その日もチェギョンは学校から宮殿に戻るとまずシャワーを浴び、身支度を整え慈慶殿に向かう
皇太后に言いつかった仕事を終えたあと、順番に女官宿舎にて食事を摂るのだ
その日チェギョンと一緒に食事をした女官は三人
皆本日あった事などを報告しながら食事をする。そんな中で一人高校に通っているチェギョンは
学校内で起こった出来事などを面白おかしく女官たちに話して聞かせる
『ふふふ・・・チェギョンの話は本当に面白いわ。』
『クラスに一人チェギョンがいたら退屈しないわね。』
その頃にはすっかり女官達にも解け込み、チェギョンは≪女官の妹的存在≫になっていた
そんなチェギョンが食事をしながら何か考え事をしている
『う~~ん・・・』
『どうしたの?チェギョン・・・』
『そんな浮かない顔をして。今日の食事が口に合わないの?』
チェギョンは首を横に振ると橋を置いた
『あのですね。お姉さん方・・・私、ここのお食事はすごく美味しいと思うんです。』
『そうよね。いくら女官の食事とはいっても、宮殿内だもの。』
『でも・・・物足りないんです。』
『物足りない?もっと食べる?』
『ちっ・・・違います。物足りないのは量じゃなくて、あと一品なんです。』
『まあ~チェギョン・・・もう一品なんて贅沢よ。』
『そうですよね。でも食卓にアレがないなんて事・・・生まれてこのかたなかったから、何だか物足りなくて。』
『アレ・・・とは?』
『キムチですよぉ。お姉さん方はそう思われた事ありませんか?』
『あぁ・・・キムチ!!確かにね・・・確かにキムチがあったら、もっと美味しいわね。』
『そう思うでしょう?この間からキムチがないせいで食欲不振で・・・』
『でもチェギョン、考えてみたら宮殿にお仕えするようになってから、キムチを食べていないかもしれないわ。』
『えっ・・・そんなぁ~~~!!キムチ食べたぁい!!』
『料理長様にお願いしてキムチを仕入れていただく?女官風情が・・・そんなことできないわね。』
『だったら!!漬けちゃえばいいんです。』
『誰が漬けるの?私達はお休みも不定期だし・・・そんなことはできないわ。』
『私が漬けます!!』
『えっ?チェギョンが?』
『はい。以前母と漬けたことがあるので漬け方は解っています。私は日曜日にお休みいただくことに
なっていますし、今週はちょっと用事がありますが来週なら漬けられます!!』
『ホント?私も久しぶりにキムチが食べたいわ。』
『あぁ私も・・・そうね、慈慶殿の女官にカンパを募りましょう。』
『えっ・・・お姉さん方、支援してくださるんですか?』
】もちろんよ。』
『その日に手が空いている者には手伝わせるわ。』
『わぁ~~い!!』
かくして・・・チェギョンの提案から慈慶殿の女官の間に、密かにキムチを漬けるというイベントが発生し
その時一緒に食事をしていた女官の呼びかけで、チェギョンの元には沢山の支援金が集まった
チェギョンはそれを持参し、調理室に向かい父のナムギルと久し振りに顔を合わせた
『お父さん!!』
『チェギョン~~♪って・・・チェギョン、その格好はなんだ?』
宮殿に勤めるようになって以来初めて娘と顔を合わしたナムギルは、チェギョンが他の女官とは一風違った
制服を着用している事を知らなかったのだ
『あ・・・その辺りの話は皇太后様の命令なの。あのね・・・お願いがあるんだ。
・・・ここって食物持ち込み禁止でしょう?』
『もちろんだ。その辺りは厳しい監査があって・・・』
『わかったわかった!その辺りの話は解っているから。あのね・・・慈慶殿でキムチを漬けようと思うの。』
『キムチを?お前が?』
『うん。どうしても食べたくなって~~♪それでね・・・材料を仕入れて欲しいんだ。
ちゃんと料理長様に了承をいただいて、このお金でここに書かれている材料を仕入れて欲しいんだ。
