キッチンに母と彼女が並んで立ち、何やら楽しそうに料理をする姿は見ていて決して不愉快なものじゃなかった
それでも彼女は俺の顔色を窺う様に、楽しそうに笑い合いその後何度もチラチラと俺を振り向いて見ている
そんなにおどおどする事はないのに・・・その言葉を彼女に言ったなら彼女はどんな反応するのだろう
彼女はなかなか手際が良いようで、母は何度も感嘆の声を上げる
『まぁ~チェギョンさん上手♪』
『あらっ・・・私が作るより美味しいんじゃないの?おほほほほ~♪』
上機嫌な母・・・そんな母を見て俺は不思議に思った
学生時代どんな女性を連れて来ても、いつも目尻をキッと吊上げその女性の粗探しを始める母
もちろん彼女を連れてきたのではない。サークルの仲間男女複数とだ
どんなに気の回る子でも容姿が美しい子でも、母はあからさまに嫌な顔をした
なのになんだ?このシン・チェギョンへの大歓迎な応対は・・・
俺は食事の支度が出来るまで二人の話に聞き耳を立てていた
『それで?チェギョンさんのご趣味は?』
オイオイ・・・俺より母の方が見合い相手みたいだ
『料理を作ったり食べたりする事です。』
『お料理教室に通われたんでしょう?』
『いいえ。教わっていないので自己流なんです。』
『うんまぁ~~自己流でこれだけなさるの?素晴らしいわ~♪
それで・・・チェギョンさんはお花とか好き?』
『あ・・・はい。すごく好きです。今はマンションなので育てていませんが、実家に居る頃は、お花の手入れとか
私がしていました。』
『あら~~~♪良かった。私もお花が大好きなのよ。だからほら~うちのお庭・・お花でいっぱいでしょう?』
彼女はそんな物、見ている余裕はなかったと思うぞ。なにせ家から出てきた時には必死で隠れていたものな。
『あ・・・はい~♪色とりどりのお花が綺麗に手入れされていて、とても素敵だと思いました。』
『好きなものも一緒なんてすごく嬉しいわ。』
オイオイ・・・母さん、彼女の事がそんなに気に入ったのか?
そうだ・・・そう言えば俺は、彼女と初対面の日・・・そう言ったセオリー通りの質問など何もせずに
即座に見合いを断ろうとしたんだった
チェギョンの趣味が料理だなんて知らなかったな。あ…そう言えばジャージャー麺食べるって言っていたな
やがて母と彼女はトレーに載せた料理を次々と運んでくる
『見て~~シン!これチェギョンさんのお手製よ。美味しいの~~♪』
確かに見た目はすごく美味しそうに見えるが、料理なんてものは見た目では分からない
三人分の料理がテーブルに並び、俺達は食事を摂り始めた
『母さん、父さんはまだ?』
『ええ。お父さんは今夜接待でね~。残念だわ~折角チェギョンさんの作った美味しい手料理が
食べられたと言うのに・・・』
母がそこまで言うのだから本当なんだろう。俺はまずその彼女の作った料理とやらに手をつけた
ん?確かに美味い・・・意外な特技を持っているんだなシン・チェギョン
食事をしながら段々母の思惑が見えてきた俺・・・
『もぉ~~チェギョンさん、趣味まで一緒なんですもの~すごく嬉しいわ。
一緒にお料理作って一緒にお花植えて~~、たまにはショッピングなんて言うのもいいわね♪』
『はい~~♪』
はぁ?母さんそれはひょっとして・・・結婚して同居のビジョンを話しているのか?
シン・チェギョン、君もだ!何を母に同調しているんだ!母と結婚する気か?
いや・・・そうではなさそうだ。彼女は母と友人の様なつもりで話しをしているんだ
母さんは・・・どうやら彼女が相当気に入ったらしく、満面の笑みを崩さない
こんなに機嫌のいい母さんは初めて見たかもしれない。
『また近いうち遊びに来てね♪』
『はいっ♪』
帰り間際再会の約束をする二人に呆れながら、俺達は車に乗り込んだ
車が走り出し実家の敷地を出た辺りで彼女は俺に話しかけた
『あのっ・・・シン君ごめんなさい。なんだか馴れ馴れしい態度取っちゃって・・・』
ほらな。きっとそうだろうと思った
『いや別に構わない。母も楽しそうだったし・・・』
『あ・・・約束を破るつもりはないから安心して。』
『あぁ・・・』
約束を破るつもりはない・・・なんだかこの言葉が癪に障る
まだ結婚なんかする気は全くなかった。だが・・・少し考えてもいいかもしれないと思った矢先に、
聞かされた彼女の本心はそんなところだ
つまり・・・三か月逢うだけでいい・・・ただそれだけの関係だ
そう割り切ろうとした。なのに胸の中がざわつくんだ
約束の三か月の間、彼女は母からの呼び出しでもう一度実家を訪れた
だが・・・必ず帰る車の中で≪約束は守る≫と言い切った
俺には彼女の本心など、まったく見えていなかったのかもしれない
約束の三か月終了間際・・・俺は財界のお偉いさんが開催したパーティーに両親と来ていた
彼女も両親や弟と共に来ると聞いていた
もちろん俺はその会場に入るなり、財界の娘たちに取り囲まれた
彼女は・・・どこだろう。もう来てもいい筈だが・・・
俺は気が付くとその広い会場の中で彼女の姿を探していた
何やら入口の方面からどよめきが起こる。俺もその方向に視線を向けた
彼女だ!本当に・・・彼女なのか?
