彼が・・・結婚する気はないと言っていた彼が、結婚相手には困らないと言っていた彼が・・・私を選んでくれた
私はもう天にも昇る気分で彼と一緒にパーティー会場を出ると、彼の愛車に乗り込んだ
シートベルトを確認していた時、ふわりと私の膝に彼のスーツの上着が掛けられた
『チェギョン・・・脚が寒そうだ。これを掛けておいたらいい。それに・・・運転中目の毒だ。くくっ・・・』
『あっ…ありがとう。』
彼の好意に甘えて上着で脚を覆った
母に言われ渋々着てきた深紅の大胆なドレスだけど、少しは女性として見て貰えたのが嬉しい・・
ん?女性として見ていなきゃ≪結婚≫なんて言葉を口にしないよね?
彼の周りに居る若くてピチピチしたお嬢さんじゃなく、私を選んだ理由って今一つ解らないけど
極上の結婚相手をゲットできたことで、私は安堵とこの上ない幸せな気分に浸っていた
でも・・・それまでに歩んできた恋愛不適合体質な私は、つい彼にこんな質問を投げかけてしまう
『ねえ・・・?私の両親もあなたのご両親もあの場に居たのよ。本当に…後悔しない?』
『後悔するくらいなら、あの場所で君の手を取らないだろう?
それにあの場所で良家の子息に囲まれた君を見て
正直いい気分じゃなかった。』
『いい気分じゃなかった?くすくす・・・きっとね、この外見に惑わされたのよ。年齢を聞かれて答えたら
スゥ~~って消えて私の周りには誰も居なくなったわ。』
私がそう答えると彼は呆れた様な顔で溜息を吐いた
『そうとは限らないだろう?君の周りには俺達より年上の男性もいた筈だ。
そんな後からしゃしゃり出てきたような奴に、君を奪われるのも面白くなかったしな。』
悪い気はしない・・・こんな言葉を言われて嫌な気分になる女性はいない。増してその言葉を言っているのは
他の誰でもないイ・シンだ
『ありがとう。私の捨て身の攻撃は、少しは効果があったみたい。』
『くくっ・・・あぁ、効果抜群だった。』
しかし私は・・・どうもこう甘い言葉などを言われる事に慣れていない。いちいち照れて困った顔してしまうのが
自分でもよく解る
その証拠にちょっとでも彼がドキドキする様なセリフを吐こうものなら、私の体温は急上昇し
恐らく茹でダコの様な顔にっているんだろう
恥ずかしいな・・・心の中で笑っていないかしら
今まで自分が彼の眼中にないと思っていたから素のままの自分を曝け出せた
でも今日からは違う。すごく意識してしまう。
あ・・・だけど今更取り繕っても、もう私と言う人間は彼にすっかり見られているんだったわ。
食事をした後マンションまで送り届けてくれた時、私は送って貰った感謝とその他全ての事に対する感謝を告げ
車から降りた
いつもは手を振って彼の車を見送るのが私の常となっていた
でも今日は違った。驚いた事に彼は車から降りて来た
『シン君・・・どうしたの?』
『部屋の前まで送る。部屋に入るのを見届けないと心配で敵わない。』
くぅ~~~っ・・・・なんて憎いセリフを言ってくれちゃうの?私の頬はとんでもなく紅潮していたに違いない
シン君と並んで歩き出すと、シン君は私の肩に自分の上着を羽織らせた
『途中マンションの住人と出くわした時、その格好は刺激が強いからな。』
確かに・・・襲ってくださいと言っている様なものだわ
シン君の好意に甘え部屋の前に辿りついた時、私は部屋の鍵を開けた
こう言う時って・・・≪コーヒーでも飲んで行かない?≫って聞くのがマナーかしら・・・
でも・・・ふしだらって思われる?
迷っているうちに部屋の扉を開けていた私。すると彼は部屋の中に一緒に入り、後ろ手でドアを閉めた
えっ・・・あまりの動揺に部屋の電気のスイッチがどこにあるかさえ解らなくなる私
手探りな状態のまま彼の手はそんな私の両肩を掴むと、それからその手を両頬に移動させた
もっ・・・もっ・・・・もしかして・・・キスされる?
その時の私の心拍数たるや、恐らく正常な人間のものではなかっただろうと思う
暗闇の中、彼の唇が私の額に触れた・・・それから私の右の瞼に触れた
来るっ・・・・来ちゃうの?とうとう?苦節29年初めてのキスがーーーーー!!
ところが・・・
『じゃあおやすみ。また連絡する。』
彼の温かな両手は私の頬を離れ、そのあと扉が開き彼は去っていく
『しっ・・・シン君・・・気をつけて帰ってね~~~!!』
玄関に力なくへなへなと座り込みながら、私は去っていく彼に声を掛けた・・・はぁ・・・
もぉっ・・・免疫が無いんだからあまりドキドキさせないで欲しいわっ!
