彼女と両家の母を伴い婚礼衣装を選びに行った日・・・彼女の母は、あの財界のパーティーで彼女が身に付けた
ドレスと良く似通ったデザインの物を彼女に勧めた
見るまでもなく彼女にそのドレスが似合う事は想像がついた
彼女がフィッテングルームに消えた時、俺はあの深紅のドレスを着て俺の前に駆け寄った時の彼女を思い出し
一人悦に入っていた
思えばあの時には互いの心は走り出していた。なのに俺が初対面で言った一言に阻まれ、随分無駄に
時間を過ごした
いや・・・無駄などではない。出逢った時に結婚の意思がない事を俺が先に告げたからこそ、
彼女はありのままの自分を俺に見せてくれたんだ
あの深紅のドレスで駆け寄った時の彼女の華奢な肩・・・スラリと伸びた長い脚
あぁ・・・あの印象が強烈過ぎて俺は思い出しただけで心拍数が上がるのを感じた
『いかがでしょうか?』
係の女性がフィッティングルームのカーテンを開け、ウェディングドレス姿の彼女が現れる・・・
・・・
一瞬言葉を失い息をのんだ
純白のウェディングドレスを纏った彼女は、全く異なる魅力を同時に兼ね備えていた
成熟していながらどこまでも無垢であり、また妖艶でありながらどこか愛らしい
深紅のドレスの時とは異なり、純白のドレスから覗かせた長い脚はドレスの色よりもさらに白く見えた
まさに触れてはいけない聖域の様な厳かさを漂わす彼女が、このドレスを纏いバージロードを俺に向かって
歩いて来る様を想像すると眩しさに目が眩みそうだ
もちろんこのドレスに反対する理由はどこにもなく、彼女に合わせて光沢のある黒のタキシードと
彼女のピンクの色ドレスに合わせ白のタキシードを俺は選択した
結婚式に於いて男などただの飾りものだ。くくっ・・・
ただ・・・一つ心配なのは、俺達の結婚式で彼女に一目惚れする不埒な輩が必ず続出するだろう事だけだ
まぁ・・・その時には既に俺の妻だ。
挙式の日から一週間の休みを取った俺は、それまでに片付けたい仕事に追われていた
そんなある日、部下の一人が俺に問い掛けて来た
『イ課長・・・結婚式の招待状を受け取りました。ありがとうございます。
あの・・・一つお尋ねしたいのですが。課長が結婚するお相手ってもしかして・・・』
そう、あの合コンの時、チェギョンの隣に座った若手社員だ
『あぁ。あの時の彼女だ。』
『そっ・・・そうでしたか。あの・・・あの時は大変失礼な事を・・・』
『いや、別に気にしないでくれ。』
くっ・・・あの時部下は彼女がかなり年上だと言って、彼女の事を避けたんだったな。
若造に持って行かれなくて良かったと今さらに思うよ。まぁ・・・結婚式の日に後悔するんだな。
恐らく彼女の元にも様々な追及はあるだろう。社員達は全く知らないが二つの会社を上げての結婚式だ
かなり盛大なものになるだろうな。くくくっ・・・
彼女は俺が同行でない時にも新居に足繁く通い、届いた荷物を開けているようだ
真新しい食器棚に皿を並べ、きっとあのマグカップも並んでいるのだろう。
彼女の退職を明日に控えた日・・・俺はもうその結果が想定出来ていながらも、彼女からの連絡を待っていた
そうしたらいつもならメールで連絡の来る勤務時間内に、彼女から電話が掛かってきたのだ
『し・・・シン君!!今…電話できる?』
自分から掛けておいてその言い方も変だろう?くくっ・・・彼女のその興奮した様子に、俺は結果を確信した
『あぁ大丈夫だ。何かあったのか?』
解っていながら敢えて聞いてみる
『デザイン部に応募したデザイン画・・・私のが採用になったの。』
『えっ?そうなのか?おめでとう。やったな。』
少し白々しいかと思いながらも彼女の期待する返事を返す俺。
『うん♪結婚したら契約しなくちゃ・・・ふふふ・・・デザイナーシン・チェギョンの誕生よ。』
『良かったな。応援するよ。』
長年の夢・・・両親によって絶たれた夢を再燃させたチェギョン
