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Channel: ~星の欠片~
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恋の花咲かせましょ♪ 43

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お腹に宿った赤ちゃんの心音がはっきり確認できて、無事退院の許可が下りた私

彼は私が帰宅するなり物すご~く口うるさくなった

なんだか無性に食べたくて仕方が無い状態に陥っている私・・・こっそり買って来たおやつなど

彼に見つかろうものなら即座に取り上げられる

その代わりに与えられる物と言ったら≪シン君特製寒天ゼリー≫だったり・・・吟味に吟味を重ね購入して来た

焼き菓子だったりする

自然派志向・・・解るけど私にはちょっと物足りない

でも、そんな彼の行動の一つ一つが、私やお腹の子への愛情なんだって感じさせられる

退院してからと言うもの、彼は大物のお洗濯は休日にするようにと私に提案した

でないと私が無理な体勢を取ったりするからだ。一度怖い目に遭った私はもちろん彼に従った

彼と一緒にお日様を浴びてベッドカバーを干したりするのはとても楽しい

無理をせずゆっくりと流れていく毎日・・・私は育児書を読みながら、来春夏物のデザインに取り掛かり始めた

今から取り掛かっておけば、締め切りを急がれても困らない

私のデザインした洋服は世間でも高く評価され、生産が間に合わない状態と聞いた

嬉しい悲鳴だ。

そしてその売り上げのうち約束したパーセンテージは私の銀行口座に振り込まれた

これも嬉しい悲鳴だ。

OLでちまちまと貯金していた額などは、一瞬で超える金額が私の口座に振り込まれた

嬉しいけどちょっと怖い・・・

ひとまず私はマスコミの前に姿を見せる事もなく、のんびりとお腹の中の命を育てている



安定期も過ぎた頃・・・私のお腹は目立つようになってきた

彼は私の大きくなるお腹を見て、目尻を下げている。妊娠線が出ないようにとお腹にクリームを塗ってくれるのも

彼の仕事だ

シン・アパレルファッションに春夏物のデザインを大量に届けてから一週間経ったある日・・・

私は夕食の支度をしていて、買い忘れた物がある事に気が付き・・・夕闇の街の中に買い物に出かけた

もう安定期ということもあり、割りと過保護にここまで妊娠生活を管理された私は高台にあるマンションから

足を踏み出しお散歩のつもりでのんびり歩く

彼がマンションに戻る前には帰れる筈・・・そう思い元気に歩いて行った

高台から下りて行った場所にちょっとオシャレなお店が立ち並ぶ場所がある。そこに行けばある程度の物は

調達できるのだ

彼はいつも食事の時に必ず美味しいと言ってくれる

たとえば・・・『チェギョン、これ美味しいな。でも・・・もっと塩分控えめの方がいいんじゃないのか?』

美味しいと言ってくれる事・・・これは結婚してからずっと言われ続けたから嘘じゃないと思う。

ただ・・・絶対に何がしかのクレームが入るのは、私の体調を考慮してのことだろう

もちろん気をつけている。でも好きな味覚と言うものはそう簡単に変えられないのだ

買い忘れた物を購入し、彼に小さいボトルのワインも調達しまた帰り道を歩いて行く

すると・・・横を歩いている女性から突然話しかけられた

『あなたも妊娠しているの?』

その声の方向に目を向けた私・・・そこには20代前半とみられる女性が私に笑顔を向けていた

『ええ。あなたも?』
『そう。二人目なの・・・』

彼女の手を見ると、幼い女の子の手を引いている。こんなに若いのに二人目?しかも妊婦であると言うのに

随分派手なファッションだ。そんなミニスカートで寒くないのかな・・・

手を引かれている女の子は、とても可愛らしい・・・

『一人目のお子さん、すごく可愛いわ。』
『あなたは・・・初産?』
『ええそうなの。だからドキドキ・・・』
『う~ん・・・年齢のいった初産は大変かも・・・』

やだっ・・・脅かさないでよ。しかも年齢のいった・・・って言い方は無いんじゃない?

