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Channel: ~星の欠片~
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カゲキな彼女 15

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(シンside)

シン家から婚姻の了承を貰った俺は、早速宮に戻り皇帝陛下に報告をした

そしてその場でよい日取りを選び、その日に婚約発表することにした

ついでといっては何だが、その日のうちに婚姻の日取りまで決めてしまった

先の予定が早く決まっていた方が、チェギョンだって目標に向かって訓育に身が入るだろう

その日の夜・・・俺はチェギョンに決定事項を連絡した

『チェギョンか?』
『ええ。』
『無事マンションに戻れたか?』
『うん。大丈夫。シン君、マスコミに何かクレームでも付けた?』
『あぁ?まぁ・・・少しだけな。』
『家の周りにはいなくなったわ。』
『そうか。それは良かった。』
『でも・・・近所の商店街とか取材しているみたい。』
『っつ・・・なんて奴らだ!!君の周辺は?』
『あからさまにはついて来ないけど、遠巻きに探っているみたい。カーテン開けられないもの・・・』
『それも後しばらくの辛抱だ。』
『えっ?婚約の日取りが決まったの?』
『あぁ。三日後に婚約発表をする。』
『えっ?そんなに早く?』
『あぁ。既に婚姻も二カ月後と決まったからな。入宮は婚約発表の翌日だ。午前中に迎えの車を手配する。』
『えっ?婚姻はそんなに早いの?お妃教育・・・間に合うかしら・・・』
『まぁ君の場合、免除されるものもあるだろうから大丈夫だろう。そのつもりでいてくれ。
君の家には婚約発表の日にコン内官と皇帝陛下付きのキム内官が、婚約の品を持って伺うことになっている。
すでに君の家には連絡済みだ。』
『用意周到なのね・・・』
『あぁもちろんだ。くくっ・・・。そのつもりで荷物の片付けをしておいてくれ。
君が入宮するのを・・・心待ちにしている。』
『わかったわ。頑張る!』

結婚すると決めた以上宮の決定に従わなければならない

チェギョンは準備が大変だろうが、一秒でも早く傍に来て欲しいと願う俺の気持ちは彼女に伝わったようだ




婚約発表の日・・・

俺は皇室広報部からの発表ではなく、自分の言葉で国民に婚約を報告する義務があると感じ

自ら会見の場に赴いた

慣例では広報部の担当職員が会見に臨むのだが、婚約する本人が会見の場に現れたのだ

マスコミ関係者も相当テンションが上がったらしく、カメラのフラッシュが眩しいほどだった

マイクの前に立ち俺は会見に臨む

【国民の皆さん・・・私の婚姻問題では世間をずいぶん騒がせてしまいましたが
かねてより思いを寄せていた元女優シン・チェギョンさんと、本日婚約が整ったことを
ここにご報告させていただきます。
彼女はとても聡明で物怖じしない素敵な女性です。
きっとこの国の良き国母となってくれることでしょう。
婚姻は二カ月後と決定いたしました。彼女は早急に入宮し訓育を受けることとなります。
私がこの目で選んだ確かな女性です。どうぞ国民の皆さん、この婚姻を温かく見守ってくださいますよう
お願いいたします。】

前列に詰めかけているのは、あの襲撃事件から俺達を追っていた取材記者ばかり

みんな満面の笑みで≪おめでとうございます。≫と祝いの言葉をくれた

俺もつい顔がほころんでしまう

まだ恋愛さえできていない俺達だ

彼女が入宮したら俺達の気持ちをもっと深めていこう・・・俺はそう心に誓った







(チェギョンside)

うちの両親のところにシン君が挨拶に行った夜・・・彼から電話が入り、婚約は三日後入宮はその翌日だと

聞かされた

この部屋はガンヒョンとシェアしている。すぐにでもガンヒョンに報告しなくっちゃ

私は自分の部屋を出てガンヒョンの部屋をノックした

<トントン>
『ガンヒョン・・・今話せるかな?』

すぐに扉が開きガンヒョンは顔を出した

『なあに?チェギョン・・・』
『あ・・・婚約委の日が決まったの。』

ガンヒョンは部屋から出るとソファーに腰かけ私の目を見つめた

『そう・・・それでいつ?』
『三日後。でもその翌日に入宮しろっていうのよ。』
『ずいぶん急ぐのね。ふふふ・・・そんなに待ち遠しいのかしら?』
『笑い事じゃないわよガンヒョン。どうしよう荷物・・・一緒に買った物はもちろん置いていくけど
今まで私が使っていたベッドとか・・・持っていけないわよね・・・。』
『ふふふ・・・そんなもの持っていける筈ないでしょう?いいわよ。いつかアタシも引っ越すだろうから
その時に処分するわ。あ~そっか・・・シン・チェギョンの使ったベッドだったら、
オークションで高値が付くかも~♪』
『ちょっちょっと冗談はやめてよ。』
『馬鹿ね、冗談に決まっているでしょう。ふふふ・・・』
『お家賃・・・これからも半分払うから・・・』
『ふふふ・・・それもいいわよ。アンタが出ていくだろうからって、ギョンがルームメイトに名乗りを挙げたけど
却下してやったわ。』
『えっ?ギョン君・・・そんなこと言ったの?』
『度胸のいい男よね~ふふふ・・・。だからアンタは何も心配しなくて、身の回りの必要な物だけ
持っていったらいいわ。』
『うん。どうもありがとうガンヒョン・・・』

