≪お前の気持ちを軽くしてやる・・・≫シンから言われた言葉が妙に気にかかるチェギョンは、
慈慶殿に向かう間中、ずっとその言葉を頭の中で反復していた
(私がバイトをクビになった事と皇太后様のところに行く事は・・・一体何の関連性があるんだろう。
それに私の気持ちを軽くするって?う~~ん・・・・)
(恐れ多くも皇太后様の前に出るのに、こんな普段着でよかったのかな。)と今更ながらに思う・・・
チェギョンにとって皇太后は雲の存在なのだ
最近までメディアに登場する事のなかったシンに比べて、その穏やかな笑顔は全国民に深く浸透し
とても愛されていると言えよう
慈慶殿に到着しシンは皇太后付き尚宮に面会を申し入れた
『皇太后様にお目通りを願いたい。シン・チェギョンも同行したと伝えてくれ。』
『かしこまりました。殿下・・・』
すぐさま二人は部屋に通され、尚宮は皇太后を呼ぶ為に去っていった
年代物の目を奪われるほど色取り取りの家具に囲まれたその部屋に目を奪われながらも、
チェギョンは困ってシンに問い掛けようとする
『シン君・・・あのっ・・・』
その時、部屋の扉が開き皇太后パクの登場である
『まぁ~よくいらした。』
『あ・・・あのっはじめまして。シン・チェギョンと申します。』
『ほほほ・・・挨拶など良い。早く掛けなさい。』
先にソファーに腰掛けたシンに促がされ、チェギョンは漸くシンの横に腰を下ろした
『初めてではないのでな。ほほほ・・・』
『えっ?・・・・』
『昔・・・そなたのお祖父さんが連れて来た事があるのだ。おぉ~そうだ!確か太子と遊んだ?
いや違う。あの時遊んだのはユルだったな。ほほほ・・・』
『えっ・・・そんなことがあったのですか?記憶に残っていなくて・・・すみません。』
『ほほほ・・・いいのだよ。とても幼い頃だったから覚えていなくても当然だ。』
ユルと遊んだと言う言葉が面白くなかったのか、シンはすぐに皇太后に例の話をせがむ
『皇太后様・・・あのお話を彼女にしてやっていただけますか?』
『おぉ!!そうだった。チェギョンさんや・・・そなたはなんでも父上の背負ってしまった借金をハン家に返す為に
大変な思いをしたそうだな。』
『えっ?あ・・・あぁ・・・』
チェギョンは先程アルバイトをクビになってしまった事を思いだしたようだ。小さく溜息を吐き項垂れた
『そなたが家族から聞いているか知らないが、先帝とそなたのお祖父さんは大の親友でな。
生前はそりゃあもぉ・・・身内以上の付き合いをしていたのだ。』
『そうだったんですか。私もハン家の息子さんからその事を知らされただけで、
家族からは聞いた事もない話で・・・すみません。』
『ほほほ・・・謝る事はない。それでな・・・太子からの頼みもあって、その借金はすべて私が返済した。
だからもう何も心配しなくて良い。』
『えっ・・・・?それは一体どういう意味ですか?』
『つまり・・・シン家はもう借金の事を気にしなくて良いという事だ。』
『で・・・・ですが、それは皇太后様が払って下さったという事ですよね?』
『まぁそう言う事になる。なあに~生前先帝が受けた恩と友情を考えれば安いものだ。』
チェギョンの頭の中に自宅三軒を売っても返せない額と言った母の言葉が浮かび上がった
決して安いものなのではない
シンはさすがに皇太后からここまで言われれば、チェギョンもきっと納得し借金問題から解放されると
安易に考えていた
だが・・・やはりシン・チェギョンは、そんなずる賢い人間にはなれなかった
『あの・・・皇太后様、一つお尋ねしたいのですが、皇太子殿下は一体どのように
この件をお願いしたのですか?』
『あぁ・・・それは・・・』
シンは皇太后に必死に目配せをした。だが皇太后は敢えてそんなシンに気が付かない振りをした
『本当は私にではなく陛下に頼み込んだのだ。シン家の借金を自分の私的財産で払いたいから
ハン家に話をつけて欲しいとな。』
『しっ・・・シン君っ!!どうしてっ?』
驚いたチェギョンはシンを追及する
『あ・・・だから、さすがの俺ももう見ていられなかっただけだ。』
『皇帝陛下まで巻き込んだの?それで・・・その見返りは?あるんでしょう?きっと何か・・・』
『今まで延ばし延ばしにしていた結婚相手を、王族の娘の中から早急に決める事だろうな・・・』
『えっ?・・・なんで?なんでよ!!まさかシン君、私の事が好きなの?』
『えっ・・・くっ・・・そうじゃない。お前は初めてできた女友達だから何かしてやりたくて・・・』
『ばっ・・・ばっかじゃないの?そんなこと困っている全国民にしていたら、皇室は破産よ!!
