東宮に戻る車の中でシンはギョンに連絡を入れた
ギョンはまるで待ち構えていたかのように、その電話をすぐに取った
『シン?』
『あ・・・あぁ。』
『早く話してくれよ。今回の一件・・・。一体何があったんだ!』
『お前・・・せっかちにも程がある。非常に説明の難しい話だ。二度手間三度手間になるのは俺も疲れる。
すまないがこれから皇室の車を迎えに行かせる。チャン航空の会長と一緒に、宮殿まで来て貰えないか?』
『あ・・・ああ?俺と父上で宮殿に?』
『あぁそうだ。そこで包み隠さず話したいと思っている。』
『解った。迎えを待っている。』
『あぁ、よろしく頼む・・・』
チェギョンは何か言いたそうな顔でじっとシンを見つめるが、シンはここ二週間の疲れが溜まっていたらしく
チェギョンの手を握り締めたまま、車が到着するまでしばし目を閉じまどろみの中を彷徨った
『シン君・・・東宮に着いたよ。』
チェギョンのその声でハッと目を開けたシンは、車から降り出迎えのイギサや女官に軽く会釈をすると
早足に自室の浴室に向かった
恐らく同じ様に時を過ごした者達は、すぐさま浴室に向かったことだろう
すぐに身支度を整え本殿に出向かなければならない
皇帝陛下をはじめとする三陛下方や妃殿下に失礼があってはならないと、恐らく誰しもが思う事だろう
それはシンも同様であり、一目散に浴室に向かって行く
『シン君・・・シン君ちょっと待ってよ!!』
『風呂に入らせてくれ・・・』
『あ・・でもその前にちょっと・・・』
『じゃあ一緒に入るか?』
『でっ・・・・殿下ぁ~~!!』
目の前で閉められた浴室のドア・・・チェギョンはそれでもその場を離れようとはせずシンに話しかける
<ザーーーーーーーッ!!>
勢いの良いシャワーの音が流れ出す。恐らく自分の声はシャワーの音にかき消されるだろう
そう思いながらもチェギョンは話し続けた
『もう~~!!シャワーしながらでいいから聞いて!!』
チェギョンはよほどシンと話がしたかったのだろう
『皆さん・・・食事は摂られないし眠れないし・・・心配で本当に大変だったんだよ!』
<ザーーーーーッ!!>
『私だってさ・・・来るべきものが来なくて・・・・すご~~く不安だったんだから~~~!!』
<ザーーーッ!!ガチャッ!!>
『えっ?シン君、裸・・・』
チェギョンは目を覆った手の指の間から、シンをこっそり覗き見た
『今なんと言った?』
『えっ?今?』
『今・・・なんと言ったんだ?来るべきものが来ない?』
『あ・・・うん。すごく不安だったからだと思う。』
『侍医に・・・診て貰ったのか?』
『えっ?まさかぁ・・・こんな事態だから遅れているだけだって。
それにそんなこと言い出せなかったし。』
『馬鹿っ!!』
『ひっ・・・』
思いがけないシンの大声にチェギョンは首を竦めた
『なぜ診て貰わない?もしもの事があったらどうする!!
