シンとファンの運転する二台の車は合流し、途中のレストランで昼食を摂り・・・
そこから先はチャン家の別荘を目指し走った
大きな湖と山に囲まれた別荘地に辿りついたのは午後三時少し前だった
『チェギョン着いたよ。』
『えっ?ここ?ここが個人所有の別荘なの?ホテルとかじゃなくて?』
車から降りその大きな建物をまじまじと見つめるチェギョンに、ギョンは満足そうに微笑んだ
『そうだよ~♪ここはチャン家自慢の別荘さ。さぁ~~みんな入って入って~~♪』
目をまん丸にしながら入り口で立ち尽くすチェギョンに、シンはその背中を押しながらそっと呟いた
『チェギョン・・・お前はまだ知らないだろうが、お前の家も同じ規模の別荘を持っている。
うちの別荘はここより更に大きいんだ。』
『えぇっ?』
『くくっ・・・そう言う家に生まれたんだよ。お前は・・・』
『・・・うぅ・・・私の知らない世界だ・・・』
『少しずつ慣れていかないとな。』
『うん。』
シンに促がされその別荘の広いリビングに入っていくと、決して低くはない天井スレスレに大きなもみの木が
そびえ立っていた
『シン~チェギョン・・・早く~~!!始めるよ~~♪』
皆はコートを脱ぎ荷物も下ろし、そのもみの木の周りに集まっている
シンとチェギョンも皆と同じ様に、コートを脱ぎ荷物を下ろすともみの木の周りい集まった
チェギョンはっ自分の隣で目を輝かせているガンヒョンに問いかけた
『ガンヒョン・・・一体何が始まるの?』
『ツリーの飾り付けよ。ここのクリスマスの恒例行事なのよ。』
『うわ~~それは楽しそう♪』
皆それぞれに用意された箱の中からオーナメントを取り出し、もみの木につけていく
天井に近い場所は男性陣が台を使って飾り付けている
最後に電飾を男性三人が飾り付け・・・それに点灯する
『出来上がり~~♪』
『うわ~綺麗・・・・』
本物のもみの木で作られた手作りのクリスマスツリー・・・点滅する電飾にうっとりと魅入っていると
ギョンからの指令がリビングに響いた
『さぁ~みんな!!交換用のプレゼントをツリーの下に置いたら、荷物を部屋に運んで来よう!!』
『『了解~~♪』』
皆それぞれに荷物を持ち、二階に上がっていく・・・
その時チェギョンはシンの肩に掛けられているバッグに気がついた
『あ・・・シン君・・・バッグ・・・』
シンはチェギョンが漸く、自分達のバッグが同じブランドの同じシリーズだと気がついたことを嬉しく思い
少しだけ口角を上げ照れ臭そうに微笑んだ
『ギョン~女子はいつもの部屋ね。』
『そうだよガンヒョン。チェギョンは初めてだから色々教えてやって。』
『解ってるわ。さぁ・・・皆行こう。』
ガンヒョンを先頭に部屋に入っていくと、温かいクリーム色の壁の広い部屋にベッドが四つ並んでいた
隅にはちょっとしたソファーとテーブルも置かれている
『広い部屋だね~~♪』
『本当は二人で使うみたい。いつもクリスマスシーズンには、管理人さんがベッドを二つ余分に
この部屋に入れてくれるんだって。』
『そうなんだ~♪』
『チェギョン・・・この部屋の洗面所はここね。』
『部屋に洗面所があるの?』
『うん。ユニットバスになっているのよ。驚くのはここからよ。』
ガンヒョンは部屋のカーテンを全開にする
『ええっ!!』
カーテンの向こうに広がった光景に驚き過ぎて、チェギョンはあんぐりと口を開け立ち尽くした
『チャン家別荘名物・・・露天風呂よ♪』
『ひぇ~~~っ・・・・』
テラスを降りて行った先の露天風呂は、もうもうと湯気を立てているのだ
『で・・・でもぉ・・・男の子も一緒だし入れないんじゃ?』
『ここ・・・女湯よ。』
『えっ?』
『もうひとつ・・・男子の部屋を降りて行った所に男湯があるの。どこの部屋からも見えない造りになっているわ。
後でみんなで入ろう!』
『うん~~~♪』
『さぁ・・・ベッドの位置を決めて、下に降りて行きましょ。』
『うん~~♪そろそろお腹も空いたしね。あ・・・そうだ!夕食はどうするの?皆で作るの?』
