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Channel: ~星の欠片~
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カゲキな彼女 14

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(チェギョンside)

引退のカーテンコールの場で、まるで連れ去られる様にシン君と退場した私

でも・・・また荷物や鍵さえも持っていなくて、ガンヒョンに届けてもらう羽目になった

自宅マンションに戻りガンヒョンと≪お疲れ様会≫をしている時、私のスマホが鳴り響いた

あ・・・お父さんだ・・・

私は両親の胸の内が理解できるだけに、重い気持ちで電話を取った

『お父さん・・・』
『チェギョン・・・さっきのあれは一体・・・』
『あ~うん。電話で話すことじゃないから、明日午前中に家に戻るわ。』
『少しでも早く来ておくれ。もう・・・門の外にマスコミが・・・』

やっぱりそうなの?ごめんねお父さんお母さん・・・

『わかったわ。早く行くから待っていて。』
『待ってるよ・・・』

降って湧いたような話に父も相当動揺しているのだろう

心細そうな声で電話は切れた

私は電話を切った後ガンヒョンに話しかけた

『ガンヒョン・・・結婚するって大変ね。』
『そりゃあそうよ。特にアンタの場合、相手が皇太子じゃあね・・・』
『ガンヒョンだってギョン君がお相手じゃあ大変じゃない?』
『アタシはまだ決めたわけじゃないわよ。』
『嘘ばっかり。次の公演で引退しようと考えていない?』
『ふふふ・・・揺れていることは事実ね。』
『悪くない相手だと思うよ。ギョン君・・・。ガンヒョンをすごく愛しているし・・・』
『それもわかってる。もう少し考えてみるわ。』
『うん。そうね。』



翌日私は朝早くマンションを出て。実家に向かった

ガンヒョンももう新しい公演のリハーサルが始まるとの事で、私と一緒にマンションを出た

あっ!やはり・・・尾行されているみたい

私の乗ったタクシーは報道関係の車に追跡されている

これは・・・両親も戸惑うわけだ

予想通り実家の前に着いた時、私はマスコミ関係者から取り囲まれた

『シン・チェギョンさん・・・殿下とのご関係は?』

見ればわかるでしょう?とも思ったけど公式発表があるまでは何も言えない立場だ

『私からは何もも申し上げられません。』

と・・・そつなく答え、私は自宅の門の中に入っていった

家の中では昨晩眠れなかったと顔に書いてありそうなほど疲れ切った両親が、私の到着を待っていた

『チェギョン・・・一体どうなっているんだ。』
『ちゃんと説明しなさい。』

私は両親の前に座り真剣な表情で告白をする

『お父さんお母さんごめんね。あの事件の時には・・・まさかこんなことになるとは思っていなかったの。』
『皇太子殿下が差し伸べた手に・・・あなたが応えたってことは、そういうことなの?』
『ええ。そういうこと。殿下からプロポーズされてそれを受けたわ。』
『チェギョン・・・お前って子は・・・身分違いは不幸の元だぞ。』
『お父さん確かに私もそう思った。でも・・・殿下がどうしてもっていうのよ。』
『つまり・・・望まれたということなのかい?』
『そう!まさにその通り!!』
『だからって私たちに相談もなしに・・・』
『お父さん、私もう28よ。親の許可がなければ結婚できない年じゃないのよ。
それに・・・私もちゃんと将来のこと考えて決めたの。』

これは説得ではなく報告だ。私は毅然とした態度で両親に告げた

そんな私の顔を見て母は半ば呆れたように笑顔を浮かべ、席を立った

『あなたの事が心配で昨日からご飯が喉を通らなかったのよ。お腹空いちゃったわ。食事にしましょう。』
『母さんこんな時によく・・・』
『あなた!今更私たちが足掻いても、チェギョン自身が決めたんだからもうあれこれ言うのはやめにしましょう。』
『そうはいっても・・・』
『往生際が悪いわよ!あなた。チェギョンお腹空いたでしょう?』
『うん。お腹ペコペコよ~~♪』
『じゃあ食事にしましょう。』

こういう時は女の方が強いって聞くけど本当ね

母のおかげでようやく食事にありつけたわ

それでも父は・・・納得をしていない顔だったけど・・・

食事が済んだ頃・・・なんだか外が騒がしくなった

いよいよシン君のお出ましね。きっと・・・







(シンside)

