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Channel: ~星の欠片~
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恋の花咲かせましょ♪ 10

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パーティーのあった日・・・初めて正式に結婚前提の付き合いをスタートさせた俺達。

食事を済ませ彼女をマンションまで送り届けた俺だったが、もう今までとは関係が違う

しかも今日の彼女は常識を逸脱するほどの妖艶な姿だ

俺は車から降りると初めて彼女を部屋まで送っていった

もちろん素直に彼女を送り届け帰るつもりだった・・・だが、彼女が扉を開けた瞬間、発作的に彼女の部屋に

押し入ってしまった

明かりもつけない真っ暗な部屋の中・・・俺の目には不思議と口紅の剥がれ落ちた彼女の唇だけが

艶めかしく光を放ち俺を誘う

両頬に手を当てパーティーの続きの様に、彼女の額にキスを落とし・・・その後彼女の瞼に唇を移動させた

その途端・・・触れている彼女の頬が強張ったのを感じ、俺はそれ以上先に進む事をせず

彼女におやすみの挨拶をすると紳士的に彼女の部屋を去った

いくらなんでも・・・まだ早いか。

結婚相手には困らないと言ってしまった手前もあり、彼女に手の早い男と誤解を受けたくはない

自宅マンションに戻ってからも、頭の中から離れない彼女のドレスからスラリと伸びた長い脚・・・

大きく開いた肩口で華奢さを強調する鎖骨のライン

まるで思春期の男子の様に彼女の残像が俺の頭を悩ませる

翌朝になってもその熱は一向に冷めず、出先から直帰予定だった俺は

つい・・・彼女の職場まで足が向いてしまっていた

もちろん彼女と約束をしたわけではない。だが・・・もう恋人関係の俺達だ。ノンアポイントでも構わないだろう?

俺はその場所で彼女が出て来るのをじっと待った

以前合コンの時に参加していた社員達が楽しそうに帰っていく中、彼女だけはなかなか出て来ない

主任という立場上最後まで残っているのか・・・はたまたシン社長から呼び出されているのか・・・

色々な事を想定しながらも俺は彼女を待ち続けた

彼女が出て来るのを待つ事30分・・・漸く彼女が姿を現した

ん?どうしたんだ?昨日は深紅のバラの様に胸を張り美しかった彼女が、今日は何度も溜息を吐いて

俯きながら足早に歩いて行く

俺は彼女の歩く速度に合わせ車を走らせると、彼女の横でクラクションを鳴らした

彼女はすぐ俺に気が付いた様だ。食事に行こうと誘うと嬉しそうに助手席に乗り込んだ

今日はどこに連れて行こう・・・思考を巡らせながら俺は車を発進させ、その彼女の憔悴していた理由について

問いかけた

『それで?一体何があったんだ?』
『ん?ほんの些細な事よ。』

そう言われると却って気になるのは当然だろう

『なんだ?気になるだろう?言ってみろ。』
『うん・・・じゃあ思いきって言う。会社の後輩にね・・・彼が出来たってつい自慢したら・・・
騙されているんじゃないですか?って言われて・・・』
『は・・・はぁ?』

二の句も継げない・・・君は一体後輩にどんな教育をしているんだ!

それは先輩に対して言う言葉じゃない。まぁ合コンで心付けだけ置いて去ろうとするような人のいい彼女は

ともすれば百戦錬磨の後輩の鬱憤晴らしの的となるだろう

『それで?君はどう答えたんだ?』
『人を見る目は確かよって。でも≪先輩は男を見る目は養われていませんよ!!
一度逢わせてください。私が品定めしてあげます!
ひょっとしたら貢がせるつもりかも。何か目的があるに違いありませんっ!≫って言うものだから・・・』
『つまりは・・・俺と付き合っているとは言わなかったと?』
『言える筈ない!そんなこと自慢げに言ったら、もっと酷いこと言われそう・・・』
『っつ・・・弱気なんだな。しかも貢がせるつもり?あるわけないだろう?俺は君より相当年収は高い筈だ。
それに・・・結婚したら、社内でも秘密にしてある俺の立場を明らかにして
役員に就任するつもりだ。貢がせる筈ないだろう?』

彼女はまだ釈然としない顔をしている

『もしかして・・・私の父と何か仕事上の取引の約束があるとか?
でなきゃこんなお局を嫁に貰おうなんて殊勝な考えは起こさないかも。
キスだって瞼だったし・・・何か考えがあってのことなのかもって・・・ゴニョゴニョ・・・・』

キスーーー?君が身体を強張らせるから、あれで我慢して去った俺なのにそこを追及してくるのか?

俺の頭の中で何かが弾け飛んでしまったようだ

『なら・・・君は俺がこのまま自分のマンションに君を連れて行って、今夜は帰さないと言ってもいいのか?』
『えっ・・・・?それは・・・ダメ。』

彼女は俺のいきなりの帰さない発言に相当驚いてしまったようで、膝の上に置いた手をぎゅっと握りしめた

極端な言葉を言ってしまった。大人げない・・・俺は少し反省する。折角彼女のペースに合わせて来たというのに

これでは台無しだ

俺はそっと右手を伸ばし彼女の頭に手を置く

『冗談だ。だが俺も男だから、あまり挑発的な事は言わない方がいい。
それにシン社長と何か裏取引があるなんて事は絶対にない。
見合いを頼まれたことは事実だが、結婚を決めたのは俺の意思だ。
ここまで言っても・・・信じて貰えないのか?』

彼女は緊張から解き放たれたように俺に視線を向け何度も頷いた

『信じるわ。信じる。もう・・・子供っぽい事は言わない。ごめんなさい。』
『解ってくれればいい。』
『でも・・・解らないことが一つ。』
『なんだ?言ってみろ。』
『いつ頃から・・・私を・・・そのっ・・・・』

口ごもる彼女に俺ははっきり言い直してやった

『好きだったか・・・か?』
『うん・・・』
『君と逢うようになって一カ月も経たない頃、君は熱を出しただろう?
もうその時には放っておけない存在になっていた。君は?』
『えっ?そんなに前?私・・・私はね、最初から期限を決めていたでしょう。
だからいいところ見せようとか全く思っていなくて、ありのままの自分を見せていたのね。
熱を出した時・・・もうすぐ一カ月が終わっちゃうって思ったら身体中の力が抜けて熱が出たみたい。
たとえお茶を飲むだけの関係でも逢えなくなることが辛かったの。
だから・・・あの日、シン君が期間延長してくれたでしょう?
その言葉を聞いたら、あっという間に熱が下がっちゃって・・・置いて行ってくれたお粥、すごく美味しかったの♪』
『そんなに前?』
『うん・・・もっと早く勇気を出せばよかったけど、ほら・・・シン君は≪結婚相手に困らない≫って言っていたから
私じゃあ役不足かなって・・・』
『チェギョン・・・役不足な女性に結婚したいとは言わないだろう?』

初めて出逢った日、あんな言葉を投げつけなければよかった

そうしていたらもっと早く彼女と向き合えたのに・・・

彼女はまだ自分がいかに魅力的な女性なのかを知らない。俺の目にどんなにセクシーに映っているか

その辺りは徐々に教えていかないとな・・・

イメージ 1
本日の花≪シラン≫

あれ?食事にも行っていないのに
お話終わっちゃったよ。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!

明日は家庭訪問なので
更新が遅くなっちゃうかもです。










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