ハン・チョルスとの電話を切った後、シンはスマホを取りだしチェギョンに電話を掛けた
こんな事態も予想が付いたと言うのに、自分が抑えられなかった・・・
チェギョンが皇室警察に拘束されたという事態はやはり自分が招いた結果だと、詫びを入れるつもりだった
待つほども無くチェギョンはその電話を取った
『チェギョンか?』
『うん。』
『無事帰宅できてよかった。食事は?』
『まだだよ。シン君は?』
『俺もまだだ・・・。チェギョン、警察などに行かせてしまってすまなかった。怖い思いをしなかったか?』
『あ~いいんだって。無事帰れたんだから・・・。それよりね、シン君が連れ出したせいじゃないって
言おうとしたんだけど・・・警察の人が怖くて言えなかったぁ・・・。』
『くっ・・・馬鹿か。そんな事を言ったら大変なことになっていた。俺を庇おうとしたのか?』
『うん・・・。だってシン君の立場もあるでしょう?』
『そんなこと気にしなくていいのに・・・。とにかく俺のせいで迷惑掛けた。子の償いはきっとする。』
『へっ?償い?』
『あぁ、そのうち必ずな。あっそう言えば、折角無人駅まで行ったのに、何か買って行けばよかったな。』
『くすくす・・・何言ってるの。またいつか行けたらその時にね。』
『あぁ・・・またいつか・・・』
約束などもうシンにはできないのである。陛下にチェギョンに関するお願い事の見返りに、
すぐにでも結婚相手を決めなければならなくなる事は目に見えていた
(せめてお前だけは自由にしてやる。チェギョン・・・)
そう心の中で呟いてシンは電話を切った
シンとの電話を切った後、チェギョンは重大な事を聞くのを忘れてしまった事に気が付いた
『あ・・・そうだ!シン君の護衛の人が、私を助けてくれたって・・・言うの忘れちゃった。
まぁいっか。今度聞いてみようっと。』
翌日の土曜日・・・皇帝陛下は早速ハン家に連絡を入れた
その時には既にシン・チェギョンの祖父が先帝と大の親友であった事を皇太后から聞かされた陛下は
それを理由に皇太后がシン家の借金を肩代わりするという名目を立てていた
『ハン・・・私だが。』
『はっ・・・皇帝陛下。』
『実は少しばかり頼みたい事があるのだが・・・』
『なんなりも仰ってください。なんでもいたします。』
『そなたの家で、亡き先帝の友人であるシン家の借金を肩代わりしたそうだな。』
『はい。確かにしております。あの・・・それが何か・・・』
『皇太后陛下がそれを返済したいと申されている。何か支障はあるか?』
『いえございません。』
『その礼として何かしたいのだが・・・そなたの王族としての地位を上げるとか要望はあるか?』
『それでしたら是非お願いしたい事がございます。』
『言ってみなさい。』
『我が家の娘を皇太子殿下の妃候補に加えていただきたいのです。』
『なにっ?だが・・・そなたの家に娘は居ない筈・・・』
『はい。娘は確かにおりません。ですが遠縁の娘をずっと援助してきまして、近々その娘を養女に迎えようと
考えていたところなのです。』
『そうか。解った。ではその娘の釣り書とシン家の借金に関する書類を持参し、すぐ私のところに来なさい。』
『かしこまりました陛下。』
皇室からこの様な相談を受けなくとも、花嫁候補を願い出るつもりだったのだろうか
ハン家の当主はすぐに養女となる女性の釣り書とシン家の借金にまつわる書類一式を持参し、
陛下の元を訪れた
皇太后陛下や皇后陛下も立ち会いの元、シン家の借金は即座に皇太后陛下に肩代わりされ
先方にとっては本題の養女の釣り書を渡された
『まだ戸籍上はミン・ヒョリンのままですが、早急に我が家の戸籍に入れます。』
『解った。預かっておこう。』
『是非とも我が家から皇太子妃をお選びください・・・』
『考えておこう。』
ハン家の当主が去った後、皇帝陛下はすぐさま自身の情報網を使いその女性を調べ上げた