『こんな時間に買い物だったの?』
『うん、そうなの。買い忘れた物があって・・・』
『へ~~そんなの旦那に買って来させればいいのに・・・』
『お散歩がてら出て来たかったの♪』
『しかし・・・お姉さんよね?明らかに私より年上って感じがするもの。
いくら妊娠してるからって女を捨てちゃあダメよ。』

えっ?女捨ててた?はっ・・・そうだ・・・今日の私はスウェットのパンツにロングTシャツ・・・

その上にコートを引っ掛けて、髪だって一つに束ねただけ・・・、顔も日焼け止めにリップだけだった・・・

それに顔に実年齢が書いてあるのかしら・・・30歳ってばれた?嫌だわ

『でも動きやすいのが一番よ。それにお腹が大きくなってきたから、入る洋服が無くって・・・くすくす・・・』

実はファッションデザイナーしてますなんて、恥ずかしくってとても言えないわ

『なんか・・・お姉さんのその格好見ていると、旦那さんの質がわかるわ。』

えっ?もしかして私は・・・シン君を辱める様な格好をしてた?

『奥さんを見れば旦那さんがわかるって言われちゃうわよ~。』
『気をつけるわ・・・』

うぅ・・・さすがに自分のマタニティーの服装まで考えが及ばなかったわ。かなり反省する私

マンションに続く緩い上り坂・・・その場所で彼女と立ち話をする私

『どこに住んでいるの?』
『ほら・・・ここを上がっていったところにあるマンションよ。』
『えっ?』

彼女が驚いて目を丸くしたその時だった。私達が話している横に車が横付けされた

『チェギョン・・・こんな時間になにをしているんだ?』
『シン君♪お帰りなさい。ちょっと買い忘れた物があって買い物に行って来たの。
シン君は?今日は電話なかったけど・・・』
『シン社長のところに寄って春夏物のサンプルを預かって来たんだ。』
『えっ?お父さんのところに行ってたの?』
『あぁ。チェギョンにチェックして欲しいって・・・』

彼は窓越しに私のブランドの紙袋を見せた

『うん解った。帰ったらチェックするわ。』
『早く車に乗れよ。』
『あ~でもお散歩がてらマンションまで歩くわ。』
『いや・・・寒いから心配だ。早く乗れ・・・』
『う~~ん。仕方が無いなぁ♪』

私は今日知り合ったばかりの妊婦友達に別れを告げた

『じゃあここで失礼するわ。お互い出産頑張りましょう♪』

彼女はあんぐりと口を開けたまま、私に手を振ったけど・・・明らかにシン君を見て驚いたって言う表情ね

妻が≪これ≫でも・・・・夫は素敵なのよ♪

さぁ帰って食事にしなくっちゃ~。そう思って乗り込んだ助手席。

彼は徐に私の頬を両手で包み込み、『こんなに冷えて・・・』とちょっと咎める様な口調で言ったと同時に

鼻先にキスをした

そして緩い上り坂に向かって車を発進させた

バッグミラー越しに彼女は・・・呆然と私達を見送っていたけれど、そんなに驚いたかしら?

彼は助手席の私に話しかける

『なにを買いに行っていたんだ?』
『コチュジャンを切らしちゃってたの。それとシン君のワイン♪』
『そんなの電話くれれば買って帰ったのに。暗くなったらもうあまり出歩くなよ。
寒いし風邪をひいたら大変だ。』
『うん。気をつける。さぁ帰って夕食にしましょう♪』
『今日は・・・余計なおやつとか買って来なかっただろうな。』
『疑うの?もぉ~買い物袋確認してみたらいいわ。』
『疑ってないよ。』『私が太るのが嫌なんでしょう?だからそんなことばかり言うのね・・・』
『太るのが嫌だなんて言っていない。ただ・・・君の体調管理は俺の仕事だからな。
太った君も・・・可愛いよ。』

こんな言葉・・・出産間近まで言ってくれるかしら?少し心配だわ・・・



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本日の花≪ぺラルゴニウム(ライムキッズ)≫

恐縮です。明日のお話の更新は
お休みさせていただきますね♪


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