挙式会場の扉が開き、彼女はお義父さんと腕を組みバージンロードを歩いて来る
ベールで覆われたあの印象的な大きな瞳は、ベール越しに真っ直ぐ俺を見つめている
綺麗だ・・・綺麗だなチェギョン
まっさらなまま俺に向かって歩を進める彼女。純白のウェディングドレスから覗く長い脚が眩しくて堪らない
お義父さんから託され彼女の手を俺が取る。この瞬間から俺の色に染まっていくがいい
君は真っ白だからすぐに俺に染まるだろう
無事夫婦として宣言を受けた後、俺達は家族や親しい友人に見守られ退出する
ふと・・・従兄弟のユルの視線が気になった
明らかに彼女に思慕の想いを含んだその視線。まさかこんな身近に、彼女をそんな目で見る男がいたとはな
愕然とする想いでパーティー会場の入り口で招待客を待つ俺達
続々と駆け付ける招待客達は、チェギョンの美貌に感嘆の声を上げ・・・そして俺には羨ましいと
言いたげな視線が向けられる
特にあの合コンの時に彼女の隣に座った部下・・・≪逃した魚はあまりにも美しかった≫と
顔に浮かび上がりそうな顔つきだ
いや・・・部下よ。お前ごとき若造にチェギョンの男が務まる筈がない
彼女の招待客側も同じ反応だ。特に後輩達・・・痛いほどの羨望の眼差しが彼女に注がれている
人のいい彼女を散々振り回してくれた後輩たちは、チェギョンがシン・アパレルファッション社長のの娘と聞いて
怖れさえ感じたらしい。会場に入れない後輩たちを人のいいチェギョンは自ら会場に誘う
俺の上司に当たる人間も、何かと反抗的で先進的な考え方を持った俺の営業手腕を認めながらも
潰そうとしていた
ただの一課長として会社に在籍して居た俺が・・・まさか後継者だったなんて、足が震えるほど怖いだろうな
招待客がすべて入場した後、俺とチェギョンは大急ぎでパーティー用の衣装に着替えを済ませた
腕を組んで入場して行く俺達・・・先程までのウェディングドレスと異なり、実に愛らしい彼女を俺はエスコートする
雛壇の上に上がり二人揃ってお辞儀をする俺達。まさに彼女の夫であることを実感し、俺は誇らしく思う
隣をそっと窺えば、満面の笑みの彼女はじっと俺を見つめる
彼女はその眼差しだけで俺を熱くさせる事の出来る唯一の存在だ
祝辞の前に両家の親からの挨拶・・・いや二つの会社社長の訓示の様な挨拶が行われた
まずは新郎側・・・俺の父。
【本日は皆さんお忙しい中、イ・シンとシン・チェギョンの結婚披露パーティーに
お越しいただきありがとうございます。
ご存知の通りり営業部課長のイ・シンは家庭を持ちまして、結婚休暇から復帰した後は
ミンヒョン産業の副社長に就任する事をここにご報告申し上げます。
今後とも若い二人をどうぞご指導いただけますようお願い申し上げます。】
一方新婦側チェギョンの父は・・・
【本日はご多忙中のところお越しいただきありがとうございます。
受付業務に7年在籍しました私の娘チェギョンですが、本当は元々デザイナー志望でした。
実績もセンスもある娘でしたが、私達夫婦が入社を反対するあまり
私の兄弟を親代わりとし、シン・アパレルファッションに入社いたしました。
その時もデザイン部の採用試験を受けたのですが・・・
この娘の気性をよく知っている私達は、娘の平凡な幸せを望みデザイン部への入社を不採用としました。
夢絶たれた娘は服飾デザイナーへの道を諦め、7年間真面目に受付業務を務めて参りました。
それは皆さんもよくご存知だと思います。
シン君と結婚し・・・今頃になってデザイナーへの夢を再燃させました。
そして自力で外注デザイナーの座を手に入れました。
もちろん私達夫婦は、今回のデザイナー採用に関して一切関わっておりません。
今後ミンヒョン産業副社長イ・シンの妻としてデザイナーデビューを果たしますが
もう私達の手を離れた娘です。今後は皆さんのお力で引き立ててやってください。
どうぞよろしくお願いいたします。】
うちの父は業務連絡だったが、やはり花嫁の父は嫁いだ娘が誤解を受けないよう細心の配慮をするようだ
見ると義父の隣では義父の言葉にいちいちあいずちを打ちながら、目元をハンカチで押さえる義母が居た
結婚とはやはり・・・嫁がせる方が寂しいのかもしれない
そのあとの祝いの言葉などは、互いの親友たち以外は非常に笑える物だった
両社の社長を意識してか、贈られる言葉が妙にぎこちない
それもそうだろうな。今まで一社員としてしか見ていなかった俺達が、揃いも揃って二つの会社の社長の子
だったのだから・・・
まぁ今更後悔しても遅い。素のままの重役たちを知ることが出来て、俺は両親に感謝している
チェギョンもきっとお義父さんの言葉を聞いて胸を熱くしたに違いない
華やか且つスリリングな俺達の結婚披露パーティーは幕を閉じ、大勢の友人や後輩・部下たちに見送られ
