俺の緻密な策が功を成し、無事チェギョンやマアムとマンションに戻れた俺達家族・・・
親子水入らずの生活を堪能するうち、彼女にはどうやら友人が出来たようだ
聞けばその友人は同じマンションに住んでいると言う。しかもマアムと同じ頃生まれた男の子の母だと言う
俺は気がつくと父親の嫉妬心をフルに発揮していた
『チェギョン・・・友人を作るのはいいことだ。だがマアムにそんなにも早くから、
男の子と接触させるのはどうかと思うが?』
『えっ?シン君・・・男の子って言っても、まだマアムと同じ様に言葉のコミュニケーションも取れない乳児よ。』
『それでもだ!』
『もぉっ・・・シン君、信じられない!今からそんな心配するなんて・・・』
チェギョンは呆れながら笑う。だが、鉄は熱いうちに打てだ。
こんなに幼いうちから可愛いマアムに、特定の異性など必要はない
だが・・・妻であるチェギョンはその友人と非常に気が合っているようだ
だとすると、その交友関係にまで俺は口出しする事もできず、静観するしかなかった
滑稽なくらいマアムが心配だ。男親って言うものはこんな心配の繰り返しなのだろうな
親子三人の生活も軌道に乗ってきた頃、彼女は自分の世代が美しく見える洋服をデザインし始めた
今の彼女がベビーカーを押しながらでも、十分すぎるほど上品に見えるその洋服はやはり近所でも評判らしい
彼女は自分の作った洋服と色違いの物を一点作り、同じマンションに住む友人にどうやらプレゼントしたようだ
『シン君シン君!!これの青色バージョンをね、同じマンションに住むお友達にプレゼントしたの。
そうしたらすごく喜んでくれて・・・この間なんか示し合わせたわけでもないのに、
二人で色違いの洋服着てたのよ♪』
『そうか・・・それは良かったな。』
『お礼にってこれ貰っちゃったの。』
チェギョンが俺に見せたのは、女児向けの高級食器だった。さすがこのマンションに住んでいるだけあって
友人も相当な目利きの様だ
『高級品を貰ったな。』
『そうなの。これお高いのよ。どうしよう・・・』
少し困惑しているチェギョン・・・だが君は君のブランドの洋服が誰にでも買えるものではないと知っているか?
君のブランドの洋服は、その辺りにいる普通の女の子では無理しないと買えない一品だ
しかも君が贈った洋服は君と色違いの一品モノだ。その価値がわかっているか?
自覚のないチェギョンに俺は聞いてみた
『その友達は君がデザイナーだって知っているのか?』
『ううん知らない。そんな話はしたことが無い。』
『そうか・・・だとしたら彼女はとんでもないお宝をいただいた訳だから、きっと君がデザイナーだと知った時には
その色違いの洋服を一生の宝物にするだろうな。』
『えっ?』
『くっ・・・そのデザインは、世に出さないつもりだろう?』
『もちろん出さないわ。これは彼女と私の友情の証♪』
『デザイナー シン・チェギョンのオリジナルをプレゼントされたんだ。こんなにすごい宝物はないだろうな。』
『そうかなぁ。』
『あぁきっとそうだ。』
翌日、その友人と一緒に公園に行った彼女は、マアムにいただいた高級食器のお礼と共に
自分がデザイナーであることを告白したそうだ
その友人はやはり・・・俺が想像した通り≪家宝にする≫と言うほどの興奮ぶりだったらしい
元々チェギョンの洋服にすごく興味があったのに、同時に妊娠してしまった為購入には至らなかったという
その友人は、今後きっと彼女の作る洋服のファンとなってくれるだろう
仕事を再開させたチェギョンは、打ち合わせに着て行った洋服が高く評価され、次回秋冬物の発表会の席で
30代大人の女性向けのブランドも手掛ける事となった
そして・・・通常の秋冬物デザインに取り掛かっていたある日、帰宅した俺にチェギョンが困惑の表情を向けた
『シン君・・・あのね・・・』
『なんだ?』
『ちょっと相談したい事があるんだけど・・・』
口ごもっている彼女のその表情は、なんとも複雑そうだった
『どんな相談だ?』
『あのね・・・来ないんだけど・・・』
『来ない・・・とは?』
『マアムが生まれてから確かに一度来たのよ。そのあと・・・来ないの。』
つまり・・・月に一回ってヤツの事だろう?あぁ?・・・俺は必死に頭の中の記憶を辿った
そんな筈はない。今回こそは計画的にと行動している筈だ。なのになぜ?
