マスコミが待ち構えている東宮殿・・・
本殿に一旦出向いたチェギョンは、マスコミの取材を受ける旨を皇帝陛下に報告した
『妃宮よ・・・私達にも何の情報も入ってきておらぬのだ。何も答える必要はない。
私が代わりに行こう。』
『いえ陛下・・・マスコミは私に取材を申し込んできたのです。きちんとお答えいたします。』
一体何を答えたらいいと言うのだろう
そう心の奥で思いながらも、心労のあまり心が折れそうになっている皇帝陛下が取材を受けるよりまだましだと
チェギョンは自分で自分を励ますと、シャンと背筋を伸ばし東宮殿に戻っていった
チェギョンが戻っていった時には、既に驚くほどのマスコミ関係者が詰めかけており
チェギョンは東宮玄関口でカメラの前に立った
【妃殿下・・・皇太子殿下の乗られた皇室ジェット機が、墜落したとの情報が入っておりますが・・・】
チェギョンはキッ!とその質問を投げかけたマスコミ関係者に、キツイ視線を向けた
『墜落した訳ではありません。』
【ではジェット機は今どこに居ると仰るのですか?】
『それは・・・ただいま全力をあげて行方を捜しているところです。』
【つまり・・・行方がわからなくなっていると言うことですね。】
『はい。それは・・・事実です。』
【原因は何なのですか?パイロットに操縦ミスがあったのですか?】
『それも現在調査中で、何もお答えできません。』
【結局何も分からないと言うことですか?】
『はい。ですが・・・これだけははっきり申し上げておきます。皇太子殿下は必ず戻って参ります。』
【妃殿下・・・お言葉を返すようですが、その根拠はどこにあるのですか?】
『根拠など・・・何もありません。ただ信じて待つのみです。
私は皇族です。嘘偽りなど申し上げません。ですので・・・マスコミ関係者の皆様、そして国民の皆様
暫く静かに、皇太子殿下のお帰りを待っていただけますようお願い申し上げます。以上です。』
チェギョンはそれだけを述べると軽く会釈をし、そのまま踵を返し東宮の中へと入って行った
婚姻二カ月しか経っていない妃殿下のその毅然とした態度には、マスコミ関係者もそれ以上の追及を
することなど出来なかった
信じて待つのみ・・・まさにその一言に尽きるチェギョンだった
その様子を遠巻きに見ていたイ・ユルと・・・そしてこの機会にユルを次期皇帝にと望む王族達も
皇太子妃シン・チェギョンのその姿に感服したようである
『ほら・・・だから言ったでしょう?僕を皇太子になんて考えるのは甘いって。
まぁ元々僕には、そんな気はありませんけどね。あなた方もこの非常事態に、
つまらない考えを起こすことはやめて、皇太子殿下の捜索に力を尽くしてください。
でないと・・・何れ皇太子殿下が戻られた時に、今回の一件を報告させていただきますからね。
ははは・・・』
チェギョンが気丈に頑張っている時に、シンは一体何をしているんだ?・・・と
ユルは溜息を吐きながらその場を去っていった
マスコミ関係者が東宮殿の玄関口に居なくなったのを見計らい、チェギョンは再び本殿に戻っていった
本殿の皇后の部屋には両陛下ばかりでなく、久し振りに床から起き上がった皇太后の姿もあった
『妃宮・・・立派だった。』
『太子が帰って来たら、そなたがどんなに立派に皇太子妃として務めたかを話してやろう。』
『心配掛けたな妃宮よ。もう大丈夫だ。』
三陛下もチェギョンの毅然とした態度に、見失っていた皇族としての誇りを取り戻したようだ
チェギョンは三陛下を交互に見比べ・・・それから陛下の背後に回ると、たった一週間で随分痩せてしまった
陛下の肩に手を置き肩揉みを始めた
『陛下・・・随分お疲れです。』
『そうだな。そなたも疲れた事だろう?』
『私は大丈夫です。皇后様・皇太后様・・・折角の美しいお顔が曇っていらっしゃいます。
口紅を・・・さしてください。きっとお顔が明るくなります。尚宮さん・・・お願いできますか?』
妃殿下チェギョンの命令で皇后も皇太后も紅をさした