シン・アパレルファッションの娘がデザイナーになるのではなく・・・イ・シンの妻としてデザイナーデビューを
果たすのだ。決して親の七光りなどではなく君の実力で勝ち取った地位だ
君が君らしく生き生きと生きられるよう、俺はこれから精一杯応援をしようと思っている
その翌日・・・彼女は念願の寿退社を果たした
退社時間に俺が迎えに行くと、沢山の後輩に囲まれ持ち切れないほどの花束を抱えた彼女が
いつもの場所で待っていた
後輩たちは皆涙にくれ・・・名残惜しそうにチェギョンと握手を交わす
憎まれ口を聞いても慕っていたんだな・・・彼女の事を。
いつまで経っても彼女を離そうとしない後輩たちから奪う様に、俺は彼女を車に乗せた
『チェギョン先輩~~~!!』
車が去っていくのをずっと手を振り見送る後輩達。チェギョンはバックミラー越しにその姿を眺め
少しだけ涙ぐんだ
『漸く寿退社できたな。』
『うん。今までたくさん見送ってきたけど、主役になるのって少し寂しいのね。』
『くくっ・・・寂しがっている余裕はないだろう?明日から引っ越しに取りかからないとな。』
『うん。そうする。』
『俺も仕事が終わったら手伝うよ。』
『ありがとう。助かるわ。』
『それでチェギョン・・・慌ただしくて遠くには行けないんだが、結婚式が終わった後
済州島のリゾートホテルを予約した。新婚旅行に行こう。』
『えっ?済州島?うん♪新婚旅行ね♪』
『あぁ。6日間のんびりしよう。』
『うん~~♪』
『帰って来たら君の誕生日だな。』
『あ~~・・・・それを言わないで。』
『盛大にお祝いしよう。』
『盛大じゃなくて・・・いいわ。だって・・・・・』
そう・・・新婚旅行から帰って来た日彼女は30歳を迎える。
いや、これからだろう?君が輝くのは・・・。俺の手でもっと輝かせたい・・・心からそう願う俺だった
本日の花≪梅花空木≫
お花ネタが尽きちゃいました。
明日は挙式シーンなので
薔薇の奥様からお借りした画像でお送りいたしますが
しばらくマジカル画像が続くかも(爆)
ドレスと良く似通ったデザインの物を彼女に勧めた
見るまでもなく彼女にそのドレスが似合う事は想像がついた
彼女がフィッテングルームに消えた時、俺はあの深紅のドレスを着て俺の前に駆け寄った時の彼女を思い出し
一人悦に入っていた
思えばあの時には互いの心は走り出していた。なのに俺が初対面で言った一言に阻まれ、随分無駄に
時間を過ごした
いや・・・無駄などではない。出逢った時に結婚の意思がない事を俺が先に告げたからこそ、
彼女はありのままの自分を俺に見せてくれたんだ
あの深紅のドレスで駆け寄った時の彼女の華奢な肩・・・スラリと伸びた長い脚
あぁ・・・あの印象が強烈過ぎて俺は思い出しただけで心拍数が上がるのを感じた
『いかがでしょうか?』
係の女性がフィッティングルームのカーテンを開け、ウェディングドレス姿の彼女が現れる・・・
・・・
一瞬言葉を失い息をのんだ
純白のウェディングドレスを纏った彼女は、全く異なる魅力を同時に兼ね備えていた
成熟していながらどこまでも無垢であり、また妖艶でありながらどこか愛らしい
深紅のドレスの時とは異なり、純白のドレスから覗かせた長い脚はドレスの色よりもさらに白く見えた
まさに触れてはいけない聖域の様な厳かさを漂わす彼女が、このドレスを纏いバージロードを俺に向かって
歩いて来る様を想像すると眩しさに目が眩みそうだ
もちろんこのドレスに反対する理由はどこにもなく、彼女に合わせて光沢のある黒のタキシードと
彼女のピンクの色ドレスに合わせ白のタキシードを俺は選択した
結婚式に於いて男などただの飾りものだ。くくっ・・・
ただ・・・一つ心配なのは、俺達の結婚式で彼女に一目惚れする不埒な輩が必ず続出するだろう事だけだ
まぁ・・・その時には既に俺の妻だ。
挙式の日から一週間の休みを取った俺は、それまでに片付けたい仕事に追われていた
