってしまいました。でもお客さんだから・・・そんな想いを抱くのは
いけないとも思っていました。自分の気持ち・・・解放してやってもいいですか?』
『あ・・・あぁ。頼むから気持ちを解放してくれ。俺にまっすぐ向けてくれないか?
もう怖い目には絶対に遭わせない。大切にする。だから・・・付き合って欲しい。』
『はい!!』
彼女ははっきりとそう答え、俺に微笑みかけた
俺は感激のあまり彼女の手を取ると握り締めた
『イタッ・・・』
突然顔を歪めた彼女・・・その手を見ると包帯に血が滲んでいた
『あ・・・大丈夫です。ちょっと縫ったところがほつれてしまったみたいで・・・』
切ない・・・俺の大切な人をこんな目に遭わせたやつらを許せない
俺は彼女の手を離して、その身体をやんわりと抱きしめた
今傷だらけになっている彼女に苦痛を与えない様に、そっと優しく抱き締めた
漸く彼女の気持ちを手に入れた俺・・・だが問題は山積みだ
だが彼女と一緒なら、きっとすべてが上手くいくような予感がする俺だった
私に渡した
『これを着てくれ。見ていて辛い・・・』
よくよく自分の服装を観察してみると、あちこち破れ出血で汚れた悲惨な状態だ
『あ・・・でもコートが汚れてしまいます。』
『そんなことは構わない!』
『じゃあ遠慮なく・・・』
彼のコートを羽織ると、先程抱きすくめられた時の彼の匂いにまた包まれたような気がした
聞きたいことが・・・たくさんある
でも何から聞いたらよいのか、その順番を考えているうちに車は警察署の敷地内に到着した
『では・・・行って来ます。このコートお借りしていても良いですか?』
そう言いながら助手席のドアを開けた私。ところが彼からは意外な言葉が返ってきた
『いや、俺も一緒に付き合う。』
『えっ?』
『話の解る警察官の、耳に入れておきたい情報があるから・・・』
『はい・・・』
ボロボロになった衣類の上にしっかり彼のコートを着込み、私は彼に伴われ警察署の中に入って行った
恐らく病院側から既に連絡が入っていたのだろう。すぐに私は声を掛けられた
『シン・チェギョンさん・・・怪我の様子は大丈夫ですか?』
先程駆けつけていた警察官なのだろうか・・・動揺していた私には覚えが無い
『大丈夫です。大した怪我ではありません。』
『ではこちらにお越し下さい。』
その警察官は私の後ろに立つ彼に目を向け、いきなり顔をくしゃくしゃに歪め笑った
『しっ・・・シン~♪何故お前がここに?』
『くっ・・・ギョン、久し振りだな。今日はチェギョンさんが見舞われた事件について話があって来たんだが
まさかお前が担当だとはな。』
『お前が・・・今回の一件について何か証言するって言うのか?』
『あぁ。ただ・・・証拠も何もない俺の憶測話だがな・・・』
『っつ・・・まったくその曖昧な言い方は相変わらずだ。じゃあチェギョンさん・・・こちらへ。』
シンさんはこの警察官と友人みたい。しかも相当親しい間柄なのが、二人の表情から感じられた
小さな部屋に通されてシンさんと並んで座った私・・・ここは取調室だろうか
なんだか自分が酷く悪い事をした気分になって来る
同じ事を考えたのかシンさんも警察官に問い掛けた
『なぁギョン・・・ここって取調室か?』
『ああそうだよ。だけどこう言った場所の方が安全だ。
さて・・・シン・チェギョンさん、今日あった事を話していただけますか?』
『はい。今日は普通通り9時に店に着いて、店の掃除とアレンジメントフラワーを作りました。
その作ったアレンジメントフラワーをショーケースに飾ろうと作業台から振り向いた瞬間・・・
ものすごい音がして・・・。店内の電気が消えてしまったので目を凝らして見たら
店の中に車が飛び込んでいたんです。
私が驚いている間にその車はバックして、道路に出ると走り去りました。
その時見た車は大型トラックでした。私は気が動転していてナンバーまで確認できなかったのですが・・・