どうして私の為にそんな約束を・・・』
『遅かれ早かれその日は来るんだ。別に≪自分を犠牲にした・・・≫なんて殊勝な考えじゃないから安心しろ。』
『でも・・・そんなんじゃ私・・・困るよぉ・・・』
二人のやりとりを目の当たりにしていた皇太后は、楽しそうに含み笑いをするとチェギョンに話しかけた
『チェギョンや・・・とにかく、もうハン家への借金はなくなったわけだ。後は安心して・・・』
しかしチェギョンは引かなかった
『そうはいきません皇太后様。父に返済能力があれば父も頑張る事でしょうが、なにせ就職難民に
陥っている父です。ですから少しずつでも私がお返ししたいのですが・・・残念なことにアルバイトをクビに
なってしまいました。もう表立ったアルバイトは高校生の間できません。
そこで・・・お願いがあります。皇太后様の宮殿の下働きをさせていただけませんか?
身元はよくご存知だと思います。決して御迷惑になる様な事はいたしません。
なんでもいたしますのでどうか・・・お願いできませんか?』
チェギョンにとっては借金の肩代わりした人物が、ハン家から皇太后に変わっただけなのである
この借りは絶対に返さなければならない・・・そう思ったチェギョンである
真剣に訴えかけるチェギョンに、皇太后は楽しそうに笑いながら頷いた
『ほほほ・・・はぁ~まったく気性までそなたのお祖父さんにそっくりだのぉ。
わかった。では女官見習いとして、部屋を用意させよう。』
『えっ?女官見習いですか?お部屋って・・・?』
『宮殿の下働きをするのだ。家に帰る暇などなかろう?』
『あ・・・はいっ!!』
『ここから学校に通ったらよい。女官見習いから女官・・・そして試験を受けて尚宮になったらよい。
きっと普通のお勤めをしているよりも、早く返済が出来るだろう。』
『はっ・・・はい~~。あ・・・でも皇太后様・・・私、アルバイト禁止の学校でアルバイトしているのが
見つかってしまい・・・処分を待っている身の上なんですぅ・・・』
『なんと!!そうであったか。韓国芸術高校は・・・おぉそうだ!!皇后が理事長と親しかった筈だ。
すぐに皇后をこちらに呼ぼう。』
『えっ?・・・』
目まぐるしく事態が変化し・・・言われるままの状況に追い込まれたチェギョン
そして皇太后の部屋に皇后が姿を現し、チェギョンは初めて逢う皇后にお願いごとをする羽目になる
『そなたがシン・チェギョンか?』
『はい。はじめまして皇后様・・・』
『一体どうしたと言うのだ?』
『あ・・・あの・・・大変厚かましいお願いがあるのですが、我が家の借金の話はご存知ですよね?
その返済の為に私はアルバイトをしていて・・・今日、学年主任に見つかってしまいました。
あの・・・決して遊ぶ金欲しさとかじゃないんです。あの・・・なんとか便宜を図っていただけるよう・・・』
『なるほど解った。少し待ちなさい。』
『はい・・・』
皇后ミンはその場でスマホを取りだすと、韓国芸術高校理事長に電話をかけ始めた
『理事長ですか?ええ・・・ミンです。御無沙汰しております。
いえいえとんでもない~♪
あ・・・あのですね、今日お電話させていただいたのは、私の遠縁の娘がちょっと家の事情で
アルバイトをしていたんですが、それが一年の学年主任に見つかってしまいましてね・・・。
ええ。アルバイト禁止っていうのは十分解っているんですよ。
でも・・・聞くも涙語るも涙の事情がありましてね~~。
ええ・・・理事長のお力でなんとかなりません?
