一通りのことが決定した後、シンはチェギョンを食事に誘った
『チェギョン・・・昼食がまだだろう?俺もまだだ。東宮で一緒に食べないか?』
『えっ?シン君・・・いえ、皇太子殿下。私は女官見習いなので、そんなことは恐れ多くてできません。
これからはちゃんと≪皇太子殿下≫とお呼びしなくては・・・』
真剣な表情でそうシンに返すチェギョンに、皇太后は本日何度目かの可笑しそうな顔つきでチェギョンを窘めた
『おほほ・・・チェギョン良いではないか。今日くらい太子と食事をしたらどうだ?』
『ですが皇太后様・・・』
『私が許可する。東宮に行くがよいぞ。』
『は・・・はい!!』
『そなたが帰宅する時、そなたの家族に事情を説明せねばならん。私も一緒にシン家に行こうかの・・・』
『えっ?よろしいのですか?』
『もちろんだ。大事なお嬢さんを預かるのだ。それが筋と言うものだろう?』
『はい。』
本来であればシン家の方から出向かなければならない状況だと言うのに、皇太后自らシン家を訪れると言う
とても不思議に感じながらも、チェギョンは皇太后の言葉に甘えシンの後に続き東宮に向かった
『さてと・・・陛下のところに報告に行かないとなぁ・・・』
『ですが皇太后様、チェギョンを女官見習いにしたなどと報告したら、
きっと陛下は臍を曲げるに違いありませんわ。』
『まぁその辺りは私に任せておきなさい。しかし・・・あの二人の会話は可笑しかった。』
『可笑しかったとは?どのよううにですか?』
『≪まさかシン君、私の事が好きなの?≫≪えっ・・・くっ・・・そうじゃない。≫なんて話をしていてな。
あのシンの動揺した顔を皇后にも見せてやりたかったわ。おほほほほ・・・
それにな、以前太子は私にそれとなく言った事があるのだ。
≪自分が望んだら好きな女性と一緒になれますか?≫と言う様な意味合いの言葉をな。
太子は・・・確実にあの娘・・・シン・チェギョンに恋をしている。
だが・・・いくら先帝があの家のお祖父さんと親友だったとしても、陛下が許すとは思えぬ・・・。
だから私はシン・チェギョンを、女官見習いとしてこの宮殿に入れたのだ。』
『さようでございましたか。皇太后様・・・。陛下のお気持ちはやはり王族の中から妃を・・・
と思っていることでしょう。』
『そなたはどう考えている?皇后よ・・・。』
『私は太子が心から愛する人に巡り逢えたなら、その恋を応援してあげたいと思っておりますわ。』
『そうか!それは私と同意見と言う事だな。まぁ同じ宮殿内に置いて二人の様子を見るとしよう。
ではそろそろ参ろう。皇后・・・』
『はい。お供いたします。』
二人の国母は微笑みながら陛下の元へと向かっていった
内官と打ち合わせの最中だった陛下・・・それも構わず皇太后は皇后を伴い陛下の執務室に入っていく
『少し失礼するぞ。』
『キム内官・・・皇太后様がお越しだ。続きは後にしよう。』
『はい。かしこまりました陛下。』
キム内官が執務室を出ていった後、陛下は二人にソファーに腰掛けるよう勧めた
『お揃いでどうなさったのですか?さぁどうぞお掛けください。』
『うむ。執務の最中にすまないな。いや実は・・・シン・チェギョンの件なのだが・・・』
『借金の話をされたのですか?』
『おぉ~したとも~。そしたらな・・・それで引き下がる娘じゃなかったわ。』
『と・・・いいますと・・・?』
『慈慶殿で下働きとして働いて、借金を返すと言うのでな。』
『なっ・・・なんですって?まさか・・・それを承諾したのでは・・・』
『したとも~どうしてもと言われたら仕方なかろう?』
『ですが太子はあの娘と関わると何かとトラブルを起こすではありませんか!