すぐに出勤してきた社員がその車を見たそうなのですが、ナンバープレートはついて無かったそうです。』
『シン・チェギョンさん・・・これは普通に考えて、あなたか≪来夢生花店≫に恨みを持つ者の犯行です。
心当たりはありませんか?』
『私には・・・全く心当たりなどありません。』
『う~ん・・・実は先程≪来夢生花店≫から10キロ程離れた地点に、ナンバープレートのない前面が破損した
大型トラックが乗り捨てられていました。今指紋を採取中ですが、恐らく指紋を残すようなヘマは
しないでしょう。』
顔色を曇らせる警察官・・・その時シンさんは机に身を乗り出すようにして、警察官に問い掛けた
『犯人が・・・捕まらないって言う事か?』
『あぁ・・・車体番号も解らないよう細工されている。これは用意周到な犯罪だ。』
『だったら・・・また同じような目に遭う事も・・・あり得るじゃないか!!』
『シン・・・お前何か思い当たる節があるんだろう?話せよ・・・』
『あぁ・・・』
シンさんは椅子に深く腰掛け、視線を机に向けたまま話し始めた
『先程も言ったが・・・これはあくまでも俺の憶測にすぎない。だがチェギョンさんがまた危険な目に遭う事だけは
どうしても避けなければならない。だから・・・身内の恥を敢えてここで暴露しておく・・・』
身内の恥?シンさんの身内?私はなんだか胸がドキドキしてしまい、彼に視線を向けないまま耳に
全神経を集中させた
『ファヨンフラワーを知っているだろう?』
『ああ、ユルの母親の会社だろう?』
『そうだ。今回の黒幕はそのファヨンフラワーの社長と、うちの元秘書ミン・ヒョリンが
企てた事じゃないかと思う。』
えっ・・・元秘書って?驚くことが多すぎて、私は思わず彼に目を向けた
『あぁ・・・チェギョンさんには言っていなかったが、おばあ様とチェギョンさんがフラワーアレンジメントをした翌日
とんでもない事をしてくれて・・・解雇になったんだ。』
『解雇になるほどのとんでもないことって?』
そこが取調室である事も忘れて、私は彼に聞き返さずにはいられなかった
『おばあ様と君のアレンジメントフラワーを切り落とした。』
『そっ・・・そんなっ!!酷いっ・・・』
あの時見たパク先生の素晴らしい作品が、切り落とされたなんて・・・私はミン元秘書の人間性を疑った
『ミン・ヒョリンはファヨンフラワーの社長の弟子なんだ。だからおばあ様に会社の顔とも言える入り口フロアーの
アレンジメントを奪われたことが相当悔しかったのだろうな。』
パク先生の作品を切り落とすなんて信じられない、私は悔しさのあまり傷だらけの手をぎゅっと握りしめた
イタッ・・・縫ったばかりの傷口が開いたかも・・・包帯に滲んで来る血液に気がつき、慌てて私は手を隠した
『じゃあ・・・そのミン・ヒョリンがファヨンフラワーの社長のところに泣きついて、二人が結託し今回の犯行に
及んだってことか?それって・・・≪来夢生花店≫を狙う動機としては弱いな。』
警察官はシンさんにそう言うと椅子に凭れかかった
そんな警察官に食い下がるかの様に、シンさんは身を乗り出した
『それだけじゃない。ファヨンフラワーの社長は元々≪来夢生花店≫を我が物にしようとしていたんだ。
息子であるユルを使ってな・・・。≪来夢生花店≫さえ手に入れたら、このフラワー業界で自分の会社が
トップに立てると思ったんだ。』
思いもよらない話・・・でも確かあの時ユル先生は、そんなことを話していたのを思い出した
『きっといつかイ・コーポレーションも手中に収めようと、ミン・ヒョリンをスパイとして送り込んだのだろう。
その当てが外れた腹いせが≪来夢生花店≫に向けられたって俺は推測している。』
『ちょっと待てシン・・・それって骨肉の争いってやつじゃないのか?』
『あぁ・・・』
そう言いながらシンさんが隣で憔悴していくのは見なくても解った
『だからこそこのシン・チェギョンさんを二度ことんな目に遭わせない様に守らないとダメなんだ。