まっ♪そうですか?有難い事ですわ。ええ・・・解りました。次回の寄付の時にはお力になりますわ。
ではそのように・・・お願いいたしますね~~おほほほほ♪』
知らぬ間に遠縁の娘にされていたチェギョンは、その皇后ミンの電話を聞いて呆気に取られていた
『これで解決だ。月曜から安心して登校するが良いぞ。』
『あ・・・なんてお礼を言ったらいいのか・・・本当にありがとうございます。』
『気にしなくて良い。ほほほほ・・・』
チェギョンと皇后ミンがそんなやりとりをしている頃・・・シンは皇太后に小声で話しかけていた
『皇太后様・・・困ります。チェギョンを自由にしてやりたかったのに、なぜ女官になど・・・』
『仕方なかろう?チェギョンはお祖父さんに似て言い出したら聞かないタイプだ。』
『ですがそれではまた・・・チェギョンが疲れ果ててしまう。自由なんて全くないじゃないですか!』
『日曜日はちゃんと休みを取らせよう。それにな・・・チェギョンにも言ったが尚宮は結構な高収入だ。
いつか好きな男が出来た時には、残りの借金は結婚祝いにしたらよいしな。ほほほ・・・』
チェギョンの結婚祝いと聞いて顔色を曇らせたシン・・・そんなシンから顔を背け、皇太后は悪戯っぽい笑顔で
にやりと笑った
もちろんシンの気持ちなど皇太后にはすべてお見通しなのである
それから皇太后は皇后に向かって話し掛けた
『皇后よすまなかったな。』
『いえ、とんでもございませんわ。皇太后様・・・』
『おぉそうだ!このチェギョンだが、住み込みで女官見習いになる。』
『まぁ~そうでしたか。』
『丁度明日は日曜だし、シン家に迎えに行って引っ越しをさせようと思う。
皇后もそのつもりでよろしく頼むぞ。』
『私も用事を言いつけて構わないのですか?』
『もちろんだ。皇后のおかげで処分を免れたのだものな。チェギョン・・・』
『はい~~その通りです!!』
明日の日曜・・・チェギョンは宮殿に引っ越してくる事になった
もちろん女官見習いの下働きの身分としてだ
だが・・・戸惑っているシンやチェギョンとは裏腹に、その周囲には暖かい春の風が吹いているようだ
あっれ~~なんだか段々
タイトルからかけ離れていく様な気が?
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
でもシン君は・・・まだまだ耐えてゾーンの中だから♪
慈慶殿に向かう間中、ずっとその言葉を頭の中で反復していた
(私がバイトをクビになった事と皇太后様のところに行く事は・・・一体何の関連性があるんだろう。
それに私の気持ちを軽くするって?う~~ん・・・・)
(恐れ多くも皇太后様の前に出るのに、こんな普段着でよかったのかな。)と今更ながらに思う・・・
チェギョンにとって皇太后は雲の存在なのだ
最近までメディアに登場する事のなかったシンに比べて、その穏やかな笑顔は全国民に深く浸透し
とても愛されていると言えよう
慈慶殿に到着しシンは皇太后付き尚宮に面会を申し入れた
『皇太后様にお目通りを願いたい。シン・チェギョンも同行したと伝えてくれ。』
『かしこまりました。殿下・・・』
すぐさま二人は部屋に通され、尚宮は皇太后を呼ぶ為に去っていった
年代物の目を奪われるほど色取り取りの家具に囲まれたその部屋に目を奪われながらも、
チェギョンは困ってシンに問い掛けようとする
『シン君・・・あのっ・・・』
その時、部屋の扉が開き皇太后パクの登場である
『まぁ~よくいらした。』
『あ・・・あのっはじめまして。シン・チェギョンと申します。』
『ほほほ・・・挨拶など良い。早く掛けなさい。』
先にソファーに腰掛けたシンに促がされ、チェギョンは漸くシンの横に腰を下ろした
『初めてではないのでな。ほほほ・・・』
『えっ?・・・・』
『昔・・・そなたのお祖父さんが連れて来た事があるのだ。おぉ~そうだ!確か太子と遊んだ?