これから婚姻相手を決める大事な時期に、そのような娘が傍にいたのでは太子も気が散ると思われますが・・・』
『陛下。確かにそう言う考え方もある。だが・・・シン・チェギョンを傍に置いてしまえば、太子は外でトラブルを
起こす事はないだろう?宮廷内で何か起こった際には、如何様にも対処できる。』
『ですが皇太后様・・・』
『もう決めたのだ。住み込みの女官見習いとして宮殿に置くとな。
それに太子はそなたと約束をしたではないか?そなたの言うとおりにするとな・・・』
『確かに・・・』
『皇室の一員であり一国の皇太子が、よりによって陛下と交わした約束を反故する事はないだろう。
そう私は信じているが?』
『解りました。あの二人がおかしな行動を起こさないよう、しっかり目を光らせていてください。』
『おぉ~もちろんだ。その辺り心配はいらぬぞ。おほほほほ~~~♪』
皇太后と皇后・・・目を光らせるどころか、シンの恋が成就する様応援しそうな気配がぷんぷんと漂っていた
『すごいご馳走・・・』
東宮の食堂で遅い昼食を摂る事となった二人
チェギョンはテーブルに並んだその料理を目にし、目眩がしそうだった
『さぁ食べよう。お腹が空いただろう?』
『うん。いただきます。ねえシン君・・・あっ!皇太子殿下・・・』
『おい・・・それはやめろ。』
『でも明日から女官見習いだもん。』
『今は違うだろう?』
『・・・う~~ん。まっいっか~♪毎日こんな豪華な料理を食べてるの?』
『あ?あぁ・・・まぁな。』
『しかもこの広い食堂で一人飯?』
『一人飯って・・・くっ・・・あぁそうだ。』
『一体いつから?』
『父上が厚意を継いだ頃だから5歳かな。』
『5歳・・・そんなに幼いころから?一人飯じゃ美味しくないね。』
『そう感じた事はない。』
『そっか~だったらいいけど・・・』
本当は一人の食事など美味しくないし寂しくて堪らない。だがそんな感情をずっと押し殺して来たシンである
だが・・・ある事を思いだし、口角を上げると遠い目をしてチェギョンに話しかけた
『あれは・・・すごく美味しかったな。』
『あれ?あれとは一体何?』
『お前と初めて逢った時に食べたエッグタルト。』
『あ~あの時のシン君、すごくお腹が空いているって顔してたもんね。私のエッグタルト4個も食べちゃって・・・』
『くっ・・・食い物の恨みは恐ろしいって言うが、お前。。。あの時の事を相当根に持ってるな?』
『そんなことないよ~~。あっ!そうだ!!さっき皇太后様が女官見習いのお仕事は、
日曜日お休みにしてくれるって仰っていたから、今度買って来てあげる♪』
『本当か?』
『うん。でも・・・ここって食べ物持ちこんじゃダメなんでしょう?』
『内緒で持ってくればいい。』
『くすくす・・・解ったよ。今度買って来るね。』
『あぁ楽しみに待っている。』
ここ最近、眉間に皺を寄せたチェギョンしか見ていなかったシンは、久し振りに
チェギョンの笑顔に逢えた気がした
だが・・・皇帝陛下との約束・・・またハン家が送り込んでくるミン・ヒョリンはなかなかしたたかそうだ
皇太后と皇后の援護はあるにしても・・・問題は皇帝陛下だ
女官見習いの任務はチェギョンをどのような道に導いて行くのだろうか・・・
ではっ!土日は【ふぅめる通信】及び【多肉通信】を
お送りいたしますね~~♪
お話の更新は月曜まで待っていてね❤
『チェギョン・・・昼食がまだだろう?俺もまだだ。東宮で一緒に食べないか?』
『えっ?シン君・・・いえ、皇太子殿下。私は女官見習いなので、そんなことは恐れ多くてできません。
これからはちゃんと≪皇太子殿下≫とお呼びしなくては・・・』
真剣な表情でそうシンに返すチェギョンに、皇太后は本日何度目かの可笑しそうな顔つきでチェギョンを窘めた
『おほほ・・・チェギョン良いではないか。今日くらい太子と食事をしたらどうだ?』
『ですが皇太后様・・・』
『私が許可する。東宮に行くがよいぞ。』
『は・・・はい!!』
『そなたが帰宅する時、そなたの家族に事情を説明せねばならん。私も一緒にシン家に行こうかの・・・』
『えっ?よろしいのですか?』
『もちろんだ。大事なお嬢さんを預かるのだ。それが筋と言うものだろう?』
『はい。』
本来であればシン家の方から出向かなければならない状況だと言うのに、皇太后自らシン家を訪れると言う
とても不思議に感じながらも、チェギョンは皇太后の言葉に甘えシンの後に続き東宮に向かった
『さてと・・・陛下のところに報告に行かないとなぁ・・・』
『ですが皇太后様、チェギョンを女官見習いにしたなどと報告したら、
きっと陛下は臍を曲げるに違いありませんわ。』
『まぁその辺りは私に任せておきなさい。しかし・・・あの二人の会話は可笑しかった。』
『可笑しかったとは?どのよううにですか?』
『≪まさかシン君、私の事が好きなの?≫≪えっ・・・くっ・・・そうじゃない。≫なんて話をしていてな。
あのシンの動揺した顔を皇后にも見せてやりたかったわ。おほほほほ・・・
それにな、以前太子は私にそれとなく言った事があるのだ。
≪自分が望んだら好きな女性と一緒になれますか?≫と言う様な意味合いの言葉をな。
太子は・・・確実にあの娘・・・シン・チェギョンに恋をしている。
だが・・・いくら先帝があの家のお祖父さんと親友だったとしても、陛下が許すとは思えぬ・・・。
だから私はシン・チェギョンを、女官見習いとしてこの宮殿に入れたのだ。』
『さようでございましたか。皇太后様・・・。陛下のお気持ちはやはり王族の中から妃を・・・
と思っていることでしょう。』
『そなたはどう考えている?皇后よ・・・。』
『私は太子が心から愛する人に巡り逢えたなら、その恋を応援してあげたいと思っておりますわ。』
『そうか!それは私と同意見と言う事だな。まぁ同じ宮殿内に置いて二人の様子を見るとしよう。
ではそろそろ参ろう。皇后・・・』
『はい。お供いたします。』
二人の国母は微笑みながら陛下の元へと向かっていった
内官と打ち合わせの最中だった陛下・・・それも構わず皇太后は皇后を伴い陛下の執務室に入っていく
『少し失礼するぞ。』
『キム内官・・・皇太后様がお越しだ。続きは後にしよう。』
『はい。かしこまりました陛下。』
キム内官が執務室を出ていった後、陛下は二人にソファーに腰掛けるよう勧めた
『お揃いでどうなさったのですか?さぁどうぞお掛けください。』
『うむ。執務の最中にすまないな。いや実は・・・シン・チェギョンの件なのだが・・・』
『借金の話をされたのですか?』
『おぉ~したとも~。そしたらな・・・それで引き下がる娘じゃなかったわ。』
『と・・・いいますと・・・?』
『慈慶殿で下働きとして働いて、借金を返すと言うのでな。』
『なっ・・・なんですって?まさか・・・それを承諾したのでは・・・』
『したとも~どうしてもと言われたら仕方なかろう?』
『ですが太子はあの娘と関わると何かとトラブルを起こすではありませんか!