もちろん他でもない皇太子殿下の妃候補である。素情におかしなところがあってはいけない
皇帝陛下はミン・ヒョリンに関する書類の内容を熟読し、頭を悩ませた
『これは・・・いくら遠縁とは言ってもハン家との血の繋がりなど一切ない娘だ。』
ともすればお妃に任命して欲しいと言わんばかりだったハン家の当主を思い浮かべ、陛下は皇太后の意見を
仰ごうと視線を向けた
『ふむ。元々シン家の借金を肩代わりしたのも、先帝とシン家の御爺さんが親友だった事を聞いたからだろう。
シン家の借金を肩代わりしたことだって、きっと何か裏があるに違いない。』
『恐らくそうでしょう。』
『だが・・・血の繋がりも無い娘を養女にしてまで、ハン家は皇太子妃を選出した家としての
確かな地位が欲しいのだろうなぁ。』
『皇后・・・そなたはどう思う?』
『こんな小細工をしてまで皇室に養女を嫁がせようなんて、尋常とは思えません。』
『そなたもそう思うか?』
『はい。太子の生涯の伴侶を選ぶわけですから、こんな押しつけられた様な形では太子も反感を持ちますわ。』
『しかし私は・・・一日も早く妃を決定したいがために太子を意固地にさせてしまった様な気がしてならない。
昨日の口ぶりでは太子はこの娘と婚姻しろと言っても、素直に頷いてしまいそうだった。』
『陛下・・・まぁ焦らずとも、きっとこの娘でなければ・・・と言う相手が見つかるだろう。
そう急かすのではないぞ。』
『解りました。皇太后様・・・
ひとまず太子には、今日の事を話しておきます。』
その後シンは本殿に呼ばれ、陛下からハン家との話し合いが付いた事を知らされた
ひとまずチェギョンが背負ったものは皇太后が荷を軽くしてくれたとシンは思っていた
もちろん陛下はハン家の養女を皇太子妃になど迎える気はなかった
なので敢えて・・・その件に関してはシンに伝える事も無かったのである
丁度その頃・・・チェギョンは土曜のアルバイトに勤しんでいた
今日は学校も休みで朝からシフトを入れたチェギョンは大忙しである
ところが今日に限ってフロアー担当者の欠勤が相次ぎ、チェギョンは裏方担当であるにも拘らず
店長にお願いされ仕方なくフロアーに出て接客することとなった
お昼のランチタイムのファミリ-レストランはとても混雑していた
ドアベルを鳴らし入って来たお客・・・
『いらっしゃいませ♪』
そう明るく声を掛けチェギョンが振りむいた瞬間・・・チェギョンはその場に立っている人物を見つめ
血の気が引いていくのを感じた
『シン・チェギョン!!我が校はアルバイト禁止だろう?何をやっているんだ!!』
入って来たお客はチェギョンの学校の学年主任の教師だった
即座にアルバイト契約は破棄され、チェギョンは処分を待つ為にとぼとぼと自転車を引いて家に戻っていく
もう・・・在学中に返済を考える事は出来ない。禁止されていたアルバイトが見つかった事によって
それなりの処分を受ける可能性も高い
(一生懸命頑張ってきたのに・・・)
堪えようもなくチェギョンの頬を涙が伝う
気持ちの行き場のないチェギョンは、今まで一度も自分からしたことのないシンに電話を掛けていた
『チェギョンか?』
『う・・・ん・・・ひっく・・・』
『どうした!お前・・・泣いているのか?』
『バイト・・・見つかっちゃった。』
『見つかった?誰に?』
『学年主任の先生・・・うぐっ・・・ひっ・・・』
『今どこに居るんだ?』
『家に帰るところ・・・』
『今すぐ行く。待っていろ。』
『えっ?今すぐ行くって・・・待っていろって?どこで?・・・』
電話は切れてしまった
この国の皇太子殿下が今すぐこの場所に来ると言う。チェギョンはどうしてよいのか分からず、
ただその場で立ち尽くした
こんな事態も予想が付いたと言うのに、自分が抑えられなかった・・・
チェギョンが皇室警察に拘束されたという事態はやはり自分が招いた結果だと、詫びを入れるつもりだった