いや違う。あの時遊んだのはユルだったな。ほほほ・・・』
『えっ・・・そんなことがあったのですか?記憶に残っていなくて・・・すみません。』
『ほほほ・・・いいのだよ。とても幼い頃だったから覚えていなくても当然だ。』
ユルと遊んだと言う言葉が面白くなかったのか、シンはすぐに皇太后に例の話をせがむ
『皇太后様・・・あのお話を彼女にしてやっていただけますか?』
『おぉ!!そうだった。チェギョンさんや・・・そなたはなんでも父上の背負ってしまった借金をハン家に返す為に
大変な思いをしたそうだな。』
『えっ?あ・・・あぁ・・・』
チェギョンは先程アルバイトをクビになってしまった事を思いだしたようだ。小さく溜息を吐き項垂れた
『そなたが家族から聞いているか知らないが、先帝とそなたのお祖父さんは大の親友でな。
生前はそりゃあもぉ・・・身内以上の付き合いをしていたのだ。』
『そうだったんですか。私もハン家の息子さんからその事を知らされただけで、
家族からは聞いた事もない話で・・・すみません。』
『ほほほ・・・謝る事はない。それでな・・・太子からの頼みもあって、その借金はすべて私が返済した。
だからもう何も心配しなくて良い。』
『えっ・・・・?それは一体どういう意味ですか?』
『つまり・・・シン家はもう借金の事を気にしなくて良いという事だ。』
『で・・・・ですが、それは皇太后様が払って下さったという事ですよね?』
『まぁそう言う事になる。なあに~生前先帝が受けた恩と友情を考えれば安いものだ。』
チェギョンの頭の中に自宅三軒を売っても返せない額と言った母の言葉が浮かび上がった
決して安いものなのではない
シンはさすがに皇太后からここまで言われれば、チェギョンもきっと納得し借金問題から解放されると
安易に考えていた
だが・・・やはりシン・チェギョンは、そんなずる賢い人間にはなれなかった
『あの・・・皇太后様、一つお尋ねしたいのですが、皇太子殿下は一体どのように
この件をお願いしたのですか?』
『あぁ・・・それは・・・』
シンは皇太后に必死に目配せをした。だが皇太后は敢えてそんなシンに気が付かない振りをした
『本当は私にではなく陛下に頼み込んだのだ。シン家の借金を自分の私的財産で払いたいから
ハン家に話をつけて欲しいとな。』
『しっ・・・シン君っ!!どうしてっ?』
驚いたチェギョンはシンを追及する
『あ・・・だから、さすがの俺ももう見ていられなかっただけだ。』
『皇帝陛下まで巻き込んだの?それで・・・その見返りは?あるんでしょう?きっと何か・・・』
『今まで延ばし延ばしにしていた結婚相手を、王族の娘の中から早急に決める事だろうな・・・』
『えっ?・・・なんで?なんでよ!!まさかシン君、私の事が好きなの?』
『えっ・・・くっ・・・そうじゃない。お前は初めてできた女友達だから何かしてやりたくて・・・』
『ばっ・・・ばっかじゃないの?そんなこと困っている全国民にしていたら、皇室は破産よ!!
どうして私の為にそんな約束を・・・』
『遅かれ早かれその日は来るんだ。別に≪自分を犠牲にした・・・≫なんて殊勝な考えじゃないから安心しろ。』
『でも・・・そんなんじゃ私・・・困るよぉ・・・』
二人のやりとりを目の当たりにしていた皇太后は、楽しそうに含み笑いをするとチェギョンに話しかけた
『チェギョンや・・・とにかく、もうハン家への借金はなくなったわけだ。後は安心して・・・』
しかしチェギョンは引かなかった
『そうはいきません皇太后様。父に返済能力があれば父も頑張る事でしょうが、なにせ就職難民に
陥っている父です。ですから少しずつでも私がお返ししたいのですが・・・残念なことにアルバイトをクビに
なってしまいました。もう表立ったアルバイトは高校生の間できません。
そこで・・・お願いがあります。皇太后様の宮殿の下働きをさせていただけませんか?
