親友であるシンからの電話・・・チャン・ギョンはすぐその電話を取った
『シン?どうしたんだ?』
『ギョン俺だ。』
『解ってるよ。』
『ギョン・・・今、家に居るのか?』
『ああそうだよ。』
『すまないがソンジュに代わってくれ。』
『えっ?俺じゃ無く・・・ソンジュに用なのか?』
『お前にも後で話がある。とにかく一旦ソンジュに代われ!!』
『解ったよ。』
今まで一度たりともシンからソンジュに電話など掛かってきた事は無い
ギョンは少し不思議に思いながらその電話をソンジュに渡した
そんな電話を受けたソンジュも、相手が皇太子殿下だと聞かされ少し緊張した様子で電話を耳に当てた
『お電話代わりました。ソンジュです。殿下・・・』
『ソンジュか。お前の進路の件についてなのだが・・・警察大学に行くと決めたそうだな。』
『はい。ウナ姫からお聞きになったのですか?』
『あぁ。警察大学に行くと決めたのは皇室警察官になりたいからか?』
『はい。父の背中をずっと見てきて皇室警察官に憧れていました。
それに・・・皇室の方々の安全をお守りできますから・・・』
『つまり・・・忠誠心ゆえ警察大学に行くと言うのだな?』
『はい。その通りです。』
『お前にはウナが幼い頃よりずいぶん世話になった。お前は忠誠心でウナに親切にしていたと言うのだな?
・・・男としてではなく・・・』
シンは意を決してその言葉を問い掛けた
『男として・・・。正直に申し上げますがそういう気持ちを持つ事さえ、僕にはおこがましい事でしょう。
そう思った末の決断です。』
『つまり・・・ウナを異性として見てはいるが、身分違いだからその様な立場でウナの傍に居ようと考えたのか?』
『・・・・そうです・・・』
『ウナが・・・部屋に閉じこもってまた食事も摂らなくなった・・・』
『えっ?ウナ姫が?』
『お前が警察大学に進むと聞いて・・・自分の想いとソンジュの想いは違うのだと泣いている・・・』
『えっ?殿下・・・それは・・・』
『どうするのだ!!男なら気概を見せてみろ!その様な気弱な決断をしていたのでは、
いつかウナに縁談が持ち上がった時辛い想いをする。黙って見守れるのか?』
『・・・それは・・・ですが・・・』
『お前の正直な気持ちを聞きたい。ソンジュ・・・お前にとってウナはこの国の皇孫か?それとも女か?』
『恐れながら申し上げます。生まれたその時から女性でした・・・』
『だったら・・・その気持ちをウナになぜ言ってやらない!ウナをずっと泣かせておくつもりか?』
『ですが・・・』
『俺はお前の本心が聞きたかったのだ。言い訳も理屈もウナには通らない。
いいな!!明日ウナに逢いに東宮に来てやってくれ。そしてお前の気持ちを伝えてやってくれ。
先の事は二人の気持ちを確認し、ウナが大人になった時に決めよう。それでいいな?』
『許されるのですか?ウナ姫に僕の気持ちを伝えてしまう事が・・・』
『あぁ。ではお前との話は済んだ。ギョンに代わってくれ。』
『はい殿下。』
ソンジュとの話が済み安堵と寂しさが胸に込み上げるシン
そんなシンを案じた様にギョンは心配そうに声を掛けた
『シン・・・』
『聞いていたか?ギョン・・・』
『ああ。聞いていたよ。』
『まだ先の事は解らないがソンジュにはそのまま上の大学に進ませてくれ。』
『解った。』
『それと・・・お前の忠誠心は本当にありがたいと思っている。
俺の命を守ってくれたのはチェギョンとギョン二人のおかげだ。
だが・・・お前のお父上もそろそろいいお年になるだろう?
