つい三日前に自分たちが挙式した教会で、ギョンとガンヒョンは挙式を挙げた
シンとチェギョンは気持ちも新たに挙式に参列した
ギョンにとってみれば長く待たされた結婚・・・それというのもシンの妻シン・チェギョンが高校を卒業するまでは
挙式できないというガンヒョンの要求をのんでの事だった
嬉しさのあまり表情が緩みっぱなしのギョンに比べ、新婦のガンヒョンは実に冷静な様子で時折失敗しそうになる
ギョンをしっかりサポートしていた
いや・・・既に尻に敷いているといっても過言ではない
何はともあれ無事挙式が終わり、主役と招待客たちは三日前と同じように近くのホテルに歩いて移動していった
『あ・・・そうだ!ガンヒョン先生はきっと学校の先生たちも招待しているんでしょうね。』
『それは当然だろう。よく考えてみれば俺も元同僚だ。』
『あ~どうしよう。先生たちも来るんだ。バレちゃう・・・』
『っつ・・・チェギョン、一体何をそんなに動揺しているんだ?俺達はもう正真正銘世間に認められた夫婦だ。
恩師にだって隠す必要はない。』
『あ・・・そうでした~♪そうだった~~♪』
『くっ・・・馬鹿だな。』
満面の笑みで一歩踏み出したチェギョン・・・その時慣れないヒールに足を取られ、身体がぐらついた
『危ないっ!』
咄嗟にチェギョンの腕を捕らえたシンは、転びそうになったチェギョンの体勢を立て直しそれから自分の左腕を
チェギョンに向けた
『どうぞ?奥様・・・掴まってください。』
『えっ?こんな人の多い場所で?』
『転ぶよりいいと思うが?』
『あ~確かにそうです。では・・・いひひ♪』
チェギョンハシンの左腕にそっと手を回し、恥ずかしそうにシンを見上げ微笑んだ
『もっとしっかり掴まって。』
『はいぃ~♪』
そして寄り添った新婚夫婦は結婚披露パーティー会場のホールに向かっていった
ホールの入り口ではすでに新郎新婦とその両親が招待客を出迎えていた
すっかり新婚らしく腕を組みその場に立ったシンとチェギョンに、新郎新婦は間髪を入れず
冷やかしの言葉を放った
『もぉ~すっかり新婚さんぶりが板についてるわね。』
『全くだよ~♪あれっ?チェギョン綺麗になったんじゃない?』
その途端誰が主役なのかわからないほど顔を赤く染めたチェwギョン・・・
シンはすかさず新郎新婦と両親に挨拶をする
『コホン・・・本日はおめでとうございます。』
すかさずチェギョンもシンに続きはにかみながらお祝いの言葉を告げた
『ガンヒョン先生・ギョンさん・・・本日はおめでとうございます。
ガンヒョン先生、今日はまるで天女のように綺麗です。』
『あらチェギョン・・・結婚したらお世辞が言えるようになったなんて・・・ふふふ。
どうもありがとう。アンタもそのスーツすごく素敵よ。まぁアンタ自身が幸せそうだから、
文句のつけようもないけどね。あ・・・そうだわチェギョン・・・もう既に会場には先生方が到着なさっているのよ。
たくさん質問されると思うけど、説明はイ・シンに任せておきなさい。』
『はっはいぃ~~~!』
全く動じないシンと緊張した面持ちのチェギョンが会場内に入って行くと、やはり背丈の高いシンは目立つようで
すぐに教師たちに気付かれてしまった
『あれ?あの男性は以前うちにいたイ・シン先生じゃないか?』
『あ~そうですね。シン先生です。おや?あの隣にいる女性は・・・まさか・・・シン・チェギョン!!』
同系大学トップ合格のチェギョンは、やはり先生方にも注目される生徒だったらしい
シンはその声に気が付き小さく会釈をすると、先生方のテーブルに近づいた
チェギョンに至ってはシンの背に隠れるように身を縮め、なるべく目立たない様にしているのだが
先生方にしてみれば身を乗り出してでもその女性の存在を確認しておきたいようだ
『イ・シン先生、お久しぶりですね。』
『お元気でしたか?』
『はい。先生方もお元気そうでなによりです。』
『お隣の・・・女性は・・・』
『あ・・・あぁ私の妻です。』
『おぉ~ご結婚なさったのですか?それはおめでとうございます。』
『はい。つい三日前に・・・チェギョン、ご挨拶しなさい。』
チェギョンはおずおずとシンの横に立ち、恩師たちに頭を下げた
『先生方・・・実はこの度私・・・結婚しました~。』
『えっ?』
『シン・チェギョン・・・』
『まさか・・・・』
『ええ~~~っ・・・・』
呆気に取られている教師たちにシンは満面の笑みで説明をする
『実は・・・私たちは許嫁の縁がありまして、チェギョンが高校卒業すると同時に結婚することになったんですよ。』
あまり面倒なことまで説明する必要はないため、シンは短い説明を教師たちにしてみる
『そ・・・そうだったんですか。』
『シン・チェギョンがすでに人妻とは・・・』
『しかし大学はどうするつもりですか?シン・チェギョンはトップ合格でしたから、大学側も期待の新入生の筈・・・』
シンは笑顔を崩さず答えた
『もちろん大学に通わせますよ。チェギョンは頑張り屋さんですから、きっと家庭と学業を両立してくれるでしょう。』
『ほぉ・・・・』
呆気にとられた教師たちにチェギョンは在学中に言えなかった礼をいう
『先生方・・・在学中には大変お世話になりました。今後も大学生になって頑張りますので
何かあった折には相談に乗ってください。』
初々しい姿のチェギョンにそこまで言われて応援しない教師などいまい
『ああ。いつでも母校に遊びに来るんだよ。』
『困ったことがあったら相談に来なさい。』
皆驚きながらも一様に笑顔を浮かべ新妻となったチェギョンを応援する言葉をくれた
ついこの間まで制服姿だったチェギョンが、今は新妻として美しい姿で立っていることが信じられなかったが
それでもやはりシン・チェギョンは学校側・・・そして教師たちの誇りだった
漸く教師たちから解放され席に着いた時・・・シンはチェギョンを見つめる視線に気が付いた
(あぁ?あれは・・・確かユン・ピルジュじゃないか?)
