『じゃあオッパ・・・行ってきま~す♪』
『あぁ。連絡は入れるんだぞ。』
『は~~い♪』
待ち合わせ時刻が早朝だった為駅までシンに送って貰ったチェギョンは、そそくさと待ち合わせ場所に急いだ
万が一シンの車に乗っているところを友人に見られたら大変だ
なにせ本日一緒に海水浴に行くメンバーは、全員が元クラスメートなのだ
いくらシンが前髪を下ろしサングラスをかけ、ラフなスタイルだったとしても・・・気づかれる恐れがあった
『みんな~お待たせ♪』
『チェギョン遅いよ!』
『チェギョンが遅刻なんて珍しい~~♪』
『ごめんごめん。』
『じゃあみんな行こうか~♪』
高校二年生7人組は電車に乗り込み、昨年と同じ海水浴場に向かった・・・
一方、チェギョンを駅で降ろしたシンはその足でチェギョンたちが向かう海水浴場に向かって車を走らせた
万が一何か起こった時・・・すぐに駆けつけられる場所にいなければ対処ができない
あれほどのダメージを与える水着を持たせても、やはり妻が心配でならないらしい
シンは海水浴場に先回りをして、ビーチパラソルの下にビーチチェアーをセットし着衣のまま寝転んでいるという
どう見ても不自然な男を演じていた
『わぁ~去年と少しも変わってないや♪』
海水浴場の賑わいを見て微笑んだチェギョンは、去年と自分が全く違う生活を送っていることを思い出し
一人感慨深く呟いた
『チェギョン・・・何してるの?早く着替えるよ。』
『あ・・・うん。あっ・・・』
着替えると聞いて思い出してしまったあの水着・・・チェギョンは気乗りしない顔つきで
あの囚人服のような水着に着替え元クラスメートの輪に加わった
もちろん友人たちは育ち盛りの肢体を思う存分見せつけた、可愛い水着ばかりだった
おずおずとその輪の中にチェギョンが入って行くと、全員が一瞬ギョッとしたような視線をチェギョンに向けた
『チェギョン・・・あんた・・・』
『その水着・・・』
『あ~~うん。なんだか変だよね~~!』
もちろん友人たちの反応は予想していたチェギョン・・・しかし向けられてくる視線は冷たいものではなく
羨望に近いものだった
『それって・・・●×ブランドの新作でしょ?』
『えっ?そうなの?』
『そうだよ!!チェギョン・・・これを着こなすなんてすごーい♪』
『うんうん。私もそう思う。モデルが着ているの見て諦めたもん。』
『へーーー・・・・(これをモデルさんが?)』
『それにすごい高級品でしょう?あたしたちの着ているのの三倍はするはず。よくお母さんが買ってくれたね。』
『そうなんだ~。(買ってくれたのは夫なんですけど・・・。これ、そんなに高価なものだったんだ。
あまりのインパクトに気を取られて金額なんて見てなかった。へーーーー・・・・)』
『とにかくビーチに行こうよ。』
『うん、そうしよう~~♪』
皆と満面の笑みでビーチに出ていきながら、チェギョンはなんだか羨望の眼差しで見られていることが
不思議でならない
自分のセンスでは到底許しがたいこの水着・・・だが友人たちの反応をみるとどうやらそれを着こなせるのは
ごく一部の限られた人間だけのようだ
自分では少し肩身が狭い思いだったが、そんなこと感じる必要はないとチェギョンは胸を張り
友人とビーチバレーを楽しんだ
チェギョンが友人とビーチバレーを楽しんでいる頃、シンはビーチパラソルに隠れてその様子を見守っていた
若く溌溂とした女子高生が7人集っているのだ
その辺りにいる日焼けしたメンズは、その7人グループに目を奪われていた
『なぁ~あの子たち可愛くね?』
『ああ相当ポイント高いよね~!!』
『特に・・・あの●×ブランドの水着着た子・・・イケてる~♪』
『あ~あのブルーに黄色いストライプの子だろ?あの水着を着られるなんて、相当のナイスバディだぜ!』
それを聞いていたシンは慌てて起き上がった
(なにっ?それはチェギョンの事を言っているんじゃないか?)
『行こうぜ~彼女たちに声を掛けよう。』
『あぁそうしよう。』
褐色に日焼けしたメンズはチェギョンたちのグループに向かって歩いていった
(っつ・・・狼共め。うちの嫁さんに手を出すなよっ!!)