皇室警察を辞職して家業に専念したらどうだ?』
『ははは・・・実は数カ月前からそんな話が出ていたんだ。これがいいタイミングになる。
今抱えている仕事が片づいたら辞職願を出すよ。』
『そうだな。それがいい。』
『じゃあ・・・これからもよろしくね~お父様♪』
『ばっ・・・馬鹿!!まだそんな話は早い!!』
元々チャン航空会長の一人息子であるギョン・・・それが高校時代体調を崩したシンを心配するあまり
進路を変え皇室警察官となってくれたのだ
そのギョンのおかげで事件の概要が明らかになり、チェギョンのおかげで命を取り留めたシンである
ギョンの息子ソンジュとは大切な約束を何度もして来たシンである
(これも・・・運命か・・・)
電話を切ってソファーに力なく座った時、いつから居たのか部屋の隅からチェギョンが歩いて来る
『シン君・・・』
『聞いていたのか?』
『ええ。聞くつもりはなかったのだけど聞いてしまったわ。よく・・・出来ました。』
チェギョンはシンの横に腰掛けるとシンの背中に腕を回し、シンを抱き寄せた
『褒めてくれるのか?』
『ええ褒めてあげるわ。花マルもあげちゃう。』
『まだこの先二人の気持ちがどう変わるのかは分からない。だが・・・ウナが皇女に生まれついてしまったせいで
悲しむのは見たくない。』
『ええ。解っているわ。ひとまずお互いの気持ちを確認させた上で、この東宮で逢えるようにしましょう。』
『そうだな。ソンジュが大学生になったら、ウナの家庭教師になって貰うのはどうだ?』
『そうね。ソンジュならガンヒョンに良く似て成績優秀な筈だから、とてもいい考えだわ。』
『とにかく人の噂になる様な事は避けなければならない。今から噂になったら・・・妨害があるかもしれないしな。』
『そうね。ウナを嫁にと願う王族は沢山いる筈だもの。気を付けないと・・・。
シン君・・・そんな寂しそうな顔しないの。あなたには私がいるでしょう?』
チェギョンはシンの首を自分の肩の上に乗せた
『あぁ。お前だけはずっと俺の傍に居てくれるだろう?』
『当然よ。私はシン君の主治医なんですからね。』
夫婦の間に初めて授かった愛娘ウナの恋の訪れに、シンの心の中には木枯らしが吹き抜ける
だがその寂しさにも何れ、時間と共に慣れ・・・そして諦めが付くことだろう
どんなに寂しい時にでもチェギョンは隣に居てくれる。それだけは永遠に変わらないものだとシンは悟った
翌日、約束通りチャン・ソンジュは東宮を訪れた
学校帰りの制服姿のままチェギョンに迎えられウナの部屋に向かった
<トントン>
『ウナ姫・・・僕です。』
『えっ?』
扉の向こうから聞こえるソンジュの声に慌てて扉に向かったウナは、泣き腫らした目のままその扉を開けた
『ウナ姫・・・どうされたんですか?そのお顔は・・・。お邪魔してもいいですか?』
『はい。どうぞ。』
ウナはソンジュを伴ってソファーに腰掛けると、必死に目の周りを両手で擦った
『ウナ姫・・・擦ってはいけませんよ。どうしてそんなに泣かれたんです?』
『・・・・・・・』
『僕が警察大学に行くと言ったからですか?』
『えっ?・・・えっと・・・』
『そうなんですね?』
『うん。そう・・・』
『寂しくなってしまわれたんですか?』
『うん。ソンジュオッパは警察官として私を守りたいのかなって・・・』
『違いますよ。』
『えっ?』
『僕はウナ姫の事が大好きです。ウナ姫が生まれた時からずっとお守りするって心に決めてきました。』
『でもそれは・・・』
『違います。男として・・・ウナ姫が好きです。でも・・・それは言ってはいけない言葉だと思っていました。
ですが殿下が背中を押してくださいました。』
『えっ?お父様が?』
『はい。男なら気概を見せてみろと仰いました。だから・・・それをウナ姫にお見せしようと思ってやってきました。』
『本当に・・・ウナが好き?』
『はい。もちろんです。ウナ姫は・・・僕をどう思っていますか?』
『ソンジュオッパが・・・好き。』
『だったら良かった。大学も王立大学に進む事にしました。』
『本当に?』
『はい。警察官としてじゃなく男として、あなたを守れる男になります。』
『嬉しい・・・』
みるみる泣き虫なウナの瞳から涙が溢れだす
『あ・・・ダメです。泣かないでください。泣かせたら皇太子殿下に私が叱られます。』
『ソンジュオッパ・・・嬉し涙は・・・いいの!!』
ウナは涙を拭ってくれるソンジュの胸の中に飛び込んだ
ソンジュは少し動揺しながらも愛おしそうにウナを抱きとめた
それから無事・・・また元気に学校に行けるようになったウナ
ソンジュも王立大学への入学試験を難なくパスし、それからはウナの勉強を見るために度々東宮を訪れている
チャン・ギョン一家は実家に住まいを移し、ギョンは皇室警察官の職を辞してチャン航空の副社長の座に就いた
ギョンはチャン航空の業績拡大のために力を注いでいると言う
『シン?どうしたんだ?』
『ギョン俺だ。』
『解ってるよ。』
『ギョン・・・今、家に居るのか?』
『ああそうだよ。』
『すまないがソンジュに代わってくれ。』
『えっ?俺じゃ無く・・・ソンジュに用なのか?』
『お前にも後で話がある。とにかく一旦ソンジュに代われ!!』
『解ったよ。』
今まで一度たりともシンからソンジュに電話など掛かってきた事は無い
ギョンは少し不思議に思いながらその電話をソンジュに渡した
そんな電話を受けたソンジュも、相手が皇太子殿下だと聞かされ少し緊張した様子で電話を耳に当てた
『お電話代わりました。ソンジュです。殿下・・・』
『ソンジュか。お前の進路の件についてなのだが・・・警察大学に行くと決めたそうだな。』
『はい。ウナ姫からお聞きになったのですか?』
『あぁ。警察大学に行くと決めたのは皇室警察官になりたいからか?』
『はい。父の背中をずっと見てきて皇室警察官に憧れていました。
それに・・・皇室の方々の安全をお守りできますから・・・』
『つまり・・・忠誠心ゆえ警察大学に行くと言うのだな?』
『はい。その通りです。』
『お前にはウナが幼い頃よりずいぶん世話になった。お前は忠誠心でウナに親切にしていたと言うのだな?