日頃どちらかと言うと目立たないファッションで、行動も控えめな彼女
そんな彼女が深紅のドレスを纏い入口から堂々と入場したのだ
いや・・・恐らくご両親や弟も一緒だろうが、俺の目にはその彼女の姿しか映っていなかった
珍しい事にそのドレスの前部分は膝上丈で、それを長く引きずるデザインになっているのだが
ドレスから覗いた綺麗な脚に、俺の心臓は跳ね上がらんばかりだった
一瞬彼女と俺は視線がぶつかった。彼女は柔らかく会釈だけして俺に近づいて来ようともしない
そしてあっという間に彼女の周りに財界の子息たちが群がり始める
(ここで君は、将来の伴侶を見つけようって言う魂胆か?)
俺は訳のわからない苛立ちを募らせ、彼女から目を逸らした・・・
その時、丁度横に立っていたミン・ヒョリンが俺に腕を絡めた
『シン・・・漸く帰って来られたの。今日はあなたを一人占めできるかなって思って。
ね・・踊って。私の気持ちは大学時代から何も変わっていないわ。』
確かにかミン・ヒョリンから熱烈なプロポーズをされたことがあった・・・だが大昔の事だ
その手を取るべきか迷っている時・・・俺の耳に彼女の声が飛び込んでくる
『ちょっと待ったーーー!!』
思わず振り向いた俺に向かって、シン・チェギョンはドレスから長い脚を覗かせながら
俺に向かって歩いて来た
いや、歩くと言うには早すぎる速度だ
俺は彼女のドレスから更に覗くその長い脚に、釘づけになってしまった
それでも彼女は俺の顔色を窺う様に、楽しそうに笑い合いその後何度もチラチラと俺を振り向いて見ている
そんなにおどおどする事はないのに・・・その言葉を彼女に言ったなら彼女はどんな反応するのだろう
彼女はなかなか手際が良いようで、母は何度も感嘆の声を上げる
『まぁ~チェギョンさん上手♪』
『あらっ・・・私が作るより美味しいんじゃないの?おほほほほ~♪』
上機嫌な母・・・そんな母を見て俺は不思議に思った
学生時代どんな女性を連れて来ても、いつも目尻をキッと吊上げその女性の粗探しを始める母
もちろん彼女を連れてきたのではない。サークルの仲間男女複数とだ
どんなに気の回る子でも容姿が美しい子でも、母はあからさまに嫌な顔をした
なのになんだ?このシン・チェギョンへの大歓迎な応対は・・・
俺は食事の支度が出来るまで二人の話に聞き耳を立てていた
『それで?チェギョンさんのご趣味は?』
オイオイ・・・俺より母の方が見合い相手みたいだ
『料理を作ったり食べたりする事です。』
『お料理教室に通われたんでしょう?』
『いいえ。教わっていないので自己流なんです。』
『うんまぁ~~自己流でこれだけなさるの?素晴らしいわ~♪
それで・・・チェギョンさんはお花とか好き?』
『あ・・・はい。すごく好きです。今はマンションなので育てていませんが、実家に居る頃は、お花の手入れとか
私がしていました。』
『あら~~~♪良かった。私もお花が大好きなのよ。だからほら~うちのお庭・・お花でいっぱいでしょう?』
彼女はそんな物、見ている余裕はなかったと思うぞ。なにせ家から出てきた時には必死で隠れていたものな。
『あ・・・はい~♪色とりどりのお花が綺麗に手入れされていて、とても素敵だと思いました。』
『好きなものも一緒なんてすごく嬉しいわ。』
オイオイ・・・母さん、彼女の事がそんなに気に入ったのか?