何から何までこのガンヒョンには世話になりっぱなしだ

音楽学校を卒業して一緒に部屋を借りるようになってから、ガンヒョンは誰よりも頼りになる親友だった

恐らくそれはこれから先も変わらない

ガンヒョンに心から感謝しながら、私は自分の荷物を片付け始めた




三日後・・・婚約発表が行われるという時刻に、私とガンヒョンはテレビの前にいた

そして皇室の広報担当の人ではなく、彼本人が婚約報告する記者会見を見守った

『ほぉ・・・正に愛してやまないって感じね。』
『冷やかさないでよガンヒョン。』
『当分逢えなくなりそうだし、今夜はギョンを呼んでここで食事しようか。アンタの好物作ってあげる。』
『ホント?嬉しい~~♪』

思いがけない食事の招待に狂喜乱舞したのはギョン君だろう

私達三人はその部屋での最後の食事を堪能した

途中…電話がかかってきた彼は、その三人の賑やかな様子を非常に羨ましそうにしていたけど

もうすぐ私が宮に行くから待っていてね・・・そう告げると≪あぁ。≫といつになく照れた声が

電話の向こうから聞こえた




翌日・・・約束通り宮の車が私を迎えに来て、私はマスコミが向けるカメラのフラッシュに包まれながら

車に乗り込んだ

『シン・チェギョン様・・・東宮の尚宮をしておりますチェと申します。よろしくお願い申し上げます。
これから東宮に向かい、チェギョン様のお部屋にご案内いたします。
荷物を降ろしましたら、すぐに皇帝陛下の元に参りましょう。』
『はい。どうぞよろしくお願いいたします。あの・・・皇太子殿下は?』
『皇帝陛下の元にいらっしゃいます。』
『そうですか。』

にこやかに微笑む品の良いチェ尚宮さんに案内され、私は初めて東宮・・・つまり彼の住まいに足を踏み入れた

素敵な洋風造りの建物の長い廊下を歩き、チェ尚宮さんはある部屋の扉を開けた

『こちらがチェギョン様のお部屋でございます。』

あぁ・・・なんて愛らしい部屋なの?今まで男役に徹してきたから、あまりラブリーなインテリアとかは

敢えて避けてきたのだけどすごく気に入ったわ

護衛の人達が荷物を運んでくれ、私はチェなお宮さんに促され再び東宮の玄関に出て行った

これから皇帝陛下の元に向かうのだろう

私は堂々と胸を張ってチェ尚宮さんの後に続いた

皇帝陛下のお住まいまではなかなか長い道のりだ

結構歩くのね・・・そう思った時・・・突然私に話しかけ近づいてくる人物がいた

『あら?あなたがシンの婚約者かしら?』

私は咄嗟にチェ尚宮さんを見つめ≪どなたですか?≫と問いかけた

チェ尚宮さんは小声で私にその人物について教えてくれた

『チェギョン様。恵政宮様でいらっしゃいます。恵政宮様は、現皇帝陛下の亡くなられた兄上様のお后で
いらっしゃいます。その後ろに立っておられるのが皇太子殿下の従兄弟のイ・ユル様でいらっしゃいます。』

承知したとばかりに私はチェ尚宮さんに頷き、それから恵政宮様に向けて挨拶をする

『はじめまして。シン・チェギョンと申します。』
『元女優だと聞いていたけどずいぶんオーラがないのね。
そんなことでどうやってシンをたぶらかしたのかしら?』

はぁ?いきなり初対面でこの挨拶なの?

いやいや・・・相手は彼の伯母様。上手くかわさなければ・・・

『ええ。女優といっても男役でしたから・・・くすくす。』
『あ~そういえばシンは男色の疑いありって噂になっていたのよね。
あなたの男っぽいところがよかったのかしら?』

これは明らかに私のフィアンセに対する侮辱だ。怒ってもいいかしら?

『恵政宮様、世間の噂なんて信じてはいけませんわ。彼は立派な男性です。
それは皇太子殿下に対して無礼に当たるのでは?』

恵政宮様の顔色が変わった

私に諭されて明らかに面白くないという顔をなさる

『なんて生意気な娘なの!』

声を荒げる恵政宮様の後ろでイ・ユルさんは慌てて二人の間に入った

『母さん・・・母さんの方が失礼に値する言葉を言ったんだ。皇帝陛下にご挨拶も済んだのだから
僕たちはもう行こう。シン・チェギョンさん、僕はイ・ユル。シンの従兄弟なんだ。どうぞよろしくね。』
『よろしくお願いいたします。』

私は表情を変えずイ・ユルさんに会釈をすると、再びチェ尚宮さんと共に皇帝陛下の元へ向かった

シン君の家族は非常に話がしやすいのに、なんだろう・・・あの恵政宮様の私に向けられる敵対心って・・・

その答えはあとで彼の口から聞かされることとなった




イメージ 1

(画像はD2オリジナルポーチュラカ)

あ~~ん花ネタ切れだ
kakoさん所にいってお借りしてこなくっちゃ~~❤

なんだかじめじめと蒸し暑いです。
お話ではとうとうソ・ファヨンが現れてしまいましたよぉ~~~!!


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