俺達は空港に向かう車を出発させた
『はぁ~♪シン君、結婚式終わっちゃったね・・・』
『なんだ?寂しそうだな。』
『うん。だって自分がこんな主役の席に居ることって今までなかったから・・・』
『これからはずっと主役だろう?』
『えっ・・・?』
『俺の人生の主役は君だろう?』
『へへっ・・・♪うん・・・・』
彼女ははにかんだ笑顔を俺に向けた
空港に到着し車から二人分の荷物を降ろすと、俺達は搭乗手続きを済ませ飛行機に乗り込んだ
済州島まではそんなに時間がかからない。彼女と手を繋ぎ話をしていればあっという間だ
窓側の席に彼女を座らせ俺は彼女の右手を握り締めた
いくら新婚だからと言って飛行機の中でイチャイチャなどしない。6日間・・・誰にも邪魔をされず
彼女と過ごせるんだ
自ずと胸が高鳴る俺だった・・・
飛行機が離陸した後、俺は従兄弟のユルの目がどうしても気になり彼女に問い掛けてみる
『そう言えばチェギョン・・・』
『ん?なあに?シン君・・・』
『従兄弟のユルとはどういう付き合いだったんだ?』
『ユル君?大学の時サークルが一緒だったの。だから合宿とか飲み会とか、顔を合わす機会は多かったわ。』
『それだけか?』
『うん。それだけよ。』
彼女の言葉に嘘はないと思った。彼女は嘘などつける女じゃない。
だとしたら・・・ユルが一方的に彼女を想っていたとか?
ひょっとして彼女にそれとなく近づいてはみたが・・・恋愛に発展出来なかったのか?
俺の中に妄想的推測が渦巻いた時・・・彼女は洗面所に行くと席を立った
洗面所から戻ってきた時、彼女の顔から笑顔が消えていた
一体何があったんだ・・・君にそんな顔をさせるなんて一体何が起こったんだ
俺はシートに身を沈め俯く彼女に、今まで感じた事のない不安感を覚えた
ベールで覆われたあの印象的な大きな瞳は、ベール越しに真っ直ぐ俺を見つめている
綺麗だ・・・綺麗だなチェギョン
まっさらなまま俺に向かって歩を進める彼女。純白のウェディングドレスから覗く長い脚が眩しくて堪らない
お義父さんから託され彼女の手を俺が取る。この瞬間から俺の色に染まっていくがいい
君は真っ白だからすぐに俺に染まるだろう
無事夫婦として宣言を受けた後、俺達は家族や親しい友人に見守られ退出する
ふと・・・従兄弟のユルの視線が気になった
明らかに彼女に思慕の想いを含んだその視線。まさかこんな身近に、彼女をそんな目で見る男がいたとはな
愕然とする想いでパーティー会場の入り口で招待客を待つ俺達
続々と駆け付ける招待客達は、チェギョンの美貌に感嘆の声を上げ・・・そして俺には羨ましいと
言いたげな視線が向けられる
特にあの合コンの時に彼女の隣に座った部下・・・≪逃した魚はあまりにも美しかった≫と
顔に浮かび上がりそうな顔つきだ
いや・・・部下よ。お前ごとき若造にチェギョンの男が務まる筈がない
彼女の招待客側も同じ反応だ。特に後輩達・・・痛いほどの羨望の眼差しが彼女に注がれている
人のいい彼女を散々振り回してくれた後輩たちは、チェギョンがシン・アパレルファッション社長のの娘と聞いて
怖れさえ感じたらしい。会場に入れない後輩たちを人のいいチェギョンは自ら会場に誘う
俺の上司に当たる人間も、何かと反抗的で先進的な考え方を持った俺の営業手腕を認めながらも
潰そうとしていた
ただの一課長として会社に在籍して居た俺が・・・まさか後継者だったなんて、足が震えるほど怖いだろうな
招待客がすべて入場した後、俺とチェギョンは大急ぎでパーティー用の衣装に着替えを済ませた
腕を組んで入場して行く俺達・・・先程までのウェディングドレスと異なり、実に愛らしい彼女を俺はエスコートする
雛壇の上に上がり二人揃ってお辞儀をする俺達。まさに彼女の夫であることを実感し、俺は誇らしく思う
隣をそっと窺えば、満面の笑みの彼女はじっと俺を見つめる
彼女はその眼差しだけで俺を熱くさせる事の出来る唯一の存在だ
祝辞の前に両家の親からの挨拶・・・いや二つの会社社長の訓示の様な挨拶が行われた
まずは新郎側・・・俺の父。
【本日は皆さんお忙しい中、イ・シンとシン・チェギョンの結婚披露パーティーに
お越しいただきありがとうございます。
ご存知の通りり営業部課長のイ・シンは家庭を持ちまして、結婚休暇から復帰した後は
ミンヒョン産業の副社長に就任する事をここにご報告申し上げます。
今後とも若い二人をどうぞご指導いただけますようお願い申し上げます。】
一方新婦側チェギョンの父は・・・
【本日はご多忙中のところお越しいただきありがとうございます。
受付業務に7年在籍しました私の娘チェギョンですが、本当は元々デザイナー志望でした。