あ・・・女官のお姉さん方が用立ててくれた軍資金だから、ちゃんと領収書は貰ってね。あと残金は返してね。』
『宮殿で・・・キムチかぁ・・・可能かどうかはわからないが、料理長様に相談してみるよ。』
『うん。お父さん頼むよ~~♪』
『くれぐれも問題は起こさない様にな。チェギョン・・・』
『うん!!問題なんか起こさないよ~~♪』
『ところで・・・日曜日はお休みだろう?家に帰ってくるんだろう?』
『お父さんごめん!!それが・・・ちょっと用事があって今週は無理。あ!!来週もキムチを
漬けたいから無理~!!』
『ふむ・・・お母さん寂しがってるぞ。』
『ごめんってお父さんから伝えて。』
『解った。元気に頑張っているって伝えておくよ。』
ナムギルの懇願のおかげで料理長の了承も取れ、チェギョンは見事キムチ漬けの材料を
すべて調達出来ることとなった
その週の日曜日・・・チェギョンが宮殿に来て初めてのお休みである
だがチェギョンにはシンと約束したミッションが待っていた
食べ物を持ち込むことが禁止の宮殿に≪エッグタルト≫を持ち帰ると言う、非常に危険なミッションである
だが、毎日時間を削って自分の勉強を見てくれるシンに、わずかばかりでも礼がしたいと思うチェギョンは
その店に開店と同時に飛びこめるよう、早めに宮殿を出発した
『う~~ん5個?さすがに10個は多いよね・・・どうしよう。』
店内に一番乗りで入ったチェギョンは、しばし悩んだ揚句5個入りのエッグタルトを購入し
再び宮殿に戻っていく
もちろんそのような物を持っていると見つからない様に、自転車の籠ではなく背負ったリュックサックの中に
エッグタルトを忍ばせていた
宮殿に戻った時間はお昼前だったが、よくよく考えてみれば本日は夜の宿題タイムも無い
『どうしよう・・・』
悩んだ挙句チェギョンはシンに電話を掛けてみる事にする
『もしもし?』
『もしも~~し!シン君?』
『あぁ。日曜も元気だな。』
『いや・・・もう一仕事終えて来たところよ。』
『一仕事?』
『忘れたの?エッグタルトをゲットして来たの。でも・・・どうやって渡したらいいのかわかんなくて・・・』
『買って来たのか?』
『うん♪』
シンはしばし考え、それから口を開いた
『だったら午後一時に東宮殿の裏庭に来ればいい。』
『えっ・・・でっでも・・・』
『女官から制服を借りたらいいだろう?』
『あ・・・そっか。女官服だったら目立たないね。』
『あぁ、お前が不審な動きをしなければな。くくっ・・・』
『わかった~~♪じゃあ午後一時に東宮殿の裏庭で・・・。
って~~裏庭ってどうやって行ったらいいのぉ?』
『東宮入口はわかるよな?』
『うん。』
『その建物の裏って言う意味だ。』
『解った。ぐるっと回ればいいのね。じゃあ一時に・・・』
『あぁまたあとで。』
電話を切った後、女官に替えの制服を貸してくれと哀願してみるチェギョン
だが・・・≪チェギョン、汗臭い!シャワー浴びたら貸してあげる。≫と言われ大急ぎでシャワーを浴び
借りた女官服に着替え東宮に向かった
制服の上着の中に忍ばせたエッグタルトをシンに届ける為に、いっぱしの女官の振りをして東宮殿の
裏庭に向かった。それはチェギョンにとって非常に危険を伴う行動だった
ところが・・・
『待ちなさい君!!』
いきなり呼び止められてしまったチェギョンは、逃げる事もできず恐る恐る振り向いた
さて・・・チェギョンを呼び止めた人物は一体誰なのだろうか・・・
皇太后に言いつかった仕事を終えたあと、順番に女官宿舎にて食事を摂るのだ
その日チェギョンと一緒に食事をした女官は三人
皆本日あった事などを報告しながら食事をする。そんな中で一人高校に通っているチェギョンは
学校内で起こった出来事などを面白おかしく女官たちに話して聞かせる