『産後だから不安定になっているだけだろう。』
『違うのっ!!これ・・・』
これ?チェギョンに見せられた物は、体温計の様なもので何かラインが入っていた
そしてその直後、チェギョンはそれの説明書を見せてよこした
『陽性・・・だって・・・』
『えっ・・・なぜだ・・・』
絶句する俺にチェギョンも困り果てる
『おかしいよね。どうしてだろう・・・』
困っていても埒があかない。翌日俺は仕事を途中で抜け、チェギョンとマアムを連れ産婦人科の門をくぐった
そして・・・
『妊娠6週に入っていますね。おめでとうございます。』
と言う明るい医師の声を聞いた
確かに・・・実家の両親には≪ポンポンポ~~ンのポンで終わっていいんですか?≫そう言ったが
それはあくまでも大義名分であり、まだ忙しさが続くチェギョンの体調を考えて先延ばしにしようと考えていた
なのに・・・なぜ・・・
いや、子供が嬉しくない訳ではない。ただちょっと予定外だっただけだ
その週末、実家の両親の元を訪れた時、俺はその件を報告した
『実は・・・二人目が出来ました。』
『なにっ?本当かシン!!でかしたぞ!!』
『きゃ~~~~っ♪ポンポンッ♪ポンポンね~~~♪
次は男の子がいいわね~~チェギョンさん♪
でもぉ・・・折角ウエストが元に戻ったのに、次にマスコミの前に出る時にはまたお腹ふっくらね。
お~~ほっほっほっほ♪』
あぁ・・・母さん、産後一生懸命締めたのに、また膨らむのかとチェギョンも落胆しているんだ
その辺りはつつかないでやってくれ
しかし・・・策士策に溺れるとは、まさに今の俺の事だろう
母は今まで以上に頻繁にマンションに出入りするようになり、仕事に追われ妊娠初期の大事な身のチェギョンを
労わる様になった
俺も今まで以上に育児に協力する様になった
もちろんマアムの入浴は・・・今ではすっかり俺の担当だ
独身貴族を気取っていた俺の生活は、チェギョンを伴侶に選んだ日から考えられないほど賑やかになった
そしてその賑やかさは・・・更に大きくなっていくのだった
本日の花≪名前・・・忘れちゃった(激爆)≫
梅雨は明けてしまったのかと思うほど
暑い日が続いております。
明日漸く・・・雨どい総取り替えの為の
足場が掛かるんですよぉ・・・
でも・・・工事はまだ先なんだって。
なかなか順番が回って来ないのよぉ・・・
親子水入らずの生活を堪能するうち、彼女にはどうやら友人が出来たようだ
聞けばその友人は同じマンションに住んでいると言う。しかもマアムと同じ頃生まれた男の子の母だと言う
俺は気がつくと父親の嫉妬心をフルに発揮していた
『チェギョン・・・友人を作るのはいいことだ。だがマアムにそんなにも早くから、
男の子と接触させるのはどうかと思うが?』
『えっ?シン君・・・男の子って言っても、まだマアムと同じ様に言葉のコミュニケーションも取れない乳児よ。』
『それでもだ!』
『もぉっ・・・シン君、信じられない!今からそんな心配するなんて・・・』
チェギョンは呆れながら笑う。だが、鉄は熱いうちに打てだ。
こんなに幼いうちから可愛いマアムに、特定の異性など必要はない
だが・・・妻であるチェギョンはその友人と非常に気が合っているようだ
だとすると、その交友関係にまで俺は口出しする事もできず、静観するしかなかった
滑稽なくらいマアムが心配だ。男親って言うものはこんな心配の繰り返しなのだろうな
親子三人の生活も軌道に乗ってきた頃、彼女は自分の世代が美しく見える洋服をデザインし始めた
今の彼女がベビーカーを押しながらでも、十分すぎるほど上品に見えるその洋服はやはり近所でも評判らしい
彼女は自分の作った洋服と色違いの物を一点作り、同じマンションに住む友人にどうやらプレゼントしたようだ
『シン君シン君!!これの青色バージョンをね、同じマンションに住むお友達にプレゼントしたの。
そうしたらすごく喜んでくれて・・・この間なんか示し合わせたわけでもないのに、
二人で色違いの洋服着てたのよ♪』
『そうか・・・それは良かったな。』
『お礼にってこれ貰っちゃったの。』
チェギョンが俺に見せたのは、女児向けの高級食器だった。さすがこのマンションに住んでいるだけあって
友人も相当な目利きの様だ
『高級品を貰ったな。』
『そうなの。これお高いのよ。どうしよう・・・』
少し困惑しているチェギョン・・・だが君は君のブランドの洋服が誰にでも買えるものではないと知っているか?
君のブランドの洋服は、その辺りにいる普通の女の子では無理しないと買えない一品だ
しかも君が贈った洋服は君と色違いの一品モノだ。その価値がわかっているか?