誰かーーー!!誰かいないか?』
慌てて駆けつけた女官は顔を伏せたまま返事をする
『はい殿下。何かご用でしょうか。』
『妃宮を・・・侍医の所に連れて行ってくれ。』
『はっはいっ!かしこまりました。』
半強制的にチェギョンはチョン女官に連れられ侍医の部屋に向かうこととなり
シンはシャワーの続きに戻り、徐々に顔が綻んで行くのが止まらない様子である
もし万が一懐妊と言うことになったら・・・もちろんそれは嬉しくて堪らない事実だ
だが、シンにとってはそれ以上に、それは自分の身を助けることとなる
皇太子殿下失踪から帰還の説明も、妃殿下懐妊のビッグニュースの前にかき消される事だろう
(もしそうなら・・・相当親孝行な子だ。)
不謹慎だと思いながらも口角を上げずにはいられないシンであった
シンがすっかり身支度を整え、スーツを身に纏った時・・・部屋にチェギョンが戻って来た
『チェギョン・・・どうだった?』
『あ・・・うん。妊娠しているみたい。ちゃんとした診断は王立病院に行かないとならないけど・・・』
『そうか!!やったな。』
『シン君・・・嬉しい?』
『もちろん嬉しいに決まってる。』
『本当?良かった♪』
チェギョンは身支度の整ったシンの腰に腕を回し強く抱き締めた
シンもそれに応じチェギョンをやんわりと抱き締めた
するとチェギョンはうっすら頬を染めながら、催促するようにシンを見上げる
『もう歯磨きもしたしな。くくっ・・・』
シンは自分の子どもを宿した愛しい妻にそっと唇を重ねた
それからチェギョンの肩を掴むと自分から引き離した
『えっ?それだけ?』
あからさまに拗ねた表情をするチェギョンである
『あぁ。今はまず本殿に行って陛下達に顔を見せないとな。』
『あ・・・そうだ!!私ったら・・・忘れていた。』
そんな大切な事を忘れていたなんてと少し憔悴するチェギョンの手を取って、シンは部屋から出て行く
『さぁ・・・本殿に行こう。報告する事が沢山だ。くくっ・・・』
本殿に向かったシンとチェギョン。既に職員達は全員その場に集結しており、
またチャン航空の会長と御曹司であるチャン・ギョンも姿を見せていた
シンの元気そうな姿に目を潤ませる三陛下・・・シンは一人一人ハグをしながら、無事に帰った喜びを伝えた
それから一緒にジェット機に乗り合わせた職員達の前に立ち、三陛下と妃殿下・・・そしてチャン会長とギョンに
説明を始めた
『チャン会長ご足労いただきありがとうございます。この度の事故に関しまして私から説明させていただきます。
まず・・・ジェット機が飛び立って程なくして・・・エンジントラブルが発生いたしました。
機長は私達の安全を第一に考え、空港に戻ろうとしたのですが・・・
その時には既に無線が通じない状態でした。
仕方なく機長はレーダーにも映っていなかった小島に、ジェット機を不時着させたのです。
御蔭で私達は全員無事だったと言えましょう。
ところが・・・島に着いた途端、ジェット機の機械系統はすべてダウンし
また携帯の電波も一切入らず・・・私達はどこに連絡する事も出来なかったのです。
いつかきっと捜索隊が救出に来てくれると信じ・・・私達は全員力を合わせその島で生き延びる方法を
考えました。ですが水は湧きだしていましたし、魚は豊富に獲れ
また野草や果物にも困らないという二週間でした。
ですので私達は食料に困窮することはなかったのです。
ところが・・・待てど暮らせど捜索隊の救出が来る事はなく
私達は昼夜を問わず狼煙を上げ続けていると言うのに・・・
近くに船を見る事も上空を飛行機やヘリが飛ぶ事も無かったのです。
なんだかおかしい・・・そんな疑問が私達の胸を過りました。
そんな時・・・突然、私達を救ってくれた漁船が島に向かって近づいてきたのです。
もちろん私達は捜索隊だろうと思って、必死に手を振り続けました。
ところが・・・近づいてきたその船は、捜索隊ではなかったのです。
私達の素性も・・・信じて貰えませんでした。くくっ・・・
これから漁に出ると言う漁船に無理を言って乗せて貰いました。
ですが・・・やはり無線が通じなくなっていたのです。
遠ざかっていく島を私とコン内官・・・イギサ達で見つめていました。
なかなか感慨深いものがありました。
ところが・・・その島が忽然と姿を消したのです。』
『えっ?殿下・・・それってどういう意味?』
頭を混乱させたギョンが普段の口調で話しかけて来る
『まぁ続きを聞いてくれ!!