ユン・ピルジュというのはチェギョンが二年生の時に同じクラスになった生徒で、
チェギョンに一度だけその座を奪われたが、それ以外は常に学年トップを死守していた成績優秀な生徒だ
しかも・・・チェギョンに片思いをしていたのだ
チェギョンは気が付いていないが、ユン・ピルジュの視線はチェギョンに釘付けだった
(癪に障る!!)
チラチラと何度もチェギョンを見つめるユン・ピルジュ
シンは二人の関係をアピールるかのように、祝宴が始まった時チェギョンの世話を焼く
『チェギョン・・・ソースが口についているじゃないか。』
『えっ?あ・・・やだっ恥ずかしい~~!!』
『あぁ俺が拭ってやろう。動くな・・・』
シンはポケットから出したハンカチでチェギョンの唇を拭った
そんな些細な仕草でもチェギョンは頬を赤く染め、新妻らしい笑みをシンに向ける
ユン・ピルジュの視線は益々チェギョンに向けられる
だがチェギョンは一向にその視線に気付かない
さすがのシンもユン・ピルジュが気に毒になって、チェギョンに彼の存在を教えてやることにした
『チェギョン・・・ユン・ピルジュが来ている。』
『えっ?どこですか?』
『ほら…あのテーブルに・・・』
シンがユン・ピルジュの座るテ-ブルを目で示すとチェギョンはその姿を確認し、動揺しながらも軽く会釈をした
その瞬間ユン・ピルジュはその席から立ち上がり、二人に向かって歩いて来る
『やっ・・・どうしよう。こっちに来ますよ~~!!なぜ彼がここにいるんだろう。』
『さぁそれは俺にもわからない。だがもうはっきり言ってやったらどうだ?』
『そうですね。はい!!そうします。』
きっぱりそう言い切ったチェギョンの瞳には、妻としての自覚に溢れていた
『イ・シン先生・チェギョン・・・えっと・・・なぜお二人が一緒に?』
『君はどうしてこの場にいるんだ?』
『あ・・・母がチャン家の遠い親戚でして・・・』
『あぁそうなのか。』
チェギョンは意を決して二人が同席している理由を告げた
『ユン・ピルジュ君・・・実は私、結婚したの。』
『えっ・・・・嘘だろう?』
『本当だよ。イ・シンさんと・・・』
『まさか君の好きな人って・・・』
『うん。あの時からそうだった。』
『そう・・・なんだ。結婚・・・したのか。』
『うん。』
『どうぞ・・・幸せに・・・』
一体なぜとか心の中に詰まった疑問符がありながらも、それ以上なにも言えるはずもなく
ユン・ピルジュはその場を離れた
ユン・ピルジュが自分の席に着いた時、チェギョンはシンに問い掛けた
『オッパ・・・残酷だったでしょうか。』
『いや・・・人伝に聞くより、今俺達を見た方が諦めがつくだろう。』
『そうですよね・・・』
そんなことがあった後・・・新郎のスピーチが始まった
≪長年待たされたイ・ガンヒョンとの結婚。俺はこの日がどんなに待ち遠しかったことか・・・。
ガンヒョンは高校の保険医も辞職したことですし、あとは一気に幸せな家庭づくりに
専念してもらおうと思います。絶対に誰にも負けない幸せな家庭を作ります。特にそこの新婚さん!!≫
ギョンはシンとチェギョンを指差した
≪負けないからね♪≫
すっかり注目を浴びてしまったシンとチェギョン
ギョンとガンヒョンのおかげで自分たちの結婚披露パーティーに来てもらえなかった人にも
祝福を受けた気分だった
そして宴も終わりを告げようとする頃だった
『シン~~♪』
親し気にシンを呼ぶ声の主が二人の元に近づいて来る・・・
さて・・・
昨日・・・無事またひとつ
年輪を重ねてしまいました(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
元気に過ごせることに感謝です。
明日はね~次男君が修学旅行に行くんです。
京都方面の皆様・・・
修学旅行生を見たら
温かい目で見守ってやってください❤
三時半起床だって・・・けろけろ・・・