その日・・・帰りの公用車の中、シンはチェギョンに小声で話しかけた
『昼休みが終わってから、ギョンが興奮状態で大変だった。
なぁ・・・チェギョン。イ・ガンヒョンの言った言葉は本気なのか?』
『ううん。あれは本気じゃない。』
『なにっ?本気じゃないだと?だったらなぜあんな事を言う?』
『う~~ん・・・ガンヒョンに聞いたわけじゃないからわからないけど、私にはギョン君の気持ちを
試しているように見えたよ。』
『ギョンの気持ちを・・・試す?』
『うん。ガンヒョンの仕草が何かを企んでいる時の仕草だった。
それにね・・・ガンヒョンも私と同じ平民だもの。王族に嫁ぎたいなんて冗談でしか言えない。』
『なぜ試すんだ?あれほど解りやすい男はいないと思うが?』
『うん。ギョン君がガンヒョンを好きなのは一目瞭然。ただ・・・その本質を見極めたいんじゃないのかな?
女の子はそういうことが・・・あるんだって。』
『・・・お前もか?』
『うん。私だって同じ・・・。でもシン君の気持ちに気が付いていても、知らないい振りしていた。
試してみたかったけどね~♪』
『まぁお互い辛い立場だったからな・・・あの頃は。』
ギョンの事を話していた筈が、自分達の気持ちを押し殺した辛い日々を思い出し・・・シンはチェギョンの左手を
そっと握り締めた
『ギョン君はガンヒョンにあんなこと言われて、これからどうするつもりだろう。
ギョン君だってチャン航空の御曹司・・・ガンヒョンにとっては敷居の高い相手だよ。』
『そうだろうな。ギョンは一体どうする気なのだろう。』
『今後の様子を見守っていようよ。』
『そうだな。』
新学期が始まり・・・東宮に戻った二人は、夕食の時間を挟んで執務と訓育に励み・・・
その後≪宿題タイム≫となる
覚えることが多すぎるチェギョンは、その≪宿題タイム≫の時間に眠ってしまうこともしばしばあった
『チェギョン・・・こんなところで寝るな!眠るなら部屋に戻ってからにしろっ!!』
そう声を掛けてもチェギョンは既に夢の中である
『ん~~~♪ぐぅ・・・』
もう机に溶け込みそうなチェギョンである
シンは口角を上げると机に突っ伏したチェギョンを抱きかかえ、部屋から出て行く
『殿下・・・』
チョン女官にその場を目撃され、少し困惑するシン
『あ・・・チェギョンが眠ってしまったので、部屋に連れて行くところだ。』
『でしたら殿下、私が代わりましょう。韓服も脱がせなければなりませんし・・・』
『それなら俺が脱がすからいい。』
『殿下っ!それはなりません。まだ婚姻前ですから・・・』
『くっ・・・冗談だ。このままベッドに寝かせておけば、嫌でも苦しくて目覚めるだろう。
そうしたら自分で着替えると思うから気にしなくていい。』
『あ・・・さようでございますか。かしこまりました・・・』
思えば女官に向かって冗談を言うことなど一度も無かったシン。その人の変わり様にチョン女官は驚いた
(これも・・・チェギョン様の影響かしら。以前の皇太子殿下から、冗談なんて聞いた事は無かったわ。
皇太子殿下はチェギョン様が宮に来てから、すごく人間臭くなられたわ。
きっと・・・これはいい傾向なのね♪)
宮殿全体を一つにまとめ上げてしまうチェギョンの影響力を、二人の関係がオープンになる前から
チョン女官は気が付いていた
早くこの二人の婚姻後の姿がみたい・・・そう思ってしまうチョン女官なのであった
ガンヒョンの≪王族に嫁ぐ≫宣言があってから数日後・・・登校して来たギョンは何やら大きな荷物を背負い
いつになく真剣な表情をしていた
一年生の教室はもちろん三階にあるのだが、昼休みギョンは美術家と向かい合った窓を大きく開き
そこから何かを投げ落とした
スルスルと垂れ幕の様な物が下の階に向けて下がっていく
それからギョンは身を乗り出し大声を張り上げた
『ガンヒョン!!ガンヒョ~~ン!!』
まだ暑い季節、開け放った映像科窓から、ギョンの大きな声はすぐにガンヒョンの耳に届いた
『えっ・・・ギョン?』
その声のする方向に向かってガンヒョンは歩きだす
すると映像科の棟の一年生の階から、何やら自分に向けたメッセージが書かれている
ガンヒョンは目を凝らしそのメッセージを読んだ
【ガンヒョン!!将来を前提に付き合ってください❤
王族なんか目じゃないぜ!!なんたって俺は皇太子の御友人だ~~!!】
追い打ちを掛けるようにギョンが叫んだ
『ガンヒョン返事は?こんな大勢の前で告白したんだよ。断られたら俺・・・落ちちゃうかも・・・』
『あんたそれ・・・脅し?』
『脅しだってなんだってするさ。ガンヒョンと付き合う為なら~~!!】
『馬鹿っ・・・』
ガンヒョンの周りに集まっていたヒスンやスニョン・・・そしてクラスメイト達は、一生懸命なギョンに
同情したかのようにガンヒョンに返事を促した
『ガンヒョンオッケーしてやりなよ。』
『マジでオッケーしてやらないと、落ちそうな勢いだよ。』
ガンヒョンは暫くギョンを睨みつけ、それから両手で大きな丸を作った
『『おぉ~~っ!!』』
ガンヒョンの周りにいた生徒達が歓声を上げると同時に、映像科の棟からギョンの雄叫びが轟く
『ヤッターーーっ!!』
もちろんまだ高校一年生・・・未来の事なんてわからない
だが皇太子とその婚約者に多大な影響を受け、ここに一つのカップルが誕生した
その日の帰りの車の中・・・チェギョンはシンに問い掛けた
『シン君聞いた?昼休みのギョン君の話。』
『あぁ。あの二人付き合うことになったんだってな。よかったな。』
『あ~~あ!!ギョン君の公開告白・・・私も見たかったな~~!!』
【今日は皇太子ルームにガンヒョンを誘うなって言う筈だな。
チェギョン・・・お前は王族の前という狭い中でだが、確か公開告白しなかったか?』
『ひっ・・・(確かに・・・)
でもシン君は公開プロポーズしたよね~~♪』
『あぁ?あ・・・・』
やはりこの先尻に敷かれるのはシンに間違いない
そしてギョンもガンヒョンの尻に敷かれるのは確定である
よち!!今週も頑張ったぞ(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
では週末は【ふぅめる通信】と【マジカル多肉通信】を
お送りいたしますね~~❤
明日は粗大ゴミの日で
今日は何かと忙しかったのアタシ・・・(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
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