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Channel: ~星の欠片~
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怪しげなアンティークショップ 中編

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自宅に戻ったイ夫妻は、メイドたちの出迎えを受けた

『旦那様・奥様お帰りなさいませ。』
『ただいま。』
『シンは戻っているかしら?』
『はい。もうお帰りになっております。お食事はチャン・ギョン様と済ませてらしたそうです。』
『そう?シンはどこかしら?』
『リビングにいらっしゃいます。奥様・・・すぐにお食事になさいますか?』
『ええ。そうするわ・私はシンと少し話をしていくから、主人に先に食べていてもらってちょうだい。』
『かしこまりました。』

ミンは自室に上着を置いてタロットカードを手にするとリビングに向かった

リビングでは制服から私服に着替えたシンが、ソファーに腰掛けコーヒーを飲んでいた

『ただいまシン。』
『母さんお帰り。父さんも帰ったのか?』
『当然でしょう?毎日迎えrに来るんだもの。食事はギョン君と済ませたのね?』
『あぁギョンと食べたよ。』
『じゃあ少しいいかしら?』
『なに?』

ミンはシンの向かいに腰掛けると徐にタロットカードをシャッフルした

『なんだよ母さん。帰って来るなりタロット占いなのか?そんなことしているから
母さんの店は怪しいって言われるんだろう?』
『あら・・・私の店はな~~んにも怪しい事なんかしていなくってよ。おほほほ~~♪
可愛いうちの一人息子が18にもなってギョン君しか食事する相手がいないのが不憫で~~♪』
『別にそんなことはない。』
『そう?確か・・・仲のいいグループの中には女の子もいるって言ってたわよね。
その中にいい子はいないの~~?』
『いい子って言うか・・・気になる子はいる。』
『じゃあアタックあるのみじゃないの?』
『いや・・・ダメなんだ。話しかけようとすると脱兎のごとく逃げちゃうんだ。』
(まぁ~やっぱり?)

ミンは一枚タロットカードを引き、なにかを納得したような顔つきでそのカードを伏せた

『その子は・・・相当内気なタイプね。』
『女の子と話している時はとても楽しそうなのに、俺が話しかけるとダメなんだ。嫌われているのかも・・・』
『その子って目がクリクリしてて丸顔で唇は・・・そうねぽってりしているかしら?』
『母さん・・・なぜそんなことが分かる?』
『あなたの好みなんてお見通しよ。)ん~~~~ひょっとして名前の頭文字はCかしら?』
『か・・・母さん・・・なんだかそれってすごく怖いんだけど・・・・』
『(あはは~~図星だわ♪)おほほほ~だってカードがそう言ってるもの。
ん~~その子・・・きっとあなたの事、意識しすぎて話ができないのよ。』
『つまり・・・俺に気があるって事?』
『そう言うことになるわね。』

ミンはもう一枚カードを引いて、徐に険しい顔つきをする

『あぁ・・・・でも・・・ん~~?ひょっとして仲間内の中に、あなたを強力に好きな女の子がいない?』
『あぁ?・・・あぁ…確かにいる。』
『その子に気圧されて・・・あなたに好きだとは告白できそうにないわ。』
『えっ・・・どうしたらいいんだ?』
『毎日あなたから話しかけてみるべきね。』
『そうしたら…想いが通じるのか?』
『ええきっとね。でもぉ…告白はあなたからしないとダメね。そうしないと仲間内で彼女が苛められちゃう。』
『そっか…わかった。』

ミンはもう一枚タロットカードを引いた

『そうね。告白するのは学園祭の時がいいんじゃないかしら♪』
『わかった。母さんありがとう。』
(ぷぷぷぷ・・・・これでニセ占い師の種蒔きは完了よ。さぁ~チェギョンちゃん頑張るのよ~~♪
実ったら刈り取るのは~あなたの役目ですからね~~おほほほほ~~♪)

ミンが引いたタロットカードには・・・何の意味もない

まるで占い師の振りをして、シンの気持ちを聞きだし二人の関係に少しだけ風を吹き込んだのだ




翌日・・・昼休みに仲間内で集まった時・・・チェギョンはまだヒョリンが来ていないことを知りシンの前に立ってみる

今までシンの向かいに立ったことなど一度もない

だが今日は昨日アンティークショップのオーナーから貰った≪勇気の出る香水≫を一滴だけ付けたから

話しかけられるような気がしていた

しかし・・・香水の類に今まで縁のなかったチェギョンは、たった一滴でもすごく香っているような気がして

手首につけた香水を水で一度洗い流してしまったのだ

(効果ないかも・・・いや!そんなことないさ。頑張ろう!!)

