ここは宮殿の謁見の間隣室・・・昨日第一皇子が満20歳の誕生日を迎えた皇室一家は、
本日皇帝陛下の命令でその場所に集結していた
ただ一人そこに居ないのは、現在海外留学中である皇女ヘミョンのみ
兄弟達はその生まれ順に席に着いていた
まず第一皇子のファン・・・韓国芸術大学二年在学中である。年齢は昨日20歳になったばかり
第二王子のイン・・・韓国芸術大学一年に在籍中である。年齢は19歳
第三皇子のユル・・・韓国芸術高校三年に在籍中・・・年齢は18歳
第四皇子のシン・・・韓国芸術高校三年に在籍中・・・ユルとは二卵性双生児の為ユルと同じ18歳
第五皇子のギョン・・・韓国芸術高校二年在籍中・・・花も恥じらう17歳
と・・・まぁ一女五男に恵まれた子沢山な現在の皇室ではあるが、実は皇太子と呼ばれる存在が居ない
それはなぜか・・・どうやら本日その理由についての説明が、皇帝陛下からなされる様なのだ
五人は仲良く席に腰掛け、そして皇帝陛下・皇后陛下・皇太后陛下の登場を待っていた
程なくしてその三陛下は謁見の間の隣室に姿を現し。そして陛下を真ん中にし席に着いた
『皆、其々に忙しくしているのに集まって貰ってすまなかった。
昨日ファンが20歳を迎えた。そこで私はお前達に話さなければならない事がある。』
いつになく神妙な面持ちの皇帝陛下に、末っ子のギョンはつい軽口をたたく
『陛下~~一体なんですか?勿体付けないで教えて下さいよぉ・・・』
『ギョン、慌てるな。私も少し緊張して居るのだ。ははは・・・
まずは・・・先帝から遣わされた遺言状を読み上げる。皆・・・よく聞くように。』
五人の皇子達は一様に頷いた
【遺言状
五人の皇子達に告ぐ
第一皇子ファンが20歳になった時、そなた達は五人の女性に逢って貰う。
その五人は王族会のシン家の娘で全員が同じ年の者達だ。
もちろんその五人に血の繋がりはない。たった一人シン家の本当の娘がその中に居る。
他の者達は皆・・・王族会から養女に出された者達だ。
皇子達よ・・・本当のシン家の娘以外も、すべて家柄も人柄も優れている家の出身だ。
その中から将来の伴侶を選ぶのだ。そしてシン家の本当の娘を選んだ者に皇位を譲る事にしよう。
自分達の目でしっかりその人柄を判断し、一人を選ぶがよい。
尚・・・一旦相手を選び婚姻を約束した者は、たとえそれが本当のシン家の娘ではなかったにせよ
約束を反故する事は許さぬ。
念の為に言っておくが、戸籍を調査しても無駄である。私の力で誰が本当の娘なのかは
戸籍から判明せぬよう操作しておいた。
皇子達よ。幸運を祈る。以上。】
陛下がその内容を読み上げた途端、皇子達は呆れたように全員が溜息を吐いた
『食えね~~ジジイだな。まったく・・・』
『これギョン・・・先帝に向かってなんて言葉を・・・』
『だって~~お婆様~~あり得ない。俺なんかどうせ末っ子で・・・好きな子みつけてさっさと皇室出たいのに
もし・・・俺がその子とカップルになったら・・・そう思ったらたまんないよぉ。』
甘えた口調で皇后と皇太后を見つめるギョンに、国母二人は楽しそうに微笑むと励ましの言葉を掛けた
『ギョン・・・先程こっそり覗いてみたけれど、なかなか美しいお嬢さんがいらしたわ。』
『そうじゃ・・・ギョン!!そなたの好みの女性もおるのではないかのぉ。おほほほ・・・』
その瞬間ギョンの目は光り輝く星を散りばめたように大きく見開かれた
他の皇子は心中穏やかではないが、先帝の遺言とあれば致し方ないと諦めた様子である
漸く静かになった皇子達・・・いやギョンに、皇帝陛下は更に言葉を続けた
『そうだな。期限を設けよう。クリスマスの正午、プロポーズして了承を得た相手を
私の元に連れて来るがいい。その時に相手を連れて来られなかった者は、皇位継承者から必然的に外れる。
先帝からの遺言状はもう一通ある、そこにシン家の本当の娘が記されている。
クリスマスの正午・・・私の元で二通目の遺言状を発表しよう。
尚・・・本日その五人のお嬢さん達は謁見の間に来ている。
楽しく歓談するがいいだろう。』
謁見の間との境にあるカーテンが開かれると、そこには五人の娘達が座って楽しそうに話をしていた
もちろんマジックミラーになっている為、謁見の間から隣室を窺い知る事はできない
『おぉ・・・っ』
五人の皇子は徐に席を立つと、その五人の女性の様子を覗きこんだ
背後から皇帝陛下の声が響く
『まず向かって一番右側から・・・ガンヒョンさん・ヒスンさん・ヒョリンさん・チェギョンさん・スニョンさんだ。
すべて韓国芸術高校三年生だ。あ・・・ヒョリンさんだけ舞踏科で、他の四人は美術科だそうだ。』
第一皇子のファンは陛下に向かって振り向くと問い掛けた
