朝5時半・・・チェギョンの目覚まし時計が鳴り響く
チェギョンは慌ててベッドから身を起こし、けたたましく鳴り響く目覚まし時計を止めた
『大変!!急がなきゃ皇太后様に朝のお茶をお持ちする時間に遅れちゃう!!
あれっ?・・・』
目の前に広がった光景を見て瞬きを繰り返すチェギョン・・・まだ夢の続きの中に居るようだ
『ここって・・・あっ!!そうか。引っ越したんだっけ・・・』
一人ブツブツとつぶやいていた時、ドアがノックされた
<トントン>
『チェギョン様お目覚めですか?』
(あ~だからお姉さん、チェギョン様って言うのはやめてほしい~~!!)
そう思いながらチェギョンはベッドから飛び起きると、パジャマ姿のまま扉を開けた
『起きてます~♪おはようございます♪』
『おはようございます。』
『今、すぐに着替えて皇太后様にお茶を・・・』
そう言って焦るチェギョンに女官は微笑みながら首を横に振る
『いえ、チェギョン様・・・それは女官の仕事ですから。』
『えっ?では私は・・・何をしたらいいのでしょう。』
女官は入り口から沢山の洋服の掛かったブティックハンガーをチェギョンの部屋に入れると、
それをチェギョンに見せた
『この中からお好きな洋服に着替えてください。』
『えっ?ひょっとして皇太后様が用意して下さったんですか?もしかして・・・アニャゾン?』
『くすくす・・・いいえ違います。皇太后様はアニャゾンでお買物はなさいません。昨日既に皇太后様のお部屋に
届けられていたのです。』
『そうなんですか。皇太后様・・・することがお早い。
それで着替えて私はどうしたらよいのでしょう?』
『皇太后様と朝食をご一緒していただきます。』
『えっ・・・?お姉さん方とご一緒できないんですか?』
『くすくす・・・チェギョン様、もうそういうわけには参りません。』
『じゃあ・・・キムチは?』
『マイルドタイプをお持ちいたしましょう。』
『え~っ・・・嫌です。普通のタイプがいいです。』
『くすくす・・・かしこまりました。』
『お姉さん・・・また一緒にキムチが漬けられますか?』
『う~~んそれはどうでしょう。ですがチェギョン様が望めばきっと可能でしょう。
その時はもちろんご一緒いたします。』
『わ~~い♪』
『さぁ早くお着替えください。皇太后様が先に席に着いてしまわれますよ。』
『はいっ♪』
チェギョンと女官はブティックハンガーに掛けられた洋服を、洋服ダンスにしまいながら今日着る洋服を決めた
女官がブティックハンガーを引き摺って部屋から出て行った後、チェギョンは見るから高価そうなその洋服を
身に着けた
どれもこれも今まで自分が着た事も無いどころか、目にしたことも無い様な美しい洋服ばかりだった
(私・・・完璧衣装負けしてるかも・・・)
そう思いながらチェギョンは皇太后と食事を共にする食堂へと、向かって行ったのである
(あれっ?なんだか足元がふらふらする。雲の上を歩いているみたい。
昨日から夢の様な事ばかりお着ているからだな。きっと・・・くすくす・・・)
通された食堂・・・そこは一度入った事のある東宮殿とはまた趣が違い、古くからの歴史を感じさせる
テーブルと椅子にチェギョンは感嘆の溜息を吐きながら席に着いた
女官見習いとして入った事はあるが、それもいつも一瞬の事である
こうしてゆっくり調度品などを眺める余裕などなかった
『すごい・・・』
チェギョンがそう呟いた時だった
『何が凄いのだ?』
皇太后が食堂に姿を現したのである
チェyゴンは椅子から立ち上がり皇太后に笑顔で挨拶をする
『おはようございます。皇太后様・・・。調度品が美しくって・・・すごい!!とつい言ってしまいました。』
『ほほほ・・・そうだったのか。チェギョンや、昨晩はよく眠れたか?』
『はい。とても良く眠れました。』
『おぉ~私の見立てもなかなかのものだな。その洋服・・・とても良く似合っておる。』
『沢山洋服をいただきありがとうございました。』
『なんのなんの~そなたは内面も愛らしいが、外見はもっと愛らしいのだからそれらしくせねばな。
さぁ~食事にしようかの。』
『はい。』
次々と温かい料理が運ばれて来る。チェギョンは日頃ずっとお仕えしてきた皇太后と二人なのだから
昨日の様な緊張をする事も無く、食欲旺盛の筈だった
だが・・・不思議と箸が進まない
そんな様子に気がついた皇太后はチェギョンに問いかけた
『チェギョンや・・・食が進まないようだがどうかしたのか?ほら・・・キムチもあるではないか。』
『はい・・・』
『お・・・おや?チェギョン・・・少し顔が赤い様な気がするが?』
『えっ?』
皇太后からそう言われ、チェギョンは両頬に手を当ててみる
(あれ?熱い・・・)
『熱があるのではないか?』
『皇太后様申し訳ありません。なんだか少し熱いみたいです。』
皇太后は慌てて控えていた尚宮に声を掛けた
『すぐに侍医を呼ぶのだ。チェギョン・・・部屋に戻りなさい。自分で歩けるか?』
『大丈夫です。』
どうりで朝起きた時から。なんだかいつもと調子が違うと思ったチェギョンである
足元がふらつくのを必死に普通に振舞い、自分の部屋へと帰っていく
『ふぅ・・・折角お洋服着替えたのに・・・』
ひとまずソファーに座り侍医の来るのを待つ
そして侍医の診断の結果・・・
『疲れが出たのでしょう。今日はゆっくりお休みになった方がよろしいかと思います。』との診断を受けた
チェギョンが熱を出したとの報告は、朝の挨拶の時にもちろんシンの耳にも入り
シンは本殿を後にするとその足で慈慶殿へと向かった
そして現在のチェギョンの住処である皇太后の隣の部屋をノックした
<トントン>
『はい・・・』
ノックと同時にいつになく元気のないチェギョンの声がシンの耳に届いた
『俺だ、入るぞ。』
『どうぞ・・・』
部屋の扉を開けたシンは、チェギョンが横になっているベッドに足早に近づいた
『どうしたんだ一体・・・』
『ん~~予想外のことが起こって、オーバーヒートしちゃったのかも・・・』
『かなりオーバーワークだったものな。』
シンは横たわっているチェギョンの頬に手を伸ばし、そっと触れてみる
『すごく熱いじゃないか!!薬は?飲んだのか?』
『うん。侍医様からいただいて飲んだ。』
『そうか。早く効いてくれると良いな。』
『うん。』
『傍に着いていてやりたいが・・・これから大事な会議があって行って来る。』
『うん。頑張って♪』
『いいか!!いい子にして寝ているんだぞ。解ったな。』
『は~い。』
後ろ髪を引かれる思いで、シンは皇帝陛下と共に王族が待っている会議室に向かって行く
朝から・・・いや昨日から、陛下の元には王族からの不満が押し寄せていた
恐らくその場には、今回の事を聞きつけたハン・チョルスも出席しているだろう
どの様な不満をぶつけられようと、皇帝陛下が下さったチャンス・・・そしてチェギョンから差し伸べられた手を
離す気などないシンだった
チェギョンと同様に・・・
管理人もちょっと風邪気味で
ティッシュと仲良しなんですぅ・・・
ちょっと短めだけどごめんしてね❤
管理人もちょっと風邪気味で
ティッシュと仲良しなんですぅ・・・
ちょっと短めだけどごめんしてね❤