そんなある日、部下の一人が俺に問い掛けて来た
『イ課長・・・結婚式の招待状を受け取りました。ありがとうございます。
あの・・・一つお尋ねしたいのですが。課長が結婚するお相手ってもしかして・・・』
そう、あの合コンの時、チェギョンの隣に座った若手社員だ
『あぁ。あの時の彼女だ。』
『そっ・・・そうでしたか。あの・・・あの時は大変失礼な事を・・・』
『いや、別に気にしないでくれ。』
くっ・・・あの時部下は彼女がかなり年上だと言って、彼女の事を避けたんだったな。
若造に持って行かれなくて良かったと今さらに思うよ。まぁ・・・結婚式の日に後悔するんだな。
恐らく彼女の元にも様々な追及はあるだろう。社員達は全く知らないが二つの会社を上げての結婚式だ
かなり盛大なものになるだろうな。くくくっ・・・
彼女は俺が同行でない時にも新居に足繁く通い、届いた荷物を開けているようだ
真新しい食器棚に皿を並べ、きっとあのマグカップも並んでいるのだろう。
彼女の退職を明日に控えた日・・・俺はもうその結果が想定出来ていながらも、彼女からの連絡を待っていた
そうしたらいつもならメールで連絡の来る勤務時間内に、彼女から電話が掛かってきたのだ
『し・・・シン君!!今…電話できる?』
自分から掛けておいてその言い方も変だろう?くくっ・・・彼女のその興奮した様子に、俺は結果を確信した
『あぁ大丈夫だ。何かあったのか?』
解っていながら敢えて聞いてみる
『デザイン部に応募したデザイン画・・・私のが採用になったの。』
『えっ?そうなのか?おめでとう。やったな。』
少し白々しいかと思いながらも彼女の期待する返事を返す俺。
『うん♪結婚したら契約しなくちゃ・・・ふふふ・・・デザイナーシン・チェギョンの誕生よ。』
『良かったな。応援するよ。』
長年の夢・・・両親によって絶たれた夢を再燃させたチェギョン
シン・アパレルファッションの娘がデザイナーになるのではなく・・・イ・シンの妻としてデザイナーデビューを
果たすのだ。決して親の七光りなどではなく君の実力で勝ち取った地位だ
君が君らしく生き生きと生きられるよう、俺はこれから精一杯応援をしようと思っている
その翌日・・・彼女は念願の寿退社を果たした
退社時間に俺が迎えに行くと、沢山の後輩に囲まれ持ち切れないほどの花束を抱えた彼女が
いつもの場所で待っていた
後輩たちは皆涙にくれ・・・名残惜しそうにチェギョンと握手を交わす
憎まれ口を聞いても慕っていたんだな・・・彼女の事を。
いつまで経っても彼女を離そうとしない後輩たちから奪う様に、俺は彼女を車に乗せた
『チェギョン先輩~~~!!』
車が去っていくのをずっと手を振り見送る後輩達。チェギョンはバックミラー越しにその姿を眺め
少しだけ涙ぐんだ
『漸く寿退社できたな。』
『うん。今までたくさん見送ってきたけど、主役になるのって少し寂しいのね。』
『くくっ・・・寂しがっている余裕はないだろう?明日から引っ越しに取りかからないとな。』
『うん。そうする。』
『俺も仕事が終わったら手伝うよ。』
『ありがとう。助かるわ。』
『それでチェギョン・・・慌ただしくて遠くには行けないんだが、結婚式が終わった後
済州島のリゾートホテルを予約した。新婚旅行に行こう。』
『えっ?済州島?うん♪新婚旅行ね♪』
『あぁ。6日間のんびりしよう。』
『うん~~♪』
『帰って来たら君の誕生日だな。』
『あ~~・・・・それを言わないで。』
『盛大にお祝いしよう。』
『盛大じゃなくて・・・いいわ。だって・・・・・』
そう・・・新婚旅行から帰って来た日彼女は30歳を迎える。
いや、これからだろう?君が輝くのは・・・。俺の手でもっと輝かせたい・・・心からそう願う俺だった
本日の花≪梅花空木≫
お花ネタが尽きちゃいました。
明日は挙式シーンなので
薔薇の奥様からお借りした画像でお送りいたしますが
しばらくマジカル画像が続くかも(爆)