『彼女達は・・・自分達が血の繋がらない姉妹だと知っているのですか?』
『ああもちろんだ。』
『でしたら彼女達に聞いてみたら、本当の娘が解るんじゃないんですか?』
『いや・・・本人達も知らないそうだ。』
第二皇子のインは陛下に不満そうな顔を向ける
『でしたら・・・先帝の計らいで五人のうちの四人は、実の両親から引き離されたと言う事ですか?』
『そう言う事になるな。』
『なぜ先帝はそんな惨い真似を。。。』
『何か先帝にもお考えあってのことだろう。それに五人ともみんな幸せそうな顔つきをしている。
決して実子でなくとも分け隔てなく育てられたという顔つきだ。』
第四皇子のシンが更に質問を投げかけた
『陛下・・もしシン家の本当の娘を誰も選ばなかった場合、皇位継承者はどうなるのですか?』
『その時は致し方ない。ヘミョンに皇位を譲る事にしよう。
だが、五人も皇子が居ながら誰も皇位継承できないのは情けない。
なんとか・・・誰かに皇位継承して欲しいものだがな。』
『僕は・・・あの四番目の子が気に入りました。チェギョンと言いましたか?』
ユルの第一印象好意発言に慌てたようにファンも賛同する
『待ってくれユル。僕もあのチェギョンって言う子がいい。』
『ファン兄さん、僕の方が分がいいですね。なんと言っても同じ高校ですから。ふふふ・・・』
もうすでに第一印象で先制攻撃を仕掛けるファンとユル
インは五人を見比べぽつりと呟いた
『俺は・・・あの三番目の子。陛下・・・ヒョリンって言いましたか?』
『ああそうだ。』
『あの子の勝気そうなところが実にいい。』
負けず劣らず末っ子のギョンも言った者勝ちという風に口を開く
『俺は~~一番目の彼女かな~~♪陛下・・・なんでしたっけ?名前・・・』
『ガンヒョンさんだ。』
『ガンヒョン~~♪あのクールな感じに萌えちゃうね♪うっひっひ・・・
シン兄貴は?誰がいいんだよ~~!』
『俺か?俺は別に・・・皇位に興味なんかないし、女にも興味ない。』
『へ~~!!そうなんだ。折角先帝がお膳立てしてくれたのにねえ・・・勿体ない。』
ギョンは女性陣の顔を見るなり、≪食えないジジイ≫発言を撤回したようである
『じゃあ・・・みんな、謁見の間に行くとしよう。』
『『はいっ!!』』
ドアが開き皇帝陛下を先頭に謁見の間に入って行った八人
シン家の娘達はその場に立ちあがり、深々と頭を下げた
『そんなに固くならないでいい。さぁ皆さん掛けなさい。』
笑顔の三陛下・・・そして向かい合って座る皇子達
もちろんシン家の娘達はその重大任務を両親から聞かされてきたが、やはりこうして集団見合いの様に
向かい合うと緊張する様である
また自分がシン家の娘だったら・・・その事を考えると、プロポーズされた場合よほど嫌いな相手でない限り
皇室の未来に関わ事なので断りにくい
五人の内不満そうな顔をしているのはガンヒョンとチェギョン・・・あとの三人は第四皇子のシンに
目が釘付けになっている
皇帝陛下は五人に向けて微笑むと言葉を掛けた
『忙しいのにわざわざお越しいただいてすまなかったね。まずは自己紹介をして貰おうか。
ではガンヒョンさんから・・・』
五人の皇子達のプロフィールは既に手渡されているようで、テ-ブルの上に置かれた
顔写真入りのプロフィールを見ていたガンヒョンは、慌てて顔を上げ口を開いた
『長女のシン・ガンヒョンです。韓国芸術高校美術科三年に在籍しています。趣味は油絵です、以上!』
『次女のシン・ヒスンです。韓国芸術高校美術科三年に在籍しています。趣味は水墨画です。』
『三女のシン・ヒョリンです。韓国芸術高校舞踏科三年に在籍しています。趣味はクラッシックバレーです。』
『四女のシン・チェギョンです。韓国芸術高校美術科三年に在籍しています。趣味は漫画を描くことです。』
『五女のシン・スニョンです。韓国芸術高校美術科三年に在籍しています。趣味は水彩画です。』
『ぷっ・・・』
五人の自己紹介が終わった時、チェギョンの向かいに座る第四皇子のシンがチェギョンを見て笑いだした
さてさて・・・この奇想天外な皇室皇子軍団VSシン家五姉妹の波乱万丈な嫁取り物語は
幕を切って落とされたのである
ほらね・・・相当無茶ぶりでしょ?
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
なかなか難しい展開ではございますが
頑張って書かせていただきます❤
オールスターズの恋愛バトル
どうぞ楽しんでくださいね~~★
ちなみに皇室物にして初めて
ミン様を登場させますわ~~おほほほほ❤
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