身元はよくご存知だと思います。決して御迷惑になる様な事はいたしません。
なんでもいたしますのでどうか・・・お願いできませんか?』
チェギョンにとっては借金の肩代わりした人物が、ハン家から皇太后に変わっただけなのである
この借りは絶対に返さなければならない・・・そう思ったチェギョンである
真剣に訴えかけるチェギョンに、皇太后は楽しそうに笑いながら頷いた
『ほほほ・・・はぁ~まったく気性までそなたのお祖父さんにそっくりだのぉ。
わかった。では女官見習いとして、部屋を用意させよう。』
『えっ?女官見習いですか?お部屋って・・・?』
『宮殿の下働きをするのだ。家に帰る暇などなかろう?』
『あ・・・はいっ!!』
『ここから学校に通ったらよい。女官見習いから女官・・・そして試験を受けて尚宮になったらよい。
きっと普通のお勤めをしているよりも、早く返済が出来るだろう。』
『はっ・・・はい~~。あ・・・でも皇太后様・・・私、アルバイト禁止の学校でアルバイトしているのが
見つかってしまい・・・処分を待っている身の上なんですぅ・・・』
『なんと!!そうであったか。韓国芸術高校は・・・おぉそうだ!!皇后が理事長と親しかった筈だ。
すぐに皇后をこちらに呼ぼう。』
『えっ?・・・』
目まぐるしく事態が変化し・・・言われるままの状況に追い込まれたチェギョン
そして皇太后の部屋に皇后が姿を現し、チェギョンは初めて逢う皇后にお願いごとをする羽目になる
『そなたがシン・チェギョンか?』
『はい。はじめまして皇后様・・・』
『一体どうしたと言うのだ?』
『あ・・・あの・・・大変厚かましいお願いがあるのですが、我が家の借金の話はご存知ですよね?
その返済の為に私はアルバイトをしていて・・・今日、学年主任に見つかってしまいました。
あの・・・決して遊ぶ金欲しさとかじゃないんです。あの・・・なんとか便宜を図っていただけるよう・・・』
『なるほど解った。少し待ちなさい。』
『はい・・・』
皇后ミンはその場でスマホを取りだすと、韓国芸術高校理事長に電話をかけ始めた
『理事長ですか?ええ・・・ミンです。御無沙汰しております。
いえいえとんでもない~♪
あ・・・あのですね、今日お電話させていただいたのは、私の遠縁の娘がちょっと家の事情で
アルバイトをしていたんですが、それが一年の学年主任に見つかってしまいましてね・・・。
ええ。アルバイト禁止っていうのは十分解っているんですよ。
でも・・・聞くも涙語るも涙の事情がありましてね~~。
ええ・・・理事長のお力でなんとかなりません?
まっ♪そうですか?有難い事ですわ。ええ・・・解りました。次回の寄付の時にはお力になりますわ。
ではそのように・・・お願いいたしますね~~おほほほほ♪』
知らぬ間に遠縁の娘にされていたチェギョンは、その皇后ミンの電話を聞いて呆気に取られていた
『これで解決だ。月曜から安心して登校するが良いぞ。』
『あ・・・なんてお礼を言ったらいいのか・・・本当にありがとうございます。』
『気にしなくて良い。ほほほほ・・・』
チェギョンと皇后ミンがそんなやりとりをしている頃・・・シンは皇太后に小声で話しかけていた
『皇太后様・・・困ります。チェギョンを自由にしてやりたかったのに、なぜ女官になど・・・』
『仕方なかろう?チェギョンはお祖父さんに似て言い出したら聞かないタイプだ。』
『ですがそれではまた・・・チェギョンが疲れ果ててしまう。自由なんて全くないじゃないですか!』
『日曜日はちゃんと休みを取らせよう。それにな・・・チェギョンにも言ったが尚宮は結構な高収入だ。
いつか好きな男が出来た時には、残りの借金は結婚祝いにしたらよいしな。ほほほ・・・』
チェギョンの結婚祝いと聞いて顔色を曇らせたシン・・・そんなシンから顔を背け、皇太后は悪戯っぽい笑顔で
にやりと笑った
もちろんシンの気持ちなど皇太后にはすべてお見通しなのである
それから皇太后は皇后に向かって話し掛けた
『皇后よすまなかったな。』
『いえ、とんでもございませんわ。皇太后様・・・』
『おぉそうだ!このチェギョンだが、住み込みで女官見習いになる。』
『まぁ~そうでしたか。』
『丁度明日は日曜だし、シン家に迎えに行って引っ越しをさせようと思う。
皇后もそのつもりでよろしく頼むぞ。』
『私も用事を言いつけて構わないのですか?』
『もちろんだ。皇后のおかげで処分を免れたのだものな。チェギョン・・・』
『はい~~その通りです!!』
明日の日曜・・・チェギョンは宮殿に引っ越してくる事になった
もちろん女官見習いの下働きの身分としてだ
だが・・・戸惑っているシンやチェギョンとは裏腹に、その周囲には暖かい春の風が吹いているようだ
あっれ~~なんだか段々
タイトルからかけ離れていく様な気が?
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
でもシン君は・・・まだまだ耐えてゾーンの中だから♪