待つほども無くチェギョンはその電話を取った
『チェギョンか?』
『うん。』
『無事帰宅できてよかった。食事は?』
『まだだよ。シン君は?』
『俺もまだだ・・・。チェギョン、警察などに行かせてしまってすまなかった。怖い思いをしなかったか?』
『あ~いいんだって。無事帰れたんだから・・・。それよりね、シン君が連れ出したせいじゃないって
言おうとしたんだけど・・・警察の人が怖くて言えなかったぁ・・・。』
『くっ・・・馬鹿か。そんな事を言ったら大変なことになっていた。俺を庇おうとしたのか?』
『うん・・・。だってシン君の立場もあるでしょう?』
『そんなこと気にしなくていいのに・・・。とにかく俺のせいで迷惑掛けた。子の償いはきっとする。』
『へっ?償い?』
『あぁ、そのうち必ずな。あっそう言えば、折角無人駅まで行ったのに、何か買って行けばよかったな。』
『くすくす・・・何言ってるの。またいつか行けたらその時にね。』
『あぁ・・・またいつか・・・』
約束などもうシンにはできないのである。陛下にチェギョンに関するお願い事の見返りに、
すぐにでも結婚相手を決めなければならなくなる事は目に見えていた
(せめてお前だけは自由にしてやる。チェギョン・・・)
そう心の中で呟いてシンは電話を切った
シンとの電話を切った後、チェギョンは重大な事を聞くのを忘れてしまった事に気が付いた
『あ・・・そうだ!シン君の護衛の人が、私を助けてくれたって・・・言うの忘れちゃった。
まぁいっか。今度聞いてみようっと。』
翌日の土曜日・・・皇帝陛下は早速ハン家に連絡を入れた
その時には既にシン・チェギョンの祖父が先帝と大の親友であった事を皇太后から聞かされた陛下は
それを理由に皇太后がシン家の借金を肩代わりするという名目を立てていた
『ハン・・・私だが。』
『はっ・・・皇帝陛下。』
『実は少しばかり頼みたい事があるのだが・・・』
『なんなりも仰ってください。なんでもいたします。』
『そなたの家で、亡き先帝の友人であるシン家の借金を肩代わりしたそうだな。』
『はい。確かにしております。あの・・・それが何か・・・』
『皇太后陛下がそれを返済したいと申されている。何か支障はあるか?』
『いえございません。』
『その礼として何かしたいのだが・・・そなたの王族としての地位を上げるとか要望はあるか?』
『それでしたら是非お願いしたい事がございます。』
『言ってみなさい。』
『我が家の娘を皇太子殿下の妃候補に加えていただきたいのです。』
『なにっ?だが・・・そなたの家に娘は居ない筈・・・』
『はい。娘は確かにおりません。ですが遠縁の娘をずっと援助してきまして、近々その娘を養女に迎えようと
考えていたところなのです。』
『そうか。解った。ではその娘の釣り書とシン家の借金に関する書類を持参し、すぐ私のところに来なさい。』
『かしこまりました陛下。』
皇室からこの様な相談を受けなくとも、花嫁候補を願い出るつもりだったのだろうか
ハン家の当主はすぐに養女となる女性の釣り書とシン家の借金にまつわる書類一式を持参し、
陛下の元を訪れた
皇太后陛下や皇后陛下も立ち会いの元、シン家の借金は即座に皇太后陛下に肩代わりされ
先方にとっては本題の養女の釣り書を渡された
『まだ戸籍上はミン・ヒョリンのままですが、早急に我が家の戸籍に入れます。』
『解った。預かっておこう。』
『是非とも我が家から皇太子妃をお選びください・・・』
『考えておこう。』
ハン家の当主が去った後、皇帝陛下はすぐさま自身の情報網を使いその女性を調べ上げた
もちろん他でもない皇太子殿下の妃候補である。素情におかしなところがあってはいけない
皇帝陛下はミン・ヒョリンに関する書類の内容を熟読し、頭を悩ませた
『これは・・・いくら遠縁とは言ってもハン家との血の繋がりなど一切ない娘だ。』