『ふふふ・・・チェギョンの話は本当に面白いわ。』
『クラスに一人チェギョンがいたら退屈しないわね。』
その頃にはすっかり女官達にも解け込み、チェギョンは≪女官の妹的存在≫になっていた
そんなチェギョンが食事をしながら何か考え事をしている
『う~~ん・・・』
『どうしたの?チェギョン・・・』
『そんな浮かない顔をして。今日の食事が口に合わないの?』
チェギョンは首を横に振ると橋を置いた
『あのですね。お姉さん方・・・私、ここのお食事はすごく美味しいと思うんです。』
『そうよね。いくら女官の食事とはいっても、宮殿内だもの。』
『でも・・・物足りないんです。』
『物足りない?もっと食べる?』
『ちっ・・・違います。物足りないのは量じゃなくて、あと一品なんです。』
『まあ~チェギョン・・・もう一品なんて贅沢よ。』
『そうですよね。でも食卓にアレがないなんて事・・・生まれてこのかたなかったから、何だか物足りなくて。』
『アレ・・・とは?』
『キムチですよぉ。お姉さん方はそう思われた事ありませんか?』
『あぁ・・・キムチ!!確かにね・・・確かにキムチがあったら、もっと美味しいわね。』
『そう思うでしょう?この間からキムチがないせいで食欲不振で・・・』
『でもチェギョン、考えてみたら宮殿にお仕えするようになってから、キムチを食べていないかもしれないわ。』
『えっ・・・そんなぁ~~~!!キムチ食べたぁい!!』
『料理長様にお願いしてキムチを仕入れていただく?女官風情が・・・そんなことできないわね。』
『だったら!!漬けちゃえばいいんです。』
『誰が漬けるの?私達はお休みも不定期だし・・・そんなことはできないわ。』
『私が漬けます!!』
『えっ?チェギョンが?』
『はい。以前母と漬けたことがあるので漬け方は解っています。私は日曜日にお休みいただくことに
なっていますし、今週はちょっと用事がありますが来週なら漬けられます!!』
『ホント?私も久しぶりにキムチが食べたいわ。』
『あぁ私も・・・そうね、慈慶殿の女官にカンパを募りましょう。』
『えっ・・・お姉さん方、支援してくださるんですか?』
】もちろんよ。』
『その日に手が空いている者には手伝わせるわ。』
『わぁ~~い!!』
かくして・・・チェギョンの提案から慈慶殿の女官の間に、密かにキムチを漬けるというイベントが発生し
その時一緒に食事をしていた女官の呼びかけで、チェギョンの元には沢山の支援金が集まった
チェギョンはそれを持参し、調理室に向かい父のナムギルと久し振りに顔を合わせた
『お父さん!!』
『チェギョン~~♪って・・・チェギョン、その格好はなんだ?』
宮殿に勤めるようになって以来初めて娘と顔を合わしたナムギルは、チェギョンが他の女官とは一風違った
制服を着用している事を知らなかったのだ
『あ・・・その辺りの話は皇太后様の命令なの。あのね・・・お願いがあるんだ。
・・・ここって食物持ち込み禁止でしょう?』
『もちろんだ。その辺りは厳しい監査があって・・・』
『わかったわかった!その辺りの話は解っているから。あのね・・・慈慶殿でキムチを漬けようと思うの。』
『キムチを?お前が?』
『うん。どうしても食べたくなって~~♪それでね・・・材料を仕入れて欲しいんだ。
ちゃんと料理長様に了承をいただいて、このお金でここに書かれている材料を仕入れて欲しいんだ。
あ・・・女官のお姉さん方が用立ててくれた軍資金だから、ちゃんと領収書は貰ってね。あと残金は返してね。』
『宮殿で・・・キムチかぁ・・・可能かどうかはわからないが、料理長様に相談してみるよ。』
『うん。お父さん頼むよ~~♪』
『くれぐれも問題は起こさない様にな。チェギョン・・・』
『うん!!問題なんか起こさないよ~~♪』