呆気にとられながら島が消えてしまったのを見ていた私達の元に、無線が通じたと言う報告が入りました。
後から聞いた話によると・・・私達が発見されたのは、飛行機が飛び立った方向と真逆・・・
つまり半島を挟んで逆の位置だったのです。
その漁船の漁師もそのような島は知らないと言っています。
なんとも説明のつかない不可解な島に、私達は迷い込んでしまったと言うことになります。
チャン会長・・・そういう経緯ですので機長やチャン航空の職員には何の非もありません。
処罰に問う様なことは私に免じてお許しください。
恐らく・・・実際に経験した者でなければ、今回の一件の実情はわかりかねるでしょう。
ですが・・・これがこの事故の真実です。』
陛下は首を傾げながら困惑の表情を浮かべた
『太子よ・・・きっとマスコミは事情を説明して欲しいと言って来るであろう。その対応はどうするつもりだ?』
『はい。乱気流に巻き込まれエンジントラブルが発生し・・・個人所有の島に不時着したと言うことにいたします。
損害は皇室専用ジェット一機だけです。人命が守られたのですからそれでよいと言うことにしましょう。
それに・・・』
シンは口角を上げチェギョンに目を向けた
『妃宮が懐妊したというニュースがあります。』
『なにっ?』
三陛下もまた職員達も一斉にチェギョンに目を向けた。チェギョンは気恥ずかしく思ったようで、頬を染め俯いた
『まだ初期の状態ですので本来でしたら発表はまだ早いと思われるのですが・・・
なるべくでしたらマスコミから今回の件を追及されたくないのです。
説明のつかない事が多過ぎますから・・・妃宮の懐妊を前面に出したいと思います。』
『そうか!!分かった。恐らくマスコミも・・・妃宮のお腹の子に興味が向くであろう。』
『はい。そう信じております。』
『妃宮よ・・・こんな大変な事態の時によく頑張ってくれた。
後は身体を労わり、無事出産にこぎつけるのだぞ。よいな!!』
『はい!肝に銘じます。皇帝陛下・・・』
なんだか納得のいかない面持ちではあったが、シンがここまで説明したことでチャン会長もギョンも
機長及び職員を罰することはないと約束して帰って行った
季節はもうすっかり夏・・・妃殿下の暑い妊婦生活が始まりそうである
シン君にとっては、まさに救世主のチェギョンの妊娠発覚
これでなんとかマスコミの目をくらまそうと言う作戦です(爆)
ギョンはまるで待ち構えていたかのように、その電話をすぐに取った
『シン?』
『あ・・・あぁ。』
『早く話してくれよ。今回の一件・・・。一体何があったんだ!』
『お前・・・せっかちにも程がある。非常に説明の難しい話だ。二度手間三度手間になるのは俺も疲れる。
すまないがこれから皇室の車を迎えに行かせる。チャン航空の会長と一緒に、宮殿まで来て貰えないか?』
『あ・・・ああ?俺と父上で宮殿に?』
『あぁそうだ。そこで包み隠さず話したいと思っている。』
『解った。迎えを待っている。』
『あぁ、よろしく頼む・・・』
チェギョンは何か言いたそうな顔でじっとシンを見つめるが、シンはここ二週間の疲れが溜まっていたらしく
チェギョンの手を握り締めたまま、車が到着するまでしばし目を閉じまどろみの中を彷徨った
『シン君・・・東宮に着いたよ。』
チェギョンのその声でハッと目を開けたシンは、車から降り出迎えのイギサや女官に軽く会釈をすると
早足に自室の浴室に向かった
恐らく同じ様に時を過ごした者達は、すぐさま浴室に向かったことだろう
すぐに身支度を整え本殿に出向かなければならない
皇帝陛下をはじめとする三陛下方や妃殿下に失礼があってはならないと、恐らく誰しもが思う事だろう
それはシンも同様であり、一目散に浴室に向かって行く
『シン君・・・シン君ちょっと待ってよ!!』
『風呂に入らせてくれ・・・』
『あ・・でもその前にちょっと・・・』
『じゃあ一緒に入るか?』
『でっ・・・・殿下ぁ~~!!』
目の前で閉められた浴室のドア・・・チェギョンはそれでもその場を離れようとはせずシンに話しかける
<ザーーーーーーーッ!!>
勢いの良いシャワーの音が流れ出す。恐らく自分の声はシャワーの音にかき消されるだろう
そう思いながらもチェギョンは話し続けた
『もう~~!!シャワーしながらでいいから聞いて!!』
チェギョンはよほどシンと話がしたかったのだろう
『皆さん・・・食事は摂られないし眠れないし・・・心配で本当に大変だったんだよ!』
<ザーーーーーッ!!>
『私だってさ・・・来るべきものが来なくて・・・・すご~~く不安だったんだから~~~!!』
<ザーーーッ!!ガチャッ!!>
『えっ?シン君、裸・・・』
チェギョンは目を覆った手の指の間から、シンをこっそり覗き見た
『今なんと言った?』
『えっ?今?』
『今・・・なんと言ったんだ?来るべきものが来ない?』
『あ・・・うん。すごく不安だったからだと思う。』
『侍医に・・・診て貰ったのか?』
『えっ?まさかぁ・・・こんな事態だから遅れているだけだって。
それにそんなこと言い出せなかったし。』
『馬鹿っ!!』
『ひっ・・・』
思いがけないシンの大声にチェギョンは首を竦めた
『なぜ診て貰わない?もしもの事があったらどうする!!
