夕刻六時に迎賓館に集合し皆で食事をしよう。シン家のご両親も来る手筈になっている。よいな。』
陛下がその場に居る10人にそう告げ、皇后・皇太后と共に謁見の間を去って行った後
チェギョンは目の前に座る第四皇子シンを睨みつけた
『ぷって・・・なによ!失礼じゃないの?』
『っつ・・・王族会の令嬢ともあろう者が、まさか漫画を描くのが趣味とはな・・・・。
もうちょっと崇高な自己紹介が欲しかったな。』
『きぃ~~っ!!初対面なのに失礼極まりない男ね!!少女漫画をなめるんじゃないわよ!!
少女漫画は女の子の恋のバイブルなのよ。そんなことも解らない男なんて・・・
私、頼まれても結婚なんかしないから!』
『くっ・・・お前の様な出来損ないに興味はないっ!!お前にだけは絶対、結婚を申し込む事はない!』
売り言葉に買い言葉・・・シンの本心は、チェギョンの自己紹介を唯一面白いと思ったのに、
思いも掛けず食い掛かってきたチェギョンに反論し、二人は険悪なムードになってしまった
第一皇子のファンはその険悪なムードを軌道修正しようと、チェギョンの元に歩み寄り話しかけた
『チェギョンさん・・・僕の住んでいる中宮殿に遊びに行きませんか?』
『えっ・・・?』
驚いてファンを見上げるチェギョン・・・そのファンとチェギョンの間に第三皇子のユルは入りこんでくる
『ファン兄さん!!僕だって西宮殿を案内したいのにずるいじゃないか。。。』
『ユル・・・年長者を立てなさい。今日はお前も一緒でいいから中宮殿を案内しよう。』
『解りました・・・』
不満そうなユルと満面の笑みのファンに連れられ、チェギョンは謁見の間を出て行った
『さて・・・じゃあ君は俺の住む北宮殿を案内するよ。ヒョリンさん・・・』
『えっ?私は・・・あの・・・』
シンを未練がましく見つめながらも、第二皇子インの強引とも言える誘導に成す術もなく
ヒョリンも謁見の間を出て行った
あっという間に兄弟姉妹たちはその場を出て行き、残った人数は五人となった
末っ子ギョンはシメタとばかりにガンヒョンの腕を掴んだ
『ガンヒョン~~♪俺の住んでいる南宮殿に案内するよ~~♪ねえ~~早く行こうよ~~♪』
『ちょっとあんた!その手を離しなさいよ!!』
『い~や~だ!!早く行こうってばぁ。』
長女と末っ子である・・・そのギョンの甘えた口調に負け、ガンヒョンも謁見の間を出て行った
謁見の間に取り残された三人
『シン皇子・・・東宮殿を案内していただけますか?』
次女のヒスンがそう言うと同時に、末っ子のスニョンもアピールを開始したようである
『私達・・・シン皇子が一番素敵だなって思っていたんですよ~~♪』
どう足掻こうがこの状況に陥ってしまっては、ここに居る二人を案内せざるを得ない第四皇子シン
『解った。着いて来てくれ・・・』
二人に聞こえない様に溜息を吐き、シンは二人を伴うと東宮に向かった
まずは中宮殿・・・≪第一皇子ファンの住まい≫
ファンはご機嫌な様子で五人の皇子の住まう宮殿の、中央に建てられた中宮殿にユルと共にチェギョンを誘った
『すごい建造物だろう?僕は一番最初に生まれた皇子だから、それだけ建物も立派なんだ。』
『ホント・・・素敵な建物ですね~。。。』
自慢げにファンが問い掛けると、チェギョンもその古式麗しい建造物を目の当たりにしてうっとりと眺めた
次の漫画の舞台を皇室と決めていたチェギョンは、その建造物の細部に至るまで目に焼き付けようと
じっと観察する
『チェギョンさん・・・僕は趣味が写真なんだ。庭で写真を撮ってあげよう。』
『あ・・・いえ、私の写真は結構です。あの・・・ファン皇子・・・この素敵な建物の写真を、
一枚撮っていただけませんか?』
『えっ?中宮殿の写真をかい?』
『はい~~♪とっても素敵なので是非♪』
『ふふふ・・・いいよチェギョンさん。僕と結婚したらここに住むんだもの、興味を持って当然さ。』
何を勘違いしてしまったのか、ファンはすっかりチェギョンをターゲットに絞ったようだ
それを目の当たりにしていたユルは慌てた様子で、チェギョンの手首を捉えると告げた
『じゃあ・・・チェギョン、もう中宮殿は見たからいいよね。今度は僕が住む西宮殿に行こう。』
