チェギョンがシンの皇子ルームに向かっている頃、ギョンの皇子ルームには既にガンヒョンが訪れていた
『ギョン~~来たわよ!!全くどうして年上のアタシが、アンタに逢いに来なきゃならないのよ!!』
『そう言わないでよガンヒョン。まさか俺がガンヒョンの教室に、宮廷弁当届けさせるわけにはいかないだろ?
今日はガンヒョンの分も用意したんだよ。一緒に食べよ♪』
『ふんっ・・・仕方ないわね。確かにアンタに教室に来られちゃあ、アタシもちょっと困るわ。』
『えっ?困るの?』
『あ・・・そう言う意味じゃなくて、まかりなりにもアンタは皇子だからね。』
『あ~そう言う意味か。よかった。さぁ食べよう♪』
ガンヒョンがギョンの向かいのソファーに腰を降ろした時だった
<トントン>
隣の部屋でノックの音が聞こえた
『あら?シン皇子のところ・・・お客さんかしら。』
『ガンヒョンも知ってる人じゃないの~~?ふふふ・・・』
その時聞こえてきた声・・・『チェギョンです。』驚いたガンヒョンは、ギョンに問いかけた
『えっ・・・どうしてチェギョンがシン皇子の部屋に?』
『男女の間には、当人同士じゃないと解らない何かがあるのさ~~♪』
『ちょっと待って・・・まさかチェギョンは・・・』
『うん、恐らくそうだと思う。』
『拙いわよ。それってすごく拙いわ・・・』
『二人共言うに言えないんじゃないのかな。一方はあまり感情表現が豊かじゃないし、
もう一方はおとぼけさんだからさ~♪ふふふ・・・
だからさ~ガンヒョン。あの二人は兄弟間に敵を作ってしまうわけさ。
でも・・・どうも惹かれ合ってるみたいだよ。せめて俺達だけでもあの二人を見守ってあげない?』
『う・・・難しい問題だけど、見守るしかないわね。だって姉妹の中でも、いつも残り物を待ってるような子よ。
そんなあの子が主張するなら…よほどの事だわ。』
『そりゃあ主張だってしなきゃダメでしょ!だって結婚は一生の問題だよ。』
『ギョン・・・アンタひょっとして、けし掛けた?』
『いいや~~ちょっと意見しただけさ~ははは♪』
ガンヒョンはギョンと食事を摂りながら、隣室のシンの皇子ルームが気になって仕方がなかったようだ
<トントン>
『チェギョンです。』
『どうぞ。』
チェギョンはシンの皇子ルームに入ると後ろ手で扉を閉めた
『掛けて。』
『は~い。あ!”シン皇子、今日はまだご飯食べてるっ♪私も一緒に食べようっと。』
『あぁそうしてくれ。』
もぐもぐ・・・もぐもぐ・・・二人共なぜか無言である
そして互いに話しかけようとして視線がぶつかり、それと同時に目を逸らす
(あ~~こんな事ではいけない。話を切りださなくっちゃ・・・)
そう思ったチェギョンは意を決してシンをじっと見つめ、口を開いた
『あのさぁ・・・』『あのな・・・』
何かを言い掛けたタイミングも一緒だった。そして二人共また無言になる
『シン皇子からお先にどうぞ。』
『いや、チェギョンお前が先に・・・』
『じゃあ・・・私が先に・・・あのさぁ・・・今回の結婚問題についてなんだけど・・・』
『あぁ。』
『シン皇子は・・・ヒスンかスニョンに結婚相手を決めるの?』
『なぜそんな事を聞く?』
『えっ?あ・・・ん~~・・・・すごく言い難いんだけど・・・』
『つまり・・・お前もその候補に入りたいのか?』
『ううん。』
『じゃあなんなんだよ!!』
『私に・・・しないかなぁ~~~って思って・・・』
『あぁ?』
顔を顰めて身を乗り出してくるシンに、チェギョンは気分を害してしまったと思い慌てて顔の前で両手を振った
『う・・・うそっ!!冗談だってば!!そんな怖い顔しないで。』
『冗談なのか?俺は・・・本気かと一瞬思ったんだが?』
『えっ?冗談にしなくてもいいの?』
『あぁ、実は俺も同じ事を言おうとしていたんだ。』
『えっ・・・なぜ?』
『お前は面白いから・・・お前の理由はなんだ?』
『シン君が結婚相手なら、結婚してからも漫画を描かせてくれるかなって思って~~。
ほら~~結婚してからだったら、キスシーンだってもっと上手に描けるようになるだろうし
更にはベッドシーンだって・・・』
『お・・・おいっ!!ベッドシーンって・・・』
『あっ・・・///』
ウブなのかしたたかなのか自分で言ってしまった言葉に過剰反応し、チェギョンの頬は真っ赤に染まった
『っつ・・・つまりお前は、夫婦生活を漫画のネタにしようって言う魂胆なのか?』
『いやっ・・・そうじゃなくて・・・シン皇子なら、その辺りも理解してくれて
こっそり描かせてくれるかもって思った・・・んだけど。』
『随分甘く見られたものだな俺も・・・』
『違うよ~~!ただそれだけってわけじゃない。だって・・・一生のことでしょう?そう思ったから・・・
でも・・・もういいや!ファン皇子かユル皇子にするからいい。もう漫画なんか描けないんだ・・・』
しょんぼりと肩を落とし唇をアヒルの様に歪めたチェギョンに、シンは慌てて口を開いた
『待てっ!早合点するな・・・勝手に完結させるな。俺もお前となら喧嘩しながら暮らせるかもって
少し思ったところだ。漫画も内緒で・・・描いても構わない・・・から・・・』
『ホント?漫画描いてもいいの?』
半ベソをかいていたチェギョンの表情は一転し、シンに笑顔を向けてくる
(結局こいつ・・・漫画が描きたい為だけか?)