・・・男としてではなく・・・』
シンは意を決してその言葉を問い掛けた
『男として・・・。正直に申し上げますがそういう気持ちを持つ事さえ、僕にはおこがましい事でしょう。
そう思った末の決断です。』
『つまり・・・ウナを異性として見てはいるが、身分違いだからその様な立場でウナの傍に居ようと考えたのか?』
『・・・・そうです・・・』
『ウナが・・・部屋に閉じこもってまた食事も摂らなくなった・・・』
『えっ?ウナ姫が?』
『お前が警察大学に進むと聞いて・・・自分の想いとソンジュの想いは違うのだと泣いている・・・』
『えっ?殿下・・・それは・・・』
『どうするのだ!!男なら気概を見せてみろ!その様な気弱な決断をしていたのでは、
いつかウナに縁談が持ち上がった時辛い想いをする。黙って見守れるのか?』
『・・・それは・・・ですが・・・』
『お前の正直な気持ちを聞きたい。ソンジュ・・・お前にとってウナはこの国の皇孫か?それとも女か?』
『恐れながら申し上げます。生まれたその時から女性でした・・・』
『だったら・・・その気持ちをウナになぜ言ってやらない!ウナをずっと泣かせておくつもりか?』
『ですが・・・』
『俺はお前の本心が聞きたかったのだ。言い訳も理屈もウナには通らない。
いいな!!明日ウナに逢いに東宮に来てやってくれ。そしてお前の気持ちを伝えてやってくれ。
先の事は二人の気持ちを確認し、ウナが大人になった時に決めよう。それでいいな?』
『許されるのですか?ウナ姫に僕の気持ちを伝えてしまう事が・・・』
『あぁ。ではお前との話は済んだ。ギョンに代わってくれ。』
『はい殿下。』
ソンジュとの話が済み安堵と寂しさが胸に込み上げるシン
そんなシンを案じた様にギョンは心配そうに声を掛けた
『シン・・・』
『聞いていたか?ギョン・・・』
『ああ。聞いていたよ。』
『まだ先の事は解らないがソンジュにはそのまま上の大学に進ませてくれ。』
『解った。』
『それと・・・お前の忠誠心は本当にありがたいと思っている。
俺の命を守ってくれたのはチェギョンとギョン二人のおかげだ。
だが・・・お前のお父上もそろそろいいお年になるだろう?
