その日が来るとチェギョンは必ず俺の元へやって来る
眼が眩みそうなほど眩しい光を纏い、日が変わる頃俺の部屋に現れる
雨が降ろうが槍が降ろうが・・・シン・チェギョンには関係ない
ほら・・・満面の笑みで俺の胸に飛び込んで来た
『シン君!!逢いたかった~~♪』
『くっ・・・俺もだ。チェギョン・・・』
26歳の時と何も変わらないチェギョンを俺はきつく抱き締め何度も何度も口づける
そのしなやかな身体も温もりも、俺の記憶の中にいるチェギョンのままだ
『あ~~そうだ!子供達に遭いに行かなくちゃ♪』
チェギョンは俺の腕をすり抜け俺の手を取ると、俺を先導し子供部屋に向かう
まずは第一子ウナ・・・
『ウナ・・・綺麗になったね。』
『あぁ。お前によく似てきただろう?』
『うん♪』
チェギョンはウナの頬に手を当て、それから頬ずりをする
それから第二子ギョム・・・
『ギョムはシン君にそっくりになって来た~♪』
『よくそう言われるよ。』
『でしょ?』
チェギョンはギョムの頬に手を当て、それから額をギョムに合わせた
『子供達もすっかり大きくなって・・・』
『そうだろう?』
『シン君一人でよく頑張ったね。』
『いや・・・チェ尚宮や女官達・・・それにコン内官もいるからな。』
『でも・・・寂しいでしょう?再婚・・・しないの?』
チェギョンのそんな言葉に俺は呆れて溜息を吐いた
『馬鹿を言うな。俺は今でもお前を愛している・・・』
『重っ!!』
なにっ?俺の愛を重いだなんて言うのは・・・この世界中どこを探してもお前ひとりだ
『重い・・・だと?』
『そうだよ。重いっ!!ウナやギョムにも母親は必要よ。
特にウナはこれから相談相手が欲しくなる年頃よ。』
『だったら聞くが・・・万が一俺が再婚でもして、その相手がウナやギョムを苛めたらどうするんだ?』
『えっ・・・それは困るかも。でもシン君の選んだ人なら、間違いないと思うから・・・』
『ウナの相談相手なら、チェ尚宮や女官達が十分すぎるほどこなしてくれる。
お前は余計な心配をするな。』
『そっか~解った♪』
ふと俺はチェギョンの肩に残っている傷跡に目を奪われた
『もう・・・痛むことはないのか?』
『うん。もう全然痛くない。ただね・・・胸が痛むの。』
『胸が痛む?』
『うん。ヒョリンはまだ罪を償っているのでしょう?』
『あぁ。一生塀の中から出ることはないだろう。』
『ヒョリンのせいじゃないのに・・・・』
いや・・・ヒョリンのせいではなくても、結果的には強欲な先祖に憑りつかれたヒョリンの起こした悪行が
俺の愛する人の命を奪ったのに変わりはない
何度チェギョンにさりげないお願いをされたとしても、俺は一生赦すことなどできないだろう
微笑んだチェギョンの纏う光が徐々に輝きを増していく・・・
そろそろ短い逢瀬の終わりが来たようだ
俺はチェギョンを離したくなくて、両腕でしっかりとチェギョンを抱き締めた
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、チェギョンは淡いピンクのルージュを引いた唇をそっと開き
俺に別れを告げた
『シン君・・・いかなきゃ・・・』
『いかないと・・・ダメなのか?』
『うん。解っているでしょう?シン君・・・また・・・』
腕の中でチェギョンが光となって静かに消えていく
俺に屈託のない笑顔と温もりを残し消えていく
年に一度のこの短い逢瀬の時間・・・この日を待ち望んでいる俺が、再婚などする筈もない
そしてそれはまたいつか、チェギョンと共に歩める日まで続くのだろう
俺はこれからも願い続ける
満天の星空・・・白く雲の掛かる夜空・・・そして涙を零し続ける空に向かって
また来年もチェギョンに逢えますようにと・・・
さて・・・ここで問題です。
このお話は~星の欠片~書庫の
なんのお話からきているでしょうか?
正解者には・・・ふぅちゃんのちゅ~を差し上げます。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
いや~~今日お洗濯干していたら
こんな妄想が広がってしまいました(爆)
なので書いてみたりしてね(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
ちょっと寂しい話になっちゃったけど
ごめんあそばせ❤