新しい年度が始まり、シンもチェギョンも其々に取り巻く人々が変わった
シンは父ヒョンの経営する会社に入り、新しい社会人としての一歩を踏み出した
だが・・・元々後継者のシンは、入社当初から役職が付く特別待遇だった
それゆえ新入社員でありながらも専務取締役という肩書に、社員の風当たりは相当強く感じられた
確かに仕事の面では新入社員なのであるから、シンはそんな風当たりも真摯に受け止め
いつか実力で社員たちを黙らせようと考えていた
しかし・・・同期入社の者達は皆年下で、会社内に気を許せる人物がいないことはシンにとって厳しい現実だった
上手くいって当たり前。少しでも隙があろうものなら、重箱の隅を突かれるような始末
そんなシンを癒してくれるのは、やはり家に帰った時に自分に向けられるチェギョンの笑顔だった
一方チェギョンもクラス替えで新しい友人に囲まれることとなった
担任は本人の要望もあってハンが受け持った
そしてクラスメートにはなんと・・・常に学年トップに名を飾るユン・ピルジュの顔もあった
そう・・・実はチェギョンが学年トップを獲ったのは、目の前に結婚という人参がぶら下がっていた一度きりで
その後は学年5位以内を何とか死守していた
シンが傍についているのだから・・・苦手な数学もしっかり教えて貰ったはずなのに、やはり主婦としての使命を
全うしようとするとどうしても勉強に欲が出ないのだ
新しいクラスメートの中で親しくなれそうな子を探そうと、クラスメートの顔ぶれを端から見ているチェギョンは
ユン・ピルジュと視線がぶつかった
(あっ・・・学年トップ君だ!!)
そう・・・あの結婚がかかったテストの時に≪間違えてくれ~~!≫と呪いのような祈りを捧げた彼だった
チェギョンと目が合うなりハン・ピルジュはチェギョンの元に歩いてきた
(わっ・・・なにっ?まさか・・・私が呪いをかけたの気づかれたとか?でも~そんなのずっと前の事じゃん!)
背中を椅子にピッタリとつけ引き気味にユン・ピルジュを見上げたチェギョン
ユン・ピルジュは屈託のない笑顔でチェギョンに話しかけた
『シン・チェギョン・・・同じクラスになったね。どうぞよろしく。】
黒縁の眼鏡の奥で目を細めたユン・ピルジュは、チェギョンに右手を差し出した
『えっ?あっ・・・うん。どうぞよろしく。でも・・・よく私の名前知ってたね。』
チェギョンハその手に応えながら、強張った表情を緩めた
『うん、もちろん。だってテストの点数で女の子に負けたのは初めてだったから・・・』
『あ~~あの時?くすくす…まぐれだよぉ。』
『そう?すごい喜んでいたじゃない。トップ獲った時・・・』
『まぁ一生に一度くらい学年トップを獲ってみたかったんだもん。くすくす・・・』
『もう二年になって受験体制だね。チェギョンもソウル大に行くんだろ?』
『えっ?(まさか・・・私はこのままエスカレーター式に・・・)ううん。同系大学に行くよ。』
『なぜ?』
『なぜって・・・(オッパの母校だから~♪)ここの大学に通いたいからだよ。』
『チェギョン・・・君には上昇志向がないの?』
『えっ?でもここの大学だってすごくいいと・・・』
『上を目指せるのに目指さないなんて、怠け者としか思えない!』
『怠け者?(あんたの方がナマケモノみたいな顔してんじゃん!!)』
『そうだよ。僕と一緒に勉強してソウル大に行こう!』
『えっ・・・いや、苦手な数学ならハン先生に教えて貰うから・・・’それwにソウル大に行く機ないしっ!)』
『馬鹿だな~チェギョン。そんなことをしたらハン先生が一定の生徒をえこひいきしたって、変な噂になるだろう?