もちろんそんなことを堂々と言えるはずもない
その場にいる生徒たちは全員が、以前担任をしていた生徒たちなのだ
この場で出て行こうものなら、折角の雰囲気をぶち壊してしまうばかりでなく・・・チェギョンとの関係を
暴露して歩くようなものだ
シンはじっとそのビーチパラソルの下でサングラスをかけ・・・その集団の行動を見守った
『シン・チェギョンだっけ?』
『うん。そうだよ。』
『なんで一人で片付けてんの?』
『ん?あはは~去年ルーム長していたからその名残でついね・・・』
『俺も手伝うよ。』
『どうもありがとう。』
ビーチボールの空気を抜き・・・レンタルしていたお店に帰しに言ったチェギョンとその男
既に海には夕日が映り込み黄昏色が水面を揺らし、とてもロマンチックな光景だ
しかし・・・また案の定、友人たちは一人としてその場にいない
つまり今年もフェードアウトしてしまったのだ
『あれっ?みんなは?』
『あ~それぞれにカップルになって、ソウルまで食事して送るそうだよ。
チェギョンは僕が送るからさ心配しないで。』
『えっ・・・でも、まだ電車あるし・・・』
『夕飯付き合ってよ。ちゃんとソウルまで送り届けるからさ。』
『ん~~~~・・・・』
『とにかく着替えておいでよ。』
『うん・・・』
もちろん取り残されることは覚悟していた
だがまさか今年は、自分を送るという男子が現れるとは思ってもみなかったチェギョン・・・
(知らない男の人の車に乗るのは・・・オッパが見ていないからってダメだ。
ちゃんと断って電車で帰ろうっと・・・)
着替えを済ませチェギョンが出ていくと、その男はチェギョンのバッグを奪い歩き出した
『車・・・そこの駐車場に止めてあるからさ。』
『ちょっと待って!私は電車で帰るよ。』
『えっ?どうして?お腹も空いだだろう?美味しい物ご馳走するよ。』
『いや・・・遅くなると家族が心配するし・・・バッグ帰して!!』
『ええっ?じゃあ僕は一人で帰るの?』
『うん。そうしてほしい・・・』
『意外と頑固なんだなぁ。とにかく車に乗って!』
その男は運転席に乗り込むと助手席にチェギョンのバッグを置いた
チェギョンは困り果て車の男に懇願する
『私のバッグ帰して・・・電車で帰る。』
『とにかく乗ってよ。一人で帰るなんて危ないよ。』
運転席の外で困り果てているチェギョン・・・押し問答は続く
その時・・・不意に助手席側のドアが開き、助手席の上に置かれたチェギョンのバッグを
何者かが掴むと持ち去った
咄嗟の事に驚く車の男とチェギョン・・・その時夕闇の中に浮かび上がったシルエットは、低くはっきりした声で
チェギョンに告げた
『チェギョン・・・迎えに来てよかったな。』
『オッパ・・・』
『帰るぞチェギョン。』
『はいぃ~♪』
チェギョンは車の男に頭を下げ、シンと共にシンの車まで歩いていく
『全く・・・危ないところだったな。』
『真夏の海は・・・危険がいっぱいですね。』
『もう海水浴は禁止だからな。』
『来年はいけませんよぉ~~!いくらエスカレーター式といっても受験生ですから。』
『そうだな。チェギョン・・・食事して帰ろうか?』
『えっ?いいんですか?』
『あぁ。人目につかないレストランを知っている。そこで美味しいものを食べて帰ろう。』
『はいぃ~~♪じゃあお義母様に電話しておかなくちゃ。』
『それならもう食事はいらないと言ってある。』
『じゃあ行きましょう。』
『あぁ出発だ。』
走り出した車の中・・・チェギョンはシンに問い掛けた
『オッパ・・・私が心配で迎えに来てくれたんですか?』
『あぁ。来てよかっただろう?』
『はいぃ~~❤』
一年前の初めて出逢った日・・・チェギョンはシンにコンビニのサンドイッチをご馳走してもらった
一年経った今、向かい合って素敵なレストランで美味しい食事を摂っている
来年はどうなっているだろう・・・
シンが一日中ビーチパラソルの下でチェギョンの警護をしていたなど知らず、チェギョンは未来を想像し
たくさんの夢に胸が膨らむのだった
海水浴はこのように無事終了~❤
あの囚人服のような水着は・・・トレンドだったんだって♪
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
シン君お疲れさま~♪
あ!昨日ひたすらぐうたら過ごして
捻挫はかなり痛みが引きました~★
よかったよぉ~~❤
さすが頑丈なアタクシだわ(爆)
あの囚人服のような水着は・・・トレンドだったんだって♪
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
シン君お疲れさま~♪
あ!昨日ひたすらぐうたら過ごして
捻挫はかなり痛みが引きました~★
よかったよぉ~~❤
さすが頑丈なアタクシだわ(爆)