~星の欠片~五周年記念 及び 300万HITのお話にようこそ❤
気に入っていただけたら幸いです❤
偽装と現実(リアル)
『ちょっとちょっとチェギョン早く来てよ!!』
親友イ・ガンヒョンに引っ張られて向かった先は、敷居の高い映像科の棟だった
その棟の最上階まで駆け上がっていくガンヒョン・・・ついて行く私は息も絶え絶えだ
『はぁっ・・・はぁっ・・・一体どこに連れて行く気?』
乱れた息を必死に整えながら、私はガンヒョンに問い掛けた・・・
私の名前はシン・チェギョン
韓国芸術高校三年生だ
自らのファッションセンスを生かし、この高校の中で一番の≪自称≫スタイリストだ
そんな私をガンヒョンは一体・・・どこに連れて行く気なんだろう・・・
『ここよ!!』
ガンヒョンは最上階にあるなんだかとってもおハイソな扉を開けた
こんな部屋がうちの学校にあったんだぁ・・・
中を覗いてみるとガンヒョンの彼氏のギョン君ともう一人・・・男の子がソファーに腰掛け項垂れている
ん~~~??
訝しく思ったけど私はひとまずその部屋に入り、ガンヒョンに再び問い掛けた
『それで?一体私に用ってなあに?』
ガンヒョンはソファーで項垂れている男の子に視線を向け、ポツリと呟いた
『彼を・・・なんとかして!!』
『彼?』
私はギョン君の隣に居るその彼を凝視する。するとその彼は項垂れた顔をじわじわと私に向けてきた
段々とその彼は顔を上げて来る・・・そして私は、その実態に気が付き大きな声を上げた
『無理っ!!!ムリムリムリ~~~っ!!』
『どっ・・・どうしてなんだ?俺は素材はいいんだ。』
その彼・・・つまりこの国の皇太子殿下イ・シンは、私の返事を聞いておどおどと聞き返して来る
素材はいいと言ってもね~~今時マッシュルームカットの男なんて、私には無理だよ~~!!
相手は皇太子殿下だからといって。私は容赦しない
思った事がつい口に出てしまう
それに素材がいいとはとても思えない
『その髪型・・・入学当初からそれだよね?何かポリシーでもあるの?』
『あ・・・いや、この髪形が安心するんだ。』
安心~~?そのヘルメットみたいな頭が?おかしくね?
目も隠れんばかりに前髪を伸ばし、その下には黒ぶちの眼鏡・・・
眼鏡かけてもカッコいい男はいるけど、こいつは論外!!
『殻に閉じこもっているだけじゃないの~~?その髪型からまず変えなきゃ無理ね。』
『変えても・・・構わない。』
『へぇ~~っ!その安心する髪型を変えてまでも変身したいと思う、理由って奴を聞かせて貰おうかな。』
『振られたんだ・・・』
『振られた?』
そりゃそうでしょう。いくら皇太子殿下といえど・・・このダサさじゃね・・・
『舞踏科のミン・ヒョリンに・・・』
ミン・ヒョリンだと~~?殿下・・・あんた、身の程知らずもいいところ。
ミン・ヒョリンがこんなダサメン連れて歩く筈がないって!!彼女は我が校一のオルチャンだよ。全くぅ・・・
『ほぉ・・・なるほど・・・』
『結婚して貰えないかってプロポーズしたのに断られた。』
『はぁ?いきなりプロポーズって・・・』
『いや・・・俺も切羽詰まっているんだ。逢った事もな許嫁と結婚しろと言われ・・・
そんな奴と結婚するくらいならミン・ヒョリンとした方がいいかなって・・・』
『えっ?そんな理由?ミン・ヒョリンがものすご~~く好きとかじゃなくて?』
『あぁ。そんな理由だ。』
頭の中の血管が・・・プチプチ音を立てて切れそうだ
『バッカじゃね!!』
『ばっ・・・馬鹿とはなんだ!!』
『これを馬鹿と言わずなんと言う?女がそんな心も籠っていないプロポーズを受けると思う?
