チェギョンを伴ってテラスにシンは向かう
もちろんふらつくチェギョンを支えるように背中に手を添え・・・そして更にはバックスリットを隠すかのように
チェギョンと並んで歩くのではなく、若干後ろを歩いている
テラスに出た二人・・・シンはその場所にあるベンチにハンカチを敷くとチェギョンを座らせ、
酔い覚ましに氷入りの水をチェギョンに手渡した
『これを飲めよ。』
『うん。あ~冷たくて美味しい。でもさっきのも・・・美味しかったよ♪』
『馬鹿・・・あれはカクテルだ。』
『喉が渇いていたんだもん・・・』
『だからあれほど確認しろと言ったのに・・・』
『不覚でしたぁ。くすくす・・・』
『くすくすじゃない。まったくお前ときたら俺の言うことはちっとも聞かないし・・・』
『なんの・・・事?』
『ダンスを踊っている時・・・相手の目を見ていただろう?』
『あ・・・だってユルさんが~ダンスの時には視線を合わせるものだって言うんだもん。
ひょっとして・・・嘘吐いたの?』
『っつ・・・他の男と踊る時に見つめ合わなくていいんだよ!!』
『えっ?シン君・・・それじゃあなんだか嫉妬しているように聞こえるよぉ~くすくす。』
『嫉妬だと?嫉妬なんかしていない!ただ・・・面白くないだけだ。』
『それを嫉妬と言わない?』
『知るかっ!それになんだ?そのドレスは・・・。母さん達がついていながら、そんなドレスを選ぶなんて・・・』
『いやぁ~フロント部分が気に入ったんだって。試着してみたら~あらびっくり~くすくす・・・』
ほろ酔い気分になっているチェギョンである
シンはチェギョンのそんな様子に更に憤る
『高校生のくせにそんな・・・挑発的な・・・』
『え~~っ?徴発されちゃったぁ?くすくす・・・』
『あぁ。だから他の男に見せたくない。』
『えっ?』
『肝心なところでとぼけるなよ。それにお前・・・口紅なんかつけて・・・』
『あ・・・これはメイドのチョンさんが、華やかに見えるって塗ってくれたんだもん。』
『何もかも気に入らない。』
『ちぇっ・・・そんなに気に入らないならあっち行けば?』
『行けるか!!お前を一人にしたら狼の餌食になる。』
『えっ?ここって・・・そんなに怖いところ?』
『あぁ。皆シン家の本当の娘を射止めようと目を血走らせてる。』
『ぷぷーーーーっ!!面白い冗談♪』
『冗談なんかじゃない。チェギョン、お前もっと自覚しろよ。それだけ今日のお前は注目されているんだぞ。』
『うん。』
少し反省した様子で項垂れるチェギョン・・・
シンも少し言葉が過ぎてしまった事を反省し、チェギョンの横に腰掛けるとその頬にそっと触れた
『少しは・・・酔いがさめたか?』
『うん。』
『今日はもう踊るな。』
『えっ?どうして?』
『お前が他の男と踊るのが面白くないんだ。そのくらい解れよ。』
『嫉妬・・・?』
『あぁ。嫉妬・・・だな。だから俺以外の男とは踊るな。』
『でも・・・なんて言って断ったらいいの?』
『俺が傍にずっといたらいいだろう?』
『そっか♪』
満面の笑みを浮かべチェギョンがシンを見つめた
シンは≪ここで決めなきゃ男がすたる≫と決心したようだ
『大学が決まったら・・・俺達付き合わないか?』
『えっ?私が・・・シン家の娘だから?』
『いいや。お前がシン家の娘でよかったとは思うが、それ以前からお前が気になって仕方がなかった。
お前がシン家の娘だった事は、ある意味俺への天からの贈り物のように思える。
お前は知らないだろうけど・・・。』
『知ってたよ。遊びに行かないって解っている私を、誰も誘わなくなったけど
それでもいつもシン君だけは声を掛けてくれた。』
『知っていたのか。』
『うん。ごめんねっていつも断りながら、本当は嬉しかったよ。』
『嬉しかった?』
『うん。だからミンおば様の家にはじめて行った時、ミンおば様の息子さんがシン君だと知って
どれだけ嬉しかったか・・・。』
『そうか。これからもお前は今までと違った苦労をしなきゃならないと思う。
でも俺はずっとお前を理解して、傍で見守ってやれる。そうだろう?』
『うん。そうして欲しい。』
『じゃあ・・・これで交渉成立だな。』
『交渉成立?』
『大学の入学試験に合格したら正式に付き合おう。』
『落ちたらどうするの?』
『誰が?』
『シン君・・・』
『馬鹿かっ!俺が入試に落ちる筈ないだろう?心配なのはお前だ。』
『私は~成績優秀だから大丈夫~♪』