ともすればお妃に任命して欲しいと言わんばかりだったハン家の当主を思い浮かべ、陛下は皇太后の意見を
仰ごうと視線を向けた
『ふむ。元々シン家の借金を肩代わりしたのも、先帝とシン家の御爺さんが親友だった事を聞いたからだろう。
シン家の借金を肩代わりしたことだって、きっと何か裏があるに違いない。』
『恐らくそうでしょう。』
『だが・・・血の繋がりも無い娘を養女にしてまで、ハン家は皇太子妃を選出した家としての
確かな地位が欲しいのだろうなぁ。』
『皇后・・・そなたはどう思う?』
『こんな小細工をしてまで皇室に養女を嫁がせようなんて、尋常とは思えません。』
『そなたもそう思うか?』
『はい。太子の生涯の伴侶を選ぶわけですから、こんな押しつけられた様な形では太子も反感を持ちますわ。』
『しかし私は・・・一日も早く妃を決定したいがために太子を意固地にさせてしまった様な気がしてならない。
昨日の口ぶりでは太子はこの娘と婚姻しろと言っても、素直に頷いてしまいそうだった。』
『陛下・・・まぁ焦らずとも、きっとこの娘でなければ・・・と言う相手が見つかるだろう。
そう急かすのではないぞ。』
『解りました。皇太后様・・・
ひとまず太子には、今日の事を話しておきます。』
その後シンは本殿に呼ばれ、陛下からハン家との話し合いが付いた事を知らされた
ひとまずチェギョンが背負ったものは皇太后が荷を軽くしてくれたとシンは思っていた
もちろん陛下はハン家の養女を皇太子妃になど迎える気はなかった
なので敢えて・・・その件に関してはシンに伝える事も無かったのである
丁度その頃・・・チェギョンは土曜のアルバイトに勤しんでいた
今日は学校も休みで朝からシフトを入れたチェギョンは大忙しである
ところが今日に限ってフロアー担当者の欠勤が相次ぎ、チェギョンは裏方担当であるにも拘らず
店長にお願いされ仕方なくフロアーに出て接客することとなった
お昼のランチタイムのファミリ-レストランはとても混雑していた
ドアベルを鳴らし入って来たお客・・・
『いらっしゃいませ♪』
そう明るく声を掛けチェギョンが振りむいた瞬間・・・チェギョンはその場に立っている人物を見つめ
血の気が引いていくのを感じた
『シン・チェギョン!!我が校はアルバイト禁止だろう?何をやっているんだ!!』
入って来たお客はチェギョンの学校の学年主任の教師だった
即座にアルバイト契約は破棄され、チェギョンは処分を待つ為にとぼとぼと自転車を引いて家に戻っていく
もう・・・在学中に返済を考える事は出来ない。禁止されていたアルバイトが見つかった事によって
それなりの処分を受ける可能性も高い
(一生懸命頑張ってきたのに・・・)
堪えようもなくチェギョンの頬を涙が伝う
気持ちの行き場のないチェギョンは、今まで一度も自分からしたことのないシンに電話を掛けていた
『チェギョンか?』
『う・・・ん・・・ひっく・・・』
『どうした!お前・・・泣いているのか?』
『バイト・・・見つかっちゃった。』
『見つかった?誰に?』
『学年主任の先生・・・うぐっ・・・ひっ・・・』
『今どこに居るんだ?』
『家に帰るところ・・・』
『今すぐ行く。待っていろ。』
『えっ?今すぐ行くって・・・待っていろって?どこで?・・・』
電話は切れてしまった
この国の皇太子殿下が今すぐこの場所に来ると言う。チェギョンはどうしてよいのか分からず、
ただその場で立ち尽くした
怒涛の~~展開(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
そしてこんなところに現れたヒョリン・・・
さて~~一体どうなるのぉ~~♪
おほほほ~~のお祖母様にご登場いただきましょう❤
そしてこんなところに現れたヒョリン・・・
さて~~一体どうなるのぉ~~♪
おほほほ~~のお祖母様にご登場いただきましょう❤