自覚のないチェギョンに俺は聞いてみた
『その友達は君がデザイナーだって知っているのか?』
『ううん知らない。そんな話はしたことが無い。』
『そうか・・・だとしたら彼女はとんでもないお宝をいただいた訳だから、きっと君がデザイナーだと知った時には
その色違いの洋服を一生の宝物にするだろうな。』
『えっ?』
『くっ・・・そのデザインは、世に出さないつもりだろう?』
『もちろん出さないわ。これは彼女と私の友情の証♪』
『デザイナー シン・チェギョンのオリジナルをプレゼントされたんだ。こんなにすごい宝物はないだろうな。』
『そうかなぁ。』
『あぁきっとそうだ。』
翌日、その友人と一緒に公園に行った彼女は、マアムにいただいた高級食器のお礼と共に
自分がデザイナーであることを告白したそうだ
その友人はやはり・・・俺が想像した通り≪家宝にする≫と言うほどの興奮ぶりだったらしい
元々チェギョンの洋服にすごく興味があったのに、同時に妊娠してしまった為購入には至らなかったという
その友人は、今後きっと彼女の作る洋服のファンとなってくれるだろう
仕事を再開させたチェギョンは、打ち合わせに着て行った洋服が高く評価され、次回秋冬物の発表会の席で
30代大人の女性向けのブランドも手掛ける事となった
そして・・・通常の秋冬物デザインに取り掛かっていたある日、帰宅した俺にチェギョンが困惑の表情を向けた
『シン君・・・あのね・・・』
『なんだ?』
『ちょっと相談したい事があるんだけど・・・』
口ごもっている彼女のその表情は、なんとも複雑そうだった
『どんな相談だ?』
『あのね・・・来ないんだけど・・・』
『来ない・・・とは?』
『マアムが生まれてから確かに一度来たのよ。そのあと・・・来ないの。』
つまり・・・月に一回ってヤツの事だろう?あぁ?・・・俺は必死に頭の中の記憶を辿った
そんな筈はない。今回こそは計画的にと行動している筈だ。なのになぜ?
『産後だから不安定になっているだけだろう。』
『違うのっ!!これ・・・』
これ?チェギョンに見せられた物は、体温計の様なもので何かラインが入っていた
そしてその直後、チェギョンはそれの説明書を見せてよこした
『陽性・・・だって・・・』
『えっ・・・なぜだ・・・』
絶句する俺にチェギョンも困り果てる
『おかしいよね。どうしてだろう・・・』
困っていても埒があかない。翌日俺は仕事を途中で抜け、チェギョンとマアムを連れ産婦人科の門をくぐった
そして・・・
『妊娠6週に入っていますね。おめでとうございます。』
と言う明るい医師の声を聞いた
確かに・・・実家の両親には≪ポンポンポ~~ンのポンで終わっていいんですか?≫そう言ったが
それはあくまでも大義名分であり、まだ忙しさが続くチェギョンの体調を考えて先延ばしにしようと考えていた
なのに・・・なぜ・・・
いや、子供が嬉しくない訳ではない。ただちょっと予定外だっただけだ
その週末、実家の両親の元を訪れた時、俺はその件を報告した
『実は・・・二人目が出来ました。』
『なにっ?本当かシン!!でかしたぞ!!』
『きゃ~~~~っ♪ポンポンッ♪ポンポンね~~~♪
次は男の子がいいわね~~チェギョンさん♪
でもぉ・・・折角ウエストが元に戻ったのに、次にマスコミの前に出る時にはまたお腹ふっくらね。
お~~ほっほっほっほ♪』
あぁ・・・母さん、産後一生懸命締めたのに、また膨らむのかとチェギョンも落胆しているんだ
その辺りはつつかないでやってくれ
しかし・・・策士策に溺れるとは、まさに今の俺の事だろう
母は今まで以上に頻繁にマンションに出入りするようになり、仕事に追われ妊娠初期の大事な身のチェギョンを
労わる様になった
俺も今まで以上に育児に協力する様になった
もちろんマアムの入浴は・・・今ではすっかり俺の担当だ
独身貴族を気取っていた俺の生活は、チェギョンを伴侶に選んだ日から考えられないほど賑やかになった
そしてその賑やかさは・・・更に大きくなっていくのだった
本日の花≪名前・・・忘れちゃった(激爆)≫
梅雨は明けてしまったのかと思うほど
暑い日が続いております。
明日漸く・・・雨どい総取り替えの為の
足場が掛かるんですよぉ・・・
でも・・・工事はまだ先なんだって。
なかなか順番が回って来ないのよぉ・・・