誰かーーー!!誰かいないか?』
慌てて駆けつけた女官は顔を伏せたまま返事をする
『はい殿下。何かご用でしょうか。』
『妃宮を・・・侍医の所に連れて行ってくれ。』
『はっはいっ!かしこまりました。』
半強制的にチェギョンはチョン女官に連れられ侍医の部屋に向かうこととなり
シンはシャワーの続きに戻り、徐々に顔が綻んで行くのが止まらない様子である
もし万が一懐妊と言うことになったら・・・もちろんそれは嬉しくて堪らない事実だ
だが、シンにとってはそれ以上に、それは自分の身を助けることとなる
皇太子殿下失踪から帰還の説明も、妃殿下懐妊のビッグニュースの前にかき消される事だろう
(もしそうなら・・・相当親孝行な子だ。)
不謹慎だと思いながらも口角を上げずにはいられないシンであった
シンがすっかり身支度を整え、スーツを身に纏った時・・・部屋にチェギョンが戻って来た
『チェギョン・・・どうだった?』
『あ・・・うん。妊娠しているみたい。ちゃんとした診断は王立病院に行かないとならないけど・・・』
『そうか!!やったな。』
『シン君・・・嬉しい?』
『もちろん嬉しいに決まってる。』
『本当?良かった♪』
チェギョンは身支度の整ったシンの腰に腕を回し強く抱き締めた
シンもそれに応じチェギョンをやんわりと抱き締めた
するとチェギョンはうっすら頬を染めながら、催促するようにシンを見上げる
『もう歯磨きもしたしな。くくっ・・・』
シンは自分の子どもを宿した愛しい妻にそっと唇を重ねた
それからチェギョンの肩を掴むと自分から引き離した
『えっ?それだけ?』
あからさまに拗ねた表情をするチェギョンである
『あぁ。今はまず本殿に行って陛下達に顔を見せないとな。』
『あ・・・そうだ!!私ったら・・・忘れていた。』
そんな大切な事を忘れていたなんてと少し憔悴するチェギョンの手を取って、シンは部屋から出て行く
『さぁ・・・本殿に行こう。報告する事が沢山だ。くくっ・・・』
本殿に向かったシンとチェギョン。既に職員達は全員その場に集結しており、
またチャン航空の会長と御曹司であるチャン・ギョンも姿を見せていた
シンの元気そうな姿に目を潤ませる三陛下・・・シンは一人一人ハグをしながら、無事に帰った喜びを伝えた
それから一緒にジェット機に乗り合わせた職員達の前に立ち、三陛下と妃殿下・・・そしてチャン会長とギョンに
説明を始めた
『チャン会長ご足労いただきありがとうございます。この度の事故に関しまして私から説明させていただきます。
まず・・・ジェット機が飛び立って程なくして・・・エンジントラブルが発生いたしました。
機長は私達の安全を第一に考え、空港に戻ろうとしたのですが・・・
その時には既に無線が通じない状態でした。
仕方なく機長はレーダーにも映っていなかった小島に、ジェット機を不時着させたのです。
御蔭で私達は全員無事だったと言えましょう。
ところが・・・島に着いた途端、ジェット機の機械系統はすべてダウンし
また携帯の電波も一切入らず・・・私達はどこに連絡する事も出来なかったのです。
いつかきっと捜索隊が救出に来てくれると信じ・・・私達は全員力を合わせその島で生き延びる方法を
考えました。ですが水は湧きだしていましたし、魚は豊富に獲れ
また野草や果物にも困らないという二週間でした。
ですので私達は食料に困窮することはなかったのです。
