彼女は安定期を迎えた頃から急に活発な行動をするようになった。
なんでも買い物に行った先で出逢った若い女の子に、なにがしか刺激を受けたようだ
本当はあまり活動的になって欲しくない
なぜなら彼女は自分でも無意識のうちに無理をしてしまうタイプだからだ
折角授かった俺達の第一子・・・(実は予定外だったが)妊娠初期で入院を経験した彼女だ
またそんなことが起こるのではないかと、内心俺は彼女の一挙一動に冷や冷やしていた
なのに彼女と来たら、今までの鬱憤を晴らすかのように身の回りに気を配るようになり
自分でデザインした洋服に身を包みメイクも綺麗に施し、髪だって愛らしくウェーブさせ買い物に行くなんて言う
出来る事ならどこにも出かけず、ただ家の中にだけいて欲しい
人目に晒されるのが我慢ならない。いや・・・やめよう。つまらない嫉妬心を彼女に向け、彼女を怖がらせた事が
俺にはあるじゃないか・・・
俺は必死に堪えた・・・何に嫉妬しているかと言うと、彼女に目を向ける不特定多数の男共にだ
きりが無い・・・
彼女が自分らしい道を生き生きと進んでいける事は嬉しい。だがその半面・・・外に出したくない
この矛盾する気持ちの狭間で俺はいつも揺れ動いていた
最近の彼女は何か一つ動作をする時に掛け声を掛けるようになっていた
それは・・・ヨイショだったり・・・ふぅ~だったり・・・もう妊娠9カ月ともなるとかなりお腹が
せり出してきたように思える
彼女は食事中や入浴時に急に顔を顰めることがある。いきなり無言になり何かに耐える様な顔をする
『どうしたんだ?チェギョン・・・』
すると彼女はすぐさま俺の元に駆け寄り、俺の手を取ると自分の腹部に当てさせる
『ほら・・・解る?ぐにゅ~って寝返りうってるの・・・』
掌に感じる胎児の胎動・・・彼女のお腹を突き破りそうな勢いで動き回っている
『すっ・・・すごいな・・・』
『すごいでしょう?美味しいもの食べたりお風呂で温まったりするとよくなるみたい。
きっと私が幸せ~って思える事を理解しているのね。お利口ね・・・くすくす・・・』
顔を顰めたままそれでも笑う彼女。胎児がお腹を破って出てきたなんて話は聞いたことが無いから
きっと大丈夫なんだろうが、俺は本当に不安になる
ちゃんと生まれて来られるのか・・・チェギョンは無事でいられるのか
これは一度出産を迎えるまでは、消える事のない不安だろう
彼女が食事の後片付けをしている・・・俺はいつも通り彼女の背後に回り、重そうになった彼女のお腹を支える
だが・・・何か今までと違う
彼女は背中を反らす様にして俺に凭れかかった
『ふぅ・・・・洗い物するのに前かがみになっちゃうから、腰が痛いわ・・・』
彼女を見ると確かにお腹が大きくなってシンクに当たるため、お尻を突き出すような姿勢で
後片付けをしていた
そして両手を必死に伸ばして洗い物をしていた。この姿勢では相当疲れるだろう
『明日から片付けは俺がしよう。』
『えっ?いいよぉ・・・これは私の仕事♪』
決して遠慮しているわけではなく、心から楽しんで家事をしている感じはあるのだが、俺にとってみれば
お腹の大きくなった彼女を見ていると、食事の支度をする事さえも心配になる始末
翌日出社した時・・・その件を俺は母に相談してみることにした
『母さん・・・チェギョンのお腹が大きくなって、食事の支度とか大変そうなんだ。どうしたらいいのだろう。』
『あら~だったら・・・実家に入っちゃえば簡単でしょう?うちは女手が足りてますからね・・・
チェギョンさんはの~~んびり臨月を迎えられるわよぉ~♪おほほほほ・・・・』
馬鹿な・・・母になど相談した俺が間違いだった。
三人生まれたらの約束を、一人も生まれないうちから同居させられてたまるものか!
『母さん・・・そう言う事を言っているんじゃない。』
『あら・・・そうなの?な~~んだ。てっきり一緒に住みたいのかと思っちゃったわ・・・』
そんな筈ないだろう?俺は呆れながら反論した
『まだ二人の生活を楽しみたいんだ。同居なんてずっと先の話だ。』
『あら~?ずっと先かどうかは分からなくってよ。おほほほほ~~。立て続けにポンポンポ~ンだったら
三年後には同居ね。おほほほ~~~~♪』
『だからそうじゃなくて、どうしたらチェギョンが快適に家事を出来るかって相談していたんだ。』
『快適・・・に?う~~~~~ん・・・・』
母は暫く考えた後チェギョンに電話を掛けていた
『チェギョンさん?今日はマンションにいらっしゃるかしら?そう・・・お出かけしないのね?