皇室警察を辞職して家業に専念したらどうだ?』
『ははは・・・実は数カ月前からそんな話が出ていたんだ。これがいいタイミングになる。
今抱えている仕事が片づいたら辞職願を出すよ。』
『そうだな。それがいい。』
『じゃあ・・・これからもよろしくね~お父様♪』
『ばっ・・・馬鹿!!まだそんな話は早い!!』
元々チャン航空会長の一人息子であるギョン・・・それが高校時代体調を崩したシンを心配するあまり
進路を変え皇室警察官となってくれたのだ
そのギョンのおかげで事件の概要が明らかになり、チェギョンのおかげで命を取り留めたシンである
ギョンの息子ソンジュとは大切な約束を何度もして来たシンである
(これも・・・運命か・・・)
電話を切ってソファーに力なく座った時、いつから居たのか部屋の隅からチェギョンが歩いて来る
『シン君・・・』
『聞いていたのか?』
『ええ。聞くつもりはなかったのだけど聞いてしまったわ。よく・・・出来ました。』
チェギョンはシンの横に腰掛けるとシンの背中に腕を回し、シンを抱き寄せた
『褒めてくれるのか?』
『ええ褒めてあげるわ。花マルもあげちゃう。』
『まだこの先二人の気持ちがどう変わるのかは分からない。だが・・・ウナが皇女に生まれついてしまったせいで
悲しむのは見たくない。』
『ええ。解っているわ。ひとまずお互いの気持ちを確認させた上で、この東宮で逢えるようにしましょう。』
『そうだな。ソンジュが大学生になったら、ウナの家庭教師になって貰うのはどうだ?』
『そうね。ソンジュならガンヒョンに良く似て成績優秀な筈だから、とてもいい考えだわ。』
『とにかく人の噂になる様な事は避けなければならない。今から噂になったら・・・妨害があるかもしれないしな。』
『そうね。ウナを嫁にと願う王族は沢山いる筈だもの。気を付けないと・・・。
シン君・・・そんな寂しそうな顔しないの。あなたには私がいるでしょう?』
チェギョンはシンの首を自分の肩の上に乗せた
『あぁ。お前だけはずっと俺の傍に居てくれるだろう?』
『当然よ。私はシン君の主治医なんですからね。』
夫婦の間に初めて授かった愛娘ウナの恋の訪れに、シンの心の中には木枯らしが吹き抜ける
だがその寂しさにも何れ、時間と共に慣れ・・・そして諦めが付くことだろう
どんなに寂しい時にでもチェギョンは隣に居てくれる。それだけは永遠に変わらないものだとシンは悟った
翌日、約束通りチャン・ソンジュは東宮を訪れた
学校帰りの制服姿のままチェギョンに迎えられウナの部屋に向かった
<トントン>
『ウナ姫・・・僕です。』
『えっ?』
扉の向こうから聞こえるソンジュの声に慌てて扉に向かったウナは、泣き腫らした目のままその扉を開けた
『ウナ姫・・・どうされたんですか?そのお顔は・・・。お邪魔してもいいですか?』
『はい。どうぞ。』
ウナはソンジュを伴ってソファーに腰掛けると、必死に目の周りを両手で擦った
『ウナ姫・・・擦ってはいけませんよ。どうしてそんなに泣かれたんです?』
『・・・・・・・』
『僕が警察大学に行くと言ったからですか?』
『えっ?・・・えっと・・・』
『そうなんですね?』
『うん。そう・・・』
『寂しくなってしまわれたんですか?』
『うん。ソンジュオッパは警察官として私を守りたいのかなって・・・』
『違いますよ。』
『えっ?』
『僕はウナ姫の事が大好きです。ウナ姫が生まれた時からずっとお守りするって心に決めてきました。』
『でもそれは・・・』
『違います。男として・・・ウナ姫が好きです。でも・・・それは言ってはいけない言葉だと思っていました。
ですが殿下が背中を押してくださいました。』
『えっ?お父様が?』
『はい。男なら気概を見せてみろと仰いました。だから・・・それをウナ姫にお見せしようと思ってやってきました。』
『本当に・・・ウナが好き?』
『はい。もちろんです。ウナ姫は・・・僕をどう思っていますか?』
『ソンジュオッパが・・・好き。』
『だったら良かった。大学も王立大学に進む事にしました。』
『本当に?』
『はい。警察官としてじゃなく男として、あなたを守れる男になります。』
『嬉しい・・・』
みるみる泣き虫なウナの瞳から涙が溢れだす
『あ・・・ダメです。泣かないでください。泣かせたら皇太子殿下に私が叱られます。』
『ソンジュオッパ・・・嬉し涙は・・・いいの!!』
ウナは涙を拭ってくれるソンジュの胸の中に飛び込んだ
ソンジュは少し動揺しながらも愛おしそうにウナを抱きとめた
それから無事・・・また元気に学校に行けるようになったウナ
ソンジュも王立大学への入学試験を難なくパスし、それからはウナの勉強を見るために度々東宮を訪れている
チャン・ギョン一家は実家に住まいを移し、ギョンは皇室警察官の職を辞してチャン航空の副社長の座に就いた
ギョンはチャン航空の業績拡大のために力を注いでいると言う
シン君偉かったね~~♪
もうちょっとこのお話は続いてしまいます。
なお今宵は大奥を観るのです。
大奥第三弾が頭の中に浮かびあがったらいいな~~♪
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
もうちょっとこのお話は続いてしまいます。
なお今宵は大奥を観るのです。
大奥第三弾が頭の中に浮かびあがったらいいな~~♪
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!