シンが消息を絶った翌日から、二人共化粧をするどころではなかった事を思い出した
『そうだな妃宮。そなたの言うとおりだ。私達が太子の生還を信じなくてどうする。そうだろう?』
『そうです。皇后様・・・』
『ほほほ・・・チェギョンに教えられたわ。』
心からの笑顔ではない。だが今はシンの生命力を信じて皇族としての威厳を保たねば・・・
そう思う三陛下であった
そして・・・皇太子妃シン・チェギョンのマスコミ記者会見の様子を一緒に見ていた
ハン・チョルスとシム・ウンジュは、お互いに永遠の想い人であるチェギョンの苦悩を感じ、矢も楯も堪らず
その足で東宮に駆けつけた
一方・・・地図にも無い島に不時着した皇太子殿下イ・シン一行は、その島で調達できる食料で生き繋いでいた
不思議な事に食料に困る事は無く、食べられる野草を採取し魚を捕まえることに何の苦労も無かった
だが・・日が経つにつれ、携帯の充電は軒並み切れ・・・今日が一体何日なのか、
日付の感覚さえもなくなってくるほどだ
この海を渡ろうにも羅針盤になるものはすべて狂ってしまい、また船になりそうなものもない
一行は捜索されているだろう事を予想し、昼も夜も火を絶やさず燃やし続け狼煙を上げた
しかし上空にはヘリコプターや飛行機の類が通る事は無かった
何かおかしい・・・
シンがそう思う様になった時、コン内官やチャン航空の機長もやはり同じ疑問を持ったようだ
『殿下・・・ここは実在する島なのでしょうか?』
『今私達がいるのだから、実在するだろう?』
『宮の内官たるものがこのような非現実的な事を申し上げていいものか解りませんが
もしかして・・・ここは異次元の空間なのでは・・・』
それを聞いた機長はわなわなと唇を震わせた
『もし・・・そうだとしたら、私のせいです。私がこのような島に誘い込まれてしまったのです。』
『いや・・・機長のせいではない。機長がこの島を見つけ不時着していなければ
全員の命が無かったのだ。それにもし・・・ここが異次元の空間だったとしたら
ここに入って来たんだ。きっと出口がある筈だ。救助が来るまで心を強く持って生き延びるのが先決だ。
いいな。皆心を一つにして救援を待とう。』
『『はい!!』』
それを聞いていたイギサも女官もチャン航空の職員も、シンの言葉に力強く返事をした
今はシンの言葉を信じるしか希望は無かった
この島に不時着して一体何日が過ぎたのだろう・・・
もう日付や曜日の感覚さえ無い
毎日狼煙を上げてみるも、なんの反応もない
シンは海の遥か彼方を見つめ、今日も待っているだろう妻を思った
その時・・・シンの目に信じられない物がゆらゆらと・・・確実に近づいて来る
『おーーーーい!!』
シンはその方向に向かって大きく両手を振った
シンの声を聞きつけた者達もそれを目の当たりにし、シンと並んで手を振った
『幻じゃ・・・ないよな。』
『殿下!!幻ではございません!!』
その砂浜には続々と一行が並び、最後には全員が一列に並んでそれに手を振る
さて・・・近づいてきたものとは一体何なのだろう
なんちゃって・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
今日も暑いですね。
本日生協さんの配達日だったんですが
すぐにアタクシ・・・外に駆けつけましたところ
先週の≪おらの朝ごパン物色≫犯人を見つけました。
やっぱ・・・もう狙っているのね。
おほほほ・・・そうは上手くいくもんかと
さっさと家の中にしまった管理人でございます。
尻尾の長いトラ猫さんでした(爆)
今日も暑いですね。
本日生協さんの配達日だったんですが
すぐにアタクシ・・・外に駆けつけましたところ
先週の≪おらの朝ごパン物色≫犯人を見つけました。
やっぱ・・・もう狙っているのね。
おほほほ・・・そうは上手くいくもんかと
さっさと家の中にしまった管理人でございます。
尻尾の長いトラ猫さんでした(爆)