シン家を訪れた俺とコン内官は、シン家の門の前を張り込んでいるマスコミ関係者から逃れ

シン家の敷地に入っていった

玄関のインターホンを押すとすぐにチェギョンが現れ扉を開けてくれた

『いらっしゃい。』
『外がずいぶん大変なことになっているな。』
『仕方ないわよ。』

チェギョンに促されシン家にお邪魔した俺とコン内官・・・リビングに通されるとチェギョンの両親と思しき夫妻が

ソファーから立ち上がり俺にお辞儀をする

『チェギョンのご両親・・・初めまして。イ・シンです。この度は大変な騒ぎになり、申し訳ありません。』
『あ・・・いえ・・・どうぞお掛けください。』

俺とコン内官はシン夫妻の前に腰かけた

チェギョンは恭しくお茶を出してくれた

こんな姿を見るのも初めてだ・・・くくっ

『早速ですがこちらのお嬢さんを私の妃に迎えたいのです。お許しいただけますか?』

いきなりの言葉にチェギョンの父は相当驚いたようだ

『あの・・・殿下、我が家は民間人です。もっと殿下のお傍に仕えるにふさわしい女性がいるのではないかと・・・』
『何をもってふさわしいというのか私にはわかりません。
私にとっては彼女がベストです。彼女以外に考えられません。』
『いえ・・・ですからもっと家柄の良い家とか・・・』
『確かにそういう風潮が今まであったことも事実です。ですが・・・例えば王族や財閥の娘と婚姻したのでは
その家の権力を強めてしまうだけです。幸い彼女にはそういったしがらみがありません。
そんな理由もあって私は彼女と婚姻しようと決めました。』
『つまり・・・いい家の娘じゃないから・・・と?』
『そういう意味ではありません。私が婚姻したいと思った女性が彼女だけだったということです。』
『あのぉ・・・そう思った理由は何なのですか?』
『劇団で演技する彼女はまさに男の中の男でした。私が嫉妬するほど素晴らしい男性を演じていました。
ですが・・・女性としては実に無垢な人であると感じました。
好きな女性を自分の色に染めていけるのです。これほど男冥利に尽きることはありません。』

はっ・・・何か間違ったか?シン・チェギョンが俺を睨んでいる

俺は慌ててその先の言葉を続けた

『つまりそれほどまでに彼女に惚れ込んでしまったということです。
一度王族の集まるパーティーにも出席してもらったのですが、彼女は物怖じせず堂々とした貴婦人振りでした。
彼女以外に私の妻を務められる女性はいません。28年生きてきて初めて理想の女性に出逢いました。
どうか・・・認めてください。』

彼女の父はなんだか泣きそうな顔をして俺に哀願の視線を送る

きっとそれは≪娘のことを諦めてくれないか?≫という意味合いを含んでいるのだろうが、

俺はあくまでも気づかない振りをする

『あなた・・・ここまでチェギョンを望んでくださっているんですから・・・』

彼女の母は実に思い切りがいい。こんなところはチェギョンとよく似ている

彼女の父は深く大きな溜息を吐いてポツリと呟く・・・

『必ず幸せにしてくれると約束できますか?』
『はい。約束いたします。』
『娘を泣かさないと約束してくれますか?民間人だからと馬鹿にされたり・・・しませんか?』
『彼女が王族から馬鹿にされるなどありえwません。彼女は王族からもとても人気があるのです。
実際・・・ドレス姿であるにも拘らず、王族の娘にダンスを申し込まれたほどですから・・・
何もご心配には及びません。』
『わかりました・・・』
『どうもありがとうございます。では・・・改めて婚約の折には、この家に使いをよこします。』
『はい。』
『皇族になるためには訓育を受けていただくことになります。婚約が発表されたらチェギョンさんは入宮して
いただきます。』
『えっ?家から通うのではいけませんか?』
『お義父さん・・・今でさえマスコミがこの騒ぎです。チェギョンさんを一番安心な宮に
預けた方がいいと思いますが?』
『わかり・・・ました・・・』
『では私は宮に戻り、皇帝陛下に報告して参ります。これからどうぞよろしくお願いいたします。』
『こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。』

最後に満面の笑みで送り出してくれたのは彼女の母だった

やはり彼女の父はショックが大きかったらしい

シン家を出る前に俺はコン内官を先に車に戻し、玄関先でチェギョンの手を握った

これでようやく前に進める

その思いは自然と握りしめた手に力が入る

つい彼女の首筋を引き寄せ、昨日の続きに取り組みたいところだが・・・またきっとムードが云々と

文句を言われるに違いない

俺は逸る気持ちを必死に抑え口角を上げるとチェギョンに微笑みかけた

『じゃあ…また連絡する。』
『うん♪』

来た時同様マスコミに追いかけながら車に乗り込む際、俺は一言だけコメントをした

『この家や近隣住民の迷惑になりますから、この場所で取材するのはやめてください。
何れきちんとした形でご報告させていただきます。』

シン家の両親から承諾をもらえた俺は、そういい微笑むと車に乗り込んだ

あとは婚約を発表するのみだ

そうしたらチェギョンが宮にやって来る

ようやく俺は意中の彼女と婚姻前の恋愛ができるのだ




イメージ 1

(画像は我が家のキキョウ)



今夜のご飯は豚バラ大根です(爆)
油抜きして朝から煮込んだので
食べるのが楽しみだ~~❤

痩せるはずがない(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!


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