産後一週間・・・チェギョンと生まれた内親王は東宮に戻り、三陛下とチェギョンの父ナムギルは漸く内親王との
感動の対面を果たした
愛らしいチェギョン似の内親王は≪ウナ≫と名付けられ、宮廷内は喜びに沸き返った
だが・・・待望の皇太子殿下の第一子が内親王と知った王族会は、次の会議ではもう第二子を望む声が
囁かれるようになった
『殿下・・・次は是非親王様を・・・』
『さようでございます。妃殿下はお医者様でいらっしゃるのですから、
男女の産み分けなど簡単でございましょう?』
出産直後の妃殿下を追い詰める発言が飛び交うのを、シンはその者達を一瞥すると何気なく答えた
『そういうデリケートな問題に触れるとはそなたたちも野暮だな。
そう言えば・・・ハン家やソン家も女系ではなかったか?
家でもそのような嫌味を言っておるのか?きっと嫁に嫌われる事だろうな。』
嫌味には嫌味で返したシンは、その日東宮に戻った時その話をチェギョンに聞かせた
『なんですって?医者だったら産み分けできる?そんなことある筈ないでしょう?
まったく頭の固い古狸が多くて困っちゃう。』
チェギョンが言う通り何の秘策も無かったのだが・・・それから二年後には無事親王≪ギョム≫が誕生し
皇太子夫妻は王族からなにも言わせない立場となった
すくすくと成長するウナとギョム・・・
やがてウナは王立小学校へと入学した
ところが入学後3日目からウナは学校に行きたがらなくなった
とても快活で臆するところの無いウナのそんな様子に、シンもチェギョンも胸を痛め問い掛けた
『ウナ・・・どうして学校に行かないの?』
『だってお母様・・・皆私と話をしてくれないんだもの。』
『ウナ・・・意地悪されているのか?』
『そうじゃないけど・・・』
同じクラスに通う生徒達がウナと話したがらないのは、恐らくその位の高さゆえ近寄りがたいだけなのだが
ウナはすっかりクラスメートに嫌われていると思いこんでしまったらしく、部屋に引きこもるようになってしまった
困り果てたチェギョンは親友であるイ・ガンヒョンに電話をし、東宮にソンジュを連れて遊びに来てくれるよう
お願いした
ウナには同じ年頃の子供に慣れる必要があったのだ
なかなか逢えないチェギョンから連絡を受け、ガンヒョンは喜んでソンジュを伴うと東宮を訪れた
『ガンヒョン・・・来てくれてありがとう。』
『いいわよチェギョン。ウナ姫はどこ?』
『部屋に閉じこもりっきりなのよ。一緒に付いて来て。』
ガンヒョンとソンジュはチェギョンの後に続き、ウナの部屋をノックする
<トントン>
『ウナ入ってもいいかしら?』
『・・・・・・』
なんの返事もないままその扉は開き、中からウナがしょげかえった顔を覗かせた
『こんにちは。』
目の前にいきなり現れた子供の姿にウナは相当驚いてソンジュに問いかけた
『あなたは・・・どなた?』
『僕はチャン・ソンジュと言います。ウナ姫♪妃殿下と僕のお母さんがお友達なんです。
ちょっと話をしてもいいですか?』
『どうぞ。』
ウナの様子に安堵したチェギョンは、ソンジュをウナの部屋に残し二人は久し振りの談笑をする事に決めた
『どうぞ。そこに掛けてください。』
『はい。ウナ姫・・・どうして学校に行かないんですか?』
『お友達が・・・いないから・・・』
『ご自分から話しかけてみましたか?』
『うん。でも・・・逃げられちゃうの。嫌いなのかも・・・』
ソンジュは哀しそうな顔をするウナに向かって首を横に振った
『ウナ姫・・・それは違います。ウナ姫は高貴な生まれだから、近寄りがたいんです。』
『近寄り・・・がたい?』
『はいそうです。近寄りたいけど・・・近寄れないんです。』
『そうかな。本当にそうなのかな・・・』
ソンジュは満面の笑みをウナに向けた
『そうですとも。もしよかったら僕が明日から、車から教室まで送迎します。
ウナ姫が僕と平気で話しているのを見たら、クラスメートもきっと話しかけてきます。』
『本当?』
『本当ですとも。じゃあ明日、車が到着する頃待っていますね。』
『うん♪』
ソンジュと話をした後ウナはソンジュを伴いリビングにやって来た
久し振りに見せるウナの笑顔にチェギョンは心から安堵し、ソンジュに学校でのウナを託すことにした
そしてその日公務から戻ったシンにその旨を話した時、少しだけシンの表情をこわばらせたが
チェギョンはシンのそんな様子を全く気にする事はなかった
翌日から本当にチャン・ソンジュはウナの到着を待っていた
そして車から降りるとウナと手を繋いで教室まで送っていくのだ
