学園祭を数日後に控えたある日・・・チェギョンとシンが日に日に親密になっていくのが面白くなかったヒョリンは
その日の朝チェギョンの教室を訪れていた
ヒスンやスニョンはきっと自分の味方をしてくれるものと信じて疑わないヒョリンだった
『チェギョン・・・ちょっといい?』
『あ・・・ヒョリン。どうしたの?』
『どうしたのじゃないわよ。あなた一体どういうつもり?私の気持ちを知っていて、シンと親しくするなんて・・・
それって友達としてどうなの?』
『えっ?私はただシン君と話ができるようになっただけ・・・』
『そうかしら。おとなしい顔をして、シンを横取りしようとしているようにしか見えないわ。』
見るに見かねたガンヒョンは、二人の間に割って入った
『ヒョリン!アンタ言い過ぎよ。』
『言い過ぎ?友達ヅラして隙を狙っているだなんて、やることが陰湿だわ。ヒスンやスニョンもそう思うでしょう?』
いつもの仲間が知らぬ間に集まっていた
少し呆れ顔のヒスンはヒョリンに言った
『あのさヒョリン・・・確かにあんたを応援するとはいったけどさぁ~
シン君は、あんたの彼氏ってわけじゃないよね?』
『すぐそうなるわ。』
『あんたのその自信満々なとこ結構鼻につくんだよね。』
『えぇっ?どういう意味?』
『あたしやスニョンだってシン君のことカッコいいなって思ってるし。チェギョンがシン君を見ていたのなんか
あんただって知っていたはずだよ。仲間内でシン君に興味が無いのは、物好きなガンヒョンくらいだよ。』
『今更そんなこと・・・』
『今更も何もないよ。あんたは人の気持なんか見て見ぬふりしてたじゃん。
それでいてチェギョンの事攻めるなんてお門違いだよ。』
『酷い・・・』
『傷ついたふりするのやめなよ。自信があるんでしょう?シン君を射止めるって・・・
あたし達はもう応援しないけどせいぜい頑張ってよ。』
『今になってそんなこと言うなんて酷い裏切りだわ!!』
一人激高し走り去っていったヒョリン
ガンヒョンは笑顔を浮かべヒスンの肩を叩いた
『良く言った。ヒスン。』
『いつまでもヒョリンのいいなりになんか、なってらんないよ。』
『ところでアタシが物好きって言うのは…どういう意味?』
『ガンヒョン~♪しらばっくれないでよ。昨日見ていたよ。ギョン君に告白されて頷いていたの。』
『えっ!///マジで?///』
『ガンヒョンの乙女な姿~見せて貰った~~♪』
『ヒスン~~!待ちなさい!』
ガンヒョンとヒスンがじゃれ合っている時、スニョンはチェギョンに話しかけた
『チェギョン・・・シン君と話ができるようになって良かったね。』
『ひょっとして気がついてた?』
『解らない方がおかしいよ。シン君にだけでしょ?話しかけられて逃げちゃうのは・・・あんたも好きなんだって
とっくに気が付いてたよ。』
『そっか~シン君はモテるんだね。』
『あ~でもあたしとヒスンはシン君の彼女になりたいとは思わないから告白なんかしないよ。』
『えっ?どうして?』
『あんな美形の男を彼氏にしたら、周りのやっかみが酷そうだもん。』
『確かにね。あはは~~♪』
『チェギョン・・・あんたも告白してみたら?』
『えっ?でもぉ・・・』
『宣言したのが先か後かなんて関係ないじゃん。要はシン君の気持ち次第だよ。』
『うん・・・』
しかしヒョリンが告白すると知っている以上、チェギョンは自分から告白することに躊躇していた
かといってシンから告白される自信は全くなかった・・・
そして学園祭当日がやってきた
ヒョリンが告白すると言っていたのは後夜祭だ
だからそれまでにチェギョンは、できる限りのアプローチをしようと思いガンヒョンと共に写真部の部室に行った
『おっ?来たな~おふたりさん♪』
満面の0笑みでガンヒョンに駆け寄るギョン
