(チェギョンside)
仮面舞踏会から一カ月後・・・私の元にはあの舞踏会での大きな成果が伝わってくるようになった
王族の中で三組のカップルが誕生したのだ
しかもその中には、あの日決死の表情で私にハン家のお嬢さんを紹介してほしいと願い出たパク・ヨンさんの
名前も挙がっていた
予想通りの副産物が得られ私は大満足だ♪
そんなある日・・・私は覚えのある身体の不調を感じ、午後からでも王立病院に行こうと思っていた
そんな時私のマナーモードになっている携帯が鳴り響いた
なぜマナーモードかって?折角眠っているギョムを起こしてしまいたくないから常にマナーモードにしているのだ
電話の相手はガンヒョンだった。私は隣室に移動しその電話を取った
『ガンヒョン~♪先日は楽しかったわね。』
『ええ。とっても楽しかったわ。でも・・・久しぶりの男装のおかげで大変なことになったわ。』
『えっ?一体どうしたの?』
『ギョンのやつ・・・まだCM契約が残っているのに~~!!』
『CM・・・何か困ったことでも起きたの?』
『妊娠したのよ。』
『えっ?・・・・』
『あれほど約束したのに~~!!ギョンのやつ・・・』
つまり・・・私と一緒ということ?確かに夫同士は親友だけど、そんなところまで同調しなくってもねえ・・・
『あ・・・あのさ、ガンヒョン・・・実は私も多分そうじゃないかなって・・・』
『えっ?アンタも?』
『うん。なんだか体調がギョムを妊娠したときに似ていて、午後からでも病院に行こうかなって思っていたところ。』
『なっ・・・なんてことなの?信じられない!!
ギョンと同じように皇太子殿下も男装のアンタに萌えたってわけ?』
『くすくす・・・・そういうことになるかな~♪とにかく病院ではっきり診断してもらってくるよ。』
『ええそうして!まぁ・・・アンタが一緒なら心強いわ。』
その日の午後私は王立病院に出向き、予想通り第二子の懐妊を告げられた
おかげで可哀想なことに第一子のギョムは、断乳させられることとなった
妊娠中の授乳は子宮の収縮を促すため、妊婦には非常に危険なのだ
それまでにせっせと搾乳し冷凍保存しておいた母乳がなくなった時、ギョムはとても悲しそうな顔をしたが
それでも空腹に勝てるはずもなく、渋々粉ミルクを受け入れた
もちろん皇室の宝のギョムなのだから、最高級のものを与えられるのだけど・・・母乳に勝るものはない
ギョムがミルクを受け入れるようになってから、次第に私一人に固執しなくなっていった
乳母の寝かしつけでも眠ってくれるようになったのだ
おかげで私は十分な睡眠を取れるようになり、ギョムを妊娠していた時以上に公務にも顔を出すようになった
もちろんシン君の協力は絶大だった
三陛下も私達の第二子を心待ちにしていた
ただひとつ・・・ギョムに寂しい思いをさせているのではないかという気持ちが、私の中にいつもあった
そして時が満ちて私は内親王を出産した
同時期にガンヒョンも女児を出産した
私達の密かな男装の麗人育成計画が・・・始まろうとしている
(シンside)
女の子というものはどうしてこんなに可愛いのだろうか
ウナと名付けた第二子はその口元も丸い輪郭もチェギョンにそっくりで、いつまででも眺めていたいと思うほどだ
そしてそれは皇帝陛下も同様らしく、暇さえあれば東宮に入り浸る毎日だ
ギョムに至ってはおぼつかない足取りでウナの寝ているベッドを覗き込み、よくわからない言葉を話している
まだこの世に生まれて間もない二人は、何か通じ合うものがあるのだろう
ギョンのところも同じ頃、女の子が生まれた
奥方のガンヒョンさんは妊娠以降、チャン航空の広告から姿を消したが
生まれた子供が三カ月を過ぎた頃から、今度は家族全員で広告に写真が載るようになった
≪家族で過ごす快適な空の旅≫とキャッチフレーズがつけられたポスターには、
生まれた子供を抱くガンヒョンさんと二人を優しく見つめるギョンの姿があった
つまり・・・副社長自ら広告塔となってしまったわけだ
なんて商魂たくましいギョン
その優しい雰囲気のポスターのおかげか、チャン航空は確実に客を増やしているとの事・・・
さすがとしか言いようがない
そうだ・・・これを言い忘れていた
ソウル歌劇団では結婚で退団する女優たちは、必ずと言っていいほどその結婚相手からの
引退パフォーマンスが待ち受けるようになったそうだ
それは徐々に派手さを増していき、今では結婚相手の頭痛の種となっているそうだ
もちろんその先陣を切ったのは俺ということになる
王族の中で誕生したカップルたちは、もうすでに二組が結婚し・・・パク・ヨンとハン家の娘も来年結婚するそうだ
それぞれに縁結びをした俺達夫婦の元に挨拶にやって来た
こうして王族も家族同士の結束が深まり、より大きな皇室を支える力となってくれそうだ
そして俺とギョンの間では、親馬鹿ぶりを披露しあう添付ファイル付きのメールのやり取りが毎日続いた
(画像はお友達のKEIさんからお借りした月下美人。お持ち帰りはご遠慮ください。)
毎日毎日・・・ゴロゴロと
雷さんは大忙し~~!
ふぅちゃんが窓の外の閃光を見て
驚いております。
では次回40話でこのお話を完結させていただきますね❤
毎日毎日・・・ゴロゴロと
雷さんは大忙し~~!
ふぅちゃんが窓の外の閃光を見て
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