解ったわ~♪あとで業者を向かわせますからどうぞよろしくね~♪』
『かっ・・・母さん、業者って・・・?』
『うふふふ~~いい事考えちゃった~~ん♪』
そしてその時母が考えたことを俺は最後まで教えて貰えなかった
母はすぐに業者を呼び付け何か打ち合わせの後、業者と一緒に俺達のマンションに向かった
『チェギョンただいま。』
『お帰りシン君・・・』
いつも通り出迎えに来た彼女は、俺を見上げて唇を突き出してただいまのキスをねだる。
俺もそれに応え玄関先で彼女の唇を堪能する
啄ばむ様に触れ合った唇が離れた時・・・彼女が戸惑いがちに呟いた
『シン君・・・大変なの!』
『大変・・・とは?』
『こっち来て・・・』
彼女は俺の指先を掴むと俺をキッチンに誘った
『ほら・・・大変でしょう?』
彼女はそのシステムキッチンのシンクの部分に立って見せた
なっ・・・なんだ?チェギョンのお腹の膨らみ分だけシンクがへこんでいる
つまりチェギョンがシンクと一体化した様なものだ
『これは・・・母さんが?』
『うん。これなら楽チンでしょ?って仰って・・・。でもぉ~~~子供生まれたら、これは変よね?』
確かに変だ。しかも真ん中部分で別れている形になるわけだから、うっかりしたら床を濡らす危険性もある
『子供が生まれたら・・・元に戻して貰おう。』
『もぉ~~シン君の差し金なの?こんな変な形のシンク・・・初めて見たよぉ・・・』
『俺も初めてだ。こんな形・・・』
俺が余計な事を言ったばかりにチェギョンは怒っていないだろうかと顔を窺い見る
だが意外と今の体型ではその変な形も使い勝手はいいようで、決して怒っていると言う感じではない
俺は今回の事で・・・母にすぐ相談するのはやめようと心に決めた
母はやることが極端な上にすぐ実行に移すタイプだ
今後は・・・あまり心配に思う事があっても、自分の中で消化しようと誓う俺だった
本日の花≪多肉植物・吹雪の松≫
なんだか今日は、画像トラブルが多い・・・
なんでも買い物に行った先で出逢った若い女の子に、なにがしか刺激を受けたようだ
本当はあまり活動的になって欲しくない
なぜなら彼女は自分でも無意識のうちに無理をしてしまうタイプだからだ
折角授かった俺達の第一子・・・(実は予定外だったが)妊娠初期で入院を経験した彼女だ
またそんなことが起こるのではないかと、内心俺は彼女の一挙一動に冷や冷やしていた
なのに彼女と来たら、今までの鬱憤を晴らすかのように身の回りに気を配るようになり
自分でデザインした洋服に身を包みメイクも綺麗に施し、髪だって愛らしくウェーブさせ買い物に行くなんて言う
出来る事ならどこにも出かけず、ただ家の中にだけいて欲しい
人目に晒されるのが我慢ならない。いや・・・やめよう。つまらない嫉妬心を彼女に向け、彼女を怖がらせた事が
俺にはあるじゃないか・・・
俺は必死に堪えた・・・何に嫉妬しているかと言うと、彼女に目を向ける不特定多数の男共にだ
きりが無い・・・
彼女が自分らしい道を生き生きと進んでいける事は嬉しい。だがその半面・・・外に出したくない
この矛盾する気持ちの狭間で俺はいつも揺れ動いていた
最近の彼女は何か一つ動作をする時に掛け声を掛けるようになっていた
それは・・・ヨイショだったり・・・ふぅ~だったり・・・もう妊娠9カ月ともなるとかなりお腹が
せり出してきたように思える
彼女は食事中や入浴時に急に顔を顰めることがある。いきなり無言になり何かに耐える様な顔をする
『どうしたんだ?チェギョン・・・』
すると彼女はすぐさま俺の元に駆け寄り、俺の手を取ると自分の腹部に当てさせる
『ほら・・・解る?ぐにゅ~って寝返りうってるの・・・』
掌に感じる胎児の胎動・・・彼女のお腹を突き破りそうな勢いで動き回っている
『すっ・・・すごいな・・・』
『すごいでしょう?美味しいもの食べたりお風呂で温まったりするとよくなるみたい。
きっと私が幸せ~って思える事を理解しているのね。お利口ね・・・くすくす・・・』
顔を顰めたままそれでも笑う彼女。胎児がお腹を破って出てきたなんて話は聞いたことが無いから
きっと大丈夫なんだろうが、俺は本当に不安になる
ちゃんと生まれて来られるのか・・・チェギョンは無事でいられるのか
