Quantcast
Channel: ~星の欠片~
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1451

グランマ一件落着

$
0
0


鳴り出したチェギョンさんの携帯・・・チェギョンさんは発信者を確認し、慌ててその電話を取ったわ

『お義父様・・・』

えっ?夫なの?シンじゃなくて・・・

私はその会話に聞き耳を立てる

『チェギョンさん・・・一体どこにいるんだい?帰宅したら家族が誰もいなくて、しかもメイドは≪家出されました。≫と
いうじゃないか。私はもう驚いて・・・』

だったらなぜ私に電話してこないの?さてはシンの差し金ね・・・

『すみませんお義父様。少し腹に据えかねることが起こったものですから・・・』
『すぐに帰って来ておくれ。シンと二人じゃ食事だって楽しくないだろう?』
『いえお義父様、申し訳ありませんがこの事態が解決するまでは帰れません。』
『チェギョンさ~~ん!』

チェギョンさんが電話を切ろうとしたその時、どうやら敵はこの電話を掛けさせた当人に代わったみたい

『チェギョン!』
『シン君・・・』
『一体どういうことだ。母さんを巻き込んでなぜこんな馬鹿げた真似をする。』

や~ね~言い出しっぺはこの私よ!

『シン君・・・自分の胸に手を当てて、よ~く考えてみたらいいわ。』
『心当たりは何もないが・・・』

しらを切るシンにチェギョンさんは怒りで顔を赤らめた

『そう。だったら当分メイドさんのお世話になってね。』
『ちょっと待て!チェギョン・・・一体何のことだ?はっきり説明をしてくれ。』
『シン君・・・あなたはピョルの担任に電話して何を言ったの?』
『・・・あっ・・・』

心当たりはやはりあったようね

『そういうことだから・・・。お義母様も私もそんなシン君が許せないのよ!じゃあね。』

チェギョンさんは携帯を睨みつけながら電話を切ったわ

そして大きな溜息を吐いた

『はぁ・・・』
『チェギョンさんお疲れ様。』
『ママ・・・大丈夫?こんなことして・・・』

私とチェギョンさんは同時にピョルの頭を撫でた

『大丈夫よ。ピョル・・・』
『そうよピョル。卑怯な行いには抗議しなくっちゃね♪さあ食事をしてしまいましょう。いつ何時あの二人が
押しかけてこないとも限らないわ。』

中断していた夕食に手を伸ばし私達は口に運び始めた

いつも大好物のおかずなのに、不思議ね・・・場所が変わってあの二人がいないというだけで

いつもほど美味しく感じないのよ

でもそれはチェギョンさんを始め孫たちも同じ気持ちだったみたい

やはり家族なのね

いえいえ・・・弱気になてはいけないわ

ここはシンとはっきり勝負がつくまで頑張らないと・・・




食事が終わり後片付けをしている時・・・ハヌルとウォルは浴室に向かったわ

お兄ちゃんのハヌルがウォルの面倒を見てくれるから、最近ではお風呂に二人で入るの

私とチェギョンさんは使った食器を洗いながら、なんとなく後味の悪い想いに駆られている

『お義母様・・・お義父様とシン君、ちゃんと食事したでしょうか。』
『大丈夫よチェギョンさん。メイドさんがしっかりやってくれている筈よ。』
『そうですよね。』

そういいながらもやはり少し元気のないチェギョンさん

私はそんなチェギョンさんを激励するように、強気な発言をしてみたわ

『シンが・・・心から反省するまでの辛抱よ。今ここで仏心を出したら、ピョルの未来は閉ざされてしまうでしょう?』
『そうですねお義母様・・・』

全く・・・これじゃあ私の子はシンではなく、チェギョンさんみたいだわ

チェギョンさんが洗ったお皿を私が拭いて食器棚にしまう

そんな時・・・慌ててピョルがキッチンに駆け込んでくる

『グランマ・ママ・・・グランパとパパが来ました。』
『えっ?もう?』
『私の部屋の窓の下にいますぅ・・・・どうしよう。』

私とチェギョンさんは濡れた手をタオルで拭いて、ピョルの元の部屋に向かい窓の外を

カーテンの隙間から覗き見た

すると・・・

『チェギョン・・・』『ミン・・・』

なんて恥ずかしいことを・・・二人は窓を見上げて私たちの名前を呼んでいた

財閥の総帥とその跡取り息子が・・・なんて情けないこと!

『お義母様どうしましょう。』
『仕方がないわね。ここで話し合いをしましょう。』

私はピョルを下がらせてカーテンを開けると、チェギョンさんと共に窓から顔を出した

『チェギョン!!俺がピョルの担任に電話などしたから、抗議の家出なのか?』
『ええそうよ。ピョルには自分で未来を切り開いていけるだけの力があるわ。
いくら父親だからって、シン君・・・あなたにその未来を阻む権利はないわ。
ピョルの前途を私は全面的に応援している。だからシン君がもし、ピョルの希望を
聞き入れるだけの度量がなければ、仕方がないわ。離婚も考えるわ。』

もちろんそれはハッタリだろうと私は思った

だってチェギョンさんの手は微かに震えているもの・・・

私もチェギョンさんの応援をしてみるわ

『シンが納得しない様なら、私も離婚してここにみんなと一緒に住むわ。』

言っている自分でも意味が分からないわ

でも夫はすごく困った顔でシンに哀願した

『シン・・・今すぐ担任の先生に連絡するんだ。ピョルの未来はピョルのものだよ。
我を張るのはもうやめなさい。』
『つっ・・・』

俯いたシンは必死に自分の気持ちに折り合いをつけているように見えたわ

『わかった。わかったからチェギョン・・・家に帰ってきてくれ。』
『担任の先生にはどうするの?』
『今夜はもう遅いから、明日必ず訂正の電話を入れる。だから・・・』
『でもハヌルとウォルはもうお風呂に入っちゃったわ。湯上りに移動なんかしたら風邪をひかせてしまう。
今夜はここに泊まって明日帰るわ。』
『明日?』
『ええ。明日・・・』
『わかった。必ず明日、全員で戻って来てくれ。』
『約束するわ。シン君が約束を守ってくれたらね。』
『俺は絶対に約束を守る・・・』

未練たっぷりの顔をしながら、二人は車に乗り込んみ家族のいないイ家に戻っていったわ

『はぁ~ピョル・・・良かったわね。これでもうパパは、ピョルの進路に文句はつけない筈よ。』
『うん。ありがとうママ。グランマもありがとう。』
『いいのよピョル。安心したわ。ねえチェギョンさん・・・今夜は客間にお布団並べて全員で寝ましょうよ。
キャンプみたいで楽しいわ。』
『そうですねお義母様・・・』

チェギョンさんは急遽あと二組の布団を敷き、その晩は五人で枕を並べて寝たわ

孫三人とお嫁さんとこんな密な時間を過ごせるなんて、私・・・本当に幸せ者よ~おほほほほ~♪


イメージ 1

家出騒動もあっという間に解決。
本当に良かったです。

ところでね・・・うちの長男君
昨日サークルの友人たちと
奈良弾丸ツアーを決行したんです。
卒業する先輩へのビデオレターを撮りに行って
シカに追いかけられたらしい(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
お土産は八つ橋でした❤

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1451

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>