ギョン・・・法の力を貸してくれ!!俺の話を念頭に置いて捜査を進めてくれ!!』
『だけどシン・・・もしファヨンフラワーの社長を罪に問う証拠を掴んだ場合、イ・コーポレーションだって
それなりの打撃は受ける。いいのか?それで・・・』
『あぁ、身内であることは間違いないのだから、それは仕方のないことだ。』
私の知らないところでとんでもないことが起こっていた
なんだか呆然としながら、私は彼と一緒にその取調室を後にした
彼が・・・今回の一件を自分のせいだと言った理由がわかった気がする。
後はあのハグの意味を私は彼の口から聞くだけだ・・・
警察を出て≪来夢生花店≫へ向かう車中・・・彼女はやはり動揺しているようだった
当然だろう。身内の争いに巻き込まれたのだから、彼女は身体ばかりじゃなく心まで傷ついたに違いない
『チェギョンさん・・・すまない。こんな事に巻き込んでしまって・・・』
『いいえ。でも人間の恨みの感情って怖いですね。生きてて良かった・・・』
生きてて・・・その言葉で俺は、彼女がこの事件で命を落としていた可能性があった事を改めて知る
『本当に・・・無事で・・・』
俺が言い掛けたその時、彼女は運転する俺の顔をじっと見つめ問い掛けて来た
『さっきのあれは・・・一体どんな意味があるんですか?』
『さっきの・・・あれとは?』
『病院で・・・いきなりぎゅってした意味です。』
『そっ・・・それは・・・』
まさか彼女からこんな風にこんなタイミングで、俺の気持ちについて問いかけられるとは思ってもみなかった
俺は動揺する気持ちを必死で抑え・・・ひとまず車を路肩に停車させた
そして小さく深呼吸し、彼女に視線を向けた
『あの時は・・・君の姿が見えたから無我夢中で・・・≪来夢生花店≫に車が突っ込んだと聞いて
居ても立ってもいられなかった。
なかなかタイミングが合わなくて今まで言えなかったが、君が好きだ。
あの病院に通っていた時からずっと・・・。』
彼女は大きな目を潤ませて俺の目をしっかりと見つめ返した
『シンさんがすごく親切だから、変に勘違いしちゃいけないってずっと思っていました。
でも・・・勘違いじゃなかった。私もあの一輪の薔薇を買いに来てくれていた時から、
シンさんが好きになってしまいました。でもお客さんだから・・・そんな想いを抱くのは
いけないとも思っていました。自分の気持ち・・・解放してやってもいいですか?』
『あ・・・あぁ。頼むから気持ちを解放してくれ。俺にまっすぐ向けてくれないか?
もう怖い目には絶対に遭わせない。大切にする。だから・・・付き合って欲しい。』
『はい!!』
彼女ははっきりとそう答え、俺に微笑みかけた
俺は感激のあまり彼女の手を取ると握り締めた
『イタッ・・・』
突然顔を歪めた彼女・・・その手を見ると包帯に血が滲んでいた
『あ・・・大丈夫です。ちょっと縫ったところがほつれてしまったみたいで・・・』
切ない・・・俺の大切な人をこんな目に遭わせたやつらを許せない
俺は彼女の手を離して、その身体をやんわりと抱きしめた
今傷だらけになっている彼女に苦痛を与えない様に、そっと優しく抱き締めた
漸く彼女の気持ちを手に入れた俺・・・だが問題は山積みだ
だが彼女と一緒なら、きっとすべてが上手くいくような予感がする俺だった
(薔薇の画像は薔薇の奥様こと『花が好き』のkakoさんからお借りしております、
お持ち帰りはご遠慮ください。)
ん~~警察の取り調べが長すぎた(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
LOVE度は徐々に上げて参りましょう~★
お持ち帰りはご遠慮ください。)
ん~~警察の取り調べが長すぎた(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
LOVE度は徐々に上げて参りましょう~★