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Channel: ~星の欠片~
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晩夏の熱風 27

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カン・インがミン・ヒョリンを連れて帰ってから、イ家のリビングでは漸く家族が安堵の溜息を吐いた

『さすがのミン・ヒョリンも、もう会社に来ることはないでしょう。』
『シン・・・あの剣幕で会社に来ていたのか?』
『どうやらそのようです。私は一切顔を出しませんでしたが、部下に聞いたところでは受付の社員にも
あんな態度だったそうです。』
『おかしな噂が立つ前に対策できてよかった。』
『チェギョンちゃんも怖かったでしょう?もう安心していいわ。』
『はい。確かに怖かったです。』

ミン・ヒョリンが教師をしていた頃は、生きた心地のしない学生生活だった

その頃を思い出してチェギョンは思わず身震いをした

最初は滑稽にさえ思えたミン・ヒョリンだったが・・・徐々にエスカレートしていくそのやり口には

恐怖心さえ覚えたのだ

特にチェギョンは直接的な被害を被っているのだから当然だろう

『もう・・・ミン先生はこの家に来ませんか?』

チェギョンは小さく呟いた

『もし来たら今度は容赦しないわ。だからチェギョンちゃん安心して。』
『はい~~!!』

母ミンの強い口調にチェギョンは安堵した



お茶を飲み干した後小さな家に帰っていく二人

小さな家に入った時チェギョンはシンに問い掛けた

『オッパ・・・本当に来春結婚するんですか?』
『あぁ?・・・何か異存があるのか?』
『えっ?いやそうじゃなくて・・・本当に結婚できるのかなって思って・・・』
『はぁ・・・チェギョン馬鹿だな。今だって結婚しているんだ。正式な夫婦だ。』

そう・・・世間的にも認めた秘密の夫婦だ

だが実際のところ寝室も別々。戸籍上夫婦であってもまだ本当の夫婦ではない

『結婚式を挙げるってことですか?』
『あぁ。お前が大学の内定を貰ったら準備に取り掛かろう。』
『わ・・・・わぁ~い♪』
『だが・・・同系大学に進むからといって油断は禁物だ。わかっているな?』
『もちろんです。頑張りますぅ~♪』

今はパジャマ姿ではない

チェギョンは春になったら挙式できる喜びを表現する為に、シンの胸の中に飛び込んだ

シンもチェギョンの気持ちに応えしっかりと抱き留めた

そして窓の外に母ミンの姿がないことを確認した後、チェギョンの頬を両手で包み込み

唇にそっと優しいキスを落とした





一方・・・シン家を去ったインの車は無言のままヒョリンの家の前に到着した

車を停めた時初めてインはヒョリンに話しかけた

『なぜそんなにもシンに執着する。』
『理屈じゃないの・・・イン先輩ならわかってくれると思ったのに・・・』
『俺ならわかってくれる?都合のいい話だな。俺はお前が寂しい時だけすり寄ってくる相手か?
寂しさを紛らわすだけの存在か?お前と知り合ってから8年・・・お前の気持ちがシンに移ってから6年。
俺はずっと我慢してきた。お前の我儘も何でも聞いてやった。お前が望めばシンの代わりに抱いてもやった。
だが・・・もう限界だ。シンの代わりなんてもう真っ平だ。もう二度と俺から連絡をすることはない。
お前の携帯からも俺のメモリーを消せ!俺も俺の中からお前を消す。』
『イン先輩!!』
『サヨナラだ・・・ヒョリン・・・』
『先輩!!』

