シン・アパレルファッションを退職した私は、翌日から引っ越し準備に取り掛かった。
とはいっても、忙しい彼は結婚休暇を取るために仕事に追われ、私は細々とした荷物を毎日片づけて
挙式の前日に業者に依頼し引っ越しをすべて完了せた。
彼も前日にはすべての荷物を新居に運び終え、私達は互いに結婚前夜を実家で過ごす事となった
『いよいよ明日だな。』
結婚前夜とは言っても恋愛期間の短かった私達は、前日だって一緒に居る
『うん。とうとう明日ね。』
『会社の同僚や上司達・・・きっと驚くだろうな。』
『うん。どんな反応するか楽しみよ。くすくす・・・』
明日からは彼とずっと一緒に居られる。そう思いながらも≪最後の夜は家族とゆっくり過ごせ≫と言い
私を実家まで送ってきた彼が少し恨めしかった・・・
翌日・・・結婚式当日は雲ひとつない晴天だった
私は家族と共に結婚式会場に向かった。まずは身内と親しい友人達を招いた挙式の為に、私は控室で
着替えを済ませ係の人が呼びに来るのを待っていた
<トントン>
ヘアメイクもすべて完了し、椅子に座っている時に控室のドアがノックされた
『どうぞ。』
入ってきたのは満面の笑みを浮かべたシン君・・・えっ?そしてものすごく懐かしい大学時代の友人イ・ユル君が
彼の後ろに居た
『シン君♪それに…なぜユル君が?』
『チェギョン久し振り。僕とシンは従兄弟なんだよ。招待状を見てまさかと思って、
新婦の顔を拝みに来たんだけどやっぱり君だったか。』
『うん。そうなの。ホント久し振りね♪』
イ・ユル君・・・私と大学で同期だった人・・・一時期少し惹かれた事もあったけど、
私と恋愛関係に発展することのなかった一人
あれ?なんかシン君が不機嫌そう。あ・・・私がいきなり従兄弟と話し始めちゃったから、気を悪くしているのね。
私はシン君にとびきりの笑顔を向けた
『シン君・・・やっぱりそのタキシード、すごくよく似合ってるわ。』
『そうか・・・』
なんか眉間に皺寄せてる。初めて出逢った日よりもさらに不機嫌そうだ
私は必死にご機嫌取りに精を出す
『シン君・・・この髪どう?綺麗に結ってもらえてる?』
『あぁ・・・』
どうして急にそんな冷たい態度を取るの?私は彼のあまりの冷たい態度に戸惑い俯いてしまった
頭の上で彼の声がする
『ユル・・・もう式場に入ってくれ。俺は彼女を連れて行くから。』
『うん・・・』
ユル君が扉を閉め去っていった後だった。彼は椅子に腰掛けている私の元に跪き、ベールを持ち上げると
私の首に両手を回した
驚いて俯いた顔を上げると、彼も戸惑ったような顔で私に微笑みかけた
『たとえ従兄弟だとしても、あまり親しげに話されると面白くないな。』
そう言いながら首の後ろで留め金を留めた。ん?なんかずっしりと首元が重い
私はその首元に感じる重い物を凝視してみた。真珠?大粒の真珠のネックレスだ
『母から預かって来た。イ家の嫁に代々伝わるネックレスだそうだ。よく似合うよ。』
『そんな大切なものを私に?』
『あぁ、嫁さんなんだから当然だ。』
先程までの不機嫌さはもう微塵も感じさせない。さっきの表情はひょっとして嫉妬なの?
もぉ~そんな心配全くいらないのに・・・シン君、先が思いやられるわ。
『昔の友人でもあまり親しくするなよ。』
『うん。解ってる・・・』
『じゃあ行こう。お義父さんが待っている。』
首に感じる重さはイ家に嫁ぐ責任の重さの様に思えた。ひょっとして子供三人の約束の重み?