『えっ?皆で作るって?ふふふ・・・まさかぁ~!アタシ達が御曹司達の舌を満足させられる物が
作れる筈ないじゃない。心配しなくて大丈夫よ。ギョンの家が手配したバイキングがもう届く筈よ。』
『ひえ~~至れり尽くせりだぁ・・・・』
あまりの待遇の良さにチェギョンは驚きを隠せない
『さぁチェギョン行こう!!』
スニョンに促がされ部屋を出ていくチェギョン・・・鞄の中に忍ばせてきたシンとイ夫妻へのプレゼントは
帰りにでも渡そうと鞄の奥にしまい込んだ
チェギョン達四人が階下へ降りリビングに入っていくと、既にリビングには管理人の手によって
パーティーの準備がすっかり整えられていた
温かい料理が楽しめるようにと、保温器具の上に置かれたバイキング形式の料理は
あるでホテルのバイキングかと思うほどの数が並んでいた
それを見たチェギョンはこっそりシンに尋ねてみる
『し・・・シン君、あのさ・・・このパーティーの会費っていくら払ったらいいのかなぁ・・・・・・』
相当動揺しているチェギョンに、シンは含み笑いをすると答えた
『くくっ・・・会費?そんなものは払っていない。今頃きっとチャン家に、親達から付け届けが届いている筈だ。』
『えっ?うちも・・・かな?』
『あぁシン家もチャン家とは顔見知りだから、きっとしている筈だ。』
『じゃあ・・・心配しないで食べてもいいの?』
『く・・・くくくっ・・・もちろん何も心配しなくていい。』
実際チャン家にしてみれば、息子を通じて社交界のお付き合いをしている様なものなのである
息子の作った縁が更なる企業の発展に繋がるのだ
チャン家がこのパーティーの主催になる理由も解らなくはない
もちろん庶民であるガンヒョン・ヒスン・スニョンには、他の家がその様なお付き合いがある事は知らない
知らなくていい事も人生には多いものである
『さぁみんな~~夕食にしようか~♪』
『『『おぉ!!!』』』
皆それぞれに皿を手に取り、好きな料理を盛り付けていく
チェギョンに至っては一体どれから手を付けていいのか解らず、料理の前を右往左往している
『チェギョンどうした?料理・・・取らないのか?』
『あ・・・シン君、あのね・・・どれから食べようか迷っているの。』
『くっくくくっ・・・どれからでもいいだろう?全種類食べたらいいんだ。ほら・・・』
シンは何も盛りつけられていない空っぽのチェギョンの皿に、パンを一つ置いた
『うん!!』
『ほら・・・もうみんな食べ始めているぞ。早く食べないと全種類制覇できないぞ。』
『うん!!頑張って食べるよ。』
漸く料理を皿に盛り付けることが出来たチェギョンは、テーブルに腰掛けると食事を食べ始めた
『すごい美味しい~~~~♪』
『だろう?チェギョン・・・毎年皆から評判がいいんだ。』
用意した料理を褒められ、ギョンは満足そうに微笑む
皆大学進学も決まり肩の荷を下ろした七人は、お喋りをしながら美味しい料理を堪能した
大量にあった料理はほとんど食べ尽くされ、ギョンは満面の笑みで大型のクリスマスケーキを
皆の前に持って来る
『さて~~メインのクリスマスケーキをカットするよ~~♪
今年は参加者が七人だから・・・8等分すると一個余るなぁ。どうしようかな~~♪』
『ギョン・・・アタシ達もうこれ以上は入らないわ。甘党のアンタが二個食べたら?』
『そう?うひゃ~~♪じゃあ遠慮なく俺様が二個いただいちゃおうかな~~♪』
其々の前にカットされたケーキが並び、いよいよパーティーのメインイベント
≪プレゼントゲットの為のビンゴ大会≫がはじまる
其々が好みの飲み物とビンゴカードを手にし、ギョンの読み上げる数字を待っている
さて・・・チェギョンの用意したスノードームは一体誰の手に渡るのだろうか・・・
あはは~~にゃんとも健全なパーティーです♪
まだまだクリスマスイベントは続く❤
しかし・・・今日は本当に寒いですね。
12月並みだそうですよぉ~~!!
皆さん・・・お風邪ひきませんように❤