そう思いながらももう後には引けないシンは、チェギョンに向かって頷いて見せた
『あぁ。あくまでも内緒だからな!!』
『うん!うん~~~♪でも・・・今更どうやって自己主張したらいいんだろう。』
『ひとまず兄弟に言ってみるか?』
『言えるかなぁ・・・殺されそうだけど・・・。』
『あぁ、それは俺も同じだ。とにかくまた週末に宮殿にやって来るんだろう?
最悪の場合は・・・その時にアクションを起こすしかないな。』
『アクションを起こす?』
『あぁ。その時は俺の指示に従え。』
『うん。解った~♪』
漸く食事を摂り終えた二人・・・片づけられたテーブルの上に、チェギョンの漫画が置かれ
シンは前回ダメ出しをしたキスシーンのページを開くと、その絵をまじまじと見つめた
『どう??今度は大丈夫?』
『ちょっと待て・・・こうだろう?腰に腕を回して反対の手で首を捉え引き寄せる。
そうして首を傾げて・・・≪チュッ❤≫・・・あっ・・・』
『あっ///・・・』
『あ~~・・・』
二人は見つめ合っていた目を逸らし、互いに顔を赤く染めた
『あ・・・っと・・・シン皇子、今のは一体・・・』
『たっ・・・ただの触れ合いだっ・・・』
ついキスシーンの再現をしているうちに、うっかり触れてしまった唇
二人はバツが悪そうに顔を赤く染めながら、先程の出来事を誤魔化すかのように携帯番号の交換をする
そしてなんだかぎくしゃくした動きのままチェギョンは教室に戻って行った
チェギョンが去って行った後、シンはその唇に指先を当て心の中で呟いた
(あいつ・・・言う事は大胆なくせに意外と純情なんだな。くくっ・・・)
シンもチェギョンもそれから週末まで、何度も兄弟姉妹に互いの事を打ち明けようとした
だが・・・シンにしてもチェギョンにしても二人を結婚相手にしようと躍起になっている兄弟姉妹に
言いだすことはできず結局週末がやってきてしまった
約束の週末・・・宮殿にやって来たシン家五姉妹は、三陛下と五人の皇子と昼食を共にした
そのあとはもちろん、結婚に向けての準備段階に入るわけだが・・・前回西宮殿を案内できなかったユルは
誰よりも早く口を開いた
『チェギョン・・・今日は僕の住む西宮・・・』
ユルが言い終わらないうちにシンは意を決して、チェギョン獲得の為の自己主張を敢行した
『チェギョン・・・東宮に行こう。』
チェギョンの前に立ち微笑んで話しかけるシン。チェギョンも胸中は穏やかではないが、シンに微笑み返した
『うん♪』
シンはチェギョンの肩を抱くと東宮にチェギョンを連れて行こうと歩き始めた
その二人の背中には納得のいかない兄弟姉妹たちの声が投げつけられた
『チェギョン・・・あなたどういう事よ!』
『今更何言ってるの!』
『シン・・・お前、それは反則だろう?』
『こんな仕打ち・・・あり得ないよ。』
同じ様な罵倒する言葉が、二人の背中に突き刺さる
無視して行こうとするシン・・・だが、その時チェギョンは足を止め、その場所で罵倒する兄弟姉妹に振り向いた
『恋は・・・早い者勝ちなんかじゃない!!私はシン皇子に決めたのっ!!』
いつもおとぼけなチェギョンの強気な言葉に兄弟姉妹が呆気に取られているうちに、
シンは再びチェギョンの肩を抱くと、東宮に向かって歩き始めた
まあね・・・耐えてゾーンと言っても
兄弟姉妹間のことなので、それほど大きくはない・・・はず。
(≧▽≦)ノ”ギャハハハ!
土日はお話の更新はお休みして
ふぅめる通信をお送りいたします❤
兄弟姉妹間のことなので、それほど大きくはない・・・はず。
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