私は十分すぎるほど大事にされ、イ家で産後の一カ月間を過ごした
体調も回復したと思う・・・マアムも随分大きくなった。そしてマアムを産んだ病院で一カ月検診を明日に控えた日
夕食の席でシン君は言った
『父さん母さん、一カ月間お世話になりました。明日マンションに戻ります。』
私にも何の予告もない一言だった。もちろんお義父様もお義母様も驚きを隠せず目をまあるくなさった
『ちょっ・・・ちょっと待ってシン!マンションに戻ったらチェギョンさんが一人で子育てしなきゃならないのよ!』
『そうだシン。もう少しゆっくりしていたらいいじゃないか。』
傍らの簡易ベビーベッドで蠢くマアムに一瞬目を向けながら、責める様な・・・それでいて哀願するような
お義父様お義母様の言葉。だが彼は一歩も譲る事はなかった
『いいんですか?ポンポンポ~~ンが≪ポン≫で終わっても。』
『えっ?・・・・』
『そっそれは・・・』
口ごもるお義父様お義母様・・・彼はお二人に畳みかけた
『この家ではチェギョンとそう言うムードになれそうにありませんから。マアム一人で孫が終了になってもいいなら
このままここにいてもいいんですよ。』
『それは・・・寂しいわ。』
『うむ。せめてもう一人は孫の顔が見たいものだな。』
どうやらシン君の勝利の様だ。私としては正直そろそろ仕事も再開させたかったし、自分のペースでの育児を
楽しみたいという想いも出て来たところなので彼に異存はない。
だけどお義父様お義母様は・・・なんだかとっても寂しそう
私はお二人を励ますように言ってみる
『お義母様、お仕事が始まったらマアムの事お願いに参ります。』
『当然よ。仕事が無くても出掛ける時には預けに来て良いのよ。
あ・・・預けに来なくていいわ。私が連れに行くわね。お~ほほほほ♪』
少し落胆から復活されたお義母様と裏腹に、お義父様は深い溜息を吐くと肩を落とし呟いた
『平日にマアムが来ても私は逢えないじゃないか・・・』
咄嗟にシン君がフォローに回る
『土日のどちらかには必ず来ますよ。』
『本当かい?』
『はい、約束します。』
『それだったら・・・週末を楽しみに仕事に励もう・・・』
なんとかご両親を説き伏せたシン君。そして本当に翌日私達はイ家を後にする事となった
イ家に遊びに来た時の為にマアムグッズには一切手を付けず、そのまま置いて行くこととした
持って帰るのはユル君から貰ったお祝いのお洋服くらいだ
『じゃあ父さん母さん、また来ます。』
『お義父様お義母様、大変お世話になりました。』
後部座席にマアムと一緒に乗り込んだ私・・・お義父様お義母様は『『マアム~~!!』』と叫びながら
走り去っていく車に向かっていつまでも手を振っていた
マアムが生まれた産婦人科医院で生後一カ月の検診を受けた私達母子
マアムの成長も順調。私の回復も申し分ないとお墨付きを貰った
久し振りに帰ってきた自宅マンション。私はマアムをベビーベッドに寝かせ、それから彼と一緒にすべての窓を
開け放った
爽やかな風が部屋中を駆け巡る。私と彼は抱き合い引き寄せられるように唇を重ねた
産後抑制していた想いは、産婦人科医のお墨付きを貰った事で果てが無いほど深くなっていく
『んっ・・・んんっ・・・はぁっ・・・!!!!!シン君!お仕事行かなきゃ!!』
彼の唇から逃れた私は、これまたムードのないセリフを言ってのけた
『っつ・・・チェギョン、君って奴は本当に・・・』
半ば呆れながら彼は私を抱き締めた腕を離すと、寝室に向かった
『マアム~ママが仕事に行けって言うんだ。行って来る・・・早く帰って来るからいい子にしているんだよ。』
そう言いながら彼は眠っているマアムの頬にキスを落とし、溜息交じりに玄関に向かった
玄関先で見送る時、私の唇を強めに噛んでいったのは・・・彼のささやかな抵抗だったのかもしれない
マアムの寝ているうちに軽く掃除を済ませ、目覚めたマアムのお世話をした後私は久し振りにきちんと化粧をし
それからマアムをベビーカーに乗せると、買い物ついでに公園デビューをしてみることにした
憧れていた公園デビュー・・・公園内に入って行こうかなと思った時、あの何度となく嫌な想いをさせられた
若いお母さんが何人かのママダチと話をしている事に気がついた
私の姿を見かけると、遠巻きに私を見て話をしている気配を感じた
・・・今は行かない方がいい・・・
頭の片隅に警鐘が鳴り響いた
恐らく彼女は私の事を肴に話に花を咲かせているんだろう。若いのに卑屈な笑い声が遠くで響いた
私は軽く会釈だけすると公園を通り過ぎ、いつも行っていたお店に足りない食材を買い出しに向かった