あまりにも信じられないインの言葉に、ヒョリンは成す術もなく立ち尽くした

そんなヒョリンをバッグミラー越しに見る事もせずインは去っていった


後日インは携帯番号を変えた

だがその携帯の中からミン・ヒョリンのメモリーは消すことはできなかった・・・





三年生になってからチェギョンは同系大学の受験に向けて勉強を始めた

とはいっても元々数学以外はパーフェクトなチェギョンだ

夜、家族との夕食の時間が済んだあと入浴までの一時間程・・・毎日シンから個人授業を受け

入浴後にココアを飲みながらシンとしばらく談笑した後も、自室に戻って深夜まで勉強をした

数学に足を引っ張られるのはよくわかっていたチェギョンである

万が一・・・同系大学の受験に失敗するような愚か者だったら、恥ずかしくてシンと挙式ができないと考えたようだ

念には念を入れて臨んだ受験

その合否結果の日がやってきた

三年間担任であるハンから合格者は名前を読み上げられた

続々と読み上げられるクラスメートの名前・・・チェギョンは以前学年トップを狙った時以来の胸の高鳴りを覚えた

『シン・チェギョン!』
『は・・・はいぃ~♪』
『合格だ。』
『あ・・・ありがとうございますっ!!』
『しかもお前・・・トップ合格だった。』
『えっ?本当ですか?』
『あぁ。外部受験者も含め全受験者の中でトップだ。』
『わっ・・・・』

あまりの嬉しさに呆然となるチェギョン・・・クラスメート達のどよめきがチェギョンを取り巻いた

『すご~いチェギョン・・・』
『やったな~~!!』
『あ・・・ありがとう。』

だがほとんどが喜びと希望に胸をふくらます中・・・やはり一人二人とその喜びの群れから

はぐれてしまった者もいた

その理由は出席日数が足りなかったり、わずか合格ラインに達しなかったり・・・

それでも校長からの口利きで追試験を受けられることになった二人・・・

クラスメートたちはこの二人を合格させるべく、クラス一丸となって放課後勉強会を開くようになったそうだ



チェギョンが大学の内定を受け取り、イ家もいよいよ挙式に向けて動き始めた

『さて~チェギョンちゃん・・・じゃあまず手始めに、おうちを改築しようかしら?』
『えっ?お義母様・・・改築って?』
『あら~~あんな小さい家じゃあ住み心地がね・・・』
『そんなことありません。今のままで十分ですぅ。』
『子供が生まれたらどうするの?狭すぎるわ。』
『こっ・・・子供?///あ・・・でもまだ四年間学生ですし・・・』
『何言ってるの~。鉄は熱いうちに打て…子供は早いうちに産めっていうじゃない♪』
『でっでもぉ・・・・(子供って言われても、まだ自分が子供ですから~~!!)』
『あ・・・あら?ごめんなさいね。そうだったわ。まだ≪清い関係≫だったわね。ほほほほほ・・・』
『はっ///はいぃ~~!!///』

食事の後片付けをしている時、散々ミンにからかわれ照れ臭さのあまり真っ赤に頬を染めて

小さな家に戻ったチェギョンは、シンから問い詰められた

『どうした?そんなに赤い顔をして・・・。まさかお前また熱が?』

慌ててチェギョンの額にシンは手を当てた

『熱があるわけじゃないな。一体どうしたんだ?』
『ちょっとお義母様にからかわれただけですぅ~♪』
『母さんに・・・からかわれた?なんて言われたんだ?』
『あ・・・この家を改築しようって・・・』
『別にその必要はないだろう?このままで十分だ。』
『ですよね~~♪』
『子供が生まれたら母屋に引っ越せばいいのだし・・・』
『ひっ?///子供?///』

カァ~っと赤くなるチェギョンの頬・・・シンは自分の言葉が失言だったことに気が付き咄嗟にチェギョンの頭に

手を置いた

『じょ・・・冗談だ。』
『で・・・ですよね~~///あの・・・ところでオッパ、一つお聞きしたいんですが
私の大学の学費って誰が出してくれるんですか?』
『あぁ?なぜそんなことを聞く?俺が出すに決まっているだろう?』
『あ・・・でもうちの大学は私立だから学費がメチャ掛かるって・・・』
『くっ・・・そんなことを気にしていたのか?俺はお前の夫だ。当然の事だろう?そんなこと心配するな。』
『はいぃ~♪』

その後ミン・ヒョリンの姿は一切見ていない

二人は安堵し高校卒業後の挙式に向けて準備ができそうだ





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なんか最近・・・投稿前に毎回パソコンが落ちるんだよね・・・
毎回ドキドキです。

鳥取や岡山・島根にお住いの皆様
地震の被害はありませんか?
心よりお見舞い申し上げます。
今後もどうか気を付けてくださいね。


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