実績もセンスもある娘でしたが、私達夫婦が入社を反対するあまり
私の兄弟を親代わりとし、シン・アパレルファッションに入社いたしました。
その時もデザイン部の採用試験を受けたのですが・・・
この娘の気性をよく知っている私達は、娘の平凡な幸せを望みデザイン部への入社を不採用としました。
夢絶たれた娘は服飾デザイナーへの道を諦め、7年間真面目に受付業務を務めて参りました。
それは皆さんもよくご存知だと思います。
シン君と結婚し・・・今頃になってデザイナーへの夢を再燃させました。
そして自力で外注デザイナーの座を手に入れました。
もちろん私達夫婦は、今回のデザイナー採用に関して一切関わっておりません。
今後ミンヒョン産業副社長イ・シンの妻としてデザイナーデビューを果たしますが
もう私達の手を離れた娘です。今後は皆さんのお力で引き立ててやってください。
どうぞよろしくお願いいたします。】
うちの父は業務連絡だったが、やはり花嫁の父は嫁いだ娘が誤解を受けないよう細心の配慮をするようだ
見ると義父の隣では義父の言葉にいちいちあいずちを打ちながら、目元をハンカチで押さえる義母が居た
結婚とはやはり・・・嫁がせる方が寂しいのかもしれない
そのあとの祝いの言葉などは、互いの親友たち以外は非常に笑える物だった
両社の社長を意識してか、贈られる言葉が妙にぎこちない
それもそうだろうな。今まで一社員としてしか見ていなかった俺達が、揃いも揃って二つの会社の社長の子
だったのだから・・・
まぁ今更後悔しても遅い。素のままの重役たちを知ることが出来て、俺は両親に感謝している
チェギョンもきっとお義父さんの言葉を聞いて胸を熱くしたに違いない
華やか且つスリリングな俺達の結婚披露パーティーは幕を閉じ、大勢の友人や後輩・部下たちに見送られ
俺達は空港に向かう車を出発させた
『はぁ~♪シン君、結婚式終わっちゃったね・・・』
『なんだ?寂しそうだな。』
『うん。だって自分がこんな主役の席に居ることって今までなかったから・・・』
『これからはずっと主役だろう?』
『えっ・・・?』
『俺の人生の主役は君だろう?』
『へへっ・・・♪うん・・・・』
彼女ははにかんだ笑顔を俺に向けた
空港に到着し車から二人分の荷物を降ろすと、俺達は搭乗手続きを済ませ飛行機に乗り込んだ
済州島まではそんなに時間がかからない。彼女と手を繋ぎ話をしていればあっという間だ
窓側の席に彼女を座らせ俺は彼女の右手を握り締めた
いくら新婚だからと言って飛行機の中でイチャイチャなどしない。6日間・・・誰にも邪魔をされず
彼女と過ごせるんだ
自ずと胸が高鳴る俺だった・・・
飛行機が離陸した後、俺は従兄弟のユルの目がどうしても気になり彼女に問い掛けてみる
『そう言えばチェギョン・・・』
『ん?なあに?シン君・・・』
『従兄弟のユルとはどういう付き合いだったんだ?』
『ユル君?大学の時サークルが一緒だったの。だから合宿とか飲み会とか、顔を合わす機会は多かったわ。』
『それだけか?』
『うん。それだけよ。』
彼女の言葉に嘘はないと思った。彼女は嘘などつける女じゃない。
だとしたら・・・ユルが一方的に彼女を想っていたとか?
ひょっとして彼女にそれとなく近づいてはみたが・・・恋愛に発展出来なかったのか?
俺の中に妄想的推測が渦巻いた時・・・彼女は洗面所に行くと席を立った
洗面所から戻ってきた時、彼女の顔から笑顔が消えていた
一体何があったんだ・・・君にそんな顔をさせるなんて一体何が起こったんだ
俺はシートに身を沈め俯く彼女に、今まで感じた事のない不安感を覚えた
本日の花≪薔薇≫
このおサジンは猫仲間のKEIさん撮影のものです。
お持ち帰りはご遠慮ください。
いや~~ん。折角の新婚旅行なのに
とんだ落とし穴が・・・
あ・・・察しのいいあなた
お口チャックでお願いしますよ~~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
耐えてゾーン?いや違うな・・・
でもある意味耐えてゾーンかな(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
このおサジンは猫仲間のKEIさん撮影のものです。
お持ち帰りはご遠慮ください。
いや~~ん。折角の新婚旅行なのに
とんだ落とし穴が・・・
あ・・・察しのいいあなた
お口チャックでお願いしますよ~~(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
耐えてゾーン?いや違うな・・・
でもある意味耐えてゾーンかな(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!