『ところで・・・日曜日はお休みだろう?家に帰ってくるんだろう?』
『お父さんごめん!!それが・・・ちょっと用事があって今週は無理。あ!!来週もキムチを
漬けたいから無理~!!』
『ふむ・・・お母さん寂しがってるぞ。』
『ごめんってお父さんから伝えて。』
『解った。元気に頑張っているって伝えておくよ。』
ナムギルの懇願のおかげで料理長の了承も取れ、チェギョンは見事キムチ漬けの材料を
すべて調達出来ることとなった
その週の日曜日・・・チェギョンが宮殿に来て初めてのお休みである
だがチェギョンにはシンと約束したミッションが待っていた
食べ物を持ち込むことが禁止の宮殿に≪エッグタルト≫を持ち帰ると言う、非常に危険なミッションである
だが、毎日時間を削って自分の勉強を見てくれるシンに、わずかばかりでも礼がしたいと思うチェギョンは
その店に開店と同時に飛びこめるよう、早めに宮殿を出発した
『う~~ん5個?さすがに10個は多いよね・・・どうしよう。』
店内に一番乗りで入ったチェギョンは、しばし悩んだ揚句5個入りのエッグタルトを購入し
再び宮殿に戻っていく
もちろんそのような物を持っていると見つからない様に、自転車の籠ではなく背負ったリュックサックの中に
エッグタルトを忍ばせていた
宮殿に戻った時間はお昼前だったが、よくよく考えてみれば本日は夜の宿題タイムも無い
『どうしよう・・・』
悩んだ挙句チェギョンはシンに電話を掛けてみる事にする
『もしもし?』
『もしも~~し!シン君?』
『あぁ。日曜も元気だな。』
『いや・・・もう一仕事終えて来たところよ。』
『一仕事?』
『忘れたの?エッグタルトをゲットして来たの。でも・・・どうやって渡したらいいのかわかんなくて・・・』
『買って来たのか?』
『うん♪』
シンはしばし考え、それから口を開いた
『だったら午後一時に東宮殿の裏庭に来ればいい。』
『えっ・・・でっでも・・・』
『女官から制服を借りたらいいだろう?』
『あ・・・そっか。女官服だったら目立たないね。』
『あぁ、お前が不審な動きをしなければな。くくっ・・・』
『わかった~~♪じゃあ午後一時に東宮殿の裏庭で・・・。
って~~裏庭ってどうやって行ったらいいのぉ?』
『東宮入口はわかるよな?』
『うん。』
『その建物の裏って言う意味だ。』
『解った。ぐるっと回ればいいのね。じゃあ一時に・・・』
『あぁまたあとで。』
電話を切った後、女官に替えの制服を貸してくれと哀願してみるチェギョン
だが・・・≪チェギョン、汗臭い!シャワー浴びたら貸してあげる。≫と言われ大急ぎでシャワーを浴び
借りた女官服に着替え東宮に向かった
制服の上着の中に忍ばせたエッグタルトをシンに届ける為に、いっぱしの女官の振りをして東宮殿の
裏庭に向かった。それはチェギョンにとって非常に危険を伴う行動だった
ところが・・・
『待ちなさい君!!』
いきなり呼び止められてしまったチェギョンは、逃げる事もできず恐る恐る振り向いた
さて・・・チェギョンを呼び止めた人物は一体誰なのだろうか・・・
本当は裏庭の光景まで書きたかったのだけど・・・
また次回ってことで~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
あぁ・・・多肉の写真もふぅめるの写真も
撮れていない
明日通信・・・できなかったら日曜ってことにさせてね。
だってお天気が悪いんだもん。
また次回ってことで~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
あぁ・・・多肉の写真もふぅめるの写真も
撮れていない
明日通信・・・できなかったら日曜ってことにさせてね。
だってお天気が悪いんだもん。