『くくっ・・・そうだったな。合格したら正式に挨拶に行くよ。
じゃあ会場に戻るか。俺がずっとそばに居るからな。解ったな。』
『うん♪』
正式なお付き合いを約束した二人・・・仲睦まじく会場に戻っていく
シン家のナムギルがチェギョンを連れて挨拶に向かう時でも、なぜかシンは傍に居るのである
まるで≪害虫避け≫のようにチェギョンに寄り添うイ・シンは、たちまち経済界の恋の噂の中心となっていった
そんな様子を会場の隅で見ていたヒョリンとイン。ヒョリンはナムギルが挨拶する度に自分に声が
掛かるのではないかと待っていたが、一度も呼ばれることはなかった
プライドの高いヒョリンの事・・・その様な立場に自分が追いやられるとは思ってもみなかったのである
『ヒョリン・・・ちゃんと現実を見るんだ。』
『見たくもないわ。』
『だけどこれが現実だ。君の居場所は・・・もうシン家にはないだろ?』
『そんなことないわ。私は今でもシン家の娘よ!!』
『そうかな。俺・・・うちの両親からヒョリンとは距離を置くように言われたんだ。』
『えっ?イン・・・あなたまさか・・・』
『世間一般もうちの両親と同じ反応だと思うよ。』
『あなたまで私を見捨てるのね・・・』
『違う。ヒョリンを見捨てることなどできる訳ないだろ?だけどこのままじゃいけないんだ。
このままシン家に居たのでは、君は益々醜くなってしまう。』
『私が・・・醜い?酷いことを言うのね。』
『今の君は綺麗じゃないよ。いくら高価な衣装に身を包んでも、綺麗なんかじゃない。
俺は君を輝かせたいんだ。だから・・・俺と一緒に留学しよう。』
『えっ?留学先から帰って来たばかりなのに?』
『そうだよ。海外の大学に入学しよう。そして君はもうシン家には戻らない。』
『ちょっと待ってよ。私にだってシン家の財産の半分は権利があるわ。』
『ヒョリン・・・欲をかくのはもうやめろ。シン家に君のものは何一つないんだ。
もうチェギョンに全部返してしまえよ。』
『嫌よ!そんなの絶対に嫌よ。私にだって権利が・・・』
『なんの権利?犯罪者の娘が娘として居座っていることになんの意味がある?
君はもう経済界の人達からもそう言う見方しかされない。』
『そんな・・・』
『だけど俺と一緒に留学して、頃合いを見計らって結婚すれば≪カン家の次男の嫁≫にはなれる。
君の願う贅沢な暮らしも・・・ある程度までなら叶えてあげられる。
今俺の手を掴まなかったら・・・ヒョリン、君は永遠に白い目で見られる事になるんだ。解るか?』
『・・・イン・・・』
『そんな境遇に耐えられるか?』
『無理だわ・・・』
『俺の手を掴むか?』
『うん。』
『だったらもうチェギョンに、つまらない競争意識を燃やすのはやめろ。チェギョンをこれ以上不幸にするな。
今まで君の代わりに、十分すぎるほど不幸を背負って来たチェギョンだろ?
チェギョンにみんな返してやれよ。それが君が幸せになれる唯一の道だ。』
『・・・解ったわ。イン・・・』
学校でも感じた視線・・・明らかに軽蔑の視線はヒョリンにとって大きなダメージになったようだ
自分には罪がない・・・そう思っていたのが実は≪犯罪者の娘≫であったとは、自覚がなかったヒョリンである
インから留学と結婚を打診され承諾したが、正直な気持ちを言ってしまえば唯一の味方であるインを
失うのが怖かったのである
このパーティーが終わった後・・・ヒョリンは最後の大きな我儘≪海外の大学に行きたい≫と
言い出すに違いない
其々が・・・漸く軌道修正した道を歩き始める
今日は~お子が二人
早い時間にご帰宅で~~ちょっと短め(爆)
パーティーはまだ続くのであった❤
大型ハウスの天井にプチプチ装備したんです。
大型ハウス・・・結露が凄いんだよね。
プチプチを装備しながら、水滴ポットンの刑を受けた管理人でした。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
早い時間にご帰宅で~~ちょっと短め(爆)
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大型ハウスの天井にプチプチ装備したんです。
大型ハウス・・・結露が凄いんだよね。
プチプチを装備しながら、水滴ポットンの刑を受けた管理人でした。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!