翌日普段通りに出社した私。自分でも無意識だったけど、彼の存在が恋人になったことで私の人生は薔薇色に
染まったみたい
目ざとい後輩は受付カウンターに座るなり私の顔を凝視する
『チェギョン先輩~~♪どうしたんです?今日・・・すごくお化粧のノリがいいみたい。
それに鼻歌なんか歌ってご機嫌もいいなんて・・・』
う~~~口がむずむずする。話したい。少しぐらいなら話してもいいかな~♪
『ふふふ・・・彼が出来たの♪』
『えっ・・・・?』
絶句する後輩。私に彼が出来たことが・・・そんなに可笑しい?
後輩は眉根を顰めて私に苦言を呈す
『先輩~ダメですよ。先輩は純粋なんですから、変な男に騙されちゃあ~~。
ひょっとしてボランティア精神で付き合う事になったかもしれないし・・・』
『そんなこと・・・無いわよ。人を見る目は確かよ!』
『いえいえ先輩は男を見る目は養われていませんよ!!一度逢わせてください。私が品定めしてあげます!
ひょっとしたら貢がせるつもりかも。何か目的があるに違いありませんっ!』
なんておせっかいな後輩なの?その相手がイ・シンだって知ったら彼女ビックリするわ。
それとも更に騙されているって言うかしら。
でも・・・両親の前ではっきり結婚の意思をアピールしたのよ。そんな筈ないわ。
あ・・・昨晩、キスしなかった・・・キスしたくなるほど魅力的じゃない・・・のかも・・・
時間が経つにつれどんどん自信を失くして行く私
帰る頃にはどっぷり落ち込みモードの私が出来上がっていた
ロッカールームで着替えを済ませ、社員用通用口から出てバス停に向かって歩く私
なんだか朝の気分とは打って変わって、足元を見つめながら俯いて歩く
その時私の横で車のクラクションの音がする
驚いて顔を上げてみると彼だ♪
『シン君♪』
『どうしたんだ?何か嫌なことでもあったのか?食事に行こう。』
『うん♪』
満面の笑みで彼の車に乗り込んだ私・・・彼の本心を知るのは怖い・・・でもはっきり聞いて置きたい
彼の気持ちを知りたい・・・
私の恋の蕾・・・臆病でなかなか開かない
私はもう天にも昇る気分で彼と一緒にパーティー会場を出ると、彼の愛車に乗り込んだ
シートベルトを確認していた時、ふわりと私の膝に彼のスーツの上着が掛けられた
『チェギョン・・・脚が寒そうだ。これを掛けておいたらいい。それに・・・運転中目の毒だ。くくっ・・・』
『あっ…ありがとう。』
彼の好意に甘えて上着で脚を覆った
母に言われ渋々着てきた深紅の大胆なドレスだけど、少しは女性として見て貰えたのが嬉しい・・
ん?女性として見ていなきゃ≪結婚≫なんて言葉を口にしないよね?
彼の周りに居る若くてピチピチしたお嬢さんじゃなく、私を選んだ理由って今一つ解らないけど
極上の結婚相手をゲットできたことで、私は安堵とこの上ない幸せな気分に浸っていた
でも・・・それまでに歩んできた恋愛不適合体質な私は、つい彼にこんな質問を投げかけてしまう
『ねえ・・・?私の両親もあなたのご両親もあの場に居たのよ。本当に…後悔しない?』
『後悔するくらいなら、あの場所で君の手を取らないだろう?
それにあの場所で良家の子息に囲まれた君を見て
正直いい気分じゃなかった。』
『いい気分じゃなかった?くすくす・・・きっとね、この外見に惑わされたのよ。年齢を聞かれて答えたら
スゥ~~って消えて私の周りには誰も居なくなったわ。』
私がそう答えると彼は呆れた様な顔で溜息を吐いた
『そうとは限らないだろう?君の周りには俺達より年上の男性もいた筈だ。
そんな後からしゃしゃり出てきたような奴に、君を奪われるのも面白くなかったしな。』
悪い気はしない・・・こんな言葉を言われて嫌な気分になる女性はいない。増してその言葉を言っているのは
他の誰でもないイ・シンだ
『ありがとう。私の捨て身の攻撃は、少しは効果があったみたい。』
『くくっ・・・あぁ、効果抜群だった。』
しかし私は・・・どうもこう甘い言葉などを言われる事に慣れていない。いちいち照れて困った顔してしまうのが
自分でもよく解る
その証拠にちょっとでも彼がドキドキする様なセリフを吐こうものなら、私の体温は急上昇し
恐らく茹でダコの様な顔にっているんだろう
恥ずかしいな・・・心の中で笑っていないかしら
今まで自分が彼の眼中にないと思っていたから素のままの自分を曝け出せた
でも今日からは違う。すごく意識してしまう。
あ・・・だけど今更取り繕っても、もう私と言う人間は彼にすっかり見られているんだったわ。
食事をした後マンションまで送り届けてくれた時、私は送って貰った感謝とその他全ての事に対する感謝を告げ
車から降りた
いつもは手を振って彼の車を見送るのが私の常となっていた
でも今日は違った。驚いた事に彼は車から降りて来た
『シン君・・・どうしたの?』
『部屋の前まで送る。部屋に入るのを見届けないと心配で敵わない。』
くぅ~~~っ・・・・なんて憎いセリフを言ってくれちゃうの?私の頬はとんでもなく紅潮していたに違いない
シン君と並んで歩き出すと、シン君は私の肩に自分の上着を羽織らせた
『途中マンションの住人と出くわした時、その格好は刺激が強いからな。』
確かに・・・襲ってくださいと言っている様なものだわ
シン君の好意に甘え部屋の前に辿りついた時、私は部屋の鍵を開けた
こう言う時って・・・≪コーヒーでも飲んで行かない?≫って聞くのがマナーかしら・・・
でも・・・ふしだらって思われる?