これは一度出産を迎えるまでは、消える事のない不安だろう
彼女が食事の後片付けをしている・・・俺はいつも通り彼女の背後に回り、重そうになった彼女のお腹を支える
だが・・・何か今までと違う
彼女は背中を反らす様にして俺に凭れかかった
『ふぅ・・・・洗い物するのに前かがみになっちゃうから、腰が痛いわ・・・』
彼女を見ると確かにお腹が大きくなってシンクに当たるため、お尻を突き出すような姿勢で
後片付けをしていた
そして両手を必死に伸ばして洗い物をしていた。この姿勢では相当疲れるだろう
『明日から片付けは俺がしよう。』
『えっ?いいよぉ・・・これは私の仕事♪』
決して遠慮しているわけではなく、心から楽しんで家事をしている感じはあるのだが、俺にとってみれば
お腹の大きくなった彼女を見ていると、食事の支度をする事さえも心配になる始末
翌日出社した時・・・その件を俺は母に相談してみることにした
『母さん・・・チェギョンのお腹が大きくなって、食事の支度とか大変そうなんだ。どうしたらいいのだろう。』
『あら~だったら・・・実家に入っちゃえば簡単でしょう?うちは女手が足りてますからね・・・
チェギョンさんはの~~んびり臨月を迎えられるわよぉ~♪おほほほほ・・・・』
馬鹿な・・・母になど相談した俺が間違いだった。
三人生まれたらの約束を、一人も生まれないうちから同居させられてたまるものか!
『母さん・・・そう言う事を言っているんじゃない。』
『あら・・・そうなの?な~~んだ。てっきり一緒に住みたいのかと思っちゃったわ・・・』
そんな筈ないだろう?俺は呆れながら反論した
『まだ二人の生活を楽しみたいんだ。同居なんてずっと先の話だ。』
『あら~?ずっと先かどうかは分からなくってよ。おほほほほ~~。立て続けにポンポンポ~ンだったら
三年後には同居ね。おほほほ~~~~♪』
『だからそうじゃなくて、どうしたらチェギョンが快適に家事を出来るかって相談していたんだ。』
『快適・・・に?う~~~~~ん・・・・』
母は暫く考えた後チェギョンに電話を掛けていた
『チェギョンさん?今日はマンションにいらっしゃるかしら?そう・・・お出かけしないのね?
解ったわ~♪あとで業者を向かわせますからどうぞよろしくね~♪』
『かっ・・・母さん、業者って・・・?』
『うふふふ~~いい事考えちゃった~~ん♪』
そしてその時母が考えたことを俺は最後まで教えて貰えなかった
母はすぐに業者を呼び付け何か打ち合わせの後、業者と一緒に俺達のマンションに向かった
『チェギョンただいま。』
『お帰りシン君・・・』
いつも通り出迎えに来た彼女は、俺を見上げて唇を突き出してただいまのキスをねだる。
俺もそれに応え玄関先で彼女の唇を堪能する
啄ばむ様に触れ合った唇が離れた時・・・彼女が戸惑いがちに呟いた
『シン君・・・大変なの!』
『大変・・・とは?』
『こっち来て・・・』
彼女は俺の指先を掴むと俺をキッチンに誘った
『ほら・・・大変でしょう?』
彼女はそのシステムキッチンのシンクの部分に立って見せた
なっ・・・なんだ?チェギョンのお腹の膨らみ分だけシンクがへこんでいる
つまりチェギョンがシンクと一体化した様なものだ
『これは・・・母さんが?』
『うん。これなら楽チンでしょ?って仰って・・・。でもぉ~~~子供生まれたら、これは変よね?』
確かに変だ。しかも真ん中部分で別れている形になるわけだから、うっかりしたら床を濡らす危険性もある
『子供が生まれたら・・・元に戻して貰おう。』
『もぉ~~シン君の差し金なの?こんな変な形のシンク・・・初めて見たよぉ・・・』
『俺も初めてだ。こんな形・・・』
俺が余計な事を言ったばかりにチェギョンは怒っていないだろうかと顔を窺い見る
だが意外と今の体型ではその変な形も使い勝手はいいようで、決して怒っていると言う感じではない
俺は今回の事で・・・母にすぐ相談するのはやめようと心に決めた
母はやることが極端な上にすぐ実行に移すタイプだ
今後は・・・あまり心配に思う事があっても、自分の中で消化しようと誓う俺だった
本日の花≪多肉植物・吹雪の松≫
なんだか今日は、画像トラブルが多い・・・