そうだ・・・そう言えば俺は、彼女と初対面の日・・・そう言ったセオリー通りの質問など何もせずに
即座に見合いを断ろうとしたんだった
チェギョンの趣味が料理だなんて知らなかったな。あ…そう言えばジャージャー麺食べるって言っていたな
やがて母と彼女はトレーに載せた料理を次々と運んでくる
『見て~~シン!これチェギョンさんのお手製よ。美味しいの~~♪』
確かに見た目はすごく美味しそうに見えるが、料理なんてものは見た目では分からない
三人分の料理がテーブルに並び、俺達は食事を摂り始めた
『母さん、父さんはまだ?』
『ええ。お父さんは今夜接待でね~。残念だわ~折角チェギョンさんの作った美味しい手料理が
食べられたと言うのに・・・』
母がそこまで言うのだから本当なんだろう。俺はまずその彼女の作った料理とやらに手をつけた
ん?確かに美味い・・・意外な特技を持っているんだなシン・チェギョン
食事をしながら段々母の思惑が見えてきた俺・・・
『もぉ~~チェギョンさん、趣味まで一緒なんですもの~すごく嬉しいわ。
一緒にお料理作って一緒にお花植えて~~、たまにはショッピングなんて言うのもいいわね♪』
『はい~~♪』
はぁ?母さんそれはひょっとして・・・結婚して同居のビジョンを話しているのか?
シン・チェギョン、君もだ!何を母に同調しているんだ!母と結婚する気か?
いや・・・そうではなさそうだ。彼女は母と友人の様なつもりで話しをしているんだ
母さんは・・・どうやら彼女が相当気に入ったらしく、満面の笑みを崩さない
こんなに機嫌のいい母さんは初めて見たかもしれない。
『また近いうち遊びに来てね♪』
『はいっ♪』
帰り間際再会の約束をする二人に呆れながら、俺達は車に乗り込んだ
車が走り出し実家の敷地を出た辺りで彼女は俺に話しかけた
『あのっ・・・シン君ごめんなさい。なんだか馴れ馴れしい態度取っちゃって・・・』
ほらな。きっとそうだろうと思った
『いや別に構わない。母も楽しそうだったし・・・』
『あ・・・約束を破るつもりはないから安心して。』
『あぁ・・・』
約束を破るつもりはない・・・なんだかこの言葉が癪に障る
まだ結婚なんかする気は全くなかった。だが・・・少し考えてもいいかもしれないと思った矢先に、
聞かされた彼女の本心はそんなところだ
つまり・・・三か月逢うだけでいい・・・ただそれだけの関係だ
そう割り切ろうとした。なのに胸の中がざわつくんだ
約束の三か月の間、彼女は母からの呼び出しでもう一度実家を訪れた
だが・・・必ず帰る車の中で≪約束は守る≫と言い切った
俺には彼女の本心など、まったく見えていなかったのかもしれない
約束の三か月終了間際・・・俺は財界のお偉いさんが開催したパーティーに両親と来ていた
彼女も両親や弟と共に来ると聞いていた
もちろん俺はその会場に入るなり、財界の娘たちに取り囲まれた
彼女は・・・どこだろう。もう来てもいい筈だが・・・
俺は気が付くとその広い会場の中で彼女の姿を探していた
何やら入口の方面からどよめきが起こる。俺もその方向に視線を向けた
彼女だ!本当に・・・彼女なのか?
日頃どちらかと言うと目立たないファッションで、行動も控えめな彼女
そんな彼女が深紅のドレスを纏い入口から堂々と入場したのだ
いや・・・恐らくご両親や弟も一緒だろうが、俺の目にはその彼女の姿しか映っていなかった
珍しい事にそのドレスの前部分は膝上丈で、それを長く引きずるデザインになっているのだが
ドレスから覗いた綺麗な脚に、俺の心臓は跳ね上がらんばかりだった
一瞬彼女と俺は視線がぶつかった。彼女は柔らかく会釈だけして俺に近づいて来ようともしない
そしてあっという間に彼女の周りに財界の子息たちが群がり始める
(ここで君は、将来の伴侶を見つけようって言う魂胆か?)
俺は訳のわからない苛立ちを募らせ、彼女から目を逸らした・・・
その時、丁度横に立っていたミン・ヒョリンが俺に腕を絡めた
『シン・・・漸く帰って来られたの。今日はあなたを一人占めできるかなって思って。
ね・・踊って。私の気持ちは大学時代から何も変わっていないわ。』
確かにかミン・ヒョリンから熱烈なプロポーズをされたことがあった・・・だが大昔の事だ
その手を取るべきか迷っている時・・・俺の耳に彼女の声が飛び込んでくる
『ちょっと待ったーーー!!』
思わず振り向いた俺に向かって、シン・チェギョンはドレスから長い脚を覗かせながら
俺に向かって歩いて来た
いや、歩くと言うには早すぎる速度だ
俺は彼女のドレスから更に覗くその長い脚に、釘づけになってしまった
本日の花・・今日もすみません≪マジカルキューティー3号≫
もうね~~草取り稼業が忙しくって
更新遅くなりました。
本日は我が家の音読皇子が
音読添削してくれたんです。
途中途中の変換ミスに爆笑してました。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
もうね~~草取り稼業が忙しくって
更新遅くなりました。
本日は我が家の音読皇子が
音読添削してくれたんです。
途中途中の変換ミスに爆笑してました。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!