『あ・・・あのシン君・・・』
『やぁチェギョン。』

ギリシャ彫刻のような整った顔が自分に向かって笑顔を向けている

(笑え!笑うんだ私・・・頑張れ!)

『こ・・・こんにち・・・は~~~~・・・・』

シンの笑顔に圧倒され笑顔を浮かべるどころか、あわあわと慌てふためきその場からチェギョンは

逃げ出してしまった

そしてそのままガンヒョンの背中に隠れてしまう始末

(あぁぁ・・・どうして私って、こんなにヘタレなんだろう~~~!)

そのうちにはヒスンやスニョン・・・ヒョリンもやってきて、チェギョンはその日話しかけるチャンスを逃した


だが・・・チェギョンのそんな行動は、シンに益々意識させる結果となったようだ

(チェギョンの奴、凄い顔して逃げて行ったけど・・・んっ?この香り…この香りって・・・)

シンはその香水の香りに覚えがあるようだ




数日後の放課後・・・チェギョンは再びアンティークショップを訪れた

<カランカラン>
『こんにちは~♪』
『あら~チェギョンちゃんいらっしゃい♪その後・・・どう?』
『あっ・・・上手く話しかけられなくって・・・』

面と向かうと逃げられてしまうことを息子から聞いていたミンである

『ダメじゃないの~~!ライバルは強敵なんでしょう?』
『はい。彼の腕にぶら下がったり平気でしています。』
『チェギョンちゃん・・・あなた。そんな光景・・・指をくわえて見てるだけ?』
『ダメですよね~~。』
『ダメに決まっているでしょう?自分でもわかっているのに、なぜ変わろうとしないの?
あなたが変わらなきゃ・・・進展は望めないのよ。』
『はいぃ~~~!』
『頑張りなさい。あなた次第よ。』
『頑張ります!!』

ミンはその日家に帰った時・・・やはり浮かない顔をしているシンに声を掛けた

『シン?どうしたの?』
『母さん・・・あいつが俺に気があるなんて…まったく感じられない。母さんの占いは外れたな。』
『シン・・・違うわ。感情をありのまま出せない人だっているものよ。あなたの方から聞きだしたらいいわ。』
『そうかな。』
『そうよ。きっかけがつかめれば、その子もきっとあなたの目を見て話せるようになるはず。』
『そうか。わかった。』

そんな風に母親が自分たちの間で奮闘していることなど知らないシンは、翌日チェギョンに問い掛けた

『チェギョン・・・』
『あっツシン君・・・』

必死に自分と視線を合わせようとしているチェギョンに逃下られない為に、シンはその腕を掴んだ

『ひっ!』

驚いたチェギョンは俯いてしまった

『チェギョン・・・お前は俺がひょっとして苦手なのか?』
『えっ?ちっ・・・違う。』
『違うなら逃げないでくれ。』
『あ・・・うん。逃げないからこの手離して・・・』
『あぁすまない。つい必死で・・・くくっ・・・』

シンは掴んだチェギョンの手を離した

『(必死?私を引き留めるのに?)あ・・・誤解させるような態度取ってゴメンね。』
『いや。誤解だったらいいんだ。』

その日を境に二人は視線を合わせられるようになった

元々シンはチェギョンに話しかける時、いつもチェギョンの目を見ていたのだが・・・チェギョンは漸くその勇気が

もてたようだ

だが・・・二人のそんな様子を、ヒョリンは爪を噛みながら見つめていた




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千葉にお住いの皆様・・・
今朝6時半過ぎ、次男君は無事ご帰還いたしました。
行きは圏央道を使って遠回りしたそうですが
帰りはナビに導かれ首都高レーシングしたらしい・・・
次男君の成長を見た思いでした。
首都高走っちゃうなんて・・・後から知ってよかった。
今夜はぐっすり眠れそうです。
ご心配いただきありがとうございました❤


じれったい話で~ごめんね。
あと一話お付き合いくださいね❤


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