私はシン君に手をひかれ挙式会場の扉の前に立つ、そこには父が待っていた
『じゃあチェギョン、中で待っている。お義父さんお願いします。』
彼は父に会釈すると他の出入口に向かって急いだ
『チェギョン・・・綺麗だな・・・』
父は顔をくしゃくしゃに歪め既に涙ぐむ。やめてお父さん・・・私まで泣けてきちゃう
父の左手に腕を回し、開け放たれた扉の中に私は入って行った
バージンロードの向こうには輝く笑顔の彼が、目を細めて私を待っていた
父から私を託された彼は、優しく私を見つめ共に神父様の前で誓いの言葉を唱える
『誓います・・・』
お互いにそう答えながら、5カ月前の出逢った日に想いを馳せる
結婚する気はないと言っていた彼・・・結婚相手には困らないと言っていた彼・・・
そんな彼が選んだのは紛れもなくこの私。
彼に出逢わなかったら、ひょっとして私は人生の敗北者になっていたかもしれない
≪一生大事にします・・・≫
心の中でそう神様に誓う私だった
彼の手がそっと私のベールを上げ、指輪の交換が成されたあと私の額に優しいキスを降らせた
神父様の宣言を受け・・・私達は夫婦として認められた
彼と腕を組みバージンロードを退場する私
親戚や家族・・・そして親友・・・ユニも、私達に惜しみない拍手を贈ってくれた
こうして私はイ・シンの妻になった♪
その後休む間もなく結婚披露パーティーの招待客を迎える私達。
挙式会場から一早くパーティー会場にやって来たギョン君一家。
ガンヒョンの娘ユニは、私をうっとりとした目で見上げ可愛らしい花束をくれたわ
『チェギョンお姉ちゃん・・・きれい…』
『ありがとうユニ♪』
『お婿さんのお兄ちゃんもカッコいいね。』
『そうでしょう?ユニ・・・素敵な旦那様でしょう?』
『うん♪いつかユニも、お姉ちゃんみたいな素敵なドレス着て、お兄ちゃんみたいなカッコいい人と結婚する!』
その時には私がドレスを作ってあげたいわ・・・
続々と訪れる元同僚や後輩・・・そして上司達も、その招待客の多さに驚いたみたい。
当然ね・・・社員全員だもの。しかも二つの会社よ・・・くすくす・・・
『チェギョン先輩~~すごく綺麗ですぅ。チェギョン先輩じゃないみたい~~!!』
私じゃないみたい?一言余計なのよ。
『ありがとう。来てくれて嬉しいわ。』
『イ・シンさんもものすごく素敵ですね~~♪あ・・・あれ?イ・シンさんのお隣にいらっしゃるのは
ミンヒョン産業の社長と副社長・・・え・・・えっ?なぜうちの社長と副社長が来客のお相手しているんです?』
『内緒にしていてごめんなさいね。私の両親なの。』
『え・・・・っつ・・・・えぇーーーーーっ!!!』
立ち尽くす後輩達。恐縮して会場に入って行けないみたい。くすくす・・・
そんな後輩たちを私は席に着くようにと促した。
散々私にセクハラ発言した部長など、額の汗を拭いながら両親の前に立っている
『シン・チェギョン様がお嬢様だとなぜ教えてくださらなかったのですか?
社長もお人が悪い・・・』
いきなり私に≪様≫付けよ。笑ってしまうわ。
なんにしても苦節30年一週間前・・・私はイ・シンの妻になりました
私の恋・・・漸く9分咲き♪
とはいっても、忙しい彼は結婚休暇を取るために仕事に追われ、私は細々とした荷物を毎日片づけて
挙式の前日に業者に依頼し引っ越しをすべて完了せた。
彼も前日にはすべての荷物を新居に運び終え、私達は互いに結婚前夜を実家で過ごす事となった
『いよいよ明日だな。』
結婚前夜とは言っても恋愛期間の短かった私達は、前日だって一緒に居る
『うん。とうとう明日ね。』
『会社の同僚や上司達・・・きっと驚くだろうな。』
『うん。どんな反応するか楽しみよ。くすくす・・・』
明日からは彼とずっと一緒に居られる。そう思いながらも≪最後の夜は家族とゆっくり過ごせ≫と言い
私を実家まで送ってきた彼が少し恨めしかった・・・
翌日・・・結婚式当日は雲ひとつない晴天だった
私は家族と共に結婚式会場に向かった。まずは身内と親しい友人達を招いた挙式の為に、私は控室で
着替えを済ませ係の人が呼びに来るのを待っていた
<トントン>
ヘアメイクもすべて完了し、椅子に座っている時に控室のドアがノックされた
『どうぞ。』
入ってきたのは満面の笑みを浮かべたシン君・・・えっ?そしてものすごく懐かしい大学時代の友人イ・ユル君が
彼の後ろに居た
『シン君♪それに…なぜユル君が?』
『チェギョン久し振り。僕とシンは従兄弟なんだよ。招待状を見てまさかと思って、
新婦の顔を拝みに来たんだけどやっぱり君だったか。』
『うん。そうなの。ホント久し振りね♪』
イ・ユル君・・・私と大学で同期だった人・・・一時期少し惹かれた事もあったけど、
私と恋愛関係に発展することのなかった一人
あれ?なんかシン君が不機嫌そう。あ・・・私がいきなり従兄弟と話し始めちゃったから、気を悪くしているのね。
私はシン君にとびきりの笑顔を向けた
『シン君・・・やっぱりそのタキシード、すごくよく似合ってるわ。』
『そうか・・・』
なんか眉間に皺寄せてる。初めて出逢った日よりもさらに不機嫌そうだ
私は必死にご機嫌取りに精を出す
『シン君・・・この髪どう?綺麗に結ってもらえてる?』
『あぁ・・・』
どうして急にそんな冷たい態度を取るの?私は彼のあまりの冷たい態度に戸惑い俯いてしまった
頭の上で彼の声がする
『ユル・・・もう式場に入ってくれ。俺は彼女を連れて行くから。』
『うん・・・』
ユル君が扉を閉め去っていった後だった。彼は椅子に腰掛けている私の元に跪き、ベールを持ち上げると
私の首に両手を回した
驚いて俯いた顔を上げると、彼も戸惑ったような顔で私に微笑みかけた
『たとえ従兄弟だとしても、あまり親しげに話されると面白くないな。』
そう言いながら首の後ろで留め金を留めた。ん?なんかずっしりと首元が重い
私はその首元に感じる重い物を凝視してみた。真珠?大粒の真珠のネックレスだ
『母から預かって来た。イ家の嫁に代々伝わるネックレスだそうだ。よく似合うよ。』
『そんな大切なものを私に?』
『あぁ、嫁さんなんだから当然だ。』
先程までの不機嫌さはもう微塵も感じさせない。さっきの表情はひょっとして嫉妬なの?