その頃には五年生となっていたソンジュは校内でも三本の指に入るほどの人気者であり、
そのソンジュに手を引かれ教室にやってくるウナもまた皇孫となれば・・・今まで以上に目を引く存在になった
ソンジュの効果なのか徐々にクラスメート達もウナに話し掛けるようになり、ウナは本来持っていた活発な性格を
取り戻す事が出来たのである
『ソンジュオッパ・・・もうすぐ中学に行っちゃうんだね?』
入学から二年近く経った時、ウナは寂しそうにソンジュに告げた
『はいウナ姫。一足先に中学に行きます。でも中学は隣にありますから、いつでも逢いに来ますよ♪』
だが・・・やはり中学生ともなるとなかなか忙しくなり、偶然に逢うこともままならなくなった二人
それでも両親が親友同士という事もあり、東宮で時々逢えるのを楽しみにお互い過ごしていた
そんな風にして日々成長して行った二人だが・・・どうやらソンジュは将来の事を考え大学は王立大学に
進学しないことを決めたようだ
ある日東宮を訪れたソンジュはウナに告げた
『ウナ姫・・・大学は警察大学に進みます。』
『えっ?ソンジュオッパ・・・王立に行かないの?』
『はい。警察大学を卒業して皇室警察に入ります。僕の父と同じ道を歩むんです。
そうしたらウナ姫はもちろんの事・・・皇族の皆さんをお守りできるでしょう?』
『お守り・・・できる?』
ウナにとってソンジュは小学校からずっと自分の近くに居てくれる存在だった
もちろんそんなソンジュにウナは絶対的な信頼を寄せ、初めての淡い恋心をずっと胸に抱いていた
だが・・・お守りする・・・ソンジュの傍に居てくれる理由が、自分の願う形と同じでない事を知ったウナは
小学校入学当時以来の引きこもりになってしまった
食事も摂らない・・・部屋から出ようともしない
再びそのような状態に陥ってしまったウナを心配し、チェギョンはウナと真剣に話をしてみようと思い
ウナの部屋を訪れた
『ウナ・・・一体何があったの?どうして学校に行かないの?』
『お母様・・・忠誠心なんて・・・私は欲しくない。』
『えっ?それはどういう意味?』
『ソンジュオッパが・・・皇室警察官になるために警察大学に入るって・・・。
私はソンジュオッパはずっとそばに居てくれる人だと思ったの。
でも違った。ソンジュオッパは皇族をお守りしたいんだって・・・私を守りたいんじゃなかったの。
私一人が勝手に・・・ずっとそばに居てくれるものと思ってた。
片想いだった。』
『ウナは・・・ソンジュが好きなのね。』
『うん。きっとソンジュオッパも私とは違う意味で私が好きだわ。
同じ方を向いていないの・・・それが哀しくて・・・』
『そう。解ったわウナ。そんなに泣かないの。』
その夜チェギョンはシンに相談を持ちかけた
『シン君・・・ウナが塞ぎこんでいる理由がわかったわ。』
『一体何だったんだ。』
『ソンジュよ。』
『ソンジュ?あいつ・・・ウナを泣かすなんて許せん!!』
『そうじゃないのよシン君。ソンジュはギョン君と同じ様に皇室警察官になるために警察大学に行くって
決めたらしいの。つまりそれは・・・ずっと警察官という立場でウナを守ろうと言う気持ちの表れだと思うのよ。
でも・・・ウナの気持ちは恋だわ。』
『恋・・・だと?ウナはまだ中学二年生だぞ。』
『中学二年生だって立派な大人よ。人を愛する気持ちをウナは知っているわ。』
『だとしたら・・・余計許せないだろう?ソンジュはウナの気持ちを知っている筈だ。』
『知っているからって自分の気持ちが言える?身分違いだって王族から反対されるのは目に見えているわ。
シン君・・・ギョン君にそれとなく聞いて貰えない?ソンジュの本心。
ウナのあんな悲しそうな顔・・・見ていられないわ。』
『っつ・・・』
まだ子供だと思っていたウナの恋の話を聞かされ、シンは苦渋の表情のままギョンの携帯に
電話をするのだった
あはは~~飛ばす時は飛ばすのよ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
一話で12年(激爆)
さて・・・ウナとソンジュの運命は?
そしてシン君は何を言うつもりかしら(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
ちょっと怖いわ(爆)
一話で12年(激爆)
さて・・・ウナとソンジュの運命は?
そしてシン君は何を言うつもりかしら(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
ちょっと怖いわ(爆)