ハン先生に迷惑かけたいの?』
『まさか!!迷惑かける気なんかない・・・』
『だったら決まり!!今日から放課後は勉強するよ。』
『ちょっと待って・・・私部活が・・・』
『君は受験と部活とどっちが大事なの?』
『絵を描くことが好きなの!!とにかく部活は外せない。』
『じゃあ部活が強制的に休みの水曜日だけでも・・・』
『え~~っ・・・(水曜日はお義母様と一緒に、オッパとお義父様が好きなケーキを焼きたいのに・・・)』
『じゃあ決まり!!』
『・・・・・』
勝手に決められた水曜日放課後のスケジュール
不機嫌そうに仏頂面をしているチェギョンの元に、ハンが近づきそっと話しかけた
『チェギョン・・・ずいぶん好かれたものだな。』
『ハン先生~~あいつ何とかしてくださいよぉ~~!!』
『チェギョン・・・同年代の男子との付き合いだって大切だ。』
『でもぉ・・・』
『お前の気持ちもわかるが、しばらく付き合ってやれ。そのうち熱も冷めるだろう。』
『熱?熱があるんですか?』
『ははは・・・こっちの話だ。』
ハンはチェギョンが同年代の男子と恋をすることもなく結婚してしまったことが心配だったのだ
もちろんけし掛けるつもりはなく、しばらく静観しようと思っているハンだった
シンはいつも帰宅するとチェギョンを伴い、着替えるために一旦小さな家に向かう
『オッパ・・・お仕事お疲れ様でした~♪今夜はお魚の煮つけですよぉ~♪』
『そうか。チェギョン・・・新しいクラスはどうだ?馴染めそうか?』
『ん~~~・・・学年トップがぁ~~!!』
『学年トップ?ユン・ピルジュか?』
シンでさえその名前を記憶しているほど、奴は優秀だった
『一緒にソウル大に行こうってしつこいんですぅ・・・』
『なにっ?それで・・・チェギョンはなんて答えたんだ?』
『このまま上の大学に進むって言ったんですけどぉ~~!!』
『言ったのに・・・どうしたんだ?』
『水曜日は部活がないから一緒に勉強しようって~~!!』
『ハン先生に何とかしてもらえ。』
『それが~~ハン先生は≪しばらく付き合ってやれ≫って言うんですよぉ~~!!』
シンは少し首を傾げ考える
(ハン先輩、一体何を考えているんだ?まぁ先輩の事だから何か考えがあっての事だろうが
もし・・・チェギョンがユン・ピルジュに惹かれたらどうする!!)
同じクラスになった男子が、チェギョンに急接近してきたと聞き不安が胸を過るシンだった
それから・・・水曜日になるとチェギョンの帰宅は遅くなった
もちろん二人が勉強を終え学校から別々に帰っていくのを、ハンはちゃんと見届けているのだが
そんなことを知らないシンは、自分の帰宅よりも帰りが遅くなる水曜日が嫌いになった
『お義母様~遅くなりました。』
『チェギョンちゃん早く着替えてきなさい。もう食事の支度はできているし、シンもお父さんも帰っているのよ。』
『は~~い。すみません~~!!』
着替えを済ませたチェfギョンはシンの隣に座り、すまなそうに食事を摂り始める
疲れた表情のチェギョンに、シンはつい問いかけてしまう
『チェギョン・・・今日は何を勉強したんだ?』
『数学です。もぉ・・・いっつも数学。数学なんか大っ嫌いっ!!』
唇を尖らせ憔悴した表情のチェギョンに。≪そんなに嫌ならユン・ピルジュと勉強するのはやめろ!≫
そう言ってやりたいが、大人のプライドが邪魔をしそれを嫉妬だと悟られたくないシンは
つい大人びた言い方になる
『お前のためを思って教えてくれているんだ。そんなに不貞腐れるな。』
『でもオッパぁ~~オッパと違って、怒るんですよ。間違えると罵倒されちゃうんだから~~!!』
水曜日だけは自分が癒されたくても、逆にチェギョンを癒すことに専念するシン
ユン・ピルジュと勉強をしてくる水曜日は嫌いになったが、必ずと言っていいほどチェギョンから≪ぎゅ~≫の
催促があることで何とか心の均整を保っている
そんなある水曜日の事・・・チェギョンがいつも以上に憂鬱そうな顔で帰宅をした
シンは小さな家に戻ってからその理由をチェギョンに問い掛けた
『どうしたんだチェギョン・・・』
『オッパ・・・生まれて初めて好きだって言われました。』
(なにっ?待てよ・・・俺も好きだとお前に言った筈だろう?い・・・いや?言っていなかったか?)
『それで・・・何と答えたんだ?』
『えっ?何と答えたって・・・私は結婚しているんですよ!
でもそんなこと言えないし・・・好きな人がいるからごめんなさいって言いました。』
『そうか。それで好きな人というのは?』
『げっ!!それを私に聞くんですか?もぉ~~!!』
『お前の好きな人は牛なのか?』
『もぉっ!知りませんっ!!』
不貞腐れて後ろを向いてしまったチェギョンを、シンは背後から抱き締めた
『くくっ・・・わかってる。でも聞いてみたかった。』
『オッパに///決まっているじゃないですかぁ~///』
『だがチェギョン・・・ユン・ピルジュに初めて告白されたっていうのは心外だ。』
『えっ?』
『そいつの前に俺がいるはずだ。』
『へへへ♪///わ~~い///』
チェギョンは肩に乗ったシンの頬に、自分の頬を擦りつけた
シンの寝苦しい夜はまだまだ続きそうである・・・
さ・・・寒いっ!!
あまりに寒くてエアコンの暖房入れちゃいましたぜ・・・
今日は多肉大型ハウスを作って
古いやつを解体して・・・
多肉なんちゃってラックも作っちゃった~~❤
三時間頑張りました。
明日は多肉の大移動です~❤
ここの二人・・・すっかりバカップルですみません(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
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