これから婚姻相手を決める大事な時期に、そのような娘が傍にいたのでは太子も気が散ると思われますが・・・』
『陛下。確かにそう言う考え方もある。だが・・・シン・チェギョンを傍に置いてしまえば、太子は外でトラブルを
起こす事はないだろう?宮廷内で何か起こった際には、如何様にも対処できる。』
『ですが皇太后様・・・』
『もう決めたのだ。住み込みの女官見習いとして宮殿に置くとな。
それに太子はそなたと約束をしたではないか?そなたの言うとおりにするとな・・・』
『確かに・・・』
『皇室の一員であり一国の皇太子が、よりによって陛下と交わした約束を反故する事はないだろう。
そう私は信じているが?』
『解りました。あの二人がおかしな行動を起こさないよう、しっかり目を光らせていてください。』
『おぉ~もちろんだ。その辺り心配はいらぬぞ。おほほほほ~~~♪』
皇太后と皇后・・・目を光らせるどころか、シンの恋が成就する様応援しそうな気配がぷんぷんと漂っていた
『すごいご馳走・・・』
東宮の食堂で遅い昼食を摂る事となった二人
チェギョンはテーブルに並んだその料理を目にし、目眩がしそうだった
『さぁ食べよう。お腹が空いただろう?』
『うん。いただきます。ねえシン君・・・あっ!皇太子殿下・・・』
『おい・・・それはやめろ。』
『でも明日から女官見習いだもん。』
『今は違うだろう?』
『・・・う~~ん。まっいっか~♪毎日こんな豪華な料理を食べてるの?』
『あ?あぁ・・・まぁな。』
『しかもこの広い食堂で一人飯?』
『一人飯って・・・くっ・・・あぁそうだ。』
『一体いつから?』
『父上が厚意を継いだ頃だから5歳かな。』
『5歳・・・そんなに幼いころから?一人飯じゃ美味しくないね。』
『そう感じた事はない。』
『そっか~だったらいいけど・・・』
本当は一人の食事など美味しくないし寂しくて堪らない。だがそんな感情をずっと押し殺して来たシンである
だが・・・ある事を思いだし、口角を上げると遠い目をしてチェギョンに話しかけた
『あれは・・・すごく美味しかったな。』
『あれ?あれとは一体何?』
『お前と初めて逢った時に食べたエッグタルト。』
『あ~あの時のシン君、すごくお腹が空いているって顔してたもんね。私のエッグタルト4個も食べちゃって・・・』
『くっ・・・食い物の恨みは恐ろしいって言うが、お前。。。あの時の事を相当根に持ってるな?』
『そんなことないよ~~。あっ!そうだ!!さっき皇太后様が女官見習いのお仕事は、
日曜日お休みにしてくれるって仰っていたから、今度買って来てあげる♪』
『本当か?』
『うん。でも・・・ここって食べ物持ちこんじゃダメなんでしょう?』
『内緒で持ってくればいい。』
『くすくす・・・解ったよ。今度買って来るね。』
『あぁ楽しみに待っている。』
ここ最近、眉間に皺を寄せたチェギョンしか見ていなかったシンは、久し振りに
チェギョンの笑顔に逢えた気がした
だが・・・皇帝陛下との約束・・・またハン家が送り込んでくるミン・ヒョリンはなかなかしたたかそうだ
皇太后と皇后の援護はあるにしても・・・問題は皇帝陛下だ
女官見習いの任務はチェギョンをどのような道に導いて行くのだろうか・・・
ではっ!土日は【ふぅめる通信】及び【多肉通信】を
お送りいたしますね~~♪
お話の更新は月曜まで待っていてね❤