チェギョンは部室の中にシンがいないかきょろきょろと視線を漂わせた
するとシンはどこかに行っていたらしく、今まさに部室に入って来るところだった
『シン君♪』
『チェギョンここにいたのか?今、美術部に行ってきたんだ。でもお前がいないから・・・探してた。』
『えっ?そうだったんだ。行き違っちゃったんだね。』
『俺の作品を見せるよ。』
『うん♪』
シンに促され展示してある写真を見て回っていた時・・・その場にヒョリンが現れた
『チェギョン・・・悪いんだけど少し外して貰える?』
『えっ?・・・う・・・うん・・・』
ヒョリンはシンの前に立つと満面の笑みを浮かべた
『シン…今まで仲間内で親しくして貰っていたけど、私…もうそろそろあなたとの関係をはっきりさせたいの。
お付き合いしてください。』
シンの頭の中に母の言葉が過る
(あぁ・・・母さんの占いが現実になった。チェギョンは?あぁ・・・部室の扉のところで泣きそうな顔して
こっちを見てる。)
シンはヒョリンに視線を戻すときっぱりと告げた
『悪いなヒョリン。俺はお前に対して友達以上の気持ちがない。俺にはほかに好きな子がいるから・・・』
『えっ?シン・・・』
シンはヒョリンの前を離れると、部室の扉のところで俯いているチェギョンの前に立った
『チェギョン・・・ずっと前から気になっていたんだ。俺と付き合ってほしい。』
『えっ?・・・』
(返事しなきゃ・・・すぐに返事しなきゃ・・・
でも勇気がない。そうだ・手首に勇気の出る香水をつけてきたんだった。)
チェギョンは右手首を鼻先に持って行き、その香水の香りを嗅いだ
そしてシンに視線を向けた
『はい。私、ずっと・・・シン君が好きでした。』
感極まって泣き笑いの表情になってしまったチェギョンの両手を、シンは握りしめた
『じゃあ・・・今日から彼女だ。よろしくな。』
『うん♪』
カップルができるさまを見せつけられたヒョリンは、毒づきながら写真部の部室を去っていく
『ったく・・・やってらんない。』
そんな傷心のヒョリンをヒスンとスニョンは慰めた
『仕方ないよヒョリン。』
『あんたもきっといい人がいるって。』
シンの告白から恋人関係に発展した二人は、その日後夜祭までずっと一緒にいた
そして帰宅するチェギョンをシンは送ることにする
『あ・・・シン君、ちょっと寄り道してもいい?』
『あぁ構わないよ。』
出来立てのカップルは駅に続く道の裏通りを自転車を引いて歩いていく
すると・・・怪しげなアンティークショップの前で、オーナーは店じまいをするところだった
『オーナーさん♪』
チェギョンは満面の笑みでオーナーに手を振った
『チェギョンちゃ~~ん♪』
オーナーもチェギョンとシンに向かって手を振った
そこでようやくシンは気が付いた
(あぁぁ・・・だからチェギョンから母さんと同じ香水の香りがしたんだ。
チェギョンは母さんに恋愛相談をしていたってことだな。
俺達は・・・母さんの手の上で遊ばれていたんだな。くくくっ・・・
でもおかげで彼女ができたよ。母さん・・・サンキュー♪)
きっとこの先・・・このアンティークショップのオーナーが実はシンの母親だと知ったら、チェギョンは驚くどころか
顔を真っ赤に染めて困り果てる事だろう
怪しげなアンティークショップ 完
どこにでもあるような話ですが
ミン様が登場することによって
二人は付き合えることになりました~❤
めでたしめでたし~♪
たった三話の短編に
お付き合いいただき感謝いたします。
今日は・・・短編最終話だというのに
大掃除スイッチが入っちゃって
よく働いたわ。私・・・
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!