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Channel: ~星の欠片~
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あなたのしもべ 24

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いつまでも膨れっ面のチェギョン・・・

そろそろ普段なら夕食を摂っている時間だ

この短い交際期間の中で、シンはチェギョンについて学んだことがある

それは・・・空腹時や眠い時には機嫌が悪くなるというものだった

いくら機嫌を取ったところで、空腹のままではチェギョンの機嫌は直らない

(まずは食事からだな・・・)

シンは見合いの時に連れて行ったレストランに車を走らせた

そして・・・今日はいつもの席に座ることができた

味もさることながら雰囲気もとても良い、シンのお気に入りの店

なのにチェギョンは食事を楽しむどころか、ただ闇雲に口に物を運んでいるだけで

シンが何か話しかけても、上目遣いに睨みつける始末・・・

(これは・・・相当手ごわいな・・・)

折角の美味しい料理も食べた気がしないまま店を出たシンは、チェギョンを乗せると再び車を走らせる

『チェギョン・・・お母さんに帰宅が遅くなると電話しておけ。』
『えっ?もう帰るんじゃないの?』
『行くところがある。すぐに電話しろ。』
『・・・わかった。』

チェギョンはすぐスンレに連絡を入れ、シンと何も話さないまましばらく時が流れた

だが・・・市街からかなり遠ざかり、暗く細い道を走っていく車に少し不安になったのかついシンに問い掛けた

『一体・・・どこに行くつもり?』
『もう少しで到着する。』
『でも辺りが真っ暗だよ。対向車もまったく来ないし・・・』
『心配するな。』

やがて車は山道を登っていく

『シン君・・・こんな山道を登っても大丈夫?』

かなり不安になってきたのか、心細い声でチェギョンが呟く

膨れっ面もかなり緩和されたようだ

『もう少しだ。』

斜面を登っていた車は平たんな道を走るようになり・・・やがてシンは車を停めた

『シン君・・・ここ・・・どこ?』
『あぁ?ただの山だ。』
『こっこんなところに車を停めてどうするの?』
『いいから降りてみな。』

車のエンジンは掛けたままにし、車内の明かりだけ灯しシンは車から降りて行った

そして助手席側に回ると、チェギョンを車から降ろした

『ね・・・ねえ、せめてヘッドライトくらい点けていた方がいいんじゃ?』
『いや・・・すぐに目が慣れる。こっちだ。』

シンはチェギョンの手を握りしめると、先導して歩いていく

夜空には満天の星が煌めき、徐々に目が慣れてきたチェギョンは不安な気持ちもどこかに消え去り

なんだかワクワクした気分になっていった

『チェギョンここだ。見てみな。』

シンに促されシンの示した方向に目を向けると、一面にソウルの夜景が広がっていた

『わっ・・・なに?これ・・・』
『俺たちの住んでいる街だ。綺麗な夜景だろう?』
『うん。』

夜景をもっと近くで見ようと一歩前に踏み出そうとしたチェギョンを、シンは抱きとめるといった

『チェギョン・・・足元見てみろ。それ以上行ったら山から落ちる。』
『ひ・・・ひぃ~~~っ・・・すごく危ない場所じゃん。』
『あぁ。だからこそ綺麗なんだ。』
『ほぉ・・・危なかった。』

落ちないようにシンにしがみついたチェギョンは、その姿勢のまま夜景に見惚れている

『あぁそうだ。これを・・・』

シンはポケットの中から何かを取り出すと、それをチェギョンの首元に回し留め金を留めた

『えっ?なあに?』
『二つ目のプレゼントだ。』
『ネックレス?』
『あぁ。記念に・・・』
『ん?なんの?』

既にチェギョンの頭の中から、怒りはすっかり消え去ったようだ

『これの・・・』

シンはチェギョンの唇をそっと食んだ

『ファーストキスの・・・』

口元に響くシンの声に、ついうっとりしてチェギョンは目を閉じた

何度も唇を食みながらチェギョンの下唇をシンは吸う

『んっ・・・』

シンの腰に回したチェギョンの腕に力がこもる

大学で触れ合った時と違い、シンの唇の熱ささえ感じられる長いキス

漸くその唇を離した時、チェギョンは思わず溜息を洩らした

『はぁっ・・・』
『これで許して貰えるか?』
『えっ?』
『ご機嫌斜めだっただろう?』
『あっ・・・はぁっ・・・もう忘れてた。』
『これからはこんなキスを毎日してもいいんだよな?』
『う・・・うん・・・///』
『じゃあ…あまり遅くなるとお前のお母さんが心配するから送っていく。』
『えっ?も・・・もう?』
『くっ・・・日付が変わってしまうぞ。』
『もうちょっと・・・この夜景を眺めていたい・・・』

好きな人に抱き締められて見る夜景は、チェギョンにとって格別なものがあった

そしてそれはシンにとっても同じだった




一方・・・シンとチェギョンのキスシーンに感化されたギョンは、やはり夜景の見える高台にある公園で

ガンヒョンにキスを迫っていた

『ガンヒョン・・・』

近づいてくるギョンの唇に、思わず掌を押し当てて断固拒絶の姿勢を崩さないガンヒョン

『アンタね・・・あの二人に便乗しようだなんて間違ってる。アタシはそんな軽い女じゃないわ。
さぁ帰るよ。おば様がお夕飯待っているでしょう?早く帰らないと…もう二度と逢ってあげないからね!』
『わ…わかったよガンヒョン・・・』

ギョンにはまだそのタイミングが訪れていない様だった


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なんだか吹いている風が台風を予感させて嫌だわ。
すっかり涼しくなってしまいましたね。
アタクシ・・・マジカルキューティーは
夕方家の中にしまう日々なんです。

そうそう!最近新しいドラマ不足でして・・・
日本語吹き替え版があるドラマで
お勧めってないですか?
あったら教えてください~~❤





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