迷っているうちに部屋の扉を開けていた私。すると彼は部屋の中に一緒に入り、後ろ手でドアを閉めた
えっ・・・あまりの動揺に部屋の電気のスイッチがどこにあるかさえ解らなくなる私
手探りな状態のまま彼の手はそんな私の両肩を掴むと、それからその手を両頬に移動させた
もっ・・・もっ・・・・もしかして・・・キスされる?
その時の私の心拍数たるや、恐らく正常な人間のものではなかっただろうと思う
暗闇の中、彼の唇が私の額に触れた・・・それから私の右の瞼に触れた
来るっ・・・・来ちゃうの?とうとう?苦節29年初めてのキスがーーーーー!!
ところが・・・
『じゃあおやすみ。また連絡する。』
彼の温かな両手は私の頬を離れ、そのあと扉が開き彼は去っていく
『しっ・・・シン君・・・気をつけて帰ってね~~~!!』
玄関に力なくへなへなと座り込みながら、私は去っていく彼に声を掛けた・・・はぁ・・・
もぉっ・・・免疫が無いんだからあまりドキドキさせないで欲しいわっ!
翌日普段通りに出社した私。自分でも無意識だったけど、彼の存在が恋人になったことで私の人生は薔薇色に
染まったみたい
目ざとい後輩は受付カウンターに座るなり私の顔を凝視する
『チェギョン先輩~~♪どうしたんです?今日・・・すごくお化粧のノリがいいみたい。
それに鼻歌なんか歌ってご機嫌もいいなんて・・・』
う~~~口がむずむずする。話したい。少しぐらいなら話してもいいかな~♪
『ふふふ・・・彼が出来たの♪』
『えっ・・・・?』
絶句する後輩。私に彼が出来たことが・・・そんなに可笑しい?
後輩は眉根を顰めて私に苦言を呈す
『先輩~ダメですよ。先輩は純粋なんですから、変な男に騙されちゃあ~~。
ひょっとしてボランティア精神で付き合う事になったかもしれないし・・・』
『そんなこと・・・無いわよ。人を見る目は確かよ!』
『いえいえ先輩は男を見る目は養われていませんよ!!一度逢わせてください。私が品定めしてあげます!
ひょっとしたら貢がせるつもりかも。何か目的があるに違いありませんっ!』
なんておせっかいな後輩なの?その相手がイ・シンだって知ったら彼女ビックリするわ。
それとも更に騙されているって言うかしら。
でも・・・両親の前ではっきり結婚の意思をアピールしたのよ。そんな筈ないわ。
あ・・・昨晩、キスしなかった・・・キスしたくなるほど魅力的じゃない・・・のかも・・・
時間が経つにつれどんどん自信を失くして行く私
帰る頃にはどっぷり落ち込みモードの私が出来上がっていた
ロッカールームで着替えを済ませ、社員用通用口から出てバス停に向かって歩く私
なんだか朝の気分とは打って変わって、足元を見つめながら俯いて歩く
その時私の横で車のクラクションの音がする
驚いて顔を上げてみると彼だ♪
『シン君♪』
『どうしたんだ?何か嫌なことでもあったのか?食事に行こう。』
『うん♪』
満面の笑みで彼の車に乗り込んだ私・・・彼の本心を知るのは怖い・・・でもはっきり聞いて置きたい
彼の気持ちを知りたい・・・
私の恋の蕾・・・臆病でなかなか開かない
本日の花≪芝桜≫
皆様~~長きのお休みありがとうございました❤
今週家庭訪問もございますが
ガンガンお話進めて参りますので
またどうぞよろしく~~❤
皆様~~長きのお休みありがとうございました❤
今週家庭訪問もございますが
ガンガンお話進めて参りますので
またどうぞよろしく~~❤