もぉ~そんな心配全くいらないのに・・・シン君、先が思いやられるわ。
『昔の友人でもあまり親しくするなよ。』
『うん。解ってる・・・』
『じゃあ行こう。お義父さんが待っている。』
首に感じる重さはイ家に嫁ぐ責任の重さの様に思えた。ひょっとして子供三人の約束の重み?
私はシン君に手をひかれ挙式会場の扉の前に立つ、そこには父が待っていた
『じゃあチェギョン、中で待っている。お義父さんお願いします。』
彼は父に会釈すると他の出入口に向かって急いだ
『チェギョン・・・綺麗だな・・・』
父は顔をくしゃくしゃに歪め既に涙ぐむ。やめてお父さん・・・私まで泣けてきちゃう
父の左手に腕を回し、開け放たれた扉の中に私は入って行った
バージンロードの向こうには輝く笑顔の彼が、目を細めて私を待っていた
父から私を託された彼は、優しく私を見つめ共に神父様の前で誓いの言葉を唱える
『誓います・・・』
お互いにそう答えながら、5カ月前の出逢った日に想いを馳せる
結婚する気はないと言っていた彼・・・結婚相手には困らないと言っていた彼・・・
そんな彼が選んだのは紛れもなくこの私。
彼に出逢わなかったら、ひょっとして私は人生の敗北者になっていたかもしれない
≪一生大事にします・・・≫
心の中でそう神様に誓う私だった
彼の手がそっと私のベールを上げ、指輪の交換が成されたあと私の額に優しいキスを降らせた
神父様の宣言を受け・・・私達は夫婦として認められた
彼と腕を組みバージンロードを退場する私
親戚や家族・・・そして親友・・・ユニも、私達に惜しみない拍手を贈ってくれた
こうして私はイ・シンの妻になった♪
その後休む間もなく結婚披露パーティーの招待客を迎える私達。
挙式会場から一早くパーティー会場にやって来たギョン君一家。
ガンヒョンの娘ユニは、私をうっとりとした目で見上げ可愛らしい花束をくれたわ
『チェギョンお姉ちゃん・・・きれい…』
『ありがとうユニ♪』
『お婿さんのお兄ちゃんもカッコいいね。』
『そうでしょう?ユニ・・・素敵な旦那様でしょう?』
『うん♪いつかユニも、お姉ちゃんみたいな素敵なドレス着て、お兄ちゃんみたいなカッコいい人と結婚する!』
その時には私がドレスを作ってあげたいわ・・・
続々と訪れる元同僚や後輩・・・そして上司達も、その招待客の多さに驚いたみたい。
当然ね・・・社員全員だもの。しかも二つの会社よ・・・くすくす・・・
『チェギョン先輩~~すごく綺麗ですぅ。チェギョン先輩じゃないみたい~~!!』
私じゃないみたい?一言余計なのよ。
『ありがとう。来てくれて嬉しいわ。』
『イ・シンさんもものすごく素敵ですね~~♪あ・・・あれ?イ・シンさんのお隣にいらっしゃるのは
ミンヒョン産業の社長と副社長・・・え・・・えっ?なぜうちの社長と副社長が来客のお相手しているんです?』
『内緒にしていてごめんなさいね。私の両親なの。』
『え・・・・っつ・・・・えぇーーーーーっ!!!』
立ち尽くす後輩達。恐縮して会場に入って行けないみたい。くすくす・・・
そんな後輩たちを私は席に着くようにと促した。
散々私にセクハラ発言した部長など、額の汗を拭いながら両親の前に立っている
『シン・チェギョン様がお嬢様だとなぜ教えてくださらなかったのですか?
社長もお人が悪い・・・』
いきなり私に≪様≫付けよ。笑ってしまうわ。
なんにしても苦節30年一週間前・・・私はイ・シンの妻になりました
私の恋・・・漸く9分咲き♪
本日の花≪アンジェラ≫
【薔薇の奥様】 kakoさんからお借りして参りました。
お持ち帰りはご遠慮ください。
漸く結婚に辿りつきました。
ユル君を登場させちゃったので
このお話もうちょっと長くなるかもよ。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
まぁ四周年記念だし40話くらいになってもいいか~★
次回結婚式の後半はシン君sideで❤
【薔薇の奥様】 kakoさんからお借りして参りました。
お持ち帰りはご遠慮ください。
漸く結婚に辿りつきました。
ユル君を登場させちゃったので
このお話もうちょっと長くなるかもよ。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
まぁ四周年記念だし40話くらいになってもいいか~★
次回結婚式の後半はシン君sideで❤