『えっ?・・・』
驚いたのはチェギョンである。まだ建物内部に入ってもいない
どうせなら内装も見てみたい・・・チェギョンの探究心は底無しである
肩を落とすユルと三人で、チェギョンは心ゆくまで中宮殿を堪能したのだった
その頃・・・北宮殿では、仏頂面のヒョリンにインは各部屋を案内して回っていた
『君の事、すごく気に入ったよ。』
インがヒョリンにそう話しかけると、ヒョリンは忌々しげに答える
『私は他の建物を見に行きたかったんです。』
『えっ?どこだい?』
『東宮殿ですっ!!』
『ははは・・・そう言う気性の激しいところも好きだ。』
『私の興味は違うところにあるんです!!』
二人の会話は少しも噛み合っていないが、第二皇子インはやはりヒョリンにターゲットを絞った様である
そして南宮殿では第五皇子のギョンがガンヒョンを引っ張り回していた
『ねえ~~ガンヒョン、ここが俺の部屋♪今度泊まりに来ない?キャンドルなんか灯してさ
ロマンチックな夜を過ごそうよ~~♪』
『っつ。。。アンタね、年下のくせになんで呼び捨てなのよ!
それにアタシ・・・年下の男になんか興味ないのよ。』
『な~~に言ってるのガンヒョン!一つ年上の女房は金の草鞋を履いてでも探せって言うでしょう?
俺・・・・運命感じちゃったんだよね~~♪あはははは~~♪』
『勝手に言ってなさい!!』
さすがのガンヒョンもこの屈託のない末っ子にはお手上げの様子である
元々長女として育ったガンヒョンは、妹たちの面倒を見る習性が身に着いてしまっていたのだ
したがってギョンのこの甘えた口調には到底抗えない
第五皇子のギョン・・・長女のガンヒョンまっしぐらに突き進むのであった
そしてお馴染みの東宮殿では・・・シンが鬱陶しそうに建物内を案内している
『あのぉ・・・シン皇子?皇子の自室は案内していただけないんですか?』
『私も見てみたいなぁ~~♪』
シンは事もなげに答える
『いや・・・俺のプライベート空間は、お見せできない。』
『え~~~っ!!』
次女のヒスンと五女のスニョン・・・一番興味の深かったシンの自室を見せて貰えず敢無く撃沈である
それもその筈・・・シンの頭の中には先程喧嘩腰だった四女のチェギョンの睨んだ顔が、
何度も浮かんでは消えていたのだった
そして夕食の時間になり迎賓館に向かった10人・・・
シンの顔を見るとプイッとそっぽを向いたチェギョンに、シンはこっそり話しかけた
『おい!まだ怒っているのか?』
『怒ってますっ!!』
『別に馬鹿にしたわけじゃない。』
『嘘だ~~!!思いっきり馬鹿にしたくせにっ!!』
『お前の書く漫画・・・今度見てやるよ。』
『なぜ上から目線?見てやる?見てくれなくて結構です~~!!』
『いや・・・そうじゃなくて今度見せてみろ。そうだな、明日学校に持参しろ。
皇子ルームがあるの知ってるか?』
『知らない・・・』
『映像科の棟の最上階だ。明日の昼休みだ。遅れるなよ。』
『え~~~っ・・・面倒くさい。それに、ヒスンやスニョンやヒョリンに怒られちゃう。』
『ヒョリン??・・・じゃあ秘密で来ればいいだろう?』
『秘密で?う~~ん。』
『いいからとにかく明日昼休みな。まさかと思うが皇子の俺を待たせる様な真似はするな!』
『は~い。』
皆が知らぬ間にチェギョンに近づいたシン皇子
明日はどうやら皆に内緒の密会をするようであった
展開早すぎるって思うでしょ?だけどさぁ・・・早く展開させないと
クリスマスのお話に間に合わないんだもの~~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
管理人の都合で・・・ガンガンぶっ飛ばします。
今日はあまりに寒くて・・・
ムーミン冬眠するところだったよ・・・けけけ・・・
クリスマスのお話に間に合わないんだもの~~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
管理人の都合で・・・ガンガンぶっ飛ばします。
今日はあまりに寒くて・・・
ムーミン冬眠するところだったよ・・・けけけ・・・