自分の都合を押し付けるなんて、ヒョリンからしてみれば馬鹿にされたって気分しか残らない!』
『そっ・・・そうなのか?皇太子と結婚だぞ。地位も名誉ももれなく付いてくるんだぞ。』
『いらね~~し!!ヒョリンだったら地位も名誉も自分の手で掴みとる筈だよ!』
『確かに・・・それらしいこと言われた。』
『殿下・・・根本から間違ってるよ。』
『俺は・・・間違っているのか?』
『うん。かなり度を越して間違ってる。根本から考えを改めるべきだ!』
『お前が俺を変えてくれないか?』
『はぁ?・・・』
相当悩む・・・だってこれを見た目も内面もイケメンに改造するって至難の業よ
いくら私がイケメンメーカーで校内一のファッションリーダーだとしても、これはない・・・
『お前はこの学校内でも有名なイケメンメーカーだと聞いた。
なんとかして貰えないか?』
なんとかねえ・・・・なんとかできるかなぁ・・・
困惑する私・・・皇太子は追い打ちを掛けた
『できないのか?大したことないんだな。』
で~~~~~~っ!!なんだとぉ~~?自分が大したことないのに、私を大したことないと罵るかっ!!
負けず嫌いの私はつい・・・売り言葉に買い言葉で言ってしまった
『わかった。やるよ!!やればいいんでしょ!!』
あぁ・・・私の平穏でビューティホーな日々が・・・霞んでゆく・・・
教室に戻ると隣の席でユル君が微笑んだ
『どこに行っていたの?チェギョン・・・』
『えっ?ちょっと野暮用。』
本当に野暮用よね。やぼったい皇太子の面倒見ることになったんだから・・・
だけど私は敢えて皇太子の名誉のためにその事は内緒にした
『そう。ふふふ・・・そうだ!!今週の日曜日、ショッピングに行かない?』
『いいよ~~♪』
イギリス帰りのユル君はとても洗練されたセンスの持ち主で、物腰も柔らかく私とはとても気が合う
今までに何度もお誘いを受けているんだ♪
でもよく考えたら・・・皇太子とユル君って従兄弟よね。
全然違う~~大違いよっ!!
あの皇太子・・・なんとかしなくっちゃね・・・
俺がミン・ヒョリンにプロポーズをしたのは、別に彼女に特別な感情があったからではない
今まで聞いた事もな許嫁と結婚させられるのを阻止するためだ
どうせ結婚するなら綺麗な女がいい
先帝が決めた許嫁など・・・ユルが結婚したらいい
俺は皇太子の身分だってユルにくれてやりたいくらいだ
幼い頃・・・皇位継承権が父上に代わって以来、俺の母とユルの母は何かと対立してきた
ユルの母にしてみれば、次期皇帝陛下の座にユルを据えたいのが本音だろう
そんなしがらみの中で生きてきた俺は、次第に自分の殻に閉じこもるようになり
ユルに対抗するのを避けるかのように今の自分を作り上げた
だが・・・素材はいいんだ
だから磨けば誰よりもイケてる皇太子になる筈なんだ
しかし長年積み重ねてきた殻は、自分で破る事がどうしても出来なくて
ミン・ヒョリンに振られたことをきっかけに、俺はシン・チェギョンに俺という存在をピカピカに磨いてくれるよう
依頼した
このシン・チェギョンという女がまた・・・非常に口の立つ女で、皇太子である俺にさえ歯に衣着せぬ暴言を吐く
だが・・・なかなか新鮮だ
面と向かってこの様な暴言を吐かれた事のなかった俺には、却って小気味よく感じた
裏でこそこそ何か言う女よりよほどいい
そんな第一印象のシン・チェギョンだった
あいつの手によって俺がどれほど変わっていくのか・・・
またその先俺はどうしたいのか・・・まだ何も分からないが、シン・チェギョンと出逢った事が、確実に俺の何かを
変えていく確信だけははっきりと自分の中にあった
俺が変わった時・・・俺はまたミン・ヒョリンにプロポーズするつもりなのか?
いや・・・恐らくそれは無いだろう
一度手厳しく振られた相手に追いすがる様な真似はしない
だったらユルとの皇太子の地位を掛けたバトルに乗り出すか?
もしかしたら・・・今後の目標はそっちになるのかもしれない
御礼のお話始めます~★
某お方からリクエストいただいたエピは
今後織り込んでいきますのでどうぞお楽しみに~~★
タイトルできっとわかってくれると思うけど(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
皆様~どうぞよろしく❤
あ!そうだ!!
めるちゃんが・・・焼きかつお(猫のおやつ)を漸く食べてくれました❤
ひとまず安心です。良かった~♪
某お方からリクエストいただいたエピは
今後織り込んでいきますのでどうぞお楽しみに~~★
タイトルできっとわかってくれると思うけど(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
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あ!そうだ!!
めるちゃんが・・・焼きかつお(猫のおやつ)を漸く食べてくれました❤
ひとまず安心です。良かった~♪