『チェ尚宮さん…こんな感じでいかがですか?』
地方公務の朝、着替えたチェギョンはカッチリとした白のスーツスタイルだった
『妃宮様・・・本日の公務は国営のフラワーパークですから、もう少し柔らかい感じのものの方がよろしいかと・・・。』
『柔らかい感じって・・・う~~ん、これなんかどうでしょう?』
クローゼットの中からチェギョンが出してきたのは、小花がちりばめられた薄手のスーツだった
『こちらの方がよろしいかと存じます。公園の中を散策することになりますから、
ヒールは低めの方がよろしいかと・・・・』
『解りました~♪』
チェギョンは再び着替え、そのフワフワな素材のスーツを身に纏った
(ん~~フレアースカートが揺れて広がるからとてもいい感じ~~♪)
多分シンはそのスーツが気に入るのではないかと思い、鏡の前で胸を膨らませた
『妃宮様・・・髪をセットしましょう。』
『あ・・・はい。』
チェギョンはドレッサーの椅子に座り、チェ尚宮の手に髪を委ねた
ふんわりとカールされていくチェギョンの髪・・・
ただそれだけで大人のレディになったような気がする
『いかがですか?』
『すごく素敵・・・』
『殿下もきっと妃宮様の愛らしさに目を奪われると思います。』
『え~~っ///そうかな~~♪えへへ~~❤』
宿泊用の荷物をチェ尚宮に預け、チェギョンは部屋から出て行った
するとやはりシンは廊下でチェギョンを待っていた
『チェギョン///』
『あはは・・・どうかな?』
『とてもよく似合ってる。そのスーツが一番似合うと思っていた。』
『でしょ~♪そうじゃないかと思ったんだ。』
『では…出掛けようか。』
『うん~♪』
皇太子夫妻と仕える者達を乗せた何台もの公用車は、連なりながら地方の国営公園に向かって出発した
『シン君・・・結構ラフな感じだけど本当に大丈夫?』
『あぁ。そこは花で囲まれた素晴らしい公園だ。お前自身が花のようだから、見間違うかもしれないな。』
『髪もカールしてもらったんだよ。ほら・・・』
ゆるくカールさせた髪を手で掬いシンにチェギョンは見せた
シンはそれを手に取ると目を細めた
『とても可愛い。』
『///可愛い?///』
『あぁ。とっても・・・///』
こんな会話を聞かされているイギサとコン内官は、とても迷惑だろう
公務先まではまだ時間がかかる
途中の御用邸に昼食を摂るため立ち寄った一行は、その場所で食事を済ませた
『シン君・・・空気が違うと食事も美味しいね。』
『あぁ。とても美味しく感じるな。』
食事の用意をしているのは宮殿に仕える者ばかりなのだから、味に変化があるわけではないのだが
初めて二人で出掛けられる喜びで、二人は食事が格別美味しく感じられたらしい
再び国営公園を目指す一行・・・
昼食を摂り終えて再び出発してから一時間半ほどで、その国営公園は見えてきた
公園の周囲には皇太子夫妻を一目見ようと、周辺住民が押し寄せ相当な混雑をみせていた
地元警察の案内の元、無事公園内に車を乗り入れた一行
皇太子夫妻はまずシンが車から降り、その後にチェギョンが続いた
初めて公務にやってきたチェギョンには、国民の視線が集まった
『妃殿下…可愛い~♪』
『とってもお綺麗な方だわ。』
ほとんどはそんな賛美の声が聞かれたが・・・やはり中にはアンチも存在した
『ねえ・・・確か全国民の中から選ばれた皇太子妃よね?あの程度?』
『もっと綺麗な子はゴロゴロしてるだろう?』
本来であればそんな言葉を耳にし、≪しゅぴーん≫と棘を出しそうなチェギョンだったが・・・今回は違った
シンの方がその言葉に憤りを感じ、思わず拳を握りしめたのだ
そんなシンの様子にいち早く気が付いたチェギョンは、シンにこっそり告げた
『シン君・・・気にしないの。あれは・・・私を選ぶための出来レースだったんだから
そういう声があっても当然なの。私は婚姻前も婚姻後も妃殿下の品格を身につけるために努力してきた。
だから怒らないの。シン君も・・・怒らないで。』
そういうとチェギョンはアンチな発言が聞こえた方向に、満面の笑みで手を振った
『そうだな。お前の言うことが正しい・・・』
シンもチェギョンに教えられたと納得し、クールに微笑むと同じ方向に手を振った
そして何事もなかったかのように、二人は再び歩き出した
『くくっ・・・チェ尚宮の訓育は大したものだな。お前が怒らないなんて・・・』
『怒らないよ。だって国内には私より綺麗で私より可愛い人なんてたくさんいる。
でも・・・シン君がお嫁さんに選んだのは私でしょう?
だから皇太子妃らしくちゃんと振る舞わなくちゃね♪』
『あぁ。偉いなチェギョンは・・・こんな短期間で立派なプリンセスだ。』
『えへへ♪』
『式典が終わったら、俺がプロデュースした噴水を見に行こう。』
『えっ?シン君がプロデュースしたの?』
『あぁ。この公園ができる時に原案だけ関わった。もちろんちゃんとしたデザイナーが設計したものだ。
だが俺にとってはとても思い出深い公園なんだ。』
『すごく楽しみ~♪』
自分でカメラが持って来られたら、どんなに素敵な写真が撮れたことだろうと残念に思うシン
その分…カメラに精通している一人のイギサに、二人の写真を撮ってくれるよう依頼してあった
シンにとっては想い人との大切な新婚旅行なのだから・・・
今日は~ママ友が遊びに来ていて
夕方までいたものだから
短くてゴメン~~!
続きはまた金曜日にね~~★