ところが・・・待てど暮らせど捜索隊の救出が来る事はなく
私達は昼夜を問わず狼煙を上げ続けていると言うのに・・・
近くに船を見る事も上空を飛行機やヘリが飛ぶ事も無かったのです。
なんだかおかしい・・・そんな疑問が私達の胸を過りました。
そんな時・・・突然、私達を救ってくれた漁船が島に向かって近づいてきたのです。
もちろん私達は捜索隊だろうと思って、必死に手を振り続けました。
ところが・・・近づいてきたその船は、捜索隊ではなかったのです。
私達の素性も・・・信じて貰えませんでした。くくっ・・・
これから漁に出ると言う漁船に無理を言って乗せて貰いました。
ですが・・・やはり無線が通じなくなっていたのです。
遠ざかっていく島を私とコン内官・・・イギサ達で見つめていました。
なかなか感慨深いものがありました。
ところが・・・その島が忽然と姿を消したのです。』
『えっ?殿下・・・それってどういう意味?』
頭を混乱させたギョンが普段の口調で話しかけて来る
『まぁ続きを聞いてくれ!!
呆気にとられながら島が消えてしまったのを見ていた私達の元に、無線が通じたと言う報告が入りました。
後から聞いた話によると・・・私達が発見されたのは、飛行機が飛び立った方向と真逆・・・
つまり半島を挟んで逆の位置だったのです。
その漁船の漁師もそのような島は知らないと言っています。
なんとも説明のつかない不可解な島に、私達は迷い込んでしまったと言うことになります。
チャン会長・・・そういう経緯ですので機長やチャン航空の職員には何の非もありません。
処罰に問う様なことは私に免じてお許しください。
恐らく・・・実際に経験した者でなければ、今回の一件の実情はわかりかねるでしょう。
ですが・・・これがこの事故の真実です。』
陛下は首を傾げながら困惑の表情を浮かべた
『太子よ・・・きっとマスコミは事情を説明して欲しいと言って来るであろう。その対応はどうするつもりだ?』
『はい。乱気流に巻き込まれエンジントラブルが発生し・・・個人所有の島に不時着したと言うことにいたします。
損害は皇室専用ジェット一機だけです。人命が守られたのですからそれでよいと言うことにしましょう。
それに・・・』
シンは口角を上げチェギョンに目を向けた
『妃宮が懐妊したというニュースがあります。』
『なにっ?』
三陛下もまた職員達も一斉にチェギョンに目を向けた。チェギョンは気恥ずかしく思ったようで、頬を染め俯いた
『まだ初期の状態ですので本来でしたら発表はまだ早いと思われるのですが・・・
なるべくでしたらマスコミから今回の件を追及されたくないのです。
説明のつかない事が多過ぎますから・・・妃宮の懐妊を前面に出したいと思います。』
『そうか!!分かった。恐らくマスコミも・・・妃宮のお腹の子に興味が向くであろう。』
『はい。そう信じております。』
『妃宮よ・・・こんな大変な事態の時によく頑張ってくれた。
後は身体を労わり、無事出産にこぎつけるのだぞ。よいな!!』
『はい!肝に銘じます。皇帝陛下・・・』
なんだか納得のいかない面持ちではあったが、シンがここまで説明したことでチャン会長もギョンも
機長及び職員を罰することはないと約束して帰って行った
季節はもうすっかり夏・・・妃殿下の暑い妊婦生活が始まりそうである
シン君にとっては、まさに救世主のチェギョンの妊娠発覚
これでなんとかマスコミの目をくらまそうと言う作戦です(爆)