かなりの食材をお義母様からクーラーボックスに詰め込まれ持たされたので、
子連れでの買い出しも大した量にはならずに済んだ
その日から私達は家族三人の生活を楽しみ始めた
そして夫婦としても更に愛を深めて行った
何度か公園の前を通りながらもなかなか私は公園デビューできずにいた
なぜならあの時の彼女がいつもいたからだ
妊娠中にあまり彼女にいい印象を持たなかった私は、彼女にはどうしても相容れないものがあった
出来る事ならもう近づきたくない人なのだ。意固地だと言われようと、私の中でその感情は変わらない
だが今日はその彼女が居ない。私は思い切って公園に足を踏み入れた
マアムはその緑豊かな公園が気に入ったのか、目をあちこちに泳がせ楽しそうな表情だ
前方に一人の女性が、私と同じようにベビーカーを押して散歩をしている
年の頃は・・・恐らく私と同年代だろう
私は思い切って彼女に声を掛けてみた
『こんにちは♪』
『こんにちは。初めて見る顔ですね。』
『ええ。なんとなくいつも入りづらくて、今日初めてこの公園に入って来たんです。』
『お子さん何カ月ですか?まぁ~お母さんそっくり。きっと女の子ですね?』
『くすくす・・・・はい女の子です。もうすぐ二カ月になります。』
『まぁ!じゃあうちと同じ頃だわ。うちは男の子なんですよ。すごい暴れん坊で困っちゃいます。ふふふ・・・』
なんだろう。初めて逢った人なのにすごく安心する人だ。
聞けば我が家と同じマンションに住んでいるそうだ。私と彼女はすっかり意気投合し私にも初めての
ママダチが出来た
そろそろ・・・次の秋冬物の仕事が始まる。それと同時に私がデザインした30代ミセスの為の洋服が
デザイン部部長に絶賛され・・・それも商品化したいと言う話が舞い込んできた
ん~~正直、マアムの為にもそんなに仕事の枠は増やしたくはないのだが・・・おだてに弱い私は
まんまとデザイン部部長の口車に乗せられてしまった
忙しい・・・母と妻とデザイナーの仕事を背負った私に、彼は非常に協力的だった
そしてお義母様も陰に日向に何かと私を助けてくださった
でも・・・そんな忙しい時に限って、また大変な事は重なってしまうのだった
本日の花≪日々草≫
ではっ!管理人はこれから
第二王子の三者面談に行って参ります。
お返事夕方以降になりますが
どうぞよろしく❤
体調も回復したと思う・・・マアムも随分大きくなった。そしてマアムを産んだ病院で一カ月検診を明日に控えた日
夕食の席でシン君は言った
『父さん母さん、一カ月間お世話になりました。明日マンションに戻ります。』
私にも何の予告もない一言だった。もちろんお義父様もお義母様も驚きを隠せず目をまあるくなさった
『ちょっ・・・ちょっと待ってシン!マンションに戻ったらチェギョンさんが一人で子育てしなきゃならないのよ!』
『そうだシン。もう少しゆっくりしていたらいいじゃないか。』
傍らの簡易ベビーベッドで蠢くマアムに一瞬目を向けながら、責める様な・・・それでいて哀願するような
お義父様お義母様の言葉。だが彼は一歩も譲る事はなかった
『いいんですか?ポンポンポ~~ンが≪ポン≫で終わっても。』
『えっ?・・・・』
『そっそれは・・・』
口ごもるお義父様お義母様・・・彼はお二人に畳みかけた
『この家ではチェギョンとそう言うムードになれそうにありませんから。マアム一人で孫が終了になってもいいなら
このままここにいてもいいんですよ。』
『それは・・・寂しいわ。』
『うむ。せめてもう一人は孫の顔が見たいものだな。』
どうやらシン君の勝利の様だ。私としては正直そろそろ仕事も再開させたかったし、自分のペースでの育児を
楽しみたいという想いも出て来たところなので彼に異存はない。
だけどお義父様お義母様は・・・なんだかとっても寂しそう
私はお二人を励ますように言ってみる
『お義母様、お仕事が始まったらマアムの事お願いに参ります。』
『当然よ。仕事が無くても出掛ける時には預けに来て良いのよ。
あ・・・預けに来なくていいわ。私が連れに行くわね。お~ほほほほ♪』
少し落胆から復活されたお義母様と裏腹に、お義父様は深い溜息を吐くと肩を落とし呟いた
『平日にマアムが来ても私は逢えないじゃないか・・・』
咄嗟にシン君がフォローに回る
『土日のどちらかには必ず来ますよ。』
『本当かい?』
『はい、約束します。』
『それだったら・・・週末を楽しみに仕事に励もう・・・』
なんとかご両親を説き伏せたシン君。そして本当に翌日私達はイ家を後にする事となった
イ家に遊びに来た時の為にマアムグッズには一切手を付けず、そのまま置いて行くこととした
持って帰るのはユル君から貰ったお祝いのお洋服くらいだ
『じゃあ父さん母さん、また来ます。』
『お義父様お義母様、大変お世話になりました。』
後部座席にマアムと一緒に乗り込んだ私・・・お義父様お義母様は『『マアム~~!!』』と叫びながら
走り去っていく車に向かっていつまでも手を振っていた
マアムが生まれた産婦人科医院で生後一カ月の検診を受けた私達母子
マアムの成長も順調。私の回復も申し分ないとお墨付きを貰った
久し振りに帰ってきた自宅マンション。私はマアムをベビーベッドに寝かせ、それから彼と一緒にすべての窓を
開け放った
爽やかな風が部屋中を駆け巡る。私と彼は抱き合い引き寄せられるように唇を重ねた
産後抑制していた想いは、産婦人科医のお墨付きを貰った事で果てが無いほど深くなっていく
『んっ・・・んんっ・・・はぁっ・・・!!!!!シン君!お仕事行かなきゃ!!』
彼の唇から逃れた私は、これまたムードのないセリフを言ってのけた
『っつ・・・チェギョン、君って奴は本当に・・・』
半ば呆れながら彼は私を抱き締めた腕を離すと、寝室に向かった
『マアム~ママが仕事に行けって言うんだ。行って来る・・・早く帰って来るからいい子にしているんだよ。』
そう言いながら彼は眠っているマアムの頬にキスを落とし、溜息交じりに玄関に向かった
玄関先で見送る時、私の唇を強めに噛んでいったのは・・・彼のささやかな抵抗だったのかもしれない
マアムの寝ているうちに軽く掃除を済ませ、目覚めたマアムのお世話をした後私は久し振りにきちんと化粧をし
それからマアムをベビーカーに乗せると、買い物ついでに公園デビューをしてみることにした
憧れていた公園デビュー・・・公園内に入って行こうかなと思った時、あの何度となく嫌な想いをさせられた
若いお母さんが何人かのママダチと話をしている事に気がついた
私の姿を見かけると、遠巻きに私を見て話をしている気配を感じた
・・・今は行かない方がいい・・・
頭の片隅に警鐘が鳴り響いた
恐らく彼女は私の事を肴に話に花を咲かせているんだろう。若いのに卑屈な笑い声が遠くで響いた
私は軽く会釈だけすると公園を通り過ぎ、いつも行っていたお店に足りない食材を買い出しに向かった
かなりの食材をお義母様からクーラーボックスに詰め込まれ持たされたので、
子連れでの買い出しも大した量にはならずに済んだ
その日から私達は家族三人の生活を楽しみ始めた
そして夫婦としても更に愛を深めて行った
何度か公園の前を通りながらもなかなか私は公園デビューできずにいた
なぜならあの時の彼女がいつもいたからだ
妊娠中にあまり彼女にいい印象を持たなかった私は、彼女にはどうしても相容れないものがあった
出来る事ならもう近づきたくない人なのだ。意固地だと言われようと、私の中でその感情は変わらない
だが今日はその彼女が居ない。私は思い切って公園に足を踏み入れた
マアムはその緑豊かな公園が気に入ったのか、目をあちこちに泳がせ楽しそうな表情だ
前方に一人の女性が、私と同じようにベビーカーを押して散歩をしている
年の頃は・・・恐らく私と同年代だろう
私は思い切って彼女に声を掛けてみた
『こんにちは♪』
『こんにちは。初めて見る顔ですね。』
『ええ。なんとなくいつも入りづらくて、今日初めてこの公園に入って来たんです。』
『お子さん何カ月ですか?まぁ~お母さんそっくり。きっと女の子ですね?』
『くすくす・・・・はい女の子です。もうすぐ二カ月になります。』
『まぁ!じゃあうちと同じ頃だわ。うちは男の子なんですよ。すごい暴れん坊で困っちゃいます。ふふふ・・・』
なんだろう。初めて逢った人なのにすごく安心する人だ。
聞けば我が家と同じマンションに住んでいるそうだ。私と彼女はすっかり意気投合し私にも初めての
ママダチが出来た
そろそろ・・・次の秋冬物の仕事が始まる。それと同時に私がデザインした30代ミセスの為の洋服が
デザイン部部長に絶賛され・・・それも商品化したいと言う話が舞い込んできた
ん~~正直、マアムの為にもそんなに仕事の枠は増やしたくはないのだが・・・おだてに弱い私は
まんまとデザイン部部長の口車に乗せられてしまった
忙しい・・・母と妻とデザイナーの仕事を背負った私に、彼は非常に協力的だった
そしてお義母様も陰に日向に何かと私を助けてくださった
でも・・・そんな忙しい時に限って、また大変な事は重なってしまうのだった
本日の花≪日々草≫
ではっ!管理人はこれから
第二王子の三者面談に行って